沢村凜のレビュー一覧

  • 黄金の王 白銀の王

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    国を育む為に、争いに終止符を打つ決断から始まる長い物語。様々な犠牲を踏み越えて進む、果てしない道のり。

    その道を歩む2人の王の心情がとても細やかに描かれている。
    苦しみや葛藤の中で、敵同士だった2人は信頼し合う関係になってゆくが、お互いに国の頭領として、その関係の根本は“益になる故”であり、友情なんていうものじゃない。
    けれど、国を背負っているからこそ、その繋がりには特別な重さ、強さがある。
    そして、同じ志を持つ存在がいることは、互いにとって救いになっていく。

    読んでいる間中、ひづちと薫衣の想いがどうか報われてほしいと祈らずにはいられない。

    気高い2人の王の生き様に、ひたすら胸を打たれた

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    2020年03月14日
  • 黄金の王 白銀の王

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    これは、泣いてしまう。
    外伝が読みたい!漫画化もしてほしい!
    二つに分かれた氏族を統一しようと画策、奮闘する二人の若き頭領の物語。魔法やら化け物やらは出てこないけれど、とても上質で世界観が確立されたファンタジー。
    守り人シリーズ、十二国記、アルスラーン戦記が好きな人はきっとはまる。

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    2019年11月17日
  • 瞳の中の大河

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    手段が異なっても目指す物は同じ。
    目指す物が同じなのに手段が異なるだけで、こんなにも隔たってしまうのかと思った。
    人の難しさが伝わってくる作品。

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    2018年06月04日
  • 黄金の王 白銀の王

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    一気に読んでしまった!
    主人公2人それぞれの苦悩やそれを取り巻く人々の心情が良く描かれていて、ページをめくる手が止まらなかった。
    今の世の中もそうだけど、自分の考えと違うからと言って悪戯に責めるのではなく、その人の立場や置かれている状況をしっかり見極めた上で行動すれば、摩擦とか減るのかなって思わされる作品。

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    2018年05月21日
  • 黄金の王 白銀の王

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    すごい、凄すぎる。
    中盤から止まらなくて面白くて一気に読破。次の展開に手に汗握り、固唾を呑んだ。起承転結の型にはまり過ぎず、次に何が来るのか読めない不安定さも良さの一つかもしれない。これはこれで完成されているが、欲を言えばシリーズとしてかせめて分冊化しても良かった気がする。2度目の討伐や薫衣の2人目の妻の心情、ひづちの息子、豊穣の成長などなど、もっとじっくり味わいたい場面があった。何よりもこの世界観にもっと浸っていたかった。和製大河ファンタジーを語るのに不可欠な1冊。

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    2017年11月10日
  • 黄金の王 白銀の王

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    最高に面白かったの一言!時間を忘れて読みふけったのは久しぶり。ファンタジーが好きなひとには、ぜひ読んでほしい!大切な1冊。

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    2017年01月20日
  • 黄金の王 白銀の王

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    国を治めるために困難な道を信念を持って進む二人の王の話。とても引き込まれました。とても好きな本です。

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    2016年07月18日
  • 黄金の王 白銀の王

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    今年1番の本かもしれない。
    まだ2月なのに、そう思った。

    きっと、そうなるだろう。
    そうなってほしい。

    だって、白銀の王は、それくらい魅力的な人だった。
    全てに魅せられた。
    始めから最後まで。

    その気高い志も。
    時々みせる感情的なとこも。
    その全てに。

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    2016年02月15日
  • 黄金の王 白銀の王

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    私利のためでなく、なすべきことをなす。
    何が最優先事項かを判断するのは苦しい。たとえそれを廸学に求めようとも、国の統治に求めようとも。それを諦めず最後まで考え抜く事により、究極の自己満足、自己肯定があるのだろう。

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    2016年01月03日
  • 黄金の王 白銀の王

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    世界観のしっかりしたファンタジーだけど
    凄く読みやすかったし面白かった。

    時代の流れを変えようとする二人の王のお話。
    お互いに憎むべき相手なのに、
    過去のことに囚われず未来のことを考えて
    なすべきことをなす。
    凄いことだと思った。

    最後の方が駆け足になってしまった気がして残念でした。
    もう少し、子供たちの話も読みたかったな。

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    2015年12月10日
  • 黄金の王 白銀の王

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    二つの部族の長である2人の思いや葛藤がすごくよく出ていて、かつどんな苦境にも負けずにいた主人公、最後まで、よくできた物語でした。本当に良かったと思えます。

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    2015年09月27日
  • 黄金の王 白銀の王

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    すごい本を読んじゃったなぁ、すごい本を読んじゃったなぁ・・・。

    王に求められる資質。私利を求めず、なすべきことをなせ。例え他の誰にも理解されずとも、後世まで愚王と罵られようとも。なすべきことをなせ。

    気高さが半端ない。

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    2015年09月20日
  • ディーセント・ワーク・ガーディアン

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    「ディーセント」は「まっとう」という言葉が合う、という三村くんの考えに、ナルホド、と思う。
    労働基準監督官たる自分たちが守るべきは、まっとうな働き方なのだと語る彼は理想論を述べているようにも見えるけれど、しかし理想や目標を忘れてしまったら何も前に進まない。
    企業の数に対し少なすぎる監督官の数、不遇をかこちながらも声を上げられない労働者、それに甘えて改善しようとしない経営者・・・。
    理想には程遠い現実をいたいほど知っているからこそ、理想を追いかけすぎず、でも忘れず、目の前の問題をとにかく地道に片付けようとする三村くんが好印象なお話。「人が働いている姿が好き」。そんなふうに思う彼にときめいてしまい

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    2015年02月25日
  • カタブツ

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    ツボを突かれまくりました。
    短編集とはいえ
    一冊の本から4箇所も引用したくなった本は久し振りです。

    誠実な人々。
    裏を返せば”堅物”と呼ばれてしまう人々の
    恋愛や犯罪や隠し事などを描く、
    どちらかといえばありふれた設定のヒューマンミステリーなんですが
    登場人物が考えたり言ったりする言葉に何度もリアルに応じてしまいました。
    一言で表すなら”底なしの浅瀬”でしょうか。
    難しい書き方もしていませんし
    取り上げ方も大袈裟ではないので
    さらりと読み過ごすこともできそうな所々に
    重要なメッセージが散りばめられているような。

    読書好きな方にはぜひオススメしたいです。
    心理学がお好きな方にも読み応えは充分

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    2014年02月01日
  • 瞳の中の大河

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    面白かったです。

    沢村さんの作品ではじめて読んだのが『黄金の王 白銀の王』。そちらがとても面白かったので、ずっと読みたいと思っていました。
    こちらの方が先の作品ということで、若干荒削りさを感じましたが、すごくエネルギーがあるというか、力強い作品でした。

    主人公のアマヨク・テミズは、一見すると国の平和を願い、そのために文字通り粉骨砕身、獅子奮迅、そして孤軍奮闘する、真の英雄という印象。しかし、作中最後に語られるように、実は一人の普通の人、普通の渇望と普通の狂気をもった人間であることをも感じさせる。
    たぶん、英雄や天才といったものは、常人離れしているようで、実は凡人とほとんど変わらず、ほんの少

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    2013年09月27日
  • 瞳の中の大河

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    ネタバレ

    野賊との内戦が続き、腐敗気味の内政が横行する国で、理想を貫き続けた一人の軍人の物語。常に理想を体現する為に最適な手段を考え、様々な障害に屈すること無くそれを全うしようとする主人公アマヨク・テミズの姿が心を打ちます。(実際にこういう人が近くにいたら、融通が聞かない苦手なタイプに映るかもしれませんが…)

    中盤までは比較的順調に昇進して行きますが、策略によって貶められてしまう以降の展開は、どう収束させるのだろうかがとても気になりました。最終的には序盤からたまに話題に挙るある人物の力により大団円を迎えます。最初はちょっと都合が良いかなー、なんて思ってしまいましたが、アマヨクの常にブレなかった理想を追

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    2012年12月23日
  • リフレイン

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    ネタバレ

    宇宙船事故で無人惑星に漂着した人々は秩序を保つ為に建国する
    生きるために精一杯の努力を続けるイフゲニア国民を並外れたリーダーシップで率いる弁護士のラビル

    サバイバル生活の中で起きた事件、そして開かれた裁判で下された死刑判決
    最後まで死刑判決を覆そうと抵抗したラビルが死刑執行人に

    救助船が到着しても帰ることを拒むラビルを母星は逮捕する為に連れ戻す

    徹底された非暴力思想のメニエラでは死刑執行人さえも殺人者とされてしまう

    殺人とは何か、無罪にはならないのか、
    イフゲニアでラビルに救われた仲間達は彼を救おうと奔走するが当のラビルはメニエラ人として服役することを望む

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    2015年12月25日
  • リフレイン

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    20年前の著者の事実上のデビュー作をリライトした作品。「瞳の中の大河」や「黄金の王 白銀の王」に通じるものが強くあり、まさに著者の原点だと感じました。作品設定がまた著者らしい。SFが苦手な人は敬遠した方がいいかもしれません。

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    2012年11月21日
  • リフレイン

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    沢村凜『リフレイン』
    (1992年2月・新潮社 / 2012年7月・角川文庫)

    一隻の船が無人の惑星に漂着したことからドラマは始まった。属す星も、国家も、人種も異なる人々をまとめあげたリーダーに、救援後、母星が断じた「罪」とは!? 争いは人間の本能なのか? 厳格な法なくして人は拳をおさめられないのか? 信念を貫き通す男と、彼を愛するがゆえ、それを阻もうとする仲間たち。二つの“正義”がせめぎあう。

    沢村凜の書く物語は、なぜかくも心を揺さぶるのだろうか。
    『瞳の中の大河』しかり、『黄金の王 白銀の王』しかり、信念を貫く男を主人公に配してその闘いと苦悩を描く。
    異世界を舞台にしながらも、そのテー

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    2012年11月11日
  • リフレイン

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    ジャンプに失敗して辺境の惑星に不時着した宇宙船。惑星統合を目指している世界。宇宙船にはいろいろな星の人が乗っていた。さてどうなるか

    前半は、文明の無い星で自然を相手に生き抜いていこうとする話
    後半は、その時の事件の捉え方が惑星によって違うことの話

    地球上の国に置き換えてもおかしくない。

    人を殺すということ、争うということ、許すということ、沢山のことを考えさせてくれる。殺人に情状酌量があるから「国としての大義名分があれば戦争もかまわない」というより、どんな時と場合でも殺人は実刑(終身刑…情状酌量はなく死刑もないけど、きっと恩赦も無いんだろうな)で戦争は絶対しないという方が良い気がしてきた。

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    2012年09月23日