ぬさんのレビュー一覧

重なる解を知るためには、無視できるものがあると知った彼らの慧眼よ。すなわち下の始まりと上の美があればいいののだ。

危機がおきたときには、それを奇貨として何事かをなす者たちがいるようだ。ナナジュウのそれもまた、その類だろう。

差別とはあるものへの反発がその外にあるようだ。そして彼女たちはそれに抗っている。あたかも現実社会に呼応するように。

好奇心旺盛というのはカタチなのだ。それは成熟と幼稚さの間で揺れ動くもの。だからこそかけがえのないのである。

人の技能にあったことをさせる。かんたんなようだが、これが出来ていない場合のなんとおおいことか。本作はそんな中で一つの希望を描いているのではなかろうか。

求められるもののために人は動くのだろう。個人の思いや選択とはまったく状況如何のものなのだと思い知らされる。

安易な道を慫慂されてもそれに惑わされることなく、己の定めた目標に向かって従容と進んでいく姿に感銘をうけもうした。

原因や理由から当然に生まれる結果。しげみ、早み、心が落ちこんでしまう。だがだからといってそれを従容と受け入るかは別だ。

男子三日あわざれば刮目してみよ。人の成長というのはまったく素晴らしい。広範囲にわたる蓄えのごとく、それは文明の進歩に資するのだ。

追放ものならではの良さがギュッとつまった一作。安心、救済、除去とそれぞれの要素が見事に組み合わされております。

あらたな場所を目指す冒険とその決意。かつてはそんなことなど考えられないほど内向的な性格だった彼女の成長が感慨深い。もはや彼女はその心の中に重心とメカニカルシールを持っている。きっとどこまでも歩いて行けるはずだ。

こんな青春がおくりたかった・・・。お乳の大きな美しい同級生と段階を踏んで交流していく。これが人生の到達点なのかもしれない。もはや叶うことのない夢をこうして読むことが出来るのは、せめてもの慰めである。

悪役令嬢とミステリーの組み合わせという斬新なスタイルが面白い！そのミステリーの要素というのも取ってつけたようなものではなく、作者のジャンルに対する熱意が伝わってくる中々凝ったものであり、とても期待がもてました。

運命的な出会いによりマリ子の人生は大きくその進路を変える。
それが吉と出るか凶と出るかは彼女たちの行動次第であろう。
無限の未来の可能性は今なお前方に横たわっている。

結婚という人生の一大イベントへの望みが潰えてしまった日から新たに始まる道の奇妙な爽快さとワクワク感がイイ！不幸な状況なのかもしれないけれど、束縛するものがなくなり軽くなった足取りで歩む可能性に満ちた未来に期待せずにはいられません。

二年間もしたしく交際してきた相手から突如婚約破棄をされてしまった伯爵令嬢のコニー。しかし彼女はそんなことではへこたれないないのだ。己に配られたカードに悲観することなく、自分に出来ることで人生を切り開いていこうとする彼女の姿にシビれる。

主人公が純粋でひたむきで読んでいて気持ちがいいです。婚約に関して予想外の事態が起きてもそれに対して落ち込んだりいじけたりするのではなく、あくまでも前向きに自ら行動を起こし解決策を模索するという彼女の姿勢に感服しました。

救出されたグリフィスは一体何を考えているのだろうか。あまりに恐ろしくあまりにも悍ましい拷問を受け続け、その間もガッツへの複雑な思いは以前の夢の如くに在り続けた。そして今ガッツを見るその目は得体の知れない、だが強い何かを秘めたものだ。

あまり過激すぎず、しかし刺激も確かにあるというバランスの作風が心地よい。過不足がなく調和がとれている。これぞ正に中庸だ。

読んでいると私の中の何かが満たされていくのを感じる。後悔、願望、苦しみ、楽しみ、あらゆる煩悩が薄れていくような融解していくような不思議な心地。おとなりのお姉さんこそ私を導く者なのだ。

タイトルと表紙が雄弁に語っているように、年上のセクシーなお姉さんにアレコレされてしまう漫画なのです。
これ以上何をいう必要も私は感じません。

夢の終わりに様々な記憶が思い起こされる。思い出したくもないつらい記憶、生死を共にしたかけがえのない仲間たちとの記憶。過去があって今があり、その今は夢を標として未来へと続いていくはずだった。夢が終わり、光を失った道が今前に横たわっている。

決して人の夢にすがったりはしない 誰にも強いられることなく自分の生きる理由は自らが定め進んでいくもの
対等の者として友でありたかったガッツの決意と行動。そしてその結果。逃れられない運命が大きく動き出す。

グリフィスとキャスカ、ガッツの三人の関係性やそれぞれの思いが何というか情緒的でいいですね。激しく無慈悲で壮絶な戦いに身を置き、だからこそ真剣で心からの迷いや夢。厚みや説得力の感じさせられる物語に心揺さぶられます。

黄金時代編という名の通り話は勝利と栄光とに彩られ、眩しくて活気に満ち溢れ、その前へ前へと進んでいくエネルギーに魅了される。彼らの夢に同乗しているようなこの興奮はなかなか味わえないものです。

仲間と居場所と信頼とを得て、傭兵という血生臭い稼業であるし決して顔にも出していないがガッツはとても充実して幸福なように思える。
だからこそ、今後の展開を知っているゆえにあまりにも哀しく残酷に見えるのです。

むごい扱いを受けてもガンビーノを嫌いきれないどころかいまだに慕ってさえいるようなガッツの姿に胸が苦しくなる。彼にとっては親として大切な存在であり拠り所として必要なものということなのだろうけど、そうならざるを得なかった彼の過酷な環境というものを考えてしまう。

まるでケイパー物のようなスリリングな展開が楽しい。バトルばかりではなくこのようなものも描けることに作者の高い技量が感じさせられます。続きが益々たのしみになり申した。

真相に近づいているかと希望のある展開が続いていたが新たに明らかになった事実に愕然としてしまう。しかし彼らはその歩みを止めることはない。ただ前に進むのみなのだ。

死中に活を求めるとは劣勢にあるものがあくまでも勝利を求めて己の全てを賭けて行うのだ。それには強い意志、確かな技量、そして何より幸運が必要である。そんな賭けに勝った男の姿は、意外にもくたびれて見えた。

戦闘においては物質的な要素以上に精神性が重要なことがままある。それはまさに彼がこの話で実証して見せたことだ。勇気とは戦士にとって真に必要なものなのだ。

進む計画と不測の事態。一度動き出した歯車はもはや止めることはできず、軌道修正は容易ではない。焦慮は間違いを生み、それがまた焦りを生む。これからどうなるかとひと時も目が離せない展開だ。

俗に実行との遭遇で生き残れるプランは無いという。あらゆる状況はそれぞれにユニークなものであり一つとして同じものはない。たとえ蓋然性に基づき計画を立ててもその通りに進むことは稀なのだ。そんなことを思い起こさせる展開でした。

共通の敵がいることで団結するという話はよく聞くし理屈も納得できるものであるが、様々な事情、利権、過去がそれをすら妨げてしまう。果たして彼らは脅威を取り除くことが出来るのだろうか。

戦いという暴力の嵐の中で見出された希望は、その出自にもかかわらず平和的で温かいものだということがとても印象に残る。彼らがそれを叶える事が出来るよう願ってやまない。

徐々に明らかになっていく謎が心地よい。主人公の出自や能力、企業の目的、敵の起源、全てが繋がりパズルのようにはまっていく展開が爽快です。

戦闘はひとまずの決着をみるもまだまだ懸案は多い。陰に生きる者たちの陰謀と計画はその動きを止めることなく続いているのだ。しかし、今はつかの間の平和を味わおう。

一瞬の迷いが命取りとなるような激しく過酷な戦い。彼らの苦しみや疲れ、そして興奮がありありと伝わってくる迫力ある描写に圧倒される。私は今新たな名作の誕生を目撃しているのかもしれない。

続く戦闘を彼らは当たり前のこととして受け入れ日常の一部になってしまっているが、そんな中でも人間性を失っていない姿に強く感動させられる。人の魂とはかくも気高くあることが出来るのだ。

世界の潮流がどんなものであろうと多くの人はただ目の前の問題に対処していく事しかできない。生きるために戦う、奪う、逃げる。この過酷な世界にあって誰が彼らを非難できるだろうか。

一切の躊躇いもなく行使される暴力。その目的は敵の戦闘力の壊滅であり、そこに慈悲や友愛の如きものは入り込む余地はない。
渺茫とした荒野にも似た闘争の世界に生きる彼らの背中が悲しい。

命を懸けた戦闘においては技術以上に行為者の精神が重要になる。レンジャーたちのそんな言葉が思い起こされる話でした。しっかりとキャラクターを描いてきたからこその展開だと感心させられまする。

崩壊した世界でもなお人は秩序を作り出そうとし、その営みを全うしようとする。それは遺伝子に刻み込まれた生命そのものの力なのかとなんだか頼もしく思わされる。

複雑に絡み合う陰謀と欲望。もはやその全体を把握しているものも操ることが出来るものもなく、ただ制御不能の大きな流れとなり人々の生活を翻弄する。その中にあって個人に出来ることを考えようとしても憮然とするばかりだ。

極限の状況では人は変わらざるを得ない。およそ人間らしい感情や道徳は後回しになり、まるで獣のごとくに生きのびる事のみが目的となる。しかし、だからこそ理念を持ち続ける主人公たちはよりその思いを強くするのだろう。

悲惨な世界で何とか生き抜こうとする登場人物たち。何が彼らに希望を与えているのか、復讐、愛情、平穏な生活・・・。語られないことは多く、描かれないものは大きいが、それでも物語は進んでいく。

ポストアポカリプスの世界で侵略的な怪物とサイボーグ化を進めた人類が戦う！設定だけで面白いですが内容も期待を裏切らない、いやそれを上回るクオリティで大満足。お気に入りの漫画になりそうです。

陰謀、嫉妬、虚栄心、伝統、愛情・・・様々なものが絡み合い入り交じり淀みのようになっている御手洗家。復讐のためそこに挑む杏子もまた変化せずにいることなどできはしない。不可避であった彼女の変わりようはとても悲しいものです。

御手洗家の人間が一枚岩ではないというのがこの漫画をより面白くしているように思える。誰が敵で誰が味方になりうるのか。物語は予断を許さない展開であり、とてもひき付けられる。

緊張感のある展開に心臓の鼓動が速くなりっぱなしです。周りには敵だらけ、少しのミスも許されない主人公の状況はこれ以上ないほどにスリリングでエキサイティングなのです。彼女は目標を達成出来るのか、手に汗握りながら読んどります。