植松三十里のレビュー一覧

  • 万事オーライ 別府温泉を日本一にした男

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    別府温泉を日本一にした男、油屋熊八の一代物語。人の一生でこんなに忙しい人が居るのか、と思うような人物。亀の井旅館を経営してから、そこで出会う人を別府の仲間に引き入れて盛り上げていくところは読んでいてワクワクし感動することもありました。いまの日本ではあまりいない人情味溢れる人物のお話です。

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    2021年09月12日
  • 天璋院と和宮

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    久々に篤姫を読んでみたくなり軽い本からスタート。
    和宮が降嫁したあたりを中心に江戸城開城までを描いてある。慶喜に対しての見方が武家である篤姫は部下を置き去りにして逃げ帰った軟弱者という思いに対し、和宮は官軍に弓矢を向けなかった事を誉めている。人それぞれの見方があるんだなぁと印象に残った場面でもある。

    歴史を知らなくても女性の強さや生き方を学べるし、分かりやすく書かれていて半日で読める本でもある。

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    2020年09月27日
  • 帝国ホテル建築物語

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    帝国ホテルライト館をめぐっての人間の執念のドラマが描かれている。
    ロイド・ライトは、個人の中に、狂気が宿っているのかもしれない。
    建築家というこだわりよりも、芸術家としてのこだわりが強い。
    日本びいきで、日本の良さをどう自分のものにするのか?
    帝国ホテルで、ロイド・ライトがチャレンジしたのは、
    ライトの中にある「日本」というもののこだわりだった。
    黄色のスクラッチブリックとテラコッタ。
    スクラッチブリックを常滑で作り、帝国ホテルが直営のレンガ工場を作る。
    それが、伊奈製陶に発展して行く。
    穴のある軽い石 大谷石を選ぶこだわりと彫刻ができる。
    ある意味では、日本人の匠の技量に期待すぎている面があ

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    2020年04月17日
  • 大正の后 昭和への激動

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    伝記・評伝小説というのは、噛み砕いて歴史と歴史上の人物を教えてくれるとてもいい読み物だと思う。私は昭和天皇のお母様という位置づけで読んだ。大正時代というのはあまりなじみがなくデモクラシー、ロマン、関東大震災という言葉と対に連想する程度。華族の娘さんが庶民の子と一緒に育てられることがあるなどとは知らなかった。上皇后さま皇后陛下と、お后の系譜は庶民にとって興味深いもの。平和について、福祉について、皇族方の努力の足跡を追ういいきっかけになる小説です。病弱な大正天皇を支えた、偉大な女性のお話です。

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    2020年03月05日
  • 梅と水仙

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    書き下ろし

    津田梅を描いた小説はいくつか読んだが、これが一番面白い。父親を一緒に描いていて、時代背景をいっそう生き生きさせ、感動的な場面もたくさんある。さすが植松三十里の筆の力。

    佐倉藩士津田仙は、藩主堀田正睦が老中になったため、幕府のアメリカでの軍艦買い付けに同行し、アメリカの農業に注目して、西洋野菜を栽培、缶詰でもうけ、農学校を作って材を育て、農業雑誌で啓蒙に努めた。6歳の娘を留学させたのにはポリシーがあったのだ。しかし、日本語を忘れるような開拓使のというか黒田清隆のPRのための長期留学計画は無茶だったと思う。

    留学生仲間には、戊辰戦争で徹底的に打ち負かされ領地を追われた会津藩の家老

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    2020年02月08日
  • 帝国ホテル建築物語

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    大正時代に建てられた帝国ホテルライト館。
    その建設に関わった男達の熱い戦いを描く物語。

    予備知識なし。
    帝国ホテルは今の姿しか知らず、ライト館のような建物があったことも知らず、映像を調べ、その美しさに魅了されながら読み進めました。

    経営陣と現場の人間、建築家達の気持ちの食い違いや葛藤が興味深かったです。
    ライトと愛作が、最後まで関わることが出来ず、ライト館の勇姿を見ることもなかった可能性を考えると複雑な気持ちになります。
    後世に残るものを作ることの素晴らしさをしみじみ感じながらの読書でした。
    明治村に行き、移築されたライト館を見てみたいです。

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    2019年09月29日
  • 家康の母お大

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    おもしろかった!歴史小説はあまり好きでないけどこれはお大の、強い女性の生き様が見えた。久松もにくめず愛しいキャラ。

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    2019年09月16日
  • 会津の義 幕末の藩主松平容保

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    松平容保を主人公とする作品である。
    京都守護職として精勤していたことから、孝明天皇に与えられたという生地で誂えた陣羽織に具足という姿で床机に腰掛けている姿のイラストが表紙に…これはよく知られている写真をイメージした画であろう…
    読み易い分量の作品で、“松平容保”という、幕末期辺りの大名として典型的とは言い悪い運命を辿り、多くの犠牲が生じた戊辰戦争の顛末に心を傷めながら明治期を過ごしたという人物の生き様が、実に活き活きと伝えられている…なかなかに夢中になった…

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    2019年06月23日
  • 帝国ホテル建築物語

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    有名どころのいろんな方々が関わっていたんですね
    美しく物語は描かれていて読んでよかったーって思いましたが
    実際はちがっていたんでしょうね
    志なかばで去っていったライト氏が気の毒です

    生きた建築として保存活用されている建物もありますが
    ライト館は、過去の時代のものとして保存になってしまったんだなぁ
    明治村では過去の空気が流れていたよ
    それもいいのかな
    これからもずっと手を入れながらそこにあってほしいです

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    2019年06月16日
  • 帝国ホテル建築物語

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    初出2017〜18年の月刊「歴史街道」
    さすが植松三十里。感動の長編。

    大正年間に建設された帝国ホテルライト館は、外国人をもてなす日本の迎賓館とすべく、日本古美術商の山中商会ニューヨーク店の林愛作を支配人に引き抜き、日本美術に深い理解があるアメリカ人ロイドに設計を頼み、ロイドに深く傾倒し東大の建築科を出たばかりの遠藤新を助手にして多くの時間と資金を費やして進められた。

    大谷石がもてはやされるきっかけとなった石材のこだわり、黄色いレンガの特注の話も面白く、関東大震災を耐えた建物が、多くの日本人職人のプライドをかけたものであったことにも感動する。現在も評判の帝国ホテルのクリーニングの始まりのエ

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    2019年06月10日
  • ひとり白虎 会津から長州へ

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    白虎隊でただ一人、生き残った 飯沼貞吉。冷たい目を向けられ、死に損ないと罵られる日々を救ったのは、長州の楢崎頼三だった。「生きていて良かった」の温かい声に背を向け、身元を引き受け、将来の面倒まで見てくれた頼三に報いることもせず、ただただ立派に自害できなかった事を嘆くばかりの定吉。一人ぼっちになり、ドン底の暮らしを見た時、漸くその有難さに気づき、恥じていたものをさらけ出し、ようやく新時代へ目を向ける。定吉の故郷、家族への想いや、分岐点で出会う人たちが今だから語る会津への想いが胸を打つ。あぁ、頼三ににもう一度、会わせてあげたかった。
    白虎隊に1人だけ、生き残った人がいたのは知っていたが、その後の事

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    2019年02月09日
  • 大正の后 昭和への激動

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    平成最後の年に、この本を読めて良かったです。江戸、明治、大正、昭和の時代を知る大正皇后だからこその視点から描かれている作品でした。有名な日本と世界の歴史が、日本のトップである天皇家を取り囲む時代の様子からよく理解できて良かったです。戦争を経験し、大変な苦悩の末に、今の平和な世の中があるのだということを強く実感します。そして今ある平和を持続させ、さらに世界中の人々ができるだけ平和な暮らしができるように、努力していかなければいけないと思いました。また福祉の精神が貞明皇后からだということに驚きと同時に納得です。

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    2018年11月21日
  • 猫と漱石と悪妻

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    見合い相手として現れた夏目金之助(漱石)に一目惚れした鏡子。しかし、結婚生活は苦難の連続で…! 波瀾と笑いの数々を経て、深く結ばれた夫婦の絆を描く、文豪一家グラフィティ。

    夏目漱石と言えば気難しそうな顔をしたあの写真と、ロンドン時代に心の病を発症したことが知られている。「吾輩は猫である」が実話に基づいていることは聞いたことがあったけれど、本作はさまざまな漱石作品の誕生の背景を鮮やかに描く。さすが植松三十里だ。
    (B)

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    2018年08月26日
  • ひとり白虎 会津から長州へ

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    知人に推され、初読の作家さん。

    出てくる人全てがあたりが柔らかく、読んでいて疲れない。
    ともすれば悪人が描けないと云うことが、作家さんの限界に感じることもあるが、ギリギリのところで免れている感がある。

    ただ一つ、会話文の語尾にやたらと「ッ」と付くのが、安っぽくて残念。

    さて、次は何を読めばいいのでせう・・?

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    2018年08月21日
  • 猫と漱石と悪妻

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    内助の功という言葉がありますが、文豪の妻という他人にはわからない立場であるが故の苦労は相当なものだったと考えられます。悪妻との定評?のある鏡子さんですが、これを読むと、良妻という一般的な見方が、漱石との夫婦関係には全く意味を成さないものであることがわかります。
    少し前にテレビでドラマ化されていたのを見て、良かったので興味を惹かれて小説でも読んでみましたが、原作どおりだったことがわかりました。
    癇癪持ちで妻子に暴力を奮うという、今だったらDVに相当する仕打ちも、幼少期の心の傷や、仕事や創作活動のプレッシャーが原因だと理解し、漱石が気持ち良く過ごせるように気を配る姿は、誰にも真似のできることではあ

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    2018年06月01日
  • リタとマッサン

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    面白かった。夫婦愛も描かれてるし、ニッカウヰスキーを起業した経緯も苦労も描かれている。マッサンの志がまず一番だ。

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    2018年05月21日
  • リタとマッサン

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    初めて国産ウイスキーの製造に成功したマッサンと、彼を愛し、信じて日本にまでついてきてマッサンを支え続けたスコットランド人・リタの夫婦の物語。誰も本物を飲んだ事のないウイスキーを作る事も、戦前の日本で外国人女性が妻として生きる事も並大抵のことではなかっただろう。サントリー創業者・鳥井の経営理念や戦前の北海道の人々も興味深かった。

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    2017年07月25日
  • リタとマッサン

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    奥トレで交換してもらった一冊。国産のウィスキーの始まりにこんな物語があったんだ、と楽しく読みながらも勉強になりました。スコットランドの印象も少し変わったかな。そしてマッサンもすごいがリタさんも、大変な人生だったろうけど幸せだったろうなと思いました。こんな風に2人で支え支えられながらやってみたいことと堂々と向き合って暮らしてくのは、すごくうらやましく思う。これまで自分はハイボールがメインだったけど、ウイスキーを味わって飲むのも興味が出てきた一冊でした。

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    2016年08月20日
  • 千姫 おんなの城

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    読みやすくてあっという間に終わってしまった。

    私はこういう千姫像の小説が読みたかったのかも知れんな…。

    好っきゃねん!

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    2013年08月16日
  • 咸臨丸、サンフランシスコにて

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    恥ずかしいことに今まで知らなかったことばかりだった。遅ればせながら今後もっと咸臨丸や開陽丸について勉強していきたいと思う。そして改めてサンフランシスコに行こう。まずは今秋の塩飽訪問が楽しみだ。

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    2012年05月29日