戸田裕之のレビュー一覧

  • 悪しき正義をつかまえろ ロンドン警視庁内務監察特別捜査班

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    ネタバレ

    「概要」ロンドン警視庁の内務監査特別捜査班による警察官による窃盗、詐欺、賄賂などを調べる担当となったウイリアム。麻薬捜査で検察側の証人として一時的停職を余儀なくされたが、それはあくまでも囮捜査の一環で、大量の麻薬を扱う麻薬王が絡む内部の優秀で褒賞を受けた警察官と元警視との関係を、暴いていく捜査ストーリー。
    「見所」は「正義と倫理の狭間」「内部告発の難しさ」「証拠の信頼性と認証過程の重要性」「権力構造の腐敗と改革の必要性」だが、特に法廷で、弁護側と検察側の認証、証拠に関する反論等、実に巧妙な説得材料は陪審員を納得させる。時に被告側の弁護士が、検察側証人を興奮させ被告人をあたかも有罪から無罪に思い

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    2025年10月01日
  • ロスノフスキ家の娘 上

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    ポーランドから無一物の移民としてアメリカの地にたどり着いたアベル・ロスノフスキ
    彼は不屈の精神で、一代でホテル王国を築き上げた
    その一人娘フロレンティナは一流の教育を受け才気煥発に育ち、父親の後を継ぐものと思われたが…

    上巻を読み終えたところで、『ケインとアベル』という作品の続編であることを知った…
    とはいえ、この作品だけでも十分楽しめる
    とにかく才色兼備なアベルの一人娘フロレンティナが魅力的で、この作品は彼女の物語といえる
    何不自由なく育ったとはいえ、ポーランド人である苦悩や挫折、失恋や大切な人との別れ、そして結婚から出産まで…
    彼女の成長から目が離せなかった
    当時のアメリカの様子も興味

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    2025年04月29日
  • 火の柱(下)

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    「キングスブリッジ」シリーズ第三弾。
    本作はキングスブリッジだけでなく、フランスやスペインまで舞台が広がっており、プロテスタントとカトリックの対立と、エリザベス・テューダーとメアリー・ステュアートの王位を巡る争いが話の軸となっている。

    信じる宗教が異なるというだけで、火刑や拷問、殺戮が行われ、それらは全て信仰のためだといって正当化される。
    何とも野蛮な時代で恐ろしくなるが、本書は史実とフィクションの織り交ぜ方が絶妙で、とにかく分かりやすい。楽しみながら歴史を知ることが出来る。
    スペイン無敵艦隊とイングランド海軍の海戦にも触れており、読み応え十分だ。
    前作同様、後味の良い結末で、大満足の面白さ

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    2024年09月18日
  • 大聖堂―果てしなき世界(下)

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    「キングスブリッジ」シリーズ第二弾。
    前作から200年後のキングスブリッジを取り巻く人々の生き様が描かれる。
    この時代に猛威を奮ったペストの流行にも触れられるが、当時正しいと考えられていた医学に執着する修道院と、自身の経験による新しい治療法を試そうとするカリスとの対立は特に面白い。
    保守的すぎるが故にどんどん悪人になっていく修道院長からも目が離せない。

    特に心に残ったのは、何があろうと逞しく生き抜こうとする女性たちの強さだ。
    人は過ちを犯すもの。様々な人生があり、どの人生も豊かで複雑で、素晴らしいものなのだと思わせてくれる小説。

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    2024年09月05日
  • 運命の時計が回るとき ロンドン警視庁未解決殺人事件特別捜査班

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    ウィリアム・ウォーウィックシリーズ四作目。アメリカへの船旅の最中に起こる殺人事件を解決し、懸案の逃亡中極悪人マイルズ・フォークナーの捜査に注力。スペインにいることは分かったが難攻不落の要塞のような所にいる。他にも難事件を抱える。

    面白い。面白すぎる。深夜にもかかわらず後半一気読み。囮捜査官だったロス・ホーガンがチームに加わり、ストーリーに大きく関わる。ウォーウィック以上かもしれない。事件に対する態度は、ウォーウィックよりもホーガンの方が好み。フォークナーを捕まえられるのか、めちゃめちゃドキドキした。これほどワクワクさせられる日本の小説を読みたいものだ。

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    2023年12月03日
  • 運命の時計が回るとき ロンドン警視庁未解決殺人事件特別捜査班

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    相変わらず面白い。
    今回は脇役(と言っていいかどうか)の1人が、かなり主役級の位置にきているので、また違った面白さも合ったり。早く次の作品も読みたい。

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    2023年11月26日
  • 悪しき正義をつかまえろ ロンドン警視庁内務監察特別捜査班

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    前回からの続きの話で相変わらず面白い。
    外国人の名前を覚えるのが苦手な私は新しい人が出てくるたびに「これはどこの誰だっけ」となるけど、このシリーズはキャラ付けがしっかりされているからなのか、そこまでそうならない。
    期待を裏切らないストーリー展開で、今回も中盤はハラハラさせられた。次回作にも期待!

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    2022年12月31日
  • まだ見ぬ敵はそこにいる ロンドン警視庁麻薬取締独立捜査班

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    巧みなストーリー展開、ウィットに富む会話。
    期待を裏切らない。その手があったのか?
    予測を超える、鮮やかな逮捕劇に圧巻させられる。 
    次作への余韻を残すエピローグが素晴らしい。

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    2022年12月09日
  • ネヴァー(下)

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    イスラム原理主義者の親玉をアフリカで探すCIA。チャドとスーダンの対立からバックにつく米中へも飛び火。北朝鮮でクーデター勃発。現実派の米大統領と中国国家主席。しかし好戦的な幹部もいる。第三次世界大戦はあるのか?

    うおー!ザ面白エスト。

    今まさに起こりそうなリアルな政治、軍事的状況。

    米中韓北朝鮮そして日本は何をしそうなのか、何をすべきなのか、それを学ぶ良質な教科書でもあり、極上のエンターテイメントでもあった。映像化希望。

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    2022年02月20日
  • まだ見ぬ敵はそこにいる ロンドン警視庁麻薬取締独立捜査班

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    刑事ウォーウィック第二作。正体不明の麻薬王が誰か、どこでドラッグを製造してるか突き止める件と、前回盗品売買で執行猶予付き有罪判決を、受けたマイルズ・フォークナーを再び務所送りにしようとする件、そしてフォークナーの絵画と家を妻クリスティーナが狙う件の三本立て。

    なんの文句も付けようのない最高の出来。ドキドキが最後まで止まらなかった。

    ※以下自分用ネタバレ

    マイルズの自宅でのドラッグパーティー事件で有罪になり、懲役十年。しかし母親の葬儀に参加させて貰い、バイクチームによって逃亡。絵画は既に屋敷から取り出され、そして屋敷は燃やされた。クリスティーナが美術館に寄付したフェルメールも偽クリスティー

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    2022年02月02日
  • 大聖堂―果てしなき世界(下)

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    ついに読み終わりました。登場人物のやりようにムカつく場面は多々ありますが、それを含めて4人の主人公と共に、中世の時代にドップリと浸って、面白く読め、しばらくは『大聖堂ロス』です。引き続くペストの猛威に関しては一旦収まっては、またぶり返す様は、まるで今のコロナとシンクロし、興味深く読めました。最後はカチリカチリと収まるべきところに収めてしまうこのストーリー構成は、素晴らしいの一言。読み終えていい余韻に浸ることができました。

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    2022年01月15日
  • まだ見ぬ敵はそこにいる ロンドン警視庁麻薬取締独立捜査班

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    プルーフ版読み終わりました!
    はらはらしまくった!
    二作目だったので一作目を慌てて地元本屋さんに買いに走りました。
    続けて二冊読みましたが、ジェフリー・アーチャー面白いな~突っ込みどころはあるけど、ちょっと時代が古い話なので携帯やらスマホが出てこないのも良かった。
    三作目が楽しみです!!
    フォークナーと腐敗警察官と家族の話と自身の身の振り方がどう転がっていくのかなー。

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    2021年11月19日
  • 火の柱(中)

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    プロテスタントとカトリックの抗争は激化の一途。エリザベス女王のために働くネッドと、フランスの貴族ギーズ家で地位を得たピエールを中心として物語は展開していく。

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    2021年01月23日
  • 火の柱(上)

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    『大聖堂』シリーズ3作目。イングランドの女王メアリー・チューダーの時代。
    今作はキングズブリッジだけでなくフランスやスペインなどでも物語が展開されていく。カトリックとプロテスタントの争いなども出てきて興味深い。

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    2021年01月03日
  • 大聖堂―果てしなき世界(下)

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    ペストとの戦いやラルフの暴虐にも決着がつき、よい終わり方だった。でもなぜか、グウェンダとアネットの和解のシーンで胸がいっぱいになった。
    それにしても、マーティン、ちょっとモテすぎじゃないかい?w

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    2016年12月18日
  • 大聖堂―果てしなき世界(下)

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    ネタバレ

    続編のジンクス、全くなし!
    むしろ『大聖堂』よりおもしろかったんじゃないかと思う。

    舞台は『大聖堂』の約200年後。ペストの流行する中世ヨーロッパ。この作品でも当時の時代の空気感や時代背景がよくよく調べ上げられたうえで表現されている。このケン・フォレットという作家さん、何でここまで幅広い知識がおありなのか。建築について当時の生活についてペストについて。。。まるで見てきたかのように表現されていて、まずそこに引き込まれてしまう。

    そして、これもこの作家さんの特徴と思うが、登場人物についても、これまた見事に描いている。『大聖堂』の登場人物の子孫たちを中心として書かれているが、今回も心理描写や人間

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    2014年02月13日
  • 大聖堂―果てしなき世界(下)

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    連休2日をまるまる使い、やっと3巻読破!!
    長かった。。でも、面白かった!
    ラルフの最後はなんだか少しだけ切ないような、でも仕方ない。あいつ最悪だったし。でもね、兄貴的にはね。
    なんだかんだ言ってもグウェンダが幸せになったのならよかった。
    マーティンもカリスもフィリッパも幸せになったのらよかったよぉ!

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    2013年07月16日
  • 大聖堂―果てしなき世界(中)

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    中巻まで読んで、前作より今作の方が好きかも?
    相変わらずの不幸の連続。私の心が折れそうです(´Д`。)+
    いや、しかし面白かった。
    マーティンもカリスもグウェンダも・・・かわいそうすぎるよ。
    それでも生きている限り、人は進んでいくしかないのですね。
    下巻が楽しみすぎる!

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    2013年07月16日
  • 大聖堂―果てしなき世界(中)

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    中巻では、修道院長となったフィリップが、市を開き交易を盛んにしてキングスブリッジの繁栄に貢献する。その富を得て念願の大聖堂建立に着手する。
    一方、旧のシャーリング領主を襲い新たにシャーリングの領地を手に入れたハムレイは、キングスブリッジの繁栄が妬ましい。時のイングランド王であるリチャードになんとか取り入り後ろ盾を手に入れると、なにかと邪魔だてをして修道院長の顔を潰したいと目論む。その手練手管は建築素材である石切場を襲ったり、教会側で院長と反目する司教と手を組んだり、キングスブリッジの街を焼き討ちにしたりやりたい放題である。

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    2013年05月01日
  • 大聖堂―果てしなき世界(上)

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    12世紀のイングランドを舞台に王室・豪族・教会そして主人公の建築職人が織り成す壮大な物語。
    上巻では、職を失いながらも当時の建築業務の中ではダントツの威容を誇る教会建築の仕事を求める建築職人のトムがキングスブリッジ修道院院長のフィリップと出会うことから物語が始まる。大聖堂を建てたいという思い、家族、雇い主である修道院院長や副院長の間の確執さまざまな要素が絡み合いながら中巻へ続く。

    教会建築の面では11世紀に生まれたロマネスク様式(ヴォールトという天井構造の荷重を厚い壁で受ける方式)が12世紀後半に生まれたゴシック様式(フライングバットレスという外壁の外側からアーチをかけ側壁の荷重を支える方式

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    2013年05月01日