今から千年前の物語。舞台は英国。(キングズブリッジは架空の街の名だという)
タイトルでもある大聖堂を創る夢を持つ主人公と、彼を織り成す登場人物は、どこかでリンクしており、それぞれの欲望に支配されている。
600頁にも及ぶ文庫本(上巻)はまさに英国の空のような鈍色のヒューマンドラマの序章であり、欲望と復讐のイントロダクションとして費やされる。
爽快さはないものの、次の展開を期待させる作者の手法は流石のひと言に尽きる。
待ち遠しくもあり、先を読むのも躊躇う気持ちもありつつ、また600頁への世界へ没入する。
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