南條範夫のレビュー一覧
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全身が震える読後感
一般的な歴史の表舞台の江戸とはまた遠い、駿河における小さき二人の武士に焦点を当てた物語。
何も知らぬ者からみたらただの無名な小さき者共のとらぬ鍔迫り合いだが、当人の間にあるドラマは壮絶なもの。
最終話で象徴される「ドラマ」の見え方に身震いしてしまった。
全てが美しい作品。
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静かに滾る血潮が渦巻く
人間模様の奔流が紡ぎ出す表層に、想像が膨らまされて、読者の想像で登場人物の新たな道が作られる、味わい深い作品である。
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長い苦行の末、悟りの境地に達した藤木源之助が最後に全てを失うのは圧巻!
シグルイ15巻の長期連載の結末がこれとは驚き。原作があるのだから結末が決まってるのでしょうが、最後に藤木と三重が一緒に桜道を歩く姿に、作者も別の結末を見たかったのではと思う。 -
Posted by ブクログ
漫画『シグルイ』の原作というので読んでみた。
この本では全部で十一番の真剣試合が描かれているが、漫画の方は最初の一試合を描くのに七年十五巻を要して居る。
この調子で行けば完結に後五十年以上かかるためか、一試合目までで漫画は終わっている。
折角なので全試合描いてもらいたいものだと思いながら原作を読んだ。
非常に面白い。
漫画『シグルイ』では原作の各所に散らばるモチーフや小話を上手く物語に織り込んでいて、見方によっては全十一試合を一試合で表現したと言える。
原作、漫画併せて読み応えがある。
原作が面白く、大幅に脚色された漫画版も面白いなどというものはなかなかない。
それにしても、それぞれの剣士