南條範夫のレビュー一覧
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凛然といま閃く虐げ 隻腕の剣士 饗宴に招かれし あた能わず 裃かみしも 尾張なり紀州なり 自己の存在など刹那に散り行く儚きもの 死桜 春日局 乳母うば 落胤らくいん 灯ともしび 野心を満たす為に昇ってきたのではない…人間に優劣をつける階級社会を否定する為に昇ってきたのだ 斬りたいから斬りに行くそれだけだ 生きることを決意した者の美しさはただ生きる者達を圧倒する 神聖な約束 竜門に挑む鯉の如く 戦う為に生まれたのではない…戦って結ばれる為に生まれたのだ 伊良子清玄は他者に命じられて殺めるという行為に吐き気を催したのだ 何事も皆偽りの世の中に死ぬばかりぞ誠なりける 誘引力 鍔迫り 伊良子清玄は源之
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画策 よう擁する こうし後嗣として寵愛された驕児きょうじ 得体の知れぬ不満 雪千代の介錯は首の皮一枚を残す見事な業前であった きゃつ彼奴は天稟てんぴんの才 上意 こそばゆい 千加さまは…男子おのこ… 屈木頑之助 不憫 その特異な重心により容易に転倒を招いた 家畜以下の生物 兜投げ 可憐なる抗議 舟木流は合戦の武功で成り上がった家故のう 美丈夫 夜這い 巨大な頭部を起点に背と首の筋肉で跳ね上がる天地逆転の斬法! みたか蝦蟇剣法 馬廻役笹原修三郎 権八郎の恐るべき嗅覚は千加の美しい内臓を見透かし未通女であることを看破した 目眩を催す毒臭に権八郎は顔を覆った 相手の得意手は戦う前に奪う!蝦蟇剣法とは
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ほのかな思慕を胸に秘め 峻別 許婚 領主の思召 粗相のなきよう 生命存続の危機に際した時人間は本能的にそれを回避する方法を記憶の中から探し出そうとするそれが死ぬ間際に見る記憶の走馬灯の真相である 将軍家光の実弟徳川忠長 人目なくば斬り剥ぎも日常茶飯事という不逞の輩である 侠客 鉄扇 牢人者 京で吉岡を倒した武蔵みてえにか 田舎剣法ならぬいかれ剣法てか! 麒麟児 前髪 蕾見してみいや 中目録の腕前 水月=みぞおち 涼‼︎でかした! 笑うという行為は本来攻撃的なものであり獣が牙を剥く行為が原点である 陥没 脳挫傷 肺破裂 顎部が咽頭に詰まり窒息死 頸椎骨折 野良犬相手に表道具は用いぬ 掛川に竜が潜
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不退転の血戦 双竜 天賦の剣才 栄達を夢見る 異常なる鍛錬 より優れた「種」 妄執に囚われ 跡目 今や三重の純情思慕をも手中に収め、伊良子は甘美な順風に酔いさらに膨らむおのが野望に身を焦がすばかり。 不義密通が発覚 憤怒の炎が渦巻き いくの乳首を噛み食す牛股権左衛門 真珠のように白い胸椎 瞬またたき 野心がモルヒネのように激痛を麻痺させているのだ 猫科動物が爪を立てるが如き異様な掴み 藤木…お前は這え俺は翔ぶ 罌粟の実よりこしらえし妙薬… 春の淡雪の如く 悪根を焼き断つ 太閤殿下の御指もその方と同じ数であるぞ汝はそれを見苦しいと申すか 柳生宗矩 慟哭 終焉 新たな怪物の産声… この日生まれ出で
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美しく、残酷に。 駿府城領主徳川忠長 自刃 陰腹かげばら 諫言かんげん 天下は既に泰平 翻意=反抗する気持ち 駿河五十五万石 暗君 濃尾無双 不覚傷 背面の隆り 沈痛 弔辞のそれ 武門の誉れ 封建社会の完成系は少数のサディストと多数のマゾヒストによって構成されるのだ 隻腕と盲目の剣士 差配 不屈の精神を持った剣士にあっては自己に与えられた過酷な運命さだめこそかえってその若い闘魂たましいを揺さぶりついには… 無明逆流れ 太刀筋 異形と化すまでに鍛え込まれた背中 万力の如く刀身を締めつける跛足の指先 遠江国とおとうみくに掛川 鍔迫合 手心 艶めいた芳香 道場破り 隆盛 斃すことまかりならぬ伊達にし
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寛永六年(1630年頃)に行われ、あまりに悲惨な内容のため後に開催事実が隠滅されたとしている、架空の「駿河城御前試合」十一戦+後日談一戦の全十二話の短編集。
多くは、「絶対無敵の技を身に着けた」ものの戦いで、現実とは離れているものの、その技を身に着けるに至る時代設定にあったエピソード(多くは女性がらみ)や、全体通しての古風な表現から、「歴史ものを読んでいる」感が高かった。
特に「身替り試合」が、全体と同じ悲劇話しながらも喜劇要素があったり、また、そもそも道場剣法と戦技との差異という、この本の中ではリアリティのあるベースであったことなどから、もっとも面白かった。
全体的に短くまとめられた話の中で -
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ネタバレシグルイの原作と聞いて読んでみた。
わずか40ページ足らずの1章「無明逆流れ」が、該当する部位のようだ。
だいぶすっきりと話がまとまっていて、虎眼先生は健康だし伊良子はただの色男みたいな感じだった。
それでもやはりあの異様な剣の構えはそのままで、文章においても奇怪な雰囲気が存分に伝わってくる。
御前試合11番ということで一つ一つの話は短いけれど、その他の章に関してもドロドロした女絡みの愛憎が物語を引き立てる。
句点がくどいほど多用されていたのは少し気になりつつ、読みやすいとは思った。
思っていたよりもずっと救いのない結末だったな… 。
美人に斬りつけられるのが気持ち良すぎて、とか。
とど -
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<全15巻:全編への感想です 原作読破済み>
シリーズ途中で原作小説を読み、大筋にのみ乗っ取り、キャラクター像や登場キャラクター、エピソードは山口氏(以下「作者」)の独自創作・改変が予想以上に多いことを知り、納得しつつも改めて驚きました。
狂気の暴君・大納言忠長が駿河城にて主催した真剣御前試合。その第一試合に登場した二人の剣士は、片や全盲、片や隻腕という異様な取り合わせ。
二人の一見奇矯な剣法がぶつかり合おうとするシーンから一転、その因縁が1から語られ、最後は試合の決着がついて終わります。
残酷物の傑作として知られた原作に劣らず、(もう表紙からして)血と内臓、不条理と狂気の応酬。迫力は素