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Posted by ブクログ
『生き屏風』の続編。村はずれに住む妖鬼の皐月と、生き物の魂を捕えて、それを売る少年、縁との冒険を描く連作短編。
「好きだなあ」
読み終えてまずそう思いました。「これは傑作だ!」という興奮や感動とは、また違うのですが、でも初めに思うのは「好きだなあ」なのです。
文章はどちらかというと落ち着いていて、淡々とした感じなのですが、その分キャラの魅力が惹きたてられているように感じます。
前巻では、皐月の「身近な友人」というポジションのキャラクターがいなかったのですが、今回そこに登場するのが縁。どこか気の抜けた二人の出会いから始まり、ふれあいや冒険を通して、徐々に絆を深めていきます。そういう意味ではロードノベル的でもあります。
二人の間にあるのは友情と、そしてそこはかとない初恋の雰囲気。皐月は長い間生きてきた一方で、妖鬼という立場柄人と深く付き合うことがありませんでした。だからこそ、前巻で様々な依頼を受けたり、今回も縁を受け入れたのかもしれません。そう考えると、飄々としていて、感情の読みにくい皐月をとても可愛らしく感じてしまいます。
前巻では、村での出来事が中心でしたが、今回は村の外に出ることで、このシリーズの世界観の広がりも感じられます。そういう意味では、単独でも読めるものの前巻から読んでほしいところです。
前巻から登場している皐月の師匠の化け猫や、第4話に登場する泳げない河童など、他のキャラも魅力的です。
言葉にしがたい、不思議な魅力がある皐月の物語たち。怖い系の作品ではないので、ホラーが苦手な人にも是非読んでほしい作品です。
皐月のシリーズも次で最終巻。二人がどこに向かっていくのか、楽しみにしたいと思います。
Posted by ブクログ
2015年、24冊目は田辺青蛙『魂追い』。『生き屏風』の続編となります。
県境守りの妖鬼、皐月は森で魂魄(たましい)を捕らえる「魂追い」の少年、縁(えにし)と出会う。魂魄が漂う「道」に入ってしまった縁と皐月、そして、皐月の愛馬、布団。それを契機に皐月の体は変調をきたす。皐月の体調を戻すため、皐月と縁は「火の山」を目指し旅に出る。
連作短編四編収録だが、四章構成の皐月と縁との出会いから「火の山」への旅の物語 と捕らえることもできる内容。
前作の世界を踏襲しつつ、新たに縁という少年の登場で物語は展開していく。皐月の、そして、縁の想いは友情なのか?淡い恋心なのか?はたまた、他の……?さらに、「火の山のねねこ」から登場のねねこもイイ味付けで効いてる。
今回の四編では三編目の「落ち星」がミステリーのテイストも入って、新鮮だった。そして、ラストは次作につながるであろう結末。
さらに、大好きな恒川光太郎の解説の絶妙なこと!細かい部分で幾つかツッコミ所もないでは、ないが、この世界観に浸って、最後にこの解説読んだら、そんなことはどうでもよくなってしまった。
あっ、ニシン蕎麦は食べたくなります。きっと……。
Posted by ブクログ
読み終わって、続編であったことを知る。
2012.7.21 start→2012.7.23 fin
きっかけ: 魂追いとはなにかが気になったから。
ライトノベル調というか、緩く淡々とした書き方で一気に読めた。
物語全体のどこか無感情な描写が好ましい。
途中、誰が話しているのか分からず迷子になりかけることもあったけど、登場人物がそれぞれ奇妙で良かった。人とあやかしの境界が曖昧な点も好ましく、主人公の一人である『魂追い』という職業設定が魅力的であった。
続編をたまにのんびりした気持ちで読み続けたいなあと思う一冊。
ということで前作である『生き屏風』を読みたいと思う。
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