清水晴木のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
誰にでもいつかはやってくる別れの日。その後にもしも、誰かに会いに行くことができたとしたら、最後に会いたいと望むのは誰だろう。そんなことを考えさせられる一冊でした。
『さよならの向こう側』は、死んでしまった人が生まれ変わりをする前に二十四時間だけ、現世に戻って会いたい人に会うことができる、という不思議な場所。けれど、大切な条件が一つ。それは、自分が死んでしまったことを知っている人には会えないということ。
次々に訪れる死者たちは、案内人の説明を聞いて驚いたり、嘆いたり、投げやりになったり、様々な感情をあらわにしながら、死んでしまった自分と、そんな自分が最後に会いたいのは誰なのかを探っていき -
Posted by ブクログ
6冊目の清水晴木さん。
こちらは作家デビュー10周年記念作です。
ベージュと黒のマーブル模様の400年生きてきた猫のエル。彼が出会ったのは…
母やクラスメイトとの関係に悩む女子中学生。
パワハラにあい自死を考えるアラサーの会社員。
父の死を看取れなかったことを後悔し続ける豆腐屋。
余命宣告を受け入院中の50代女性。
人間の言葉を話す猫のエルが、様々な事情を抱えた人々に寄り添いながら生きる意味を問う、4章からなる連作短編集です。
エル自身も自分の生き続ける意味を探しています。読んでいて、佐野洋子さんの絵本『100万回生きたねこ』を思い出しました。
最後、やられた…めっちゃグッときてほろり