植松三十里のレビュー一覧
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テレビの朝ドラを見ていたので、興味を持って手に取りました。
テレビの内容はあれこれエピソードが加えられていたけど、こちらの方がシンプルでそれでいて夫婦の絆がしっかり伝わってくるいい作品だった。
ドラマの中では省略されていた若かりし頃のスコットランドでの出会いや、リタさんがどうして日本に行こうと思ったかが丁寧に書かれていたのも良かった。すっと作品に入れた感じ。
ウィスキー作りについても活字で読むほうがわかりやすかった。ウィスキーの味はわからないけど、とても繊細で年月のかかるもので、マッサンの思い入れにも共感できたよ。
マッサンの描かれ方もドラマではちょっと軽い感じだったけど、小説の中のマッサンは -
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英雄視されているような歴史の主役達をなぞるような小説とは違い、まさにその時代に翻弄されながら生きた、名を留めない人達を描くことで、その時代の肉感を持って感じることができた。
咸臨丸の話など、いろんな本、小説などでもよく語られていて何となく、歴史的にも近いところだし、資料とかは普通にたくさん残っているんだろうなんて思っていたが、たった一人の執念ともいうべき思いが無ければ今も分からないまま歴史の中に埋もれていたかもしれないという話に驚いた。
歴史に名を残すような人物達の陰には多くの無くてはならない仕事を成し遂げた人達がいるんだということをあらためて実感させられる。 -
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日本赤十字社の設立に尽力し、自ら資金集め、被災者の看護などに当たった鍋島榮子の物語。元々は高級華族の娘で最初の嫁ぎ先は岩倉具視の長男。早くに夫を亡くし、二度目に嫁したのが鍋島の当主。開明的な夫ではあったが、明治の藩閥政治に翻弄される面もあり、外交官の妻として、鹿鳴館での外国人のダンス相手をさせられる。条約改正に向けた努力ではあったが、今考えると全く陳腐な取り組み。その後、夫の知り合いの医師の勧めで看護団を組織し、後にこれが赤十字社となる。控えめだが一本筋の通った生き方で、教科書に出てくるような有名人ではないが、こんな人がいたのかと、知ることができてよかった。
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ネタバレ帝国ホテルというと、自分の結婚式を挙げるときに、「こんな機会はなかなかないから」とウェディング系のイベントに夫と二人で行ったこと(披露宴で出るフルコースが、比較的良心的な価格で食べれる。おいしかった)と、その最後のデザートとして、スタッフの方がずらっと並んで、一皿ずつのデザートにリキュールに火をつけて仕上げをする炎の演出があって、高そうなオプションだなと思ったこと、数年後、友人が帝国ホテルで披露宴をするのに参列したら、その演出があって驚いたこと……なんかを思い出すのだけれど、建物への印象があんまり残っていない。
私が行ったことのある帝国ホテルはもちろん当時のライト館ではなく、印象も違うものな -
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悪妻という言葉はあっても悪夫という言葉はありません。良妻賢母はいても良夫賢父はいないように、すべて男目線だからなのでしょう。
ちなみに悪妻の特徴はというと、
権力欲が強い
嫉妬深い
自己主張が強い
夫に従順でない
だそうです。(ノ-""-)ノ~┻━┻”
一方…夏目漱石の妻、鏡子が悪妻と呼ばれる理由をみると、
朝寝坊で起きられない
夫に口答えする
漱石の死後、家や物を売り散財したこと
などがあげられるようです。
確かに散財のイメージは大きいですが、
そんなことを言うなら
妻や子どもに暴力を振るった漱石の方が、よっぽど悪夫(あえていう)でしょう。
それに、鏡子なくして漱 -
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以前から興味のあったイザベラ・バード。『日本奥地紀行』にはなかなかハードルが高かったところへ、読みやすそうな植松三十里の本書が刊行された。明治初期でも、歩きやすい大きい街道が整備されていたにもかかわらず、誰も歩かないような山道を行きたがるバード。通訳のイトーや馬子らが気の毒になる。山奥なので、ノミやシラミだらけの不潔な宿や、宿の中まで押しかけてくる好奇心丸出しの村人たち。自分も腰痛持ちのくせに、懲りないバードには驚き。
途中から、紙の地図に丸をつけながら読んだら、とても理解が深まり、楽しさが増した。
『ふしぎの国のバード』(マンガ)を注文したので、読むのが楽しみ。