沢村凜のレビュー一覧

  • 運命の逆流―ソナンと空人3―(新潮文庫)

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    シリーズ3番目、かつてないスピードと集中力で読み耽る。いよいよあと一冊で終わりなら、先は気になるもののゆっくり噛み締めながら読みたい。

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    2024年06月30日
  • 朱く照る丘―ソナンと空人4―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    怒濤の流れでハラハラしながら読み進めた。最後、まんまと早とちりしてバッドエンドかと思ってしまった。ただ、空人が弓貴で政に励む様子をもっともっと読みたかった。そこが唯一残念。しかし、4冊という読みやすい量での完結というのはまたすっきりしていてよい。大変おもしろかった。ページをめくる手が止められなかったシリーズ。

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    2023年11月22日
  • 運命の逆流―ソナンと空人3―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    展開が衝撃すぎる。非常につらい。今後どうなっていくのかが全然読めない。ソナンではなく、空人として自由に生きてほしい。トコシュヌコではなく弓貴で、督として暮らしてほしい。トコシュヌコの国でもいろんな人の思いが絡み合っててつらい。早く平和になってほしい。空大と空人を会わせてあげたい。

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    2023年11月18日
  • 旅する通り雨

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    『記憶の果ての旅』に続いて沢村凛さんの本を読んだ。物語に入り込むまでに少し時間が掛かったのは『記憶の〜』と同じ。最終盤、涙がこみ上げるような感動に包まれた点も。著者の持つ人間や人間社会に対する本源的な信頼が、得がたい希望のように読者にも与えられる。それがあれば、それさえあれば人生は生きていくに値すると思えた。福音みたいな読書体験。

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    2023年05月14日
  • 運命の逆流―ソナンと空人3―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    3巻も面白かったです。
    久しぶりに夜中に本を一気読みした。

    あっさりバレたーー!!!
    なんで弓貴が空人を連れて帰ったらダメなのかが頭の悪い私にはよく分からんかった_(:З」∠)_
    ええやん、督やん、連れて帰ろうや……六樽様だって督は空席にしてるじゃん、帰ってきて欲しいじゃん。
    パパ!息子大事にしてるのね!!パパ!!!
    空人が一瞬だけ輪笏に帰って紅大を怒鳴りつけるところがすごく良かった。皆当たり前に4年ぶりに帰ってきた空人を督だと受け入れるのが感動。一瞬すれ違った花人がご主人様!?って叫ぶのとか、異国から帰って来れなくなってもちゃんとご主人様なのね(´;ω;`)ってなった。
    4巻も楽しみです。

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    2021年06月04日
  • 鬼絹の姫―ソナンと空人2―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    相変わらずなんで主人公がここまで頑張れるかは分からない。でも主人公がひたすら必死になって自分の領土を豊かにしようと奔走する姿を見て、周りの人々が主人公を受け入れ、愛していくというのがすごく良いな、と思った。主人公、意外と頭良いんだな、ちゃんと外交とかについて学んでたんだな、と思った。
    ソナンの世界をちゃんと作りこんでいながら、1巻の最初ちょろっと出たくらいでもったいないなーと思っていたのだが、こんなカラクリがあったのね。
    相変わらず面白かったです。次巻も読むぞ。

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    2021年06月03日
  • 王都の落伍者―ソナンと空人1―(新潮文庫)

    購入済み

    1巻だけなのでまだなんともです

    まだ1巻だけなのですが、一気に読んでしまいました。出たしからびっくりな展開でした。続きが楽しみです。

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    2021年01月21日
  • 王都の落伍者―ソナンと空人1―(新潮文庫)

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    まず1巻のみで評価するべきではない、超大作である。

    「黄金の王 白銀の王」でも、筆者の壮大なストーリーにやられたが、あの時物足りなく足早に感じた部分が、4巻という大作になってようやく遺憾なく発揮された。

    最初にまず、主人公がいきなり変わるのか?と思ったが、まさかのダメそうな人が本当の主人公(笑)
    どうなるかと思ったが、まさに生まれ変わった主人公のその成長と3巻4巻でのまた故国に戻らざるを得なくなってからの苦労もどきどきはらはらと一緒に体験する気持ちに。

    個人的には一番時間の流れがゆっくりだった2巻が楽しかった。ただ、一日で全巻読破して、また1つ傑作のファンタジーが生まれたことには間違いな

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    2020年12月28日
  • 朱く照る丘―ソナンと空人4―(新潮文庫)

    ネタバレ 購入済み

    終わってしまうと

    嬉しいけど寂しいです
    主人公のやる事ったらいつも振り回されたけどさ
    ソランより空人でいる方が
    やっぱりあんたは似合うと思うよ

    六樽様が心広くて深い人で良かった
    ナナさんの知性と根性にもあっぱれ
    お父さんを手にかける事がなくて良かった

    ああ、懐かしい故郷に 
    ようやく帰って来られたね
    本当に良かったよ

    おかえりなさい
    またどこかで 会いたいよ
    ありがとう

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    2020年12月02日
  • 朱く照る丘―ソナンと空人4―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    本作はシュヌア領視察の話、弓貴の代王の話、そして最終章の3つに分けられるのかな、と思います。

    シュヌア領視察では、ソナンが輪笏で行っていたように領地を視察し、その問題点・課題を見つけ出すところからスタート。領内の問題をきっかけとして、トコシュヌコ全体の問題も見えてきて、この解決アクションがストーリーの軸になるかと思いきや、ちょこっと釘を刺して終了。改善は不完全なままで、なんだかハンパな印象を受けたのですが、これが最終章への布石になってるんですね。読み終わった今は納得な内容。

    続いて弓貴の代王の話。まさかここでナナとの再会があるとは予想してなかったので超驚きました。弓貴では夫婦だったことがバ

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    2020年11月02日
  • 瞳の中の大河

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    手段が異なっても目指す物は同じ。
    目指す物が同じなのに手段が異なるだけで、こんなにも隔たってしまうのかと思った。
    人の難しさが伝わってくる作品。

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    2018年06月04日
  • ディーセント・ワーク・ガーディアン

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    「ディーセント」は「まっとう」という言葉が合う、という三村くんの考えに、ナルホド、と思う。
    労働基準監督官たる自分たちが守るべきは、まっとうな働き方なのだと語る彼は理想論を述べているようにも見えるけれど、しかし理想や目標を忘れてしまったら何も前に進まない。
    企業の数に対し少なすぎる監督官の数、不遇をかこちながらも声を上げられない労働者、それに甘えて改善しようとしない経営者・・・。
    理想には程遠い現実をいたいほど知っているからこそ、理想を追いかけすぎず、でも忘れず、目の前の問題をとにかく地道に片付けようとする三村くんが好印象なお話。「人が働いている姿が好き」。そんなふうに思う彼にときめいてしまい

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    2015年02月25日
  • カタブツ

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    ツボを突かれまくりました。
    短編集とはいえ
    一冊の本から4箇所も引用したくなった本は久し振りです。

    誠実な人々。
    裏を返せば”堅物”と呼ばれてしまう人々の
    恋愛や犯罪や隠し事などを描く、
    どちらかといえばありふれた設定のヒューマンミステリーなんですが
    登場人物が考えたり言ったりする言葉に何度もリアルに応じてしまいました。
    一言で表すなら”底なしの浅瀬”でしょうか。
    難しい書き方もしていませんし
    取り上げ方も大袈裟ではないので
    さらりと読み過ごすこともできそうな所々に
    重要なメッセージが散りばめられているような。

    読書好きな方にはぜひオススメしたいです。
    心理学がお好きな方にも読み応えは充分

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    2014年02月01日
  • 瞳の中の大河

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    面白かったです。

    沢村さんの作品ではじめて読んだのが『黄金の王 白銀の王』。そちらがとても面白かったので、ずっと読みたいと思っていました。
    こちらの方が先の作品ということで、若干荒削りさを感じましたが、すごくエネルギーがあるというか、力強い作品でした。

    主人公のアマヨク・テミズは、一見すると国の平和を願い、そのために文字通り粉骨砕身、獅子奮迅、そして孤軍奮闘する、真の英雄という印象。しかし、作中最後に語られるように、実は一人の普通の人、普通の渇望と普通の狂気をもった人間であることをも感じさせる。
    たぶん、英雄や天才といったものは、常人離れしているようで、実は凡人とほとんど変わらず、ほんの少

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    2013年09月27日
  • 瞳の中の大河

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    ネタバレ

    野賊との内戦が続き、腐敗気味の内政が横行する国で、理想を貫き続けた一人の軍人の物語。常に理想を体現する為に最適な手段を考え、様々な障害に屈すること無くそれを全うしようとする主人公アマヨク・テミズの姿が心を打ちます。(実際にこういう人が近くにいたら、融通が聞かない苦手なタイプに映るかもしれませんが…)

    中盤までは比較的順調に昇進して行きますが、策略によって貶められてしまう以降の展開は、どう収束させるのだろうかがとても気になりました。最終的には序盤からたまに話題に挙るある人物の力により大団円を迎えます。最初はちょっと都合が良いかなー、なんて思ってしまいましたが、アマヨクの常にブレなかった理想を追

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    2012年12月23日
  • リフレイン

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    ネタバレ

    宇宙船事故で無人惑星に漂着した人々は秩序を保つ為に建国する
    生きるために精一杯の努力を続けるイフゲニア国民を並外れたリーダーシップで率いる弁護士のラビル

    サバイバル生活の中で起きた事件、そして開かれた裁判で下された死刑判決
    最後まで死刑判決を覆そうと抵抗したラビルが死刑執行人に

    救助船が到着しても帰ることを拒むラビルを母星は逮捕する為に連れ戻す

    徹底された非暴力思想のメニエラでは死刑執行人さえも殺人者とされてしまう

    殺人とは何か、無罪にはならないのか、
    イフゲニアでラビルに救われた仲間達は彼を救おうと奔走するが当のラビルはメニエラ人として服役することを望む

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    2015年12月25日
  • リフレイン

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    20年前の著者の事実上のデビュー作をリライトした作品。「瞳の中の大河」や「黄金の王 白銀の王」に通じるものが強くあり、まさに著者の原点だと感じました。作品設定がまた著者らしい。SFが苦手な人は敬遠した方がいいかもしれません。

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    2012年11月21日
  • リフレイン

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    沢村凜『リフレイン』
    (1992年2月・新潮社 / 2012年7月・角川文庫)

    一隻の船が無人の惑星に漂着したことからドラマは始まった。属す星も、国家も、人種も異なる人々をまとめあげたリーダーに、救援後、母星が断じた「罪」とは!? 争いは人間の本能なのか? 厳格な法なくして人は拳をおさめられないのか? 信念を貫き通す男と、彼を愛するがゆえ、それを阻もうとする仲間たち。二つの“正義”がせめぎあう。

    沢村凜の書く物語は、なぜかくも心を揺さぶるのだろうか。
    『瞳の中の大河』しかり、『黄金の王 白銀の王』しかり、信念を貫く男を主人公に配してその闘いと苦悩を描く。
    異世界を舞台にしながらも、そのテー

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    2012年11月11日
  • リフレイン

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    ジャンプに失敗して辺境の惑星に不時着した宇宙船。惑星統合を目指している世界。宇宙船にはいろいろな星の人が乗っていた。さてどうなるか

    前半は、文明の無い星で自然を相手に生き抜いていこうとする話
    後半は、その時の事件の捉え方が惑星によって違うことの話

    地球上の国に置き換えてもおかしくない。

    人を殺すということ、争うということ、許すということ、沢山のことを考えさせてくれる。殺人に情状酌量があるから「国としての大義名分があれば戦争もかまわない」というより、どんな時と場合でも殺人は実刑(終身刑…情状酌量はなく死刑もないけど、きっと恩赦も無いんだろうな)で戦争は絶対しないという方が良い気がしてきた。

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    2012年09月23日
  • 瞳の中の大河

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    そうかそうか、この作品ありきであの傑作が生まれたのか。

    沢村凜ーー不思議な文を書く人だ。心の奥底を描いているようでいて、実際は簡単な状況描写しかしていなかったり。難解な単語を用いながらも、すらすらと読める。

    アマヨクのように、とはいかないまでも、彼のような大きな志をいつも持っていたいものである。

    100点(100点満点)。

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    2012年09月17日