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Posted by ブクログ
12世紀のイングランドを舞台に王室・豪族・教会そして主人公の建築職人が織り成す壮大な物語。
上巻では、職を失いながらも当時の建築業務の中ではダントツの威容を誇る教会建築の仕事を求める建築職人のトムがキングスブリッジ修道院院長のフィリップと出会うことから物語が始まる。大聖堂を建てたいという思い、家族、雇い主である修道院院長や副院長の間の確執さまざまな要素が絡み合いながら中巻へ続く。
教会建築の面では11世紀に生まれたロマネスク様式(ヴォールトという天井構造の荷重を厚い壁で受ける方式)が12世紀後半に生まれたゴシック様式(フライングバットレスという外壁の外側からアーチをかけ側壁の荷重を支える方式)へと変遷する革新期と物語の時期が重なりダイナミックな要素として彩を添える。
Posted by ブクログ
大聖堂の続編です。
今回も、不幸が「これでもか!」と連続で来る、ケン・フォレットの力業は健在です。
前作では、主人公たちを中心にしてのいろいろな対立と対比をかなり意識して書いていたと思うのですが、今回は、対立はあるのですが、前回ほど明快ではなくて、混沌としています。
修道院も、かなり腐敗していて、かつてのような理想に生きる人はいない感じです。
そんな中で、それでも、それぞれの思いや、欲望に振り回されながら、たくましく生きている感じが素敵です。
本の後ろのあらすじは、けっこう重要なことまで書いてあります。
特にこの時点で、下巻のあらすじを読んだのは、失敗だったかも……。
まあ、結果だけ知っても、過程がおもしろくない本ではないのでいいんですけどね。驚きは、減っちゃった。
Posted by ブクログ
「大聖堂」の続編。
200年後、既に大聖堂が建っている街キングズブリッジ。
騎士のサー・ジェラルドの長男でのちに建築職人になるマーティンと、その弟で大柄で強いが粗暴なラルフ。
裕福な羊毛商人エドマンドの娘で利発な美少女カリス。
土地を持たない貧民の娘グウェンダ。
この子供らが森で偶然に、騎士が襲われて相手を殺す事件を目撃する所から始まります。
そのときの騎士トマスは修道院へ。
修道院長を目指す修道士ゴドウィンは、カリスの伯母の息子。穏当にふるまっていますが、実は野心家。
修道院の内部抗争も描かれます。
女子修道院の存在が大きくなっているのも、時代の流れというか、前作とは違う興味をそそります。
グウェンダが恋するハンサムな農夫のウルフリックには婚約者がいました。
望みのない恋に思えたが、思いがけなくウルフリックの親が亡くなって、その土地所有を巡って危機に陥る。
当時は、当然のように息子が継げるというものでもなかったという意外な盲点が。
薄幸のグウェンダが一途でけなげ。
人が集まっている日に橋が落ちるという大惨事が起き、街は大混乱に。
マーティンは親には期待されない息子でしたが、橋の欠陥を見抜き、才能を発揮していきます。
カリスと想い合いますが、親方の娘に言い寄られて妊娠させたという騒ぎになり、それは濡れ衣だったのですが、ギルドに入れなくなり‥?!
臨場感があり、ドラマチックです。
Posted by ブクログ
前作のような派手さはあまりないけど、やっぱり面白かった。
舞台は14世紀のキングズブリッジ。「フィリップ院長の時代が黄金時代」とか「ジャック・ビルダーが…」などといった文言が控えめにちりばめられているのにニヤッとする。今度はキングズブリッジ大聖堂が敵役として登場するのも新鮮。
百年戦争、ペスト大流行の様子やその影響――医療の発達とか荘園制崩壊とか――が相変わらず生き生きと描かれる。登場人物たちの葛藤ももどかしく、感情移入してしまう。一人一人の性格や、問題にあたっての行動に関しては、前作以上の人間らしさを感じた。
最後もきちんと大団円で、ハラハラしつつも安心して読むことができた(除皮剥ぎ。満足満足。
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