沢村凜のレビュー一覧
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ネタバレ黄金の王 白銀の王
それぞれが物語開始時19歳と15歳の若者の王でありながら、それぞれが「なすべきことをなそう」とする王である。
その若さと、王としての責務を全うしようという意志、その難しさ、そこから生まれる物語の地をしっかり踏んだような力強さを感じる一冊でした。
黄金の王・穭が考え至った苦渋の選択に、白銀の王・薫衣が決断を迫られる。
そんな時に薫衣が偶然耳にした穭の妹の言葉に対して、
p.105
ーー迪師、私は未熟な人間です。あの娘ほどの強さも持ち合わせていないようです。心が砕けようとも務めを果たさなければならない。そんなあたりまえのことを、受け止める勇気が出る ないのです。
と薫衣が -
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ネタバレ長年争いを続けていた氏族同士の王が、国を一つにすることを目的に共闘し、なすべきことに向かって一歩一歩進んで行きます。この話を読んで思ったのは、本当に大きなことをなし遂げるというのは、誰の称賛を受けることもなく、険しく苦しい道を長く長く歩いていかなければならないものなんだということです。それでもこの本の題名にある通り、二人の王と言うのが大切なのかなと思いました。どんなに険しい道のりでも、一人ではないというのが力になるのだと、立場が違えど絶対に国のために正しいことをするという信念を曲げなかった、この二人の王が、時には反発し合いながらも、信頼を深めていく姿がストーリーが進んでいくたびに胸を打ちます。
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ひとつの国の支配権を巡って、互いを仇敵と憎みあい、百数十年にわたって戦を続けてきたふたつの氏族。
戦によって疲弊した国を、より良い国へとみちびくため、現在の支配者である氏族の頭領は、もう一方の氏族の頭領と語らいあい、ただお互いだけを真の理解者として、もっとも困難な道を選んだ。
沢村凛さん、初読。
たった一冊で語られたとは思えない、深く濃い物語だった。
読んで良かった。
互いの正統性を主張しあい、果てのない争いを続ける愚かさ。敵を想定し、すぐそこに戦がある前提で保つ平和の脆さ。そこからの脱却の、いかに難しいことか。
廸学を正しく教えられる師が薫衣を育んだ事が、間違いなく重要な分かれ道だっ -
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ネタバレ3巻も面白かったです。
久しぶりに夜中に本を一気読みした。
あっさりバレたーー!!!
なんで弓貴が空人を連れて帰ったらダメなのかが頭の悪い私にはよく分からんかった_(:З」∠)_
ええやん、督やん、連れて帰ろうや……六樽様だって督は空席にしてるじゃん、帰ってきて欲しいじゃん。
パパ!息子大事にしてるのね!!パパ!!!
空人が一瞬だけ輪笏に帰って紅大を怒鳴りつけるところがすごく良かった。皆当たり前に4年ぶりに帰ってきた空人を督だと受け入れるのが感動。一瞬すれ違った花人がご主人様!?って叫ぶのとか、異国から帰って来れなくなってもちゃんとご主人様なのね(´;ω;`)ってなった。
4巻も楽しみです。 -
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まず1巻のみで評価するべきではない、超大作である。
「黄金の王 白銀の王」でも、筆者の壮大なストーリーにやられたが、あの時物足りなく足早に感じた部分が、4巻という大作になってようやく遺憾なく発揮された。
最初にまず、主人公がいきなり変わるのか?と思ったが、まさかのダメそうな人が本当の主人公(笑)
どうなるかと思ったが、まさに生まれ変わった主人公のその成長と3巻4巻でのまた故国に戻らざるを得なくなってからの苦労もどきどきはらはらと一緒に体験する気持ちに。
個人的には一番時間の流れがゆっくりだった2巻が楽しかった。ただ、一日で全巻読破して、また1つ傑作のファンタジーが生まれたことには間違いな -
ネタバレ 購入済み
終わってしまうと
嬉しいけど寂しいです
主人公のやる事ったらいつも振り回されたけどさ
ソランより空人でいる方が
やっぱりあんたは似合うと思うよ
六樽様が心広くて深い人で良かった
ナナさんの知性と根性にもあっぱれ
お父さんを手にかける事がなくて良かった
ああ、懐かしい故郷に
ようやく帰って来られたね
本当に良かったよ
おかえりなさい
またどこかで 会いたいよ
ありがとう -
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ネタバレ本作はシュヌア領視察の話、弓貴の代王の話、そして最終章の3つに分けられるのかな、と思います。
シュヌア領視察では、ソナンが輪笏で行っていたように領地を視察し、その問題点・課題を見つけ出すところからスタート。領内の問題をきっかけとして、トコシュヌコ全体の問題も見えてきて、この解決アクションがストーリーの軸になるかと思いきや、ちょこっと釘を刺して終了。改善は不完全なままで、なんだかハンパな印象を受けたのですが、これが最終章への布石になってるんですね。読み終わった今は納得な内容。
続いて弓貴の代王の話。まさかここでナナとの再会があるとは予想してなかったので超驚きました。弓貴では夫婦だったことがバ