戸田裕之のレビュー一覧
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前作のような派手さはあまりないけど、やっぱり面白かった。
舞台は14世紀のキングズブリッジ。「フィリップ院長の時代が黄金時代」とか「ジャック・ビルダーが…」などといった文言が控えめにちりばめられているのにニヤッとする。今度はキングズブリッジ大聖堂が敵役として登場するのも新鮮。
百年戦争、ペスト大流行の様子やその影響――医療の発達とか荘園制崩壊とか――が相変わらず生き生きと描かれる。登場人物たちの葛藤ももどかしく、感情移入してしまう。一人一人の性格や、問題にあたっての行動に関しては、前作以上の人間らしさを感じた。
最後もきちんと大団円で、ハラハラしつつも安心して読むことができた(除皮剥ぎ。満足満足。 -
Posted by ブクログ
前作の続編ですが200年経った14世紀が舞台なのでこちらだけ読んでも楽しめると思います。誰が誰の子孫とか、細かいエピソードは出てくるのでもちろん前作を読んでいれば更に面白いです。前作では修道院は庶民に寄り添い、貴族階級と対峙する格好でしたが、200年後では聖職者も貴族と並ぶ権利保有者になりより政治的になっていて既得権益もあり庶民とは離れた存在になっています。それに対し以前はなかった女子修道院が修道院に属する組織として存在し、男性中心の封建社会組織に組み込まれ本来の存在意義を失いつつある男子修道院に代わり、病人の世話をするなど弱い立場の庶民を助けています。
物語はジャックの子孫のマーティン・ラルフの兄弟と、裕福な羊毛商人の娘カリス、土地を持たない最下層の労働者の娘グウェンダの4人が、森で殺人事件を目撃したところから始まり、王、貴族、大司教、修道院長の権力闘争から、登場人物たちの人生の目的達成のそれぞれの苦労と、大きな話から細かい話まで多岐にわたりながらも全体のまとまりは失わずに大団円を迎えるので、一気にスルーっと読めてしまいます。大作です。今回の作品は特に社会のマイノリティである労働者そして女性にスポットがあてられていて、読んでいて共感するところも多かったです。★5つでなく4つなのは、かなりボリュームのある大作を立て続けに読んだので最後少々息が切れてしまったため。一気読みした甲斐はありましたが、もう少し間を空けて読めばもっと良かったかも。 -
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なんだか忙しく引きまわされて、何だったの?という感じかな?
ウィリアムというロンドン警視庁捜査警部が主人公なだけに、わたしが勝手にミステリーのような事件解決を思い描いていたからだとは思いますけどね。
はじめから、英国王室に関する事がらと以前に扱った事件の後始末のような話が並行して描かれ、いったいこれは、どういう結末にもっていきたいのだろうかと、モヤモヤしながら読み進めました。
話はどんどん広がって、登場人物も増え、さらなる事件も起こり、先は気になるものの、よくわからないままのことも多くて。
英国王室、特にダイアナ妃も登場しているのですが、こんなふうにゴシップ的なネタで描かれるのに少々ビックリです。
それに、皇太子妃とはいえ、こんなふうに自由な振舞いをしているものなのでしょうかね。
なんとなく、 日本の皇室を思ってしまうので、もっと制限がありそうと思ってしまいます。
どちらについても、それほど知っているわではないので、これも勝手な思い込みです。 -
Posted by ブクログ
まぁそうなるだろうとはうすうす感じていましたが、「キングズブリッジ」という名前が出てきた瞬間は、感動がありましたね。これがやりたかったから、この作品を書いたまであるんじゃないでしょうか。むしろこれを一番最後に持ってきたほうが盛り上がったんじゃないかなぁ。
ウィンスタンの最後に関しては、ちょっと残念です。あんなに手ごわかったウィンスタンがああなってしまうなんて…。やはり知力と知力のぶつかり合いで決着をつけて欲しかった思いがありますね。とはいえ、あの情けない最後も悪者の行く末として、あるべき姿かもと思えます。
勧善懲悪で、めでたしめでたしという感じですが、敵の弱体化もあって、下巻はやや盛り上がりに欠けるかな。ですが、三冊を一気読みさせられました。ケン・フォレットのストーリーテリング力に感服です。 -
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イギリスの政治家・作家ジェフリー・アーチャーの長篇ミステリ作品『運命の時計が回るとき ロンドン警視庁未解決殺人事件特別捜査班(原題:Over My Dead Body)』を読みました。
ジェフリー・アーチャーの作品は昨年9月に読んだ『まだ見ぬ敵はそこにいる ロンドン警視庁麻薬取締独立捜査班』以来です。
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スコットランドヤード警視総監への道を歩む刑事ウォーウィックが豪華客船の死体と未解決殺人の謎に迫る!
巨匠アーチャーが放つ、英国警察小説。
〈ウィリアム・ウォーウィック〉シリーズ第4話。
「著者インタヴュー」と「ウィリアム・ウォーウィックの極秘ファイル」を特別収録!
ロンドン警視庁のウィリアム・ウォーウィックは警部昇任後、豪華客船に乗り、束の間の休暇を妻と過ごしていた。
だが一族を引き連れた老大富豪が後継者争いの最中に死亡。
ウィリアムは真相究明に乗り出す。
一方、彼の留守を預かる同僚たちは5件の未解決殺人の再捜査を開始。
まもなくウィリアムも合流し、敵対する犯罪組織の報復殺人事件を追うが??。
巨匠が放つ、至高の英国警察小説!
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2021年(令和3年)に発表された作品……ウィリアム・ウォーウィック・シリーズの第4作です、、、
本シリーズは第1作『レンブラントをとり返せ―ロンドン警視庁美術骨董捜査班―』、第2作『まだ見ぬ敵はそこにいる ロンドン警視庁麻薬取締独立捜査班』と順番に読んでいたのですが、今回は第3作を飛ばして第4作を読んじゃうことになりました。
ロンドン警視庁のウィリアム・ウォーウィックは警部昇任後、ピルグリム・ラインの豪華客船オールデンでニューヨークに向かい、束の間の休暇を妻ベスと過ごしていた……だがピルグリム・ラインの経営者一族を引き連れた老大富豪フレイザー・ブキャナンが後継者争いの最中に急死、、、
ウィリアムは真相究明に乗り出す……一方、彼の留守を預かる同僚たちは5件の未解決殺人の再捜査を始動。
まもなくウィリアムも合流し、敵対する犯罪組織の報復殺人事件を追うが……巨匠ジェフリー・アーチャーが放つ、至高の英国警察小説!
シリーズの作品毎に昇任しているウィリアムは、本作では捜査警部……未解決殺人事件特別捜査班を率いて、過去の未解決事件を解決しつつ、未読の第3作で死んだことになっていた美術品の大物窃盗詐欺師マイルズ・フォークナーが姿と名前を変えて生きており、その弁護士ブース・ワトソンとの対決が平行して描かれる展開、、、
たまたま乗り合わせた豪華客船オールデンでの殺害事件も描かれ、慌ただしく感じましたね……元囮捜査官のロス・ホーガンの活躍が目覚ましく印象に残りました。
多くの事件が描かれている影響で、全体的には物語に深みを感じなかった印象……ウィリアムの活躍よりも、犯罪側のコンビ、フォークナーとワトソンが悪知恵を絞って謀を駆使して捜査側を騙し、出し抜こうとする姿の方が印象に残る作品でした。