ケン・フォレットのレビュー一覧

  • 火の柱(下)

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    「キングスブリッジ」シリーズ第三弾。
    本作はキングスブリッジだけでなく、フランスやスペインまで舞台が広がっており、プロテスタントとカトリックの対立と、エリザベス・テューダーとメアリー・ステュアートの王位を巡る争いが話の軸となっている。

    信じる宗教が異なるというだけで、火刑や拷問、殺戮が行われ、それらは全て信仰のためだといって正当化される。
    何とも野蛮な時代で恐ろしくなるが、本書は史実とフィクションの織り交ぜ方が絶妙で、とにかく分かりやすい。楽しみながら歴史を知ることが出来る。
    スペイン無敵艦隊とイングランド海軍の海戦にも触れており、読み応え十分だ。
    前作同様、後味の良い結末で、大満足の面白さ

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    2024年09月18日
  • 大聖堂―果てしなき世界(下)

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    「キングスブリッジ」シリーズ第二弾。
    前作から200年後のキングスブリッジを取り巻く人々の生き様が描かれる。
    この時代に猛威を奮ったペストの流行にも触れられるが、当時正しいと考えられていた医学に執着する修道院と、自身の経験による新しい治療法を試そうとするカリスとの対立は特に面白い。
    保守的すぎるが故にどんどん悪人になっていく修道院長からも目が離せない。

    特に心に残ったのは、何があろうと逞しく生き抜こうとする女性たちの強さだ。
    人は過ちを犯すもの。様々な人生があり、どの人生も豊かで複雑で、素晴らしいものなのだと思わせてくれる小説。

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    2024年09月05日
  • 大聖堂(下)

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    中世の歴史をベースにフィクションを描いているのだが、話の中心となるのは大聖堂の建築である。
    悪人はとことん悪く描かれ、何度蹴落とされても悪知恵を働かせる。
    対してフィリップ修道院長をはじめとした善人達も、必ずしも清廉潔白というわけではなく、様々な欲望や感情を抱いている。
    登場人物たち全員がとても人間らしく生々しく描かれており、ストーリー展開は痛快で、時間を忘れ夢中になって読んだ。
    面白いと思ったのは、人の善悪の基準や何が正しいのかということは時代で異なるのだということ。この時代の人はとにかく神を信じている。しかし人間は積み重ねて行った知恵によって何を信じるのかを判断できるようになるのだ。
    中世

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    2024年08月28日
  • 大聖堂(下)

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    ネタバレ

    読書の醍醐味!違う時代の人々の人生にどっぷりと浸かることが出来た。中巻で幸せになってほしいと願ったアリエナは幸も不幸もあり波乱万丈。フィリップもジャックもジョナサンも登場人物皆それぞれに幸不幸があり、物語の奥行が素晴らしかった。老人になったとき、苦い悔悟の味を噛みしめ、これまでの人生がすべて虚しかったと知る(P615)哀しみを持たぬよう、結果はどうであれ今を精一杯生きようと思えた作品だった。ケン・フォレットは読破する。養老孟子のあとがきはいまいち。

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    2023年10月26日
  • 大聖堂(中)

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    ぼろぼろのアリエナ。父との別れと約束。本当に厳しい環境を羊毛を売り立て直す。彼女は強い! しかし束の間の浮上と幸せはあっという間に消えてしまった。トムは大聖堂建立を始める。エリンも戻り安泰かに見えたが人生とは、なんと無常な……。トムの息子アルフレッドとジャックは相変わらず仲が悪い。男の嫉妬恐るべし。そして更に悪魔に近づいていく残虐なハムレイ。フィリップ司教に対する菩提聖堂の妨害、破壊は腹立ち以上に絶望感を感じた。懺悔で許されてよいのだろうか? 下巻、大聖堂も完成してほしいしアリエナが幸せになってほしい。神がいると思わせて!

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    2023年10月14日
  • 大聖堂(下)

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    イギリス〜フランス〜スペインまでキリスト教の繋がりも垣間見え壮大なスケールを感じた。
    また親と子、姉と弟、兄妹、夫婦の小さな関係の描写も面白かった。

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    2023年05月28日
  • 大聖堂(中)

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    王の覇権争いでの醜い覇権争いもさることながら、教会内での覇権争いも醜くく、聖職者でも人を蹴落としたりお金に汚い。平和になったかと思ったらすぐにそれも打ち壊されたり。
    この小説の日本の題名でもある「大聖堂」を建てるという事を軸に様々な人間模様が絡み合って面白い。

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    2023年05月28日
  • 大聖堂(上)

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    カナダ人の先生に薦められて読みました。3冊で1500ページくらいあり、正直読み終えるのに半年かかるかもしれないと思いましたが一カ月で読めました。
    こんなにページ数が多いのは描写が細かすぎるんだ!
    と半ギレ状態でしたが読み終える頃には気になる事もなく。→感想・中巻に続く

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    2023年05月28日
  • ネヴァー(下)

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    イスラム原理主義者の親玉をアフリカで探すCIA。チャドとスーダンの対立からバックにつく米中へも飛び火。北朝鮮でクーデター勃発。現実派の米大統領と中国国家主席。しかし好戦的な幹部もいる。第三次世界大戦はあるのか?

    うおー!ザ面白エスト。

    今まさに起こりそうなリアルな政治、軍事的状況。

    米中韓北朝鮮そして日本は何をしそうなのか、何をすべきなのか、それを学ぶ良質な教科書でもあり、極上のエンターテイメントでもあった。映像化希望。

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    2022年02月20日
  • 大聖堂―果てしなき世界(下)

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    ついに読み終わりました。登場人物のやりようにムカつく場面は多々ありますが、それを含めて4人の主人公と共に、中世の時代にドップリと浸って、面白く読め、しばらくは『大聖堂ロス』です。引き続くペストの猛威に関しては一旦収まっては、またぶり返す様は、まるで今のコロナとシンクロし、興味深く読めました。最後はカチリカチリと収まるべきところに収めてしまうこのストーリー構成は、素晴らしいの一言。読み終えていい余韻に浸ることができました。

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    2022年01月15日
  • 火の柱(中)

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    プロテスタントとカトリックの抗争は激化の一途。エリザベス女王のために働くネッドと、フランスの貴族ギーズ家で地位を得たピエールを中心として物語は展開していく。

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    2021年01月23日
  • 火の柱(上)

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    『大聖堂』シリーズ3作目。イングランドの女王メアリー・チューダーの時代。
    今作はキングズブリッジだけでなくフランスやスペインなどでも物語が展開されていく。カトリックとプロテスタントの争いなども出てきて興味深い。

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    2021年01月03日
  • 大聖堂(下)

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    主人公はたくさんいるけれど,やはり,本当の主人公は大聖堂か。主人公側が必ずしも完全な善人ではなく色々な欠点を備えているところもしっかり描いている。肉食人種の旺盛な欲が興味深い。

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    2020年02月11日
  • 大聖堂(上)

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    ネタバレ

    エリス・ピーターズの『修道士カドフェル』シリーズ好きなら絶対ハマること請け合いの、上・中・下三部作。評者は絶対ハマるタイプなので、文句なしの星5とした。

    ウェールズの平民で孤児だった修道士が、己の知恵と、仲間と、あらゆる伝手によって大聖堂建立するまでのお話。
    そこに、登場人物それぞれの謎や諸事情が絡んでくる。これがしかも、全てきれいに解きほぐされ、決着がつく。
    大部だが『必要でないエピソード』がほとんどないのはそのため。

    イングランドのヘンリー1世の嫡男、ウィリアムの死に始まり、スティーブン王 VS 女帝モードの内乱、ヘンリー2世になってからの王権 VS 教会の対立など、歴史背景への知識は

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    2019年11月10日
  • 大聖堂(下)

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    12世紀のイングランドを背景にしたあまりにも壮大な物語。
    愛と憎しみ、野望と貪欲、欲望と怨恨と復讐(作者のあとがきより)。
    たまには、こういう長い小説もいいな。

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    2019年01月02日
  • 大聖堂(中)

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    次々と訪れる不幸に言葉も出ずウンザリしてしまう。
    なのに、読むのを止められない。
    ジャックとアリエナは幸せになれるのでしょうか。
    下巻へ。

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    2018年12月31日
  • 大聖堂(下)

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    勧善懲悪。
    素晴らしい。
    慈悲深い行いも、理解できないと思う人がいたとしても、寛大な心で受け入れてあげれば、将来的に自分に返ってくるんだね。
    愛だね、愛。

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    2018年07月01日
  • 大聖堂(中)

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    頑張れ、アリエナ。
    高貴な生まれで、美人で、聡明で。
    そんな彼女が、何故あんな馬鹿な選択を。
    エリンと同じく、呪われろと思ってしまった。

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    2018年07月01日
  • 大聖堂(上)

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    ずっと読みたかった。
    入りから完璧。
    悪人の悪人らしさが絶妙。
    さて、この悪人どもはどういう最期を迎えるのやら。

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    2018年07月01日
  • 大聖堂(下)

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    少し時間はかかったが全完読破。心地いい疲労感と満足感。
    歴史背景を反映させた世界観、次が気になる展開、個性豊かな登場人物たち、絡み合う人間関係。
    中世ヨーロッパの知識がなくても全く問題なし。エンタメ的にも、群像劇としても十分楽しめる。

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    2017年09月20日