植松三十里のレビュー一覧

  • 大正の后 昭和への激動
    戦争続きの激動の時代、天皇も大変だったんだなと思える話。明治維新から昭和の戦争に至るまでの経緯がよくわかり勉強になりました。
  • 徳川最後の将軍 慶喜の本心
    一番最近だと、「別府温泉を日本一にした男」
    少し前だと「かちがらす〜幕末を読み切った男、佐賀藩主鍋島直正」

    植松三十里は静岡市出身。東京大学史学科卒。

    平成15年に「桑港にて」で歴史文学賞受賞。

    平成21年には「群青、日本海軍の礎を築いた男」で、新田次郎文学賞受賞。

    その学歴を見ただけで、
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  • 万事オーライ 別府温泉を日本一にした男
    以前「かちがらす」という幕末を読み切った男という副題の本を読みました。
    この植松三十里さんは、丹念な取材と資料の読み込みにより、史実を第一にしながらも読み物としても十二分で、ハラハラドキドキ、感動を呼びます。

    今回の時代は明治から昭和10年まで。
    最初は油を売っていたが米屋に転身した実家。
    小僧と...続きを読む
  • 万事オーライ 別府温泉を日本一にした男
    別府温泉を日本一にした男、油屋熊八の一代物語。人の一生でこんなに忙しい人が居るのか、と思うような人物。亀の井旅館を経営してから、そこで出会う人を別府の仲間に引き入れて盛り上げていくところは読んでいてワクワクし感動することもありました。いまの日本ではあまりいない人情味溢れる人物のお話です。
  • 天璋院と和宮
    久々に篤姫を読んでみたくなり軽い本からスタート。
    和宮が降嫁したあたりを中心に江戸城開城までを描いてある。慶喜に対しての見方が武家である篤姫は部下を置き去りにして逃げ帰った軟弱者という思いに対し、和宮は官軍に弓矢を向けなかった事を誉めている。人それぞれの見方があるんだなぁと印象に残った場面でもある。...続きを読む
  • 帝国ホテル建築物語
    帝国ホテルライト館をめぐっての人間の執念のドラマが描かれている。
    ロイド・ライトは、個人の中に、狂気が宿っているのかもしれない。
    建築家というこだわりよりも、芸術家としてのこだわりが強い。
    日本びいきで、日本の良さをどう自分のものにするのか?
    帝国ホテルで、ロイド・ライトがチャレンジしたのは、
    ライ...続きを読む
  • 大正の后 昭和への激動
    伝記・評伝小説というのは、噛み砕いて歴史と歴史上の人物を教えてくれるとてもいい読み物だと思う。私は昭和天皇のお母様という位置づけで読んだ。大正時代というのはあまりなじみがなくデモクラシー、ロマン、関東大震災という言葉と対に連想する程度。華族の娘さんが庶民の子と一緒に育てられることがあるなどとは知らな...続きを読む
  • 梅と水仙
    書き下ろし

    津田梅を描いた小説はいくつか読んだが、これが一番面白い。父親を一緒に描いていて、時代背景をいっそう生き生きさせ、感動的な場面もたくさんある。さすが植松三十里の筆の力。

    佐倉藩士津田仙は、藩主堀田正睦が老中になったため、幕府のアメリカでの軍艦買い付けに同行し、アメリカの農業に注目して、...続きを読む
  • 帝国ホテル建築物語
    大正時代に建てられた帝国ホテルライト館。
    その建設に関わった男達の熱い戦いを描く物語。

    予備知識なし。
    帝国ホテルは今の姿しか知らず、ライト館のような建物があったことも知らず、映像を調べ、その美しさに魅了されながら読み進めました。

    経営陣と現場の人間、建築家達の気持ちの食い違いや葛藤が興味深かっ...続きを読む
  • 家康の母お大
    おもしろかった!歴史小説はあまり好きでないけどこれはお大の、強い女性の生き様が見えた。久松もにくめず愛しいキャラ。
  • 会津の義 幕末の藩主松平容保
    松平容保を主人公とする作品である。
    京都守護職として精勤していたことから、孝明天皇に与えられたという生地で誂えた陣羽織に具足という姿で床机に腰掛けている姿のイラストが表紙に…これはよく知られている写真をイメージした画であろう…
    読み易い分量の作品で、“松平容保”という、幕末期辺りの大名として典型的と...続きを読む
  • 帝国ホテル建築物語
    有名どころのいろんな方々が関わっていたんですね
    美しく物語は描かれていて読んでよかったーって思いましたが
    実際はちがっていたんでしょうね
    志なかばで去っていったライト氏が気の毒です

    生きた建築として保存活用されている建物もありますが
    ライト館は、過去の時代のものとして保存になってしまったんだなぁ
    ...続きを読む
  • 帝国ホテル建築物語
    初出2017〜18年の月刊「歴史街道」
    さすが植松三十里。感動の長編。

    大正年間に建設された帝国ホテルライト館は、外国人をもてなす日本の迎賓館とすべく、日本古美術商の山中商会ニューヨーク店の林愛作を支配人に引き抜き、日本美術に深い理解があるアメリカ人ロイドに設計を頼み、ロイドに深く傾倒し東大の建築...続きを読む
  • ひとり白虎 会津から長州へ
    白虎隊でただ一人、生き残った 飯沼貞吉。冷たい目を向けられ、死に損ないと罵られる日々を救ったのは、長州の楢崎頼三だった。「生きていて良かった」の温かい声に背を向け、身元を引き受け、将来の面倒まで見てくれた頼三に報いることもせず、ただただ立派に自害できなかった事を嘆くばかりの定吉。一人ぼっちになり、ド...続きを読む
  • 大正の后 昭和への激動
    平成最後の年に、この本を読めて良かったです。江戸、明治、大正、昭和の時代を知る大正皇后だからこその視点から描かれている作品でした。有名な日本と世界の歴史が、日本のトップである天皇家を取り囲む時代の様子からよく理解できて良かったです。戦争を経験し、大変な苦悩の末に、今の平和な世の中があるのだということ...続きを読む
  • 猫と漱石と悪妻
    見合い相手として現れた夏目金之助(漱石)に一目惚れした鏡子。しかし、結婚生活は苦難の連続で…! 波瀾と笑いの数々を経て、深く結ばれた夫婦の絆を描く、文豪一家グラフィティ。

    夏目漱石と言えば気難しそうな顔をしたあの写真と、ロンドン時代に心の病を発症したことが知られている。「吾輩は猫である」が実話に基...続きを読む
  • ひとり白虎 会津から長州へ
    知人に推され、初読の作家さん。

    出てくる人全てがあたりが柔らかく、読んでいて疲れない。
    ともすれば悪人が描けないと云うことが、作家さんの限界に感じることもあるが、ギリギリのところで免れている感がある。

    ただ一つ、会話文の語尾にやたらと「ッ」と付くのが、安っぽくて残念。

    さて、次は何を読めばいい...続きを読む
  • 猫と漱石と悪妻
    内助の功という言葉がありますが、文豪の妻という他人にはわからない立場であるが故の苦労は相当なものだったと考えられます。悪妻との定評?のある鏡子さんですが、これを読むと、良妻という一般的な見方が、漱石との夫婦関係には全く意味を成さないものであることがわかります。
    少し前にテレビでドラマ化されていたのを...続きを読む
  • リタとマッサン
    面白かった。夫婦愛も描かれてるし、ニッカウヰスキーを起業した経緯も苦労も描かれている。マッサンの志がまず一番だ。
  • リタとマッサン
    初めて国産ウイスキーの製造に成功したマッサンと、彼を愛し、信じて日本にまでついてきてマッサンを支え続けたスコットランド人・リタの夫婦の物語。誰も本物を飲んだ事のないウイスキーを作る事も、戦前の日本で外国人女性が妻として生きる事も並大抵のことではなかっただろう。サントリー創業者・鳥井の経営理念や戦前の...続きを読む