清水晴木のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
誰にでもいつかはやってくる別れの日。その後にもしも、誰かに会いに行くことができたとしたら、最後に会いたいと望むのは誰だろう。そんなことを考えさせられる一冊でした。
『さよならの向こう側』は、死んでしまった人が生まれ変わりをする前に二十四時間だけ、現世に戻って会いたい人に会うことができる、という不思議な場所。けれど、大切な条件が一つ。それは、自分が死んでしまったことを知っている人には会えないということ。
次々に訪れる死者たちは、案内人の説明を聞いて驚いたり、嘆いたり、投げやりになったり、様々な感情をあらわにしながら、死んでしまった自分と、そんな自分が最後に会いたいのは誰なのかを探っていきます。手元に残されているのはたった二十四時間。自分の死を知らない人にしか会えないという縛りの中で、彼ら、彼女らが最後に望んだ会いたい人。
十人十色、一人一人に色々な出会いや生き方があって、別れがあった。そんな人生を垣間見るような切なくて、どうしようもなく愛しい最後の物語を読ませてもらえる作品でした。
誰かの死が、誰かの生が、他の誰かに影響して広がっていく。この物語の登場人物たちのように、自分にももしかしたらそんなつながりが誰かと持てたのかもしれない。これからも持つことができるのかもしれない。そう思ったら、これからの人生も大切に生きていきたいような気持ちになりました。
もしも、このお話のように、命が終わってしまったその後で、誰かに会いに行くことができるのなら。
最後の時に会いたいと思える人が、私にもいてくれたらいいなと思います。