植松三十里のレビュー一覧

  • 達成の人 二宮金次郎早春録

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    二宮金次郎(二宮尊徳)の幼少期からの一生を描いた小説。

    貧乏時代から勤勉と努力が、苦労苦労の背景から、実を結ぶ物語が、読みやすい小説として紹介されている。
    冒頭より、まるで映画を見るような感覚で、読み進めることができた。

    「節約」について、二宮金次郎のそれは、個人の為にあるのではなく万民のためにあるものだという点において、現代の個人主義的な「節約」とは大きく違うものだ。
    また、「節約」の方法論は、単なるケチなのではなくて、喜びや快感を伴うものとなっていて、読んでいて非常に爽快だった。

    物語は、タイトルの通り、幼年期〜青年期・壮年期に重点が置かれていて、晩年についてはやや端折っ手いるように

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    2012年02月01日
  • 家康の子

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    結城秀康の心情、家康の心情を深掘りしてわかりやすく描いた名著。秀吉の養子になるなどの様々な出来事に対して秀康がどのような気持ちであったかが丁寧に描写されており、腑に落ちる内容になっている。

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    2025年12月04日
  • つないだ手 沢田美喜物語

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    戦争後の自分の事だけでも精一杯な時代に
    多くの子供たちの面倒を
    見ることが出来るなんて
    とてつもない事で

    寄付を出してくれる人達にも尊敬した。

    自分が理不尽な目にあった時に
    思い出してみようと思った。

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    2025年11月06日
  • 帝国ホテル建築物語

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    フランク・ロイド・ライトが帝国ホテルを建てた時の話(今は明治村に一部が保存されている。)細部まで凝った意匠だったようで泊まってみたかったな。林 愛作ホテル支配人、ライトの弟子の遠藤 新など多くの日本人の尽力もあった。偉業を成し遂げた人の話を読むのは大変面白い。

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    2025年10月10日
  • 鹿鳴館の花は散らず

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    公家の娘が岩倉具視の息子に嫁いで、彼の死後、さらに岩倉の勧めで、佐賀藩士出身で外交官の鍋島直大の後添えとして嫁ぎ、彼の外交生活を支え、のちの日本の赤十字の立ち上げの中心人物となる鍋島榮子(ながこ)。
    彼女の周りにいる人たちが、皇族、公家をはじめ、歴史上の重要人物ばかりで驚きました。
    そういう生活の中で、あの時代、女性が声を上げるというのは、相当な覚悟を持って行わなければならなかっただろうな、と感じます。
    鍋島榮子という人物は知らなかったので、こういう人があの時代、どれだけの功績を残したか、どんな苦労があっただろうか、と知れることは、よかったと思います。
    こうした奉仕の精神、なかなか持てる人はい

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    2025年09月25日
  • つないだ手 沢田美喜物語

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    思いもよらない沢山の問題と戦ってきた方なのだと思いました。
    今とは全く違うであろう世間の目、資金面、その他多くの問題に立ち向かい、救いの手を差しのべ続けた行動は誰でも出きることではないと思いました。

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    2025年09月25日
  • リタとマッサン

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    ドラマでやっていた時は全くウイスキーに興味も無く、年老いてウイスキーを飲みだし、この本があると知り読んでみた。
    ドラマをうろ覚えの方、本を読む人でウイスキー飲む方は一度は読んでも損はしない本だと思う。
    文体は読みやすく非常に面白かった。

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    2025年09月06日
  • 猫と漱石と悪妻

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    夏目漱石の作品は読んだことがあったけど、その人となりは知らなかった。もちろん病気のことや妻のことも。
    四女の出産シーンは滑稽で笑いが止まらなかった。
    でも同じ場面に出くわしたら、自分だったら卒倒するかもしれんなと思った。

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    2025年08月31日
  • 帝国ホテル建築物語

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    フランク・ロイド・ライトが設計した名建築、帝国ホテル二代目本館、通称ライト館が完成するまでの壮絶な道のりが、ドラマティックに描かれています。こんなにも多くの紆余屈折があったとは思いもしませんでした。自由学園明日館もライトの作品ですね。

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    2025年08月30日
  • ひとり白虎 会津から長州へ

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    白虎隊の悲劇から1人生き残った主人公の飯沼貞吉少年が、生き残ったのは恥だと同郷人から謗られ、居場所が無くなり、縁があり敵であった長州へと向かい、過去の出来事に、押し潰されそうになりながら周囲の人から手助け、ときには突き放され二転三転しながら、居場所を求めて成長していく史実を元にした物語

    過ごしていた時代や環境が変化していき、今までの自分の考えが通用しなくなっていく中で、故郷や居場所だと思っていた所をなくし、これからのことを自活していくなかで、最初こそ周囲からの甘やかしは必要だけれど、どん底に陥った過去の状況を恥じずに受け入れていく気概が大事になってくると思いました

    また戻るところや居場所が

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    2025年08月16日
  • 万事オーライ 別府温泉を日本一にした男

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    ネタバレ

    別府温泉に私財を投じて日本一の温泉に認めさせた人
    明治から昭和にかけて商売は目端の利くものが独り勝
    ちの世界であり、アイディアが実を結び発展していく
    様を追体験できる小説は大好きだ

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    2025年07月17日
  • イザベラ・バードと侍ボーイ

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    読み始めてから『日本奥地紀行』(平凡社)を副読本がわりに同時に読んだ。伊藤鶴吉の生い立ちから、イザベラとの出会いが綴られ、北日本への旅へと入っていく。イザベラから見たイトー。鶴吉から見たイザベラ。この二つの視点が交錯し、奥地紀行に奥行きを与えている。一つの転機となった秋田県・米代川での出来事として描かれたが、本当に鶴吉はイザベラと決別しようとしたのか、興味深い。後日談として、妹ヘンリエッタの死とビショップ博士との結婚や、再来日して36歳になった鶴吉との再会にも触れているのも良かった。

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    2025年06月15日
  • 鹿鳴館の花は散らず

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    タイトルには鹿鳴館と有りますが、鹿鳴館は前半だけで、むしろ後半の、最後には「日本のナイチンゲール」と呼ばれるようになった鍋島榮子(ひろこと読む)の物語です。
    公家の廣橋家に生まれ、岩倉具視の長男・具義の元に16歳で嫁ぐも7年後に夫は病死。その後、義父・具視の周旋で同じ妻に先立たれていた元佐賀鍋島藩藩主・鍋島尚大侯爵と再婚します。
    その後は外交官だった尚大の妻として鹿鳴館外交の花の一人と呼ばれたが、目的とした不平等条約の改正は挫折。その後、赤十字活動の存在を知り、侯爵夫人ながら自ら磐梯山噴火の被災者救護に当たり、その経験をもとに看護学校や病院の設立・運営に乗り出して行きました。
    章ごとに時代を行

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    2025年06月05日
  • 侍たちの沃野 大久保利通最後の夢

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    大久保利通が士族授産の方策の一つとして描いた安積疎水事業。しかし事業が本格化する前に大久保は暗殺されてしまう。その遺志を受け継いだ南一郎平は、国や県の役人、地元の有力者ら、他の土地から移住した旧士族の働き手などと調整を行い、日本初の土木事業、安積疎水を完成させる。大きな事を成し遂げるには、多くの人の協力が必要。そして協力を得るためには、人々のエネルギーを1つにする中間管理職の役割が大きいという事を実感させられる感動の一冊。

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    2025年05月05日
  • 鹿鳴館の花は散らず

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    薩長土肥と言われていながら、ドラマを通して薩長土しか知らなかったので、肥前藩を知る良い一冊となった。

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    2025年04月19日
  • 侍たちの沃野 大久保利通最後の夢

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    大久保利通が描いた夢と、彼亡き後、その思いを引き継ぎ、日本初の土木事業「安積疎水」に挑んだ人々の物語。

    時に対立し、また協力しながら挑む姿に心が揺さぶられる。

    歴史を知る人がいれば、想いは未来まで語り継がれるだろう。

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    2025年04月02日
  • 帝国ホテル建築物語

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     帝国ホテル・ライト館建設に挑む苦難の歴史。林愛作が再建を引き受ける経緯からライト招聘、ホテルのサービス改革、ライトの難しい要求と真摯な対応、度重なる
    天災と、十分な見応えとテンポの物語構成と人物の熱が良かった。愛作や新は勿論、愛作・ライトと常に対立しながらも要所で漢気を見せる大倉喜八郎や石工の棟梁・亀田易平らの熱の描き方が上手かった。
     愛作やライト視点では最後まで見届けることができない不完全燃焼のプロジェクトであり、物語としての帰結は難しかったと思う。愛作が団結を促してから、数十頁
    経たずに地震の引責で辞める展開は非常にショックだった。最後は新が責任者として誇りをもって締めたが、支配人とし

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    2025年03月02日
  • リタとマッサン

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    リタは、婚約者を第一次世界大戦で亡くし、医者だった父も喪って、失意のなかにいた。
    その頃、妹が通うグラスゴー大学の留学生竹鶴政孝と知り合う。
    日本でウイスキー作りをするため、イギリスまで学びにきた政孝に、驚きながらも惹かれていくリタ。
    だが、国際結婚を決意した二人は家族の猛反対に遭い……。
    夢の実現に邁進する夫と、献身的に支え続けた妻。
    ウイスキー誕生のため生涯を賭けた夫婦愛。

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    2025年02月12日
  • 梅と水仙

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    五千円札の肖像になった津田梅子の生涯の話です

    幼くして海外留学し、現地での苦労、帰国してからの苦労大変な生活が続く中でこの人の向上心には頭が下がる思いです

    本のタイトルの梅と水仙の意味が、最後でアッと気づいた時親子の絆にグッときました

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    2025年01月09日
  • イザベラ・バードと侍ボーイ

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    明治時代の都会の様子、寒村の様子、物好きな冒険家のイザベラ・バードと、賢くて誇り高いイトーの二人旅を想像するだけで、わくわくしました。

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    2024年12月12日