二木真希子のレビュー一覧
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先の精霊の守り人で登場した大呪術師トロガイの秘密がこの巻で明かされます。52年前のトロガイの娘時代に遡り、何故呪術師となったのかが語られるのですが…
バルサがユグノという素晴らしく声の良い歌い手と出会った頃、トロガイの弟子であるタンダの姪、カヤが突然眠りから覚めなくなります。カヤの眠り続ける原因を探るタンダは、花番の罠に引っ掛かり、恐ろしい化け者の体にされてしまいます。バルサはタンダを救うべく花守りと死闘を繰り広げます。
夢の世界は誰でも心地よく、覚めないで欲しいと思うけれど、いつまでもその世界にいるわけにはいかない。人生の先を見てしまい空しさに囚われてしまうと魂は、時に抜け出して異世界を彷徨 -
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◆王の奸計により父を殺された少女バルサと、暗殺者の魔の手から親友の娘バルサを救ったがゆえに反逆者の汚名を着ることになったジグロ。ふたりは故国を捨て、酒場や隊商の用心棒をしながら執拗な追っ手をかわし流れ歩く。その時々に出会った人々もまた、それぞれの過去を抱えて流れ行く者たちであった。
地に足のついた里の暮らしと、そこからはみだしてしまった者の悲しみを描く「浮き籾」
バルサがラフラ〈賭事師〉の老女と出会い、その生き様を目にする「ラフラ〈賭事師〉」
護衛士暮らしの中でバルサが初めて命のやりとりをする「流れ行く者」
幼いタンダの思いに心温まる「寒のふるまい」
の四編を収録。
バルサが、そし -
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ネタバレシリーズの途中なので評価が難しい。
面白かった。それは間違いない。
何が正しいのか、何を求めているのか、アスラが自分自身に問いかけた時、本当を言うと、自分なら、自分だけでは戻れないのではないかな、と思った。ことに、激情に絡めとられてしまったら。
「悪に堕ちる」という意味では、スターウォーズのダースベイダーが、なぜ、暗黒面に堕ちてしまったのか、実は、まだ腑に落ちていない。それほどの強い理由(暗黒面に堕ちなければ、本当にパドメは救えなかっただろうか?)は、どこにあったのだろうかと。
アスラの場合は、その逆で、あれほど貶められ、蔑まれて育ってきながら、どうして帰還することができたのだろう?
何か見 -
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設定が近未来的なせいか、デビュー作だからか、なんとなく薄っぺらい印象。
児童文学なためかひらがな表記が多く、読み進めるのに難儀しました。
環境破壊が進み、住むことの適わなくなった地球から離れた人類が辿り着いたナイラ星が舞台。
彼らは先住民を「野蛮」と蔑んで迫害し、資源を独占する。そして自分たちのユートピアを築きあげたのだった。もちろんそんな歴史は、政府の思惑により何重にも包まれたオブラートで美化されている。
環境破壊、強奪、実力支配、黒歴史には蓋を。
ファンタジーでありながら、現代社会の歪を写しとっている筆致はさすが上橋さんと言える。
ぜひ大人向けに、漢字を増やして文庫化してほしいものです -
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守り人シリーズ8作目です。
このシリーズを読み始めてから、ずっと違和感というか、変な感覚を感じていました。
それを、私は“感情面をあまり深く描いていないから”だと思っていたのですが、今作の井辻朱美さんの解説を読んで、『あぁ、こういうことだ!』と納得しました。
この作品は“一つの場面の中で、語りの視点が外部のカメラになったり、つぎつぎに複数の人物の内面のつぶやきになっていったりするだけでなく、視線の行った先がふいにズームアップされたり、ものを見つめる視界が急収縮したりするように思えるのだ。”
そう。まさにこれ。
この作品を読んでて感情移入をすることがあまりないので、正直、チャグムとバルサが -
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あっという間に読めた。夜、寝たくなくなるほど面白かった。
バルサ、チャグム、タンダ、シュガ、ヒュウゴ、それぞれがそれぞれの背景があり、各人が思い通りにならない世界を背負って、生きている。
でも一生懸命、自分の信念に従って行動していく。
ナユグの世界(異世界)はたまに出てくるけど、それほど出てこない。
サグの世界(現実の世界)は、今、国取り合戦中。
ナユグの世界は、天変地異が起きている模様で、暖かい川が北の方までながれてきて、今まで海ではなかった箇所が海になっていたりする。
ナユグが見えるアスラ、タンダに助けられたコチャが、異変に察知して警笛を鳴らしている
ナグルに暖か -
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遥かな未来
地球に住めなくなった人間が移民船で宇宙を旅し
新たに人の住める星々を見つけた
しかし、移住出来そうな環境の星にはどこにも
人と同じように進化を遂げた文明があり
その先住民との共生を余儀なくされる
主人公たちの住む星も、そういった先住民の住まう星だったが
地球人が移住して環境の変化した星に
何故か適応できず、やがて先住民は滅亡してしまう
…そう、人々は知らされていた———
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あとがきにもあったけれど
これだけで三冊くらいは別ジャンルの本を書けそうな
濃厚な作品だった
SF、ファンタジー、そして歴史モノ
主人公の従妹が不思議な能力に目覚めることで物語は始まるのだが
そ -
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カンバルである。カンバルではへたれな王と世間知らずな「王の槍」がタルシュがしかけた情報戦にひっかかりピンチ。だが、バルサとチャグムの必死の説得で翻意。カンバル王はロタ王国との同盟を結ぶ。
エンディングでは、チャグムをカンバル騎馬軍を連れてロタ王国へ向かう。バルサは新ヨゴに危機を知らせに行く。ナユグが北の大地で春を迎えたため新ヨゴとカンバルでは気温が高くなり、雪解けによる水害の恐れがあるという。それでチャグムが行くと目立つのでバルサが行くということになった。
カンバル編は「王の槍」の中の裏切り者(タルシュとの内通者)があの人物だった!? という意外さと、カンバル王の予想以上のへたれっぷりが際だっ