植松三十里のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
内助の功という言葉がありますが、文豪の妻という他人にはわからない立場であるが故の苦労は相当なものだったと考えられます。悪妻との定評?のある鏡子さんですが、これを読むと、良妻という一般的な見方が、漱石との夫婦関係には全く意味を成さないものであることがわかります。
少し前にテレビでドラマ化されていたのを見て、良かったので興味を惹かれて小説でも読んでみましたが、原作どおりだったことがわかりました。
癇癪持ちで妻子に暴力を奮うという、今だったらDVに相当する仕打ちも、幼少期の心の傷や、仕事や創作活動のプレッシャーが原因だと理解し、漱石が気持ち良く過ごせるように気を配る姿は、誰にも真似のできることではあ -
Posted by ブクログ
二宮金次郎(二宮尊徳)の幼少期からの一生を描いた小説。
貧乏時代から勤勉と努力が、苦労苦労の背景から、実を結ぶ物語が、読みやすい小説として紹介されている。
冒頭より、まるで映画を見るような感覚で、読み進めることができた。
「節約」について、二宮金次郎のそれは、個人の為にあるのではなく万民のためにあるものだという点において、現代の個人主義的な「節約」とは大きく違うものだ。
また、「節約」の方法論は、単なるケチなのではなくて、喜びや快感を伴うものとなっていて、読んでいて非常に爽快だった。
物語は、タイトルの通り、幼年期〜青年期・壮年期に重点が置かれていて、晩年についてはやや端折っ手いるように -
Posted by ブクログ
公家の娘が岩倉具視の息子に嫁いで、彼の死後、さらに岩倉の勧めで、佐賀藩士出身で外交官の鍋島直大の後添えとして嫁ぎ、彼の外交生活を支え、のちの日本の赤十字の立ち上げの中心人物となる鍋島榮子(ながこ)。
彼女の周りにいる人たちが、皇族、公家をはじめ、歴史上の重要人物ばかりで驚きました。
そういう生活の中で、あの時代、女性が声を上げるというのは、相当な覚悟を持って行わなければならなかっただろうな、と感じます。
鍋島榮子という人物は知らなかったので、こういう人があの時代、どれだけの功績を残したか、どんな苦労があっただろうか、と知れることは、よかったと思います。
こうした奉仕の精神、なかなか持てる人はい -
Posted by ブクログ
白虎隊の悲劇から1人生き残った主人公の飯沼貞吉少年が、生き残ったのは恥だと同郷人から謗られ、居場所が無くなり、縁があり敵であった長州へと向かい、過去の出来事に、押し潰されそうになりながら周囲の人から手助け、ときには突き放され二転三転しながら、居場所を求めて成長していく史実を元にした物語
過ごしていた時代や環境が変化していき、今までの自分の考えが通用しなくなっていく中で、故郷や居場所だと思っていた所をなくし、これからのことを自活していくなかで、最初こそ周囲からの甘やかしは必要だけれど、どん底に陥った過去の状況を恥じずに受け入れていく気概が大事になってくると思いました
また戻るところや居場所が