植松三十里のレビュー一覧

  • 徳川最後の将軍 慶喜の本心

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    わたしはこの方に反感を抱いている部類の人間なのですが、彼には深い思惑あってのことだったんだなと、少し見直しました。擁護するような内容です。すごく複雑な政治情勢が豪速球で流れるので、理解しにくいかもしれない。
    筆致には作家の優しい感情を感じました。

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    2023年01月09日
  • 徳川最後の将軍 慶喜の本心

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    ‥‥だが徳川慶喜の本心は、今もって理解はされていない。(341p)

    最後の1行である。私も正直戸惑っている。司馬遼太郎の「最後の将軍」もあるし、最近は大河でスポットライトが当たったばかりだし、なによりも自ら語り下ろしの自伝も著している。それでも、こんなにも、慶喜の本当の心は知られていない。慶喜の評価は定まっていない。試しに昨年私が大いに感心した幕末史「維新史再考(三谷博)」を紐解いても、慶喜の大阪城から江戸への逃げ帰りの理由は一切書いてなくて、評価もされていなかった。あの行為によって、内乱の泥沼化が回避されたのにも関わらず、である。

    徳川慶喜ほど将軍になる事を「期待」された将軍はいない。家

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    2022年04月26日
  • 会津の義 幕末の藩主松平容保

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    勇ましい会津藩主。なかなか珍しい解釈。史実に関してはダイジェスト版みたいに要約してあり、人物のやり取りが中心となります。

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    2022年02月01日
  • かちがらす 幕末の肥前佐賀

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    幕末に先見性を発揮して存在感を放った佐賀藩の物語。尊王攘夷の争いとは少し違う視点でアプローチできて新鮮だった。

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    2022年01月02日
  • 家康の母お大

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    読みながら、前も読んだことがあったと気づきました。
    歴史の中で女性が果たした役割を読み解いていくことが大好きです。
    これなんて、うってつけ。
    再来年の大河も今から楽しみですね!

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    2021年12月29日
  • 帝国ホテル建築物語

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    フランクロイドライトで有名な帝国ホテルの竣工に至る迄の壮絶な物語。本当に凄い人間物語だと読み進めるうちに気持ちが重くなっていく
    常滑の黄色の煉瓦を作った伊奈長三郎はINAXの発祥
    この辺りのテラコッタ、煉瓦の製作苦労も取り上げてももう一つの物語があったと想像

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    2021年10月01日
  • 梅と水仙

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    とても読みやすく、サラッと読めました。

    津田親子に焦点をあてているので、父と娘、どちらもざっくりとした内容でしたが、お父さんという人も、たくさんの事業を成した人だったのですね。

    明治維新後の落ち着かない時代だからこそなのか、志を持つことは、自分を奮い立たせる原動力になるのかと思いました。

    この時代から、女性に求められた教育というものが、今の私の中にあるのか、わかりませんが、ほんの少しはあると信じたい。

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    2021年08月18日
  • 時代を生きた女たち

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    オルビスの毎月届くカタログの中にある歴史上の女性たちを書いた短編ノンフィクションが好きすぎて、調べてみたら単行本になっていた!!

    この文庫では日本の、特に幕末から明治時代の女性が多い印象です。
    昔の女性は本当に地位が低かったんだな。男女平等を目指して生きた(目指してなくても結果的に活躍した)女性たちにパワーをもらえます。
    どの女性もカッコいい。

    私は日本史より世界史が好きなのもあって、異国な香りが漂うカイウラニやグーデンホーフ光子の話が好きですが、麻生和子や大山捨松もカッコいいですね。

    続編も出ないかなぁ〜

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    2021年04月11日
  • 帝国ホテル建築物語

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    天才と付き合うのは、大変である。しかし、天才は、人の求めるもの、次世代の様子が見える。ライトもそういう人だった。明治村に行きたい。

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    2021年02月03日
  • 梅と水仙

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    江戸から明治、全てが瓦解するその舞台、昨日が過去へ明日が未来へと激変する中に【梅】がいるそして【仙】もいる。津田塾、青山両大学の創設に関わった親子の生き様の軌跡を辿ることが、幕末から維新の国家最大の激変の縮図を紐解く、新たな視座を与えてくれたことに感謝です。わずか九歳で岩倉使節団に随行し、父の期待に応えようとする健気な梅の姿が読後も脳裏から離れません。

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    2020年11月10日
  • 帝国ホテル建築物語

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    明治村が好きで何回か帝国ホテルを見ていたが、
    こんなに色々な人間模様や苦労があったとは
    知らなかった。ライトが最後まで日本で帝国ホテル
    を見る事が無かった事が残念だ。
    こんなにも明治村で最も愛される建物になるとは
    ライトが知っていたらきっと感激するだろう。

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    2019年11月04日
  • 帝国ホテル建築物語

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    明治村の帝国ホテル玄関を見たのは昭和54年。当時の彼女がぜひ見たいと言う事で行ったのだが、このような背景があったのか、というのがやっと理解できた。
    フランク・ロイド・ライトという妥協を許さない設計者とそれに応える職人達の努力の結晶であり、火事と関東大震災にも耐えたホテルだった。

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    2019年06月23日
  • リタとマッサン

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    朝ドラでも評価が高く興味があった。
    日本でウィスキーの誕生とイギリスと日本の関係も踏まえてわかりやすい作品だった。
    山崎の工場や余市の情景も浮かび行ってみたいと思う。

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    2019年05月06日
  • ひとり白虎 会津から長州へ

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    植松三十里さんの初読み。

    史実に基づく、白虎隊の生き残りの物語。。。
    事前情報は皆無。
    作者の名前も聞いたことない。
    文字通り、店頭でたまたま目についただけの一冊だが、白虎隊と聞いては、福島県出身者として読まずにはおられまい!
    と、衝動買い。

    敵方の少年の資質を見込んで故郷に連れ帰り、衣食住から教育の援助まで施す……楢崎頼三の男気に感激。

    挫折は経験すれども、それに答えた飯沼貞吉の生き様に感動。

    ★4つ、9ポイント。
    2019.04.04.新。

    ※ば白虎隊自刃の理由……
    巷では「燃える城下町の様子に絶望しての自害」
    しかし(貞吉の)事実は異なる。(第2章に詳述)
    貞吉はそれを覆そうと

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    2019年04月04日
  • 大和維新

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    書き下ろし

    大和国安堵村の庄屋の家に生まれ、府県統合の過程で堺や大阪に吸収された「奈良県」の分離のために力を尽くした今村勤三の伝記的な小説。
    13歳の時、幕府を倒そうとする天誅組の挙兵が奈良であり、学問の師が参加したが破れ、「大和の誇り忘れるべからず」という書き付けを残して処刑されたが、勤三は終生この書き付けを肌身離さず持ち、生き方の指針とした。
    大阪中心の府政で、奈良の水害の手当が充分にできないことで、分県の請願を東京の政府や高官たちに働きかけて、家産をつぎ込んだために、田畑を売って愛媛県の官吏となって鉄道事業に力を尽くすが、内閣制度や国会ができるなかで、総理大臣にまで会い、ついに奈良県の

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    2018年11月15日
  • 志士の峠

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    ネタバレ

    本書を読んで初めて天誅組の詳しい逃走劇を知った。吉村虎太郎をはじめとした隊士たちの、忠光を生き延びさせるための強い想いと、それに応える忠光の想いに、胸が熱くなりました。そして、せっかく生き延びた忠光の惨めな死。世の理不尽さを描きながらも、彼らが礎となってできた明治の世、そして今にいたるその後の日本があることを、最後に示してくれている。一気に読み切った名作。

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    2018年11月13日
  • リタとマッサン

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    この本はフィクションである、と巻末に書いてあった。同様なことがあったのかと思って読んでいたが、小説なのだな。でも、スコットランドからマッサンだけを頼りとして日本についてきたリタの勇気と愛情に乾杯!

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    2018年10月20日
  • 猫と漱石と悪妻

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    漱石について書かれた本はいくらか読んだり、講座を受講したりとそれなりに理解しているつもりだ。初期のころは「吾輩は猫である」や「坊ちゃん」など軽妙で笑える作品だったのが、晩年近くになるにつれ死生観や知識人の苦悩などの重厚なテーマに変わっていく。生い立ちは勿論のこと、イギリス留学を機に精神的に不安定になり闘病が続く。一通り漱石論も学んだが、文豪・漱石さんは苦手。読んでいると、小説の主人公である男たちにイライラが募ってしまう。親友の恋人を奪い自分を赦せないでいる『先生』、妻の愛情に疑念を抱き、弟に妻と旅行に行ってもらい愛を確かめたい男。かと思えば、罹患した病の詳しい説明や、愛娘が亡くなった時の様子や

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    2018年08月16日
  • リタとマッサン

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    朝ドラの「マッサン」は観ていないけれど、本を読んで見ました。スコットランドでウイスキーを学び、生涯の伴侶リタと出会ったマッサン。日本に戻って働き続け、純粋に良いウイスキーの製造を目指して自分の会社を立ち上げるまでの過程は困難も多々あって、そこであきらめなかったからこそニッカウイスキーが出来たのですね。

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    2018年01月28日
  • 猫と漱石と悪妻

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    ネタバレ

    夏目漱石の妻、鏡子視点の漱石。史実とは違うエピソードもあるしヒステリックではない穏やかで肝っ玉女性的に描かれているが、総じて私のイメージから離れてはいないし、良く描かれているのでスムーズに読むことができた。ま、ちょっと良い話として仕上がっている軽い読み物。おもしろかった。

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    2016年12月18日