【感想・ネタバレ】瞳の中の大河のレビュー

あらすじ

男は二度、女を撃った。女は一度、男の命を救い、一度、その命を奪おうとした。ふたりは同じ理想を追いながらも敵同士だったから……。悠久なる大河のほとり、野賊との内戦が続く国。理想に燃える若き軍人が伝説の野賊と出会った時、波乱に満ちた運命が幕を開ける。「平和をもたらす」。その正義を貫くためなら誓いを偽り、愛する人も傷つける男は、国を変えられるのか? 日本が生んだ歴史大河ファンタジーの傑作!!

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Posted by ブクログ

手段が異なっても目指す物は同じ。
目指す物が同じなのに手段が異なるだけで、こんなにも隔たってしまうのかと思った。
人の難しさが伝わってくる作品。

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2018年06月04日

Posted by ブクログ

面白かったです。

沢村さんの作品ではじめて読んだのが『黄金の王 白銀の王』。そちらがとても面白かったので、ずっと読みたいと思っていました。
こちらの方が先の作品ということで、若干荒削りさを感じましたが、すごくエネルギーがあるというか、力強い作品でした。

主人公のアマヨク・テミズは、一見すると国の平和を願い、そのために文字通り粉骨砕身、獅子奮迅、そして孤軍奮闘する、真の英雄という印象。しかし、作中最後に語られるように、実は一人の普通の人、普通の渇望と普通の狂気をもった人間であることをも感じさせる。
たぶん、英雄や天才といったものは、常人離れしているようで、実は凡人とほとんど変わらず、ほんの少しだけ感情の成分配合が異なっているだけなのではないでしょうか。

大人向けのファンタジー作品ですね。

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2013年09月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

野賊との内戦が続き、腐敗気味の内政が横行する国で、理想を貫き続けた一人の軍人の物語。常に理想を体現する為に最適な手段を考え、様々な障害に屈すること無くそれを全うしようとする主人公アマヨク・テミズの姿が心を打ちます。(実際にこういう人が近くにいたら、融通が聞かない苦手なタイプに映るかもしれませんが…)

中盤までは比較的順調に昇進して行きますが、策略によって貶められてしまう以降の展開は、どう収束させるのだろうかがとても気になりました。最終的には序盤からたまに話題に挙るある人物の力により大団円を迎えます。最初はちょっと都合が良いかなー、なんて思ってしまいましたが、アマヨクの常にブレなかった理想を追求する姿勢がその人物を行動させたのだと解釈しました。

そうした「行動が周囲に良い影響を与えて行く」という、ある種のカリスマ性を持った主人公の姿は、「黄金の王 白銀の王」の穭と薫衣や「永遠の0」の宮部久蔵に通じるものがあり、それらの作品と同じような感動を得ることが出来たように思います。

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2012年12月23日

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そうかそうか、この作品ありきであの傑作が生まれたのか。

沢村凜ーー不思議な文を書く人だ。心の奥底を描いているようでいて、実際は簡単な状況描写しかしていなかったり。難解な単語を用いながらも、すらすらと読める。

アマヨクのように、とはいかないまでも、彼のような大きな志をいつも持っていたいものである。

100点(100点満点)。

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2012年09月17日

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理想の国になるようにと思いを定めたテミズは目標をじっと見つめてひた走る。寄り道をしないのかこの男は、休憩することを知らないのかこの男は。
話された言葉と目に見えた事と耳に聞こえた音が文字になっている。人びとの気持ちを直接あらわす表現はほとんど無かった気がする。
それなのに人びとの気持ちがフワッと見える、感じる。不思議な感覚。表情の見えない映画? ラジオドラマ? 何でもいいか。
読んで満足したから(笑)

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2012年09月13日

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信念を貫く主人公と、それを支えるひとたち、敵となるひとたち、みなしっかりと書き込まれていて、無駄な登場人物はいないのではないか、と思わせる。
ラストまで気持ちよくドキドキしながら読み進められました。

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2012年08月09日

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心が踊りまくり。
久々に堪能した冒険ファンタジー。
あの話、この話も読んでみたい。
表紙のせいか、かのサーガを思い出し、センチメンタルな気分。

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2012年01月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

■文庫に降りたので購入。再読。アマヨク・テミズは男でござる。あまりにもまっすぐでかっちょいい。でも眩しすぎる。あまりにもまっすぐなアマヨクの前で、歪んでしまった兄にも共感してしまう。それほどにまっすぐだ。

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2011年10月30日

Posted by ブクログ

個人的にかなりお気に入りの作家沢村凛の作品。
今気付いたのですがこの本で文庫化された沢村凛の作品は全て読んでしまったことになります。
次は単行本に行きますかね。。。

と前置きはさておき「黄金の王 白銀の王」と似たような
歴史ファンタジーのこの作品。
「黄金の~」の時も少し思ったのですが登場人物の名前が
覚えにくいんですよね。
世界観に完全に浸るまでは誰が誰だか確認しつつという感じでしたが終盤は一気読みでした。
とにかくブレないアマヨクの愚直さが良いです。
登場人物の行動の一つ一つ、発言の一つ一つにちゃんと
明確な理由付けがされているようなストーリー立ても
読んでいて安心感があるというか圧倒されました。

各部の節ごとのタイトルが1文字から1字ずつ増えていく
といったような遊び心も○です。
最後のエピソードは少し説明的過ぎかなという印象も受けましたが。

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2016年10月02日

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 著者お得意の大河物のファンタジー。
 1文字ずつ増えていく章タイトルから、登場人物の配置や描写まで、著者が「楽しんで書いているな」という雰囲気がするので読んでいて心地よい。
(いや、話は一本筋で読みやすくも心地よい話でもないんだけどね)

 著者にとって、(悪い意味ではなく)登場人物は血肉のある素材なのだろうなぁ。好きなキャラクターだからと言ってひいきせず、きちんと考え決断させていそう。まさしく神のごとき無慈悲さでキャラクターを平等に……って某人だけは、神に愛されているかもしれない。

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2013年12月11日

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はまったっす!
かなり良くできている
ある世界の中での内戦のなかで起きている
貴族と一般庶民と
男!?のお話。

空想的、歴史風、軍記物。人間力、ミステリアスもの…とでも言うんでしょうか??

けっこう先が気になって気になってで
ワクワクした気持ちで読めました。
読み応えの大きな良本でした

最後の締めもまずまずgood!

面白いですよ!
気軽にイケてちょい骨太しのちょい堅ファンタジー

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2013年09月12日

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ストーリーは、骨太です。
陰謀とか、秘められた部分はいろいろあるのですが、でも、読後感はストレートなお話を読んだなぁという感じがします。

不思議のないファンタジーで、まぁ、空想歴史物語みたいな感じです。
実はわたしは、北上 次郎とは違って、ファンタジーは不思議がある方が好きです。

大佐って、でも、あんまり好きなタイプではないです。実は。まじめに見えてるけど、実は意地っ張りで、いやなやつだよねぇ(笑)
でも、これは、これで一本通っている。
わたしは、銀爺こと鈴木 銀一郎の小説の男主人公の生真面目さを思い出していました。

終わったあとね、この世界でのいろんなキャラクターの話をもっと聞きたくなる。そんなお話。

でも、続編が出ないのが、多分、潔いのかな。

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2013年07月29日

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一気読み。異世界歴史小説。一人の少年が、やがて英雄になっていくまでの胸がかきむしられるような物語だった。

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2013年07月29日

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「黄金の王 白銀の王」が面白かったので手に。
沢村凛さん2作品目。
こちらはファンタジーといってもさらに現実的。
人の汚い部分がこれでもかってくらいぶつけられる。
もうドロドロです。
本来、こういう話は苦手。
辛いばかりで救いがないと読むのが辛くなってしまうから。
なので、失敗したかなー。最後まで読めるかなーと思いつつも読む手がとまらない。
読んでる最中もなんでだろ?って思いながら読んでた。
テンポがいいのかな。
まぁ面白いからに違いないんだろうけども。
素直に面白かったと言えばいいんだけど(笑)
特に終わりかたは最高でした。
読んで良かった。と思える本です。

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2013年04月23日

Posted by ブクログ

同じ作者の作品でおすすめされたモノが面白かったので、実家から帰る電車で読むにもいいしと購入しました。

黄金の~と似たテイストでしたがまた違う感じ。1人の一生を追う物語。リアルファンタジーが面白くなってきました。ファンタジーを読みたい欲望がむくむく湧いてきました。
ファンタジーっていうか、中世のどこかの物語みたいな。。内容量が豊富でこれも読んでも読んでも終わらない!と言いたくなる話でした。面白かったけど。

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2012年08月18日

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読み応えありました。一気読みです。
たくさんの登場人物の思惑や行動がいろんな出来事を引き起こし、事態は坂道を転がるように展開していく。
アマヨクの信念、カーミラの強かさ、オルタディシャル公の思惑や、シュナンやルタンを襲う悲運や幸運等々、読み始めたら気になって止まりません。
ラストの二人の会話もいいカンジで余韻を残しています。
それぞれの登場人物たちのその後も気になりますね。

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2012年08月14日

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ネタバレ

野賊が跋扈し内乱が続くある国で、国の平和のために戦う軍人の人生を描いたお話。
この世に存在しない国での出来事という意味ではファンタジーではあるものの、 魔法も超人も出てこないので歴史小説のような感じ。

主人公アマヨクは大貴族の私生児である母と平民の父を持ち、駆け落ちした両親と山奥で暮らしていたが、将軍である伯父の後押しで国王軍に入隊する。
少尉として最初の行軍で、野賊のオーマ一味と遭遇したことから物語が始まる。

あまたの戦いに勝利し着実に出世を遂げるアマヨクだけれど、
何度も死に目に遭ったり、信頼していた伯父に裏切られ拷問され囚人として採石場に送られるなど、主人公とは思えない痛めつけられ方をする。

ヒロイン的ポジションである野賊オーマの部下カーミラは、
普通だったら敵味方に分かれているのに愛してしまった女性、として悲恋の役割を担うところなのに、物語序盤でアマヨクは彼女を銃で撃つし、敵に捕まって拷問を受けたうえに、子供を二人も産まされるという夢と希望とは程遠い展開に。
その後もかなり悲惨な運命に翻弄されるカーミラ。
カーミラの産み落とした二人の子供も悲惨な境遇で、
正直冒険ファンタジーとしてこれでいいのか激しく謎だし、表紙の印象と違ってブラックだし、途中で読むのをやめる人もいそうなぐらい救いようがない。
だけれどだんだん、信念を持って愚直に進むアマヨクや、とても正直でまっすぐなカーミラの強さが魅力的に感じてくる。
カーミラの息子とアマヨクの関係性もよい。

一冊で30年近い年月が流れるため、どんどん物語は進む。
登場人物たちの心情は詳しく書かれない。
特に主人公なのにアマヨクの心理描写は薄くて、感情移入するのは難しいかもしれない。
それにアマヨクは心優しい人であるけどあくまで国のために働くという信条のため、 時にヒーローとは思えない言動も取る。
同時に悪人は単に悪人ではない。悪にも理由と根拠があるのだなと思わせられる。
人はみな良い人であり悪い人であるということを感じさせる深さがいい。

序盤はなかなか進みが遅いけれども、
二部以降は登場人物たちの動きも活発になり物語の起伏が出てきて一気に読める。
終盤からのスピード感もよかった。終わり方もすっきり。

かなり骨太重厚な物語です。

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2012年04月02日

Posted by ブクログ

特に著者を知らずに、本屋の店頭でおもしろそうだったので購入。
大正解です。

主人公はまっすぐだけど癖のある人。実際にいて一緒にいたら大変だと思うけど、やっぱり偉人はこういう人なんだろうなぁとつくづく思いました。

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2011年11月06日

Posted by ブクログ

「黄金の王 白銀の王」が面白かったので他の作品も読んでみようと思ったが、それほどでもなかった。
清廉潔白な人はいないよ、ということ。
メイデン王の今後に期待!

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2019年04月13日

Posted by ブクログ

なぜだろう、アマヨクのキャラがよく分からず
感情移入や共感ができなかった。

彼の考え方や信念は異端だと思うけど、
なぜ彼のような人が生まれたんだろうか。

ただ国のためそこに住む人達のためとあるだけで
なんかしっくりこなかった。

カーミラや子供たちに対しては
人間らしさがあってよかったのだけど。

世界観はだいぶ生々しくてリアルで良かった。

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2016年02月17日

Posted by ブクログ

面白いかった?って聞かれたら、面白かったって言う。
この本を読んだきっかけは「黄金の王白銀の王」が面白かったからですけど、大体一緒だった!
主人公の頑なさとか…全力投球しまくってて見てて疲れるとことか…
この作者さんの物語、登場人物の名前が覚えられなくて感情移入度が下がる
や、でも、面白かったです。

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2015年04月29日

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