戸田裕之のレビュー一覧

  • 大聖堂―果てしなき世界(上)

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    「大聖堂」の続編。
    200年後、既に大聖堂が建っている街キングズブリッジ。
    騎士のサー・ジェラルドの長男でのちに建築職人になるマーティンと、その弟で大柄で強いが粗暴なラルフ。
    裕福な羊毛商人エドマンドの娘で利発な美少女カリス。
    土地を持たない貧民の娘グウェンダ。
    この子供らが森で偶然に、騎士が襲われて相手を殺す事件を目撃する所から始まります。
    そのときの騎士トマスは修道院へ。
    修道院長を目指す修道士ゴドウィンは、カリスの伯母の息子。穏当にふるまっていますが、実は野心家。
    修道院の内部抗争も描かれます。
    女子修道院の存在が大きくなっているのも、時代の流れというか、前作とは違う興味をそそります。

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    2010年11月06日
  • 大聖堂―果てしなき世界(下)

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    カリスのペストとの戦いや自由都市を目指す戦いは、なかなか終わらない。一体幸せになる日は来るのだろうかと心配になる。グウェンダとウルフリックの、土地を所有する夢もなかなか叶わない。カリスと結ばれることを諦めたマーティンには、意外な恋人ができて、これには驚いた!長かったお話も、終わりに向かってさらに盛り上がっていきました。上、中は、嫌な奴が、本当に嫌な奴すぎてイライラしてしまい4★にしたけれど、これだけ物語に引き付けれられたので、最後は5★にします。面白かった!

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    2009年10月04日
  • 火の柱(下)

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    『火の柱』は上、中、下巻通して、イングランド架空の町キングズブリッジを主な舞台に、62年間のネッドとマージュリー二人の波乱の人生を見事に描き切った物語である。下巻はその内、1566年~1606年の40年間の出来事を史実を背景にして語る。訳者あとがきによると、これまでのケン・フォレット作品の最高傑作と激賞している。

    どうしても本書と比べてしまうのが、パールバック著の『大地』である。主人公、王龍が死を迎えるまでのおよそ40〜50年間(父子三代の変遷)を描いている。一方、こちらはカトリックとプロテスタントによる宗教戦争の激動のヨーロッパを生き抜いた主人公、ネッドが80歳を迎えるまでの物語となる。読

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    2026年08月21日
  • 火の柱(中)

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    山下達郎の楽曲「メリー・ゴー・ラウンド」をyoutubeで聞いていて、この曲は今読んでいる『火の柱』中巻の雰囲気にピッタリだと...主人公イングランドのネッド、その兄バーニーの波乱の人生と二人の恋愛模様がステキ過ぎる。抗えない現実を乗り越えて強く生き抜く女性像は男性からすると、理想の母親のイメージと重なるのかもしれない。中巻で主人公ネッドは運命の人シルヴィーをみつけ、兄バーニーは8年越しにベラの元へ、迎えに来ると信じて待っていた彼女だったが...そこにはなんとバーニーの息子が。

    単純に国を二分するカトリックとプロテスタントの争いだけを描くのではなく、当時の残酷な歴史を背景にして、若い二人の恋

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    2026年08月10日
  • 光の鎧(下)

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    大聖堂シリーズ、ここに完結! と表紙にあり、キングズブリッジシリーズの最新作である。このシリーズは最初の作品でゴシック様式で建造が始まったキングズブリッジの大聖堂あたりを舞台とするシリーズであり、続きものではない。『大聖堂、夜と朝と』だけは一作目の前夜譚のようだが、他は作を重ねるごとに時代が新しくなり、この作品でワーテルローの戦いが終わったあたり、つまり近代までたどりつく。

    18世紀末のキングズブリッジでも紡績紡織の機械化が始まり、産業革命の荒波が押し寄せてくる。その状況での群像劇である。テキスタイル業界の話であるので、貧農の服装から裕福な御婦人のドレスまで描写が細かく、そのあたりも面白い。

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    2026年07月26日
  • 光の鎧(下)

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    キングズブリッジシリーズの完結にふさわしい、大団円という感じでしょうか。登場人物たちがそれぞれ、幸せそうで何よりです。戦争も終わり、労働者と資本家との争いもその妥協点が見えてきて、明るい未来が待っていそうな予感です。

    とはいえ、実際の歴史では、これからもっと恐ろしい戦争が待っていますし、現在においても労働者と資本家の対立が解決したとは言えません。そう考えると、いったんのハッピーエンドですが、これで何もかもが解決したとはいえない、そういう余韻もありました。

    今作「光の鎧」は、これまでのキングズブリッジシリーズとは違い、勧善懲悪というわけではないのも興味深いです。むしろ善人チームとされる人たち

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    2026年07月19日
  • 火の柱(下)

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    スペイン無敵艦隊との対決は、かなりハラハラさせられました。各陣営視点の描写あり、それがくるくると入れ替わりますので、その度にどちらが優勢なのかわからなくなります。

    カトリックとプロテスタントとの対決が決着しましたが、果たしてこれがネッドの目指していたことだったのか、という心からスカッとできない感じが何とも言えません。

    全ての決着がついて、一応はめでたしめでたしという感じです。しかしこれまでのキングズブリッジシリーズのような、勧善懲悪という感じはなく、なんというか全体的に、人間の愚かさとかそういうものが流れている感じがしました。

    結局現在の世の中でも、この時代に問題となっている点は解決しき

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    2026年06月19日
  • 火の柱(上)

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    キングズブリッジシリーズ3作目。始まりはキングズブリッジですが、イングランド、フランス、スペイン、ネーデルランドとかなり壮大な物語になっていきます。主人公的な登場人物たちが各地で行動ししていますので、これらがどう絡んでくるのか、今後が楽しみです。

    カトリックとプロテスタントの対立が軸となりそうな展開です。歴史の授業で出てきた宗教改革は、あっさりしていましたが、実際はこんな感じだったんですかね。なかなかに興味深いです。

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    2026年06月06日
  • ネヴァー(上)

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    止まらない核開発、麻薬密売、テロ行為、国の分断と対立、脅威はすぐそこに。三部作の読み応えあるポリティカル・スリラー。
    現実(いま)と結びつくような不穏な先に、なんだか未来への希望が薄れるというか気持ちが暗くなる。
    ひとつ戦闘を始めれば、それは報復合戦始まりの合図。攻撃は大きくなり、被害の範囲は広がり、争う国が増える。結末がずしりと。

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    2026年03月01日
  • 消えた王冠は誰の手に ロンドン警視庁王室警護本部

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    英国についての基礎知識がないと、はじめのところがわけわからないと思います。
    私にもないですが、そこを乗り越えられれば面白いです。
    でもそこは読まなくてはなりません

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    2025年12月02日
  • 大聖堂 夜と朝と(中)

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    贋金づくりの現場を見つかった、ウィンスタンの足掻きっぷりがすごい。絶体絶命というところから、屁理屈をこねまくっての大逆転。敵ながらあっぱれです。何度追い詰めても、するりと逃げていってしまう。この作品は本当に悪者が強い。
    ウィルウルフとラグナの間に微妙な亀裂が入ってきて、さぁどうなるのだろう。

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    2025年08月08日
  • 大聖堂 夜と朝と(上)

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    こっそり家を出ようとするエドガー。そしてヴァイキングの襲撃。のっけから息もつかせぬ展開。ページに顔がめり込むくらいにのめりこみました。
    エドガー、ラグナ、オルドレッドという良いものチームが、ウインスタン、ウィグレム、ウィルウルフの悪者チームの妨害を乗り越えて、成功をつかむというよくあるサクセスストーリーですが、ラグナとウィルウルフの関係がアクセントになっていて、ちょっと面白いです。この作品は悪者チームか強すぎる。さぁ、ここからどうなるのか、楽しみです。

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    2025年08月08日
  • 光の鎧(下)

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    いよいよ最終巻である。上巻、中巻で描かれてきた様々な出来事が、ワーテルローの戦いでクライマックスを迎える。
    キングズブリッジからこの戦争にすっ飛ぶのはいささか無理があるかと思いきや、稀代のストーリーテラーであるフォレットの手にかかればなんの違和感も感じさせない。それぞれの思いが絡んだ愛憎劇も一応の決着を見る。まあ、これはちょっと甘いかなあ……。
    訳者あとがきによれば、本シリーズはこれが最後となるそうだ。1991年に刊行された『大聖堂』から35年、ほぼリアルタイムで読み続けてきたので感慨深い。

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    2025年01月03日
  • 運命の時計が回るとき ロンドン警視庁未解決殺人事件特別捜査班

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    ウォーウィックはまたも昇進。新しく未解決殺人事件の担当に。ところがこれは周辺事情であって結局本線はまたもフォークナーとの争い。ちょっとマンネリ気味。ただし後半はやはり読ませる。一気読み。

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    2024年12月06日
  • まだ見ぬ敵はそこにいる ロンドン警視庁麻薬取締独立捜査班

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    イギリスの政治家・作家ジェフリー・アーチャーの長篇ミステリ作品『まだ見ぬ敵はそこにいる ロンドン警視庁麻薬取締独立捜査班(原題:Hidden in Plain Sight)』を読みました。
    ジェフリー・アーチャーの作品は昨年1月に読んだ『レンブラントをとり返せ―ロンドン警視庁美術骨董捜査班―』以来です。

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    全英1位! ジェフリー・アーチャー、圧巻の警察小説。
    スコットランドヤードの若き刑事ウォーウィックがロンドンで暗躍する顔のない悪党紳士を追う!

    ・27作が全英ベストセラー第1位!
    ・97カ国33言語で出版!
    ・総発行部数2億7500万部突破!

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    2024年09月21日
  • 遥かなる未踏峰 下

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    一気に読ませてしまう展開はああアーチャーだなと思ったけど、史実に基づいていて結末をうっすらと知っていたからか超面白いって感想にはならなかったな。

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    2024年05月10日
  • 運命の時計が回るとき ロンドン警視庁未解決殺人事件特別捜査班

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    目新しさはないけれども安定の面白さではある。結局続きも読むことになりそう。

    クリフトン年代記の最後の方は翻訳版が出るのを一年待つことが出来ずに原書を先に読んだけどこちらは一年待てるくらいの熱量でした。

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    2023年10月25日
  • 悪しき正義をつかまえろ ロンドン警視庁内務監察特別捜査班

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    シリーズ3作目。

    これより前の2作品から時系列的に続いているので、前の話を覚えていた方が、本作は楽しむことが出来ます。とはいえ、この作品単体で読んでも大丈夫です。

    敵味方、少し入り込んでいるので、物語がどう進むのか気になりましたが、概ね正義は果たされている様です。

    ですが、やっぱり、大きな敵はまだ残っている様ですね。次の作品を早く読みたいですね。

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    2023年02月05日
  • 大聖堂 夜と朝と(上)

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    昨年末は『ネヴァー』(全3冊)を一気読みしたが、今年は『大聖堂 夜と朝と』(全3冊)を一気読みすることになった。2年連続で年末にフォレットの新作を一気読みできるなんて夢のようだ。
    さて、本書は「大聖堂」と冠されているとおり、キングズブリッジ・シリーズの4作目だ。これまでの流れからすると舞台はアメリカかも?と思っていたが、なんと997年のイングランドという設定だった。これは1作目の『大聖堂』より前の話になる。
    群像劇だが、主人公に当たる青年(少年?)エドガーがなかなか魅力的だ。フランスから来たレディも気になる。

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    2022年12月30日
  • 悪しき正義をつかまえろ ロンドン警視庁内務監察特別捜査班

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    前回逮捕された麻薬王ラシディの裁判で激突する正義のサー・ジュリアンと悪のブース・ワトソン。そして腐敗刑事サマーズに対して囮をしかけるウィリアム・ウォーウィックチーム。プラス逃亡中のマイルズも仕掛けてくる。

    さすがジェフリー・アーチャー。この人の書くものは間違いない。刑事的アクションや法律&裁判テクニック、絵画蘊蓄、人物造形そして二転三転するプロット、全てがそこにある。

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    2022年12月07日