田辺青蛙のレビュー一覧

  • 予言怪談

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    ほぇ〜こりゃ中々面白かった!!

    死期を予知する話が基本的に多いが、
    その他の種類の予言も多々あり、めちゃ楽しめた!

    個人的なおすすめは……
    夜馬裕さんの『天女の願い事』です。
    質素倹約で他人とは交わらない佐和子さんの
    伯母さんにはある秘密が……
    ここまで誰が予想できた事か?ってぐらいに
    壮大で壮絶な話でした。
    真相を知ってしまった時のトリハダは間違いなしの作品です!
    その他にも安心、安定の面白さの郷内先生は
    連作短編で読み応えバッチリ!
    親子三世代に及ぶ何とも奇怪で悍ましい予言…

    予言と一口に言っても色々な話があり
    とても満足いく作品でした!!
    とても面白かったです!
    友人も言っていたが、未来なんてみたらロクな事にならない、確かに…(´-ω-)ウム
    しかし、『虫の知らせ』に出てくる予知能力は欲しい。
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    2024年05月10日
  • 予言怪談

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    予言が怪談になるといえばやはり件とかかなーとワクワクしますね。
    田辺青蛙『戦争を予言する柿』は一発目に先制パンチ級のものすごいはなしやなと思った。
    予言は誰かが相手に伝えることでうまれるわけでそう考えると実話怪談とは相性がいいのかもしれないと思う。
    吉田悠軌『赤いしるし』赤いものは不吉な象徴なところあるし予言が赤いのは納得。
    雨宮淳司『骰子』これはぜひ検証したくなるはなしだった。骰子をふってなくても勝手に転がって勝手に予言してても見てなかったらそれはいきないのかどうかめちゃくちゃ気になる。
    朱雀門出『青い獅子舞』赤じゃなくてもふだん赤いものが違う色なのは不吉ってことだ。
    響洋平『インターフォン』こういう映像がともなう機械も怖い。例えばスマホでもあるんじゃないかとやはり考えてしまう。
    幽木武彦『神勢調査員』予言者は忽然と姿を消した。こういう方がどんな世界を見てはるかめちゃくちゃ興味深いです。
    ホームタウン『さざ波』同じ日を繰り返したのでは??と思いました。うる星やつらのように。
    夕暮怪雨『カラスの来訪』地下フロアにたくさんのカラスが現れるとか怪異以外のナニモノでもない気がする。
    西浦和也『虫の知らせ』予知のひとはやはりいてはる。とくにこの方は地震の予知みたいで明日5/11の太陽フレアについて伺いたいなと思う。
    住倉カオス『予言に関する体験二篇』身体の悪いところが自分も痛くなるのとか別の仕事になりそうですよね。頭の上に文字が見えるひとも同じく。占い師になったら絶対儲かりそう。
    田中俊行『鳥居さんの話』青い☓印。ここにも青が出てきました。
    松岡真事『ひだりうしろ』もうすぐ亡くなるのがわかるって死神はいなくて自分自身が死期を感じてひだりうしろに立つとしたら右はどうなってるのかなと思う。
    郷内心瞳『アサクラ』からはじまる全部がつながっててやはりこの方のはなしは面白いなと思う。もっと読みたくなる。
    夜馬裕『天女の願い事』あまりにも理不尽。隣に元彼が元親友と結婚して住むとか、天女はひどい。山から離れるべきだったのでは?どうしてもそう思う。

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    2024年05月10日
  • てのひら怪談 見てはいけない

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    ネタバレ

    様々な形で出版されている長寿シリーズてのひら怪談。児童書レーベルから出たこちらも容赦なくこわくて面白い。個人的には前の巻よりこちらの巻の方が好きな話が多かった。800文字でゾワッと怖い気持ちになれるお手軽な怪談本である。

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    2024年03月27日
  • てのひら怪談 見てはいけない

    購入済み

    年を取ると子供が死ぬ話は辛い

    表紙や挿画は可愛らしい絵で、だからこそ作品内で子供が犠牲になっていく結末が胸につまされる。
    と言っても、怪談を読んで辛い気持ちになるのは正当なので文句じゃなく評価している。
    怪談やホラー小説で有名である作家陣も、いつもとは違った筆致で児童向け怪談に挑み概ね成功しているように感じた。

    『横断歩道にはワニが棲んでいる』が、怪談以上に幻想小説のようで特に気に入った。

    #切ない #ドロドロ #怖い

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    2023年05月03日
  • 北海道怪談

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    去年の夏に旅行した北海道に行きたい思いが強くなり、気分だけでも北海道旅行を味わおうと思い手に取った。ゾワゾワする話がたくさんあり面白かった。北海道に住んでいる友達に勧めたい。夏の旅行で見かけた地名の怪談もかなりあり現実とリンクしてさらに楽しめた。今年の夏も北海道に行きたいと思っているので楽しみになった。

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    2023年03月03日
  • てのひら怪談 見てはいけない【試し読み】

    匿名

    ネタバレ 購入済み

    ホラー要素あり

    まとまった時間がとれなくてもサクッと手軽に読めるうえに、良い意味で控えめに抑えられたホラーの描写なので、低年齢層でも安心して読み進めることができる作品だと感じました。人間って禁止された行為はなぜかやりたくなるという、危険な欲求の持ち主であることをなんとなく察せられる内容でした。

    #怖い #シュール

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    2023年02月01日
  • 大阪怪談 人斬り

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    土佐稲荷神社の話が衝撃だった。目の前で死に様と執念を見せつけられたフランス人。残り九名の切腹が途中で中止になるくらいの凄惨さが後の人生にどう影響したのかが気になる。

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    2022年12月19日
  • 生き屏風

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    「皐月はいつも馬の首の中で眠っている」と衝撃の一文で始まり、一瞬で物語に引き込まれる。
    里を守る小鬼の皐月と、死後屏風に取り憑いた気高い女性の邂逅と融和、そしてその結末とは。
    切なくても心温まる一冊です。

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    2022年02月07日
  • 人魚の石

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    ネタバレ

    かつて祖父母と共に暮らした寺に住職として帰ってきた「私」。庭掃除のついでに池の水を抜くと、そこには真っ白な体をした〈人魚〉が眠っていた。「うお太郎」と名付けた人魚は「お前にはこの山に埋まる〈石〉を見つける能力があるはずだ」と言い、幽霊が封じられた石や嫌いな人間の最期が見える石など不思議な力を持つ石を見せる。心当たりがない「私」は困惑するが、ついには天狗まで現れて「石を探しだせ」と言ってきて……。


    西洋の鉱物幻想が硬質で建築的なイメージを持つのに比べて、中国や日本の鉱物幻想はどこか有機的で柔らかさすら感じるのはなぜだろう。どんなに石が巨大になろうと、手のひらで弄ぶことのできる玩具のようなぬくもりをうっすらと感じるような気がする。この小説に出てくるさまざまな石たちも魔力を人に使役されるものとしては西洋ファンタジー的と言えるが、眼球に溶けこんだり卵を産んだりという〈肉〉と同質化する性質を持つのはアジア的なものではないかと思う。
    うお太郎によると祖父は石の力を使って寺の仕事を捌いていたというが「私」は全く記憶にない。そこでうお太郎が石の効力をいろいろと教えてくれるのだが、兄の死を先取りして体験させられたり幼少期に見たおぞましい光景を思い出させられたりするわりにぼんやりしている「私」の語り口がくせ者。こういう"見えすぎて鈍い人"とそのせいで集まってくる怪しの物たちというキャラクター造形、少女文化でよく見るものだ。今市子の『百鬼夜行抄』はもちろん、長野まゆみの『左近の桜』シリーズなども連想させる、実は常に夢とうつつの境を歩いている人の目線で書かれた〈奇妙な日常〉系ホラー。本書を漫画化するなら絵柄は漆原友紀がいいなぁ。
    などと考えながら読み進めると、うお太郎が〈姉〉の所在を思い出したところから急展開。人魚の木乃伊となってよその寺に収蔵されていた〈姉〉といっしょにうお太郎は失踪、天狗に言われて琵琶湖に向かった「私」はヤグロと名乗る別の人魚に協力してもらいながらうお太郎を探す。再会したうお太郎に祖母が遺した日記を読むように言われ、そこで「私」はついに祖父母と山と石の秘密を知ることになる。
    この怒涛の真相パートで一番面白かったのは、人魚といえば誘惑者と相場が決まっているのにも関わらず、はじめにでてくるのがうお太郎なせいでその認識をここまで忘れさせられていたこと。そのおかげで古典的な破滅の物語もこれだけ面白くなる。冒頭で徳じいが話している、弁当屋さんに移住を決めさせてしまった女も人魚なんじゃ?なんて疑うのも楽しい。(中盤まで徳じいが献身的すぎて怪しかったんだけど、やっぱり石で記憶を全部消されてるのかな?とはいえ石の恩恵もそれなりに受けた人だろう)
    そんなこんなで「私」の幼い頃の思い出は無に還り、祖父母のイメージも変貌してしまうのだけど、それを受け止めるうお太郎は案外カラッとしていて(境遇としてはうお太郎のほうがよっぽど気の毒)、ヤグロさんを含めた三人は不思議と晴れやかな気分で琵琶湖に落ちる夕日を眺める……と、ここで終わりと見せかけてからのオチの切れ味。というか、うお太郎・天狗・ヤグロさんが「私」の元に集まってくる構図に「BLだなぁ」と思っていたら、最後の最後ダメ押しで「やっぱり長命者が人間に異常執着する暗黒BLじゃん!!!」と確信させてもらい小躍りした。映画『ダークシャドウ』のオチを思い出してちょっと笑っちゃったけど。最終的に天狗の石があそこに納められたってことは天狗の狙いも祖父にありそうで、この世代の話が読みたいじゃん!となりました。よろしくお願いします。

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    2021年10月27日
  • 人魚の石

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    面白かったです。
    不思議で、ひんやりしてるのに生々しさがありました。
    主人公がぼんやりしすぎてる、と思いましたが、彼の記憶が彼自身のものではないということを考えるとそうなのかな…って思います。
    人魚、今まで物語で読んできたそれとはかなり違ってるような生物でしたが、うお太郎もヤグロも確かに人外の冷たさがあります。永く生きてそうなヤグロの方が闇が深そう。元人間だったらしい天狗の方がちょっとだけわかりやすい気がします。
    人ではないものの近くにいると、どうしても影響されておかしくなるのかな。石も不思議だし、薄っすら怖い。
    田辺青蛙さんの本初めて読みましたが好みの世界でした。

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    2020年10月15日
  • 生き屏風

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    連作短篇集。表題作と「雪猫」「狐妖の宴」の三篇収録。妖怪中心のちょっと不思議な物語。艶のある優しい怪談がお好きな方に。意外と凡庸な扱いをされる妖鬼・皐月と喋る屏風の関係がよい。出会いと別れと少しの希望があり、全編通して後味のよい小説でした。とくに「狐妖の宴」は春が幸せを運んできたような終わり方で、恐怖心を煽るホラーとは対極にあります。また余談ですが、食べ物やお酒が美味しそうに感じられました。

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    2020年09月18日
  • 人魚の石

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    若い僧侶、人魚、不思議な石、天狗…
    怪奇譚のファンタジー要素しかないと思っていたけど、やられた…。
    殺人、妬み、取引、欲望、絶望…不思議な石に導かれた人々の黒い部分でできた物語。
    ミステリーというよりホラー。
    なれど、僧呂のユキオは頼りないし、人魚のうお太郎は雑で若者口調だし、天狗は横柄だしで、怪奇譚ファンタジーのようにさらりと進むホラー。

    祖父の残した寺で僧侶として生きて行く道を選んだユキオ。庭の池に沈んでいた人魚とのおかしな生活が始まる。
    石にまつわる一話一話のエピソードが読み進むうちに徐々に全貌を表してゆく。
    付箋回収しても謎の部分は多く、何かが終わったのではなく、これからも続く彼らの日常を思うと気になって、想像力を残されたようで読後感はすっきりしない。
    ただ、この迷宮は悪くない。
    今年の10冊目
    2020.4.9

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    2020年04月09日
  • 怪談実話系/愛 書き下ろし怪談文芸競作集

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    辻村深月さんの話は怪談だけど、ちょっとホッとする。
    香月日輪さん、初めて読んだ。人間がこわい。
    加門七海さん、福澤さんはさすがの貫禄。
    高野秀行さんのタイのピーの話。数年前も映画になっていたが、ピーがどういうものかよくわからなかった。ちょっとわかった気がする。

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    2019年12月13日
  • 生き屏風

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    ホラーというより、しみじみした寓話だった。しかし、にゃんこ先生ってどこにでも出てくるのな。ビジュアルが頭に浮かぶ作品だし、アニメ化したらいいんじゃないだろか。

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    2019年11月23日
  • 皐月鬼

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    2015年、28冊目は妖鬼、皐月のシリーズ3作目にして、シリーズ完結編の連作短編集。6編収録。

    あらすじ:県境守の妖鬼、皐月。彼女は魂追いの少年、縁。”火の山“の河童、ねねこを蘇らせた、ネネ。皐月の愛馬、布団。ネネのために縁が作った小木馬に獣の魂魄を吹き込んだ、小餅。と暮らしていた。そして、縁には、常世へと魂の流れる川の主となる日が迫っていた。

    妖(あやかし)の寿命は果てしなく長い。時代は移り変わり、里の様子が変わっても、皐月はネネに悪態つかれながらも、今もどこかで、縁を探しているのだろう。皐月やネネの魂が常世へと向かう川へ行くのはまだまだ先のコトだろうから……。

    癒しのホラー。日本昔話的和風ファンタジー。最後は、チョット、甘酸っぱく、切ない読後感。

    自分らしくはナイかもしれないが、★★★★☆あげてもイイでしょ。

    再読時は、3編連続で読もう。

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    2015年07月17日
  • 魂追い

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    2015年、24冊目は田辺青蛙『魂追い』。『生き屏風』の続編となります。

    県境守りの妖鬼、皐月は森で魂魄(たましい)を捕らえる「魂追い」の少年、縁(えにし)と出会う。魂魄が漂う「道」に入ってしまった縁と皐月、そして、皐月の愛馬、布団。それを契機に皐月の体は変調をきたす。皐月の体調を戻すため、皐月と縁は「火の山」を目指し旅に出る。

    連作短編四編収録だが、四章構成の皐月と縁との出会いから「火の山」への旅の物語 と捕らえることもできる内容。

    前作の世界を踏襲しつつ、新たに縁という少年の登場で物語は展開していく。皐月の、そして、縁の想いは友情なのか?淡い恋心なのか?はたまた、他の……?さらに、「火の山のねねこ」から登場のねねこもイイ味付けで効いてる。

    今回の四編では三編目の「落ち星」がミステリーのテイストも入って、新鮮だった。そして、ラストは次作につながるであろう結末。

    さらに、大好きな恒川光太郎の解説の絶妙なこと!細かい部分で幾つかツッコミ所もないでは、ないが、この世界観に浸って、最後にこの解説読んだら、そんなことはどうでもよくなってしまった。

    あっ、ニシン蕎麦は食べたくなります。きっと……。

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    2015年05月19日
  • 生き屏風

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    2015年17冊目は先月まとめ買いした初読みの作家、田辺青蛙。

    第15回日本ホラー小説大賞短編賞受賞の表題作含む、三編の連作短編にして、三部作の始まり。

    あらすじ:「生き屏風」
    県境で一人暮らす妖鬼、皐月。彼女の所へ、造り酒屋の奥さんの霊の話相手になって欲しいという依頼が持ち込まれる。

    「猫雪」
    若くして隠遁生活 を送る次郎。皐月の先代の県境守りである猫先生と出会い、変化(へんげ)の術で雪となる体験をする。約1年後、次郎は再び猫先生の術で雪となることを望むのだった。

    「狐妖の宴」
    惚れ薬を作って欲しいと皐月の所へ依頼がある。しかし、皐月はその調合を知らない。思い当たるのは、里の外れに住む狐妖であった。

    本書解説、東雅夫氏の「癒しのホラー」とは言い得て妙。一編目の冒頭の皐月の眠り方こそグロテスク(その割に筆致が軽く感じる)ではある。しかし、全体的には、鬼や妖(あやかし)と人とが共生する、日本昔話のような感覚。恒川光太郎とは少々ベクトルが異なる、和風ファンタジーかな?!

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    2015年04月01日
  • 生き屏風

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     妖鬼の皐月と様々な人や妖怪との不思議な触れ合いを描く日本ホラー小説大賞受賞作を収録した連作短編。

     すごくとぼけた味わいのある短編集です。ホラー小説大賞の受賞作ですが、怖さはなく皐月と人は普通に会話しています。

     話をするだけでなく皐月は色々な頼みごとをされます。表題作「生き屏風」では霊が憑りついた屏風の話し相手、「狐妖の宴」では女の子に頼まれ惚れ薬を作るため一緒にヤモリを探します。

     こうして読んでいると日本昔話を読んでいるよう。登場人物たちみんなほのぼのしていて、肩ひじ張らず穏やかな気持ちで読むことができました。

     個人的に印象的だったのが「猫雪」の冒頭。皐月の先輩(?)の妖怪がある男に「何になりたい?」と問いかけると男は「雪になりたい」と答えるのですが、
    ここで雪という答えを持ってくるのがとてもセンスがあるなあ、と思いました。確かに雪のようにひらひらと落ちて、そして地面に落ちてそっと溶けゆく、ってなんだかロマンチックですもんね。

     雰囲気の非常にいい作品だったので皐月の出てくる次巻以降も読んでみたいなあ、と思いました。

     第15回日本ホラー小説大賞短編賞「生き屏風」

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    2015年01月26日
  • 生き屏風

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    ほのぼのした優しい空気の流れる和製ファンタジー。むかしむかし妖怪と人間が共に暮らしていた時代、ある村のはずれに、馬の首で眠ることで知られる少女の姿の妖鬼が住んでいました。村人は彼女に依頼や相談事を持ち込むこともしばしばで。という感じの話。民話のようなお伽話のような淡々としつつも懐かしい雰囲気にひたり、ゆったりとした気分で物語を楽しめました。
    続巻もあるようなので読みます。

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    2014年12月02日
  • 生き屏風

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    【本の内容】
    村はずれで暮らす妖鬼の皐月に、奇妙な依頼が持ち込まれた。

    病で死んだ酒屋の奥方の霊が屏風に宿り、夏になると屏風が喋るのだという。

    屏風の奥方はわがままで、家中が手を焼いている。

    そこで皐月に屏風の話相手をしてほしいというのだ。

    嫌々ながら出かけた皐月だが、次第に屏風の奥方と打ち解けるようになっていき―。

    しみじみと心に染みる、不思議な魅力の幻妖小説。

    第15回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    日本ホラー小説大賞短編賞受賞作である表題作に、書き下ろしの二編を加えた連作短編集。

    2作目の「猫雪」や続く「狐妖の宴」も、魅力的な、一癖もふた癖もある妖怪や人間達が登場して面白いが、なんといっても「生き屏風」が良かった。

    「皐月はいつも馬の首の中で眠っている」

    まずこの冒頭から掴まれる!

    村境に住む皐月は、飼っている馬(その名も「布団」)の首の中でないと寝られない妖鬼だ。

    物語は鬼や妖怪が人間と共存しているいつかの時代の日本が舞台のようだが、丁寧な時代背景や設定の説明はない。

    だからこそ、読者をすっと物語世界に引き込むこの一文は秀逸だと思う。

    皐月は、死んでから屏風に取り付きわがまま放題の酒屋の奥方に、話し相手として雇われる。

    シェヘラザードよろしく皐月が奥方に語る不思議な体験や出逢った妖怪の話は、過度に面白そうに描写しているのではなく、むしろ淡々としている。

    ただその淡白なリズムが、作品全体の独特の雰囲気を生み出している。

    皐月と奥方が親密になっていく様子や、じんわりと心に広がる結末もいい。

    短編だけではなくぜひ長編も読んで見たいと思う作家だ。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

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    2014年09月02日