【感想・ネタバレ】魂追いのレビュー

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Posted by ブクログ

『生き屏風』の続編。村はずれに住む妖鬼の皐月と、生き物の魂を捕えて、それを売る少年、縁との冒険を描く連作短編。

「好きだなあ」

 読み終えてまずそう思いました。「これは傑作だ!」という興奮や感動とは、また違うのですが、でも初めに思うのは「好きだなあ」なのです。

 文章はどちらかというと落ち着いていて、淡々とした感じなのですが、その分キャラの魅力が惹きたてられているように感じます。

 前巻では、皐月の「身近な友人」というポジションのキャラクターがいなかったのですが、今回そこに登場するのが縁。どこか気の抜けた二人の出会いから始まり、ふれあいや冒険を通して、徐々に絆を深めていきます。そういう意味ではロードノベル的でもあります。

 二人の間にあるのは友情と、そしてそこはかとない初恋の雰囲気。皐月は長い間生きてきた一方で、妖鬼という立場柄人と深く付き合うことがありませんでした。だからこそ、前巻で様々な依頼を受けたり、今回も縁を受け入れたのかもしれません。そう考えると、飄々としていて、感情の読みにくい皐月をとても可愛らしく感じてしまいます。

 前巻では、村での出来事が中心でしたが、今回は村の外に出ることで、このシリーズの世界観の広がりも感じられます。そういう意味では、単独でも読めるものの前巻から読んでほしいところです。

 前巻から登場している皐月の師匠の化け猫や、第4話に登場する泳げない河童など、他のキャラも魅力的です。

 言葉にしがたい、不思議な魅力がある皐月の物語たち。怖い系の作品ではないので、ホラーが苦手な人にも是非読んでほしい作品です。

 皐月のシリーズも次で最終巻。二人がどこに向かっていくのか、楽しみにしたいと思います。

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2016年02月08日

Posted by ブクログ

皐月シリーズの第二話。
今回は皐月の視点からではなく
魂追いの少年、縁からの視点で
物語が描かれています。
前回が村の中の出来事なのに対して
今回は皐月と縁が旅に出るという
変わった指向なので
以前とは違った躍動的な展開がおもしろいです。

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2010年06月23日

Posted by ブクログ

2015年、24冊目は田辺青蛙『魂追い』。『生き屏風』の続編となります。

県境守りの妖鬼、皐月は森で魂魄(たましい)を捕らえる「魂追い」の少年、縁(えにし)と出会う。魂魄が漂う「道」に入ってしまった縁と皐月、そして、皐月の愛馬、布団。それを契機に皐月の体は変調をきたす。皐月の体調を戻すため、皐月と縁は「火の山」を目指し旅に出る。

連作短編四編収録だが、四章構成の皐月と縁との出会いから「火の山」への旅の物語 と捕らえることもできる内容。

前作の世界を踏襲しつつ、新たに縁という少年の登場で物語は展開していく。皐月の、そして、縁の想いは友情なのか?淡い恋心なのか?はたまた、他の……?さらに、「火の山のねねこ」から登場のねねこもイイ味付けで効いてる。

今回の四編では三編目の「落ち星」がミステリーのテイストも入って、新鮮だった。そして、ラストは次作につながるであろう結末。

さらに、大好きな恒川光太郎の解説の絶妙なこと!細かい部分で幾つかツッコミ所もないでは、ないが、この世界観に浸って、最後にこの解説読んだら、そんなことはどうでもよくなってしまった。

あっ、ニシン蕎麦は食べたくなります。きっと……。

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2015年05月19日

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皐月シリーズの二作目です。

相変わらず里に住み、県境の守りを続けていた皐月は、魂魄を捕らえて売る事を生業とする、魂追いの少年、縁と出会います。

最初は、妖鬼と人間、という関係なのですが、色々な事を経て、徐々に二人の距離は縮まっていきます。
縁の成長の描かれ方も細かくて、最初は本当に子供、という感じなのですが、最後には、かなり大人になっています。

今回は、前作に登場した生き屏風の謎も少し語られ、この物語の世界が、よりくっきりと感じられました。
先生の事も、少しずつわかってきて、ますます好きになりました。

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2012年02月01日

Posted by ブクログ

暗い様な、なごやかな様な、なんとも言えない雰囲気がある。
"妖怪"と言う単語に惹かれるなら買って損はないはず。
あと、食べ物の描写がやけに美味しそう。そばが食べたくなった。

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2012年01月15日

Posted by ブクログ

『生き屏風』の続編。妖怪が普通に人々に溶け込んで暮らしている世界観とキャラクターは好み。このふわっとした不思議な世界観の描写を読んでいるだけでも楽しい。
(読みながら違和感があったところなど辛口感想)
前作では民話的な幻想譚という雰囲気だったのが、今回は長編で冒険譚的な要素が入ってきて雰囲気がかなり変わりました。そのためか、あっさりめで起伏を抑えた文章が少し物足りなく感じました。
視点や場面の切り替え、台詞で少し唐突だったり違和感を感じるところがあったのも気になりました。
あとは、主人公の一人である皐月鬼への違和感がなかなか拭えなかった。前作では村に暮らす鬼の一人として描写されていた(と思う)のが、今回は主人公としてスポットが当たっており、読む側としてそこの切り替えがうまくいっていないのかなと感じました。開き直ってずっと縁の側の視点でよいのではなどと思ってしまいます。
とはいうものの話は面白いし、好きなんですけどね。

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2015年02月07日

Posted by ブクログ

魂を追う不思議な職業の少年 縁と
馬の中で眠る鬼 皐月の旅のお話し。

イロイロあって旅をする。

この人のお話は面白いんやけど
何かもぅ一つ足りない感じ!
勢い??かな・・・

でも世界観は好きです。
このシリーズも好き^^

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2013年05月31日

Posted by ブクログ

生き屏風の続編というか、シリーズ第2弾になります。
県境守として暮らす皐月の生活や人間に頼まれた
厄介ごとや、妖たちの思い出話やなどがメインだったのだが、
今回はそこに魂追い(たまおい)の縁(えにし)が加わります。
魂魄が漂う“道”に入り込んでしまったことで体調に
異変が生じ、それを治す為に火の山に向かうことになった二人。
頼りない二人の旅は目的地に到着しても終わらない。
皐月の治療中にとんでもないことになっていた。
縁がした約束の為に、悲しい結末が待っていると思わせる終わり方。
緩くて優しすぎる二人が大好きだぁ~
続きも読もう。

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2013年03月02日

Posted by ブクログ

読み終わって、続編であったことを知る。

2012.7.21 start→2012.7.23 fin
きっかけ: 魂追いとはなにかが気になったから。
ライトノベル調というか、緩く淡々とした書き方で一気に読めた。
物語全体のどこか無感情な描写が好ましい。
途中、誰が話しているのか分からず迷子になりかけることもあったけど、登場人物がそれぞれ奇妙で良かった。人とあやかしの境界が曖昧な点も好ましく、主人公の一人である『魂追い』という職業設定が魅力的であった。

続編をたまにのんびりした気持ちで読み続けたいなあと思う一冊。
ということで前作である『生き屏風』を読みたいと思う。

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2012年07月24日

Posted by ブクログ

短編でありながら、全体が繋がっている、読みやすい作品。
妖怪や不思議な物が好きな人に進めたい作品です。

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2012年02月03日

Posted by ブクログ

シリーズ2作目、連作4編。
シリーズだけれど、別物。
変わらないのはゆるゆるとした流れ。
身を任せて読み進むとどうしても眠たくなる。
皐月が寝足りてないから?

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2011年08月15日

Posted by ブクログ

妖怪と人間が普通に暮らしてるって世界
というか、昔の日本って感じの世界で
ロードムービー。

なんでホラー文庫なのかはいまだに不明。

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2010年02月06日

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