【感想・ネタバレ】大聖堂―果てしなき世界(上)のレビュー

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Posted by ブクログ

12世紀のイングランドを舞台に王室・豪族・教会そして主人公の建築職人が織り成す壮大な物語。
上巻では、職を失いながらも当時の建築業務の中ではダントツの威容を誇る教会建築の仕事を求める建築職人のトムがキングスブリッジ修道院院長のフィリップと出会うことから物語が始まる。大聖堂を建てたいという思い、家族、雇い主である修道院院長や副院長の間の確執さまざまな要素が絡み合いながら中巻へ続く。

教会建築の面では11世紀に生まれたロマネスク様式(ヴォールトという天井構造の荷重を厚い壁で受ける方式)が12世紀後半に生まれたゴシック様式(フライングバットレスという外壁の外側からアーチをかけ側壁の荷重を支える方式)へと変遷する革新期と物語の時期が重なりダイナミックな要素として彩を添える。

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2013年05月01日

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前作「大聖堂」から二百年後のキングズブリッジが舞台。
森で騎士が追っ手に追われている現場に遭遇した子どもたち、マーティンとラルフの兄弟、そしてカリスとグウェンダという二人の少女、この四人がさまざまな困難を乗り越えながらそれぞれの道を進んでいく物語。前作同様、いやそれ以上に、おもしろい!

特に気になるのは建築職人のマーティンと羊毛商人の娘カリスの恋。「大聖堂」より今回のほうが、より恋愛色が強いような…。二人を応援してます。

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2013年02月23日

Posted by ブクログ

大聖堂の続編です。
今回も、不幸が「これでもか!」と連続で来る、ケン・フォレットの力業は健在です。

前作では、主人公たちを中心にしてのいろいろな対立と対比をかなり意識して書いていたと思うのですが、今回は、対立はあるのですが、前回ほど明快ではなくて、混沌としています。
修道院も、かなり腐敗していて、かつてのような理想に生きる人はいない感じです。

そんな中で、それでも、それぞれの思いや、欲望に振り回されながら、たくましく生きている感じが素敵です。

本の後ろのあらすじは、けっこう重要なことまで書いてあります。
特にこの時点で、下巻のあらすじを読んだのは、失敗だったかも……。

まあ、結果だけ知っても、過程がおもしろくない本ではないのでいいんですけどね。驚きは、減っちゃった。

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2011年06月09日

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圧倒的な筆力で大作をグイグイ読み進ませるのはさすがケン・フォレット。
名作「大聖堂」の続編のプロローグはのっけから引きこまれました。

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2010年12月12日

Posted by ブクログ

「大聖堂」の続編。
200年後、既に大聖堂が建っている街キングズブリッジ。
騎士のサー・ジェラルドの長男でのちに建築職人になるマーティンと、その弟で大柄で強いが粗暴なラルフ。
裕福な羊毛商人エドマンドの娘で利発な美少女カリス。
土地を持たない貧民の娘グウェンダ。
この子供らが森で偶然に、騎士が襲われて相手を殺す事件を目撃する所から始まります。
そのときの騎士トマスは修道院へ。
修道院長を目指す修道士ゴドウィンは、カリスの伯母の息子。穏当にふるまっていますが、実は野心家。
修道院の内部抗争も描かれます。
女子修道院の存在が大きくなっているのも、時代の流れというか、前作とは違う興味をそそります。
グウェンダが恋するハンサムな農夫のウルフリックには婚約者がいました。
望みのない恋に思えたが、思いがけなくウルフリックの親が亡くなって、その土地所有を巡って危機に陥る。
当時は、当然のように息子が継げるというものでもなかったという意外な盲点が。
薄幸のグウェンダが一途でけなげ。
人が集まっている日に橋が落ちるという大惨事が起き、街は大混乱に。
マーティンは親には期待されない息子でしたが、橋の欠陥を見抜き、才能を発揮していきます。
カリスと想い合いますが、親方の娘に言い寄られて妊娠させたという騒ぎになり、それは濡れ衣だったのですが、ギルドに入れなくなり‥?!
臨場感があり、ドラマチックです。

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2010年11月06日

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続編ものですが、まずページを開けて目についたのは、前作と比べて登場人物の多さ。あれだけ面白かった前作を上回れるのか。読む前からこちらが心配してしまいましたが、全くの杞憂でした。前作は登場人物も少なく、誰が悪い奴かもはっきりしていた反面、今回は登場人物が多いため人間関係も遥かに複雑で、まだこの時点では前作と違い、圧倒的な悪人もおらず、まだまだ手探りで読んでいる感じです。次に期待です!

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2021年12月04日

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最初は人間関係を把握するのが大変だった。マーティンの話の糸とグウェンダの話の糸が絡み合って進んでいくような構成のようだ。あともう一つの糸があるとすればゴドウィンの糸かな。こっちはそこまで後々まで絡んでくるかはわからないけど。
雪だるま式に物語への興味が増大していく…!

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2016年12月09日

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前作のような派手さはあまりないけど、やっぱり面白かった。

舞台は14世紀のキングズブリッジ。「フィリップ院長の時代が黄金時代」とか「ジャック・ビルダーが…」などといった文言が控えめにちりばめられているのにニヤッとする。今度はキングズブリッジ大聖堂が敵役として登場するのも新鮮。
百年戦争、ペスト大流行の様子やその影響――医療の発達とか荘園制崩壊とか――が相変わらず生き生きと描かれる。登場人物たちの葛藤ももどかしく、感情移入してしまう。一人一人の性格や、問題にあたっての行動に関しては、前作以上の人間らしさを感じた。
最後もきちんと大団円で、ハラハラしつつも安心して読むことができた(除皮剥ぎ。満足満足。

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2011年12月14日

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いつの間にか大聖堂の続編が出ていたとは。不覚でした。感想は下巻で書きます。この本も児玉清の宣伝が帯にありました。つくづく児玉清に先をこされています。

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2011年09月28日

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前作と続けて読んだせいか、主人公を阻む勢力が次から次に難題を課したり、必ず悪い結果をもたらすところとか、このカップルはいずれ必ず結ばれるだろうとか、先が読める気がする‥という気分で読んでしまった。たしかにそうだったんだけど、ちょっともったいない。前作から時間をおいて読めばよかった。
しかしすべてのフラッグを見事に回収するのは、読んでいて気持ちが良いのなんの。
四人の主要人物のうち、残念ながら最期まで感情移入できないのが一人。
大聖堂の建築についてのうんちくは少なかった。これも残念の一つ。
あと、カワハギの刑はいやだー!

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2010年09月07日

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さらに分厚くなった「大聖堂」の続編。といっても約200年後の話。キングスブリッジを舞台に建築職人のマーティンと、兄ラルフ、羊毛商人の娘カリス、貧しい労働者の娘グウェンダを中心にした物語。前作以上に悪者が悪すぎる!保身や権力闘争のために、卑劣なことでも何でもやる。ムカムカしながらも、マーティンやカリス、グウェンダが彼らにどう立ち向かうかが気になって、読みだしたら止まらない。

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2009年10月04日

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1989に発表された「大聖堂」の続編です。
前作もそうでしたがこの作品も分厚い3分冊という、手を出すのを躊躇うほどの長大な歴史ロマンです。
肉体的な冒険は少なく、陰謀と駆け引きの渦巻く修道院内の権力抗争や、無能な貴族と農民の確執、中世と言う時代の中で目覚め始めた女性の活躍などが描かれます。
前作では建築技術の進化がバックグラウンドに描かれ、それが結構興味深かったのですが、この作品ではそこが少なくなった代わりに、恋愛模様が詳細に描かれています。
なかなか出会うことの出来ない面白くて重厚な歴史ロマンです。

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2016年08月05日

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前作の続編ですが200年経った14世紀が舞台なのでこちらだけ読んでも楽しめると思います。誰が誰の子孫とか、細かいエピソードは出てくるのでもちろん前作を読んでいれば更に面白いです。前作では修道院は庶民に寄り添い、貴族階級と対峙する格好でしたが、200年後では聖職者も貴族と並ぶ権利保有者になりより政治的になっていて既得権益もあり庶民とは離れた存在になっています。それに対し以前はなかった女子修道院が修道院に属する組織として存在し、男性中心の封建社会組織に組み込まれ本来の存在意義を失いつつある男子修道院に代わり、病人の世話をするなど弱い立場の庶民を助けています。
物語はジャックの子孫のマーティン・ラルフの兄弟と、裕福な羊毛商人の娘カリス、土地を持たない最下層の労働者の娘グウェンダの4人が、森で殺人事件を目撃したところから始まり、王、貴族、大司教、修道院長の権力闘争から、登場人物たちの人生の目的達成のそれぞれの苦労と、大きな話から細かい話まで多岐にわたりながらも全体のまとまりは失わずに大団円を迎えるので、一気にスルーっと読めてしまいます。大作です。今回の作品は特に社会のマイノリティである労働者そして女性にスポットがあてられていて、読んでいて共感するところも多かったです。★5つでなく4つなのは、かなりボリュームのある大作を立て続けに読んだので最後少々息が切れてしまったため。一気読みした甲斐はありましたが、もう少し間を空けて読めばもっと良かったかも。

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2009年10月07日

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「大聖堂」の続作です。
とはいえ、舞台は前作の約200年後のキングズブリッジです。

相変わらずの「不幸」「困難」がてんこ盛りで、読むのがしんどくなりつつもページを繰ってしまいます。
「ちっとはええことおきてくれ!」と、期待をこめて中巻へ。

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2011年11月18日

Posted by ブクログ

続編の翻訳が思いがけずいいタイミングで出てしまったので、また逃避系読書。時代の移り変わりに従って中世の都市住民の力が強くなっている様子なんかも描かれていて面白い。前作に引き続き、人間的かつ魅力的なヒロインがいい。

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2009年10月07日

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