ユーザーレビュー すべては救済のために デニ・ムクウェゲ / ベッティル・オーケルンド / 加藤かおり アフリカのコンゴで、想像を絶する凄惨な性暴力の被害を受けた女性たちの治療にあたり、現状を国際社会に訴え続けるムクウェゲ医師。その生き方や考え方を知れる一冊。 幼少期から紛争に巻き込まれた一市民としての経験がリアルに語られると共に、コンゴの歴史を垣間見ることができます。衝撃的なストーリーが次々に語ら...続きを読むれていくのですが、自分や家族を身の危険にさらしてでも活動を続ける、彼自身の行動と強い絆で結ばれた家族のあり方にリスペクトを感じずにはいられませんでした。 コンゴの問題や、難しい問題に立ち向かうムクウェゲ医師の生き方に興味のある方は是非読んでみてください。 Posted by ブクログ すべては救済のために デニ・ムクウェゲ / ベッティル・オーケルンド / 加藤かおり 徳島ヴォルティスに所属するバケンガ選手の叔父さんの自伝。 医療において信仰が及ぼす力の大きさを繰り返し述べられているのが印象的だった。 Posted by ブクログ すべては救済のために デニ・ムクウェゲ / ベッティル・オーケルンド / 加藤かおり 世界には日本では考えられないようなことがたくさん起きていて、 そこで、こんなにも厳しい目にあいながらも信念を持って立ち向かう人がいる。 信仰が人を支える、救うという言葉がまっすぐに届く。 信仰がなければ生きていけないような、 人は許せないようなこともたくさん起こすけれど、こんなにも強く生きる人もいる...続きを読むのだと、本当に素直に尊敬する。 何もできないけれど、せめて、あなたのしていることはすごいことだとたくさんの人に伝えたい。 Posted by ブクログ すべては救済のために デニ・ムクウェゲ / ベッティル・オーケルンド / 加藤かおり アフリカ中央部コンゴ民主共和国の産婦人科医が書いた性暴力撲滅を訴えた本 ある意味自国の告発本だ この国のレイプ事件は酷いらしい 被害者の女性たちや妊娠出産時においての治療を行ってる またある時は、牧師という側面を持っている 昨年(2018)ノーベル賞をもらっている著者 この本を読めばその理由が良く解...続きを読むる “すべては救済のために” 暴力は絶対ダメと言いたい Posted by ブクログ すべては救済のために デニ・ムクウェゲ / ベッティル・オーケルンド / 加藤かおり 2019年11冊目。 これは本当に多くの人に読んで欲しい。2018年ノーベル平和賞を受賞したコンゴ民主共和国の産婦人科医、デニ・ムクウェゲさんの自伝。 「世界最悪の紛争地」「第二次世界大戦以降540万人以上の人々が理不尽な理由で亡くなっている」...コンゴの状況は、いくつかの情報源からある程度知...続きを読むってはいた。だけど、実際に現地で生まれ、現地に根付いて活動されている方の言葉から知る現状は、想像をはるかに超えるものだった。ここに言葉として書くのがはばかられるほど、性暴力の嵐の中にいる現地の女性たちの立場は厳しい。厳しいなんていうものじゃない。この世の沙汰とは思えない。 性暴力は、「安上がりで」「効率の良い」「武器」として使われているという。女性を壊し、夫の立場を崩し、家族を崩壊させ、コミュニティに打撃を与える手段として、意図的に使われる。ただでさえ女性の地位が低いコンゴにおいては、被害にあった女性こそが罪悪感を抱かざるを得ず、自らコミュニティを離れなければならないことも少なくないという。何重にも重なる苦痛で、時を越えて苦しむ苦悩。 デニ・ムクウェゲさんは医師として、そんな女性たちを、本人の言葉を借りれば「修理」し続けてきた。この言葉が良いのか最初戸惑ったが、女性たちが受けているひどすぎる傷の描写を思えば、皮肉だが正しく思えてしまう。反政府勢力の暴力の真っ只中で、政府側の無関心や脅しの真っ只中で、部族間の争いまで起こる真っ只中で、次々と被害者が生まれる最前線で、4万人以上の女性たちを治療してきたという。 この本を読んだいま、この人がノーベル平和賞を受賞した意味をあらためて噛みしめる。受賞の瞬間の現地の人たちの喜びをとらえた写真を見た。豊富な天然資源の恩恵を世界に与えながらも、苦境に対しては関心を寄せてもらえなかった人々の顔。世界が知らないところで理不尽な暴力に脅え、耐えてきた人々のあの喜びは、「これで世界は私たちのことを知ってくれる」という喜びだったんじゃないか、と思えてならない。 コンゴの負の現状を世界に知らせることは、(少なくとも前の)政府にとっては好ましくないことだったよう。だからデニ・ムクウェゲさんは何度も脅迫を受けてきたし、様々な勢力による攻撃から死の瀬戸際を味わった経験も驚くほど多い。苦境にある人々に手を差し伸べている方だとは知っていたけれど、ご自身も命の危機を何度も乗り越えられてきた方だということは、この本で初めて知った。 しかし、それらの危機を、ちょっと信じられないような奇跡を通じて毎回乗り越えられてきた。命の危機とまではいかなくとも、念願の医者になるための人生の中でも、何かに愛されているとしか思えない偶然によって歩んできている。僕自身に信仰心はないけれど、「さすがにこの人は神様に導かれているんじゃないか」思ってしまうほどの人生。そこの面に目を向けても読み物として十分興味深いと思う。 モブツが政権を握った時代、西洋風の名前は禁じられ、彼の名前は「ムケンゲレ」になったそう。その意味は、「忘れられない人」。僕にとってまさにそんな存在になったし、この人の存在を通じて、コンゴが世界にとって「忘れられた場所」にならないことを祈りたい。 Posted by ブクログ デニ・ムクウェゲのレビューをもっと見る