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ぼろぼろのアリエナ。父との別れと約束。本当に厳しい環境を羊毛を売り立て直す。彼女は強い! しかし束の間の浮上と幸せはあっという間に消えてしまった。トムは大聖堂建立を始める。エリンも戻り安泰かに見えたが人生とは、なんと無常な……。トムの息子アルフレッドとジャックは相変わらず仲が悪い。男の嫉妬恐るべし。そして更に悪魔に近づいていく残虐なハムレイ。フィリップ司教に対する菩提聖堂の妨害、破壊は腹立ち以上に絶望感を感じた。懺悔で許されてよいのだろうか? 下巻、大聖堂も完成してほしいしアリエナが幸せになってほしい。神がいると思わせて!
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王の覇権争いでの醜い覇権争いもさることながら、教会内での覇権争いも醜くく、聖職者でも人を蹴落としたりお金に汚い。平和になったかと思ったらすぐにそれも打ち壊されたり。
この小説の日本の題名でもある「大聖堂」を建てるという事を軸に様々な人間模様が絡み合って面白い。
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悪童ウィリアムによって城を追われたアリエナとリチャードの姉弟。放浪の末、牢獄の父と再会し、再起を誓う。アリエナはフィリップ院長の庇護のもと、羊毛商として成功し、弟は騎士へ。
大聖堂建立は、ウィリアム伯の嫌がらせで挫折しかかる。フィリップもただの坊さんでなく、市場で金稼ぎを考える。ある意味、政治家の手腕がある。
ジャックは建築職人としての才能を開花させつつ、アリエナに急接近。しかし、義兄アルフレッドの嫉妬心と、またしてもウイリアムの横暴によって、二人の命運が急転してしまう。
前半部のトムからのあっけない世代交代。
直前にジョナサンを救った場面は、おそらくこの少年が下巻で活躍を見せるための布石なのか。ばか長男を溺愛したがために生んだ義兄弟の対立。ジャックの罪科を知っても敢えて墓場までもっていったのは、自分の野望が人の運命を狂わせたことを知っているからか。
決して善人ばかりが登場するとは言いがたい。
味方のなかでも愛憎入り乱れ、ときに家族であっても呪われる関係になる。その個人の生き様に、王族の内乱、当時の経済状況などが絡みつき、12世紀イングランドの混沌が生々しく描かれる。
上巻よりもスピードアップで夜を惜しんで読んだ。
ただ、お子樣向けではない描写が多いのが気がかり(笑)
人間はどんな苛酷なことがあっても生きられる。希望がありさえすれば。その希望が純粋な愛を踏みにじる哀しさはあっても。
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キングスブリッジの繁栄と崩壊、そして再建。しかし、悪虐非道が栄える中世は修羅ですな。下巻で勧善懲悪になるのか、このまま中世的価値観で締めるのか‥
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ウイリアムは本当にむかつく(笑)。昔の人ってかわいそうね。
修道院長フィリップはイアン・マッケラン、司祭ウォーランはアラン・リックマン、棟梁トムはヒュー・ローリー、憎まれ役のウイリアムにはホアキン・フェニックス、同じく憎まれ役の兄アルフレッドにはなぜかミハエル・シューマッハの顔を浮かべて読みました。
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前半は1巻同様苦難の連続。
主人公たちはみんな苦労する。
ようやく苦労が報われて落ち着いた中盤に恋愛パート。
ほのぼの。
しかし、羊毛市のあたりでフラグが立ちまくる。
やばいやばいと思いながらページをめくる。
羊毛市の朝を迎え、ここまでくれば大丈夫かと
胸をなで下ろしていたら・・・きゃー!
ウィリアムの野郎、そこまでするか!
そして終盤。
2転3転する恋の結末。
読者たるこちらは、ここまで読み進めた経験で、この小説はBADエンドを
用意しかねないとわかっている。
おかげで、必死にジャックを応援し、絶望したり、喜んだり一喜一憂。
まさに作者の思い通りだが、どうしようもない。
そしてラスト・・・。
おいおい、最後はハッピーエンドになるんだろうな!
頼むぞ!
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帯にある文句。
「読めばわかる超弩級の面白さ」というのは決して大げさではなかった。
こんなに起伏が激しい物語は久しぶりだ。
とにかく面白すぎて、読む側が疲れる。
中世イギリスを背景にした歴史物語。
王位継承の趨勢、教会の権勢、建築士の夢、その家族たち……
それぞれの物語単独でハラハラさせられるというのに、全部が絡まり合って心を掴んで放さない。
運命にもがき苦しみ、立ち向かう愛すべき登場人物たち。
そして彼らの前に立ちはだかる大勢の憎たらしい奴らに、つばを吐きかけてやりたい!!
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NHKの海外ドラマで放映していた大聖堂の原作本。リドリースコット制作の本格派で非常に面白かったので購入。原作もいいです。全3巻の2巻目。
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中世イングランドの、王位を争う戦乱が続いていた時代。国に秩序などなく、正しい裁きは行われず、力のある者が暴力をふるい、弱い者が踏みにじられる。大聖堂を建立しようとする建築職人トムと修道院長フィリップにも、数々の災難がふりかかる。また、没落した貴族の娘アリエナも、仕事が順調にいったかと思うと…。
絡み合う人間のドラマにハラハラドキドキして楽しめる。中巻は一気に読んでしまった。
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なんと、トム・ビルダーの大聖堂建立物語かと思っていたらキングスブリッジの大聖堂建立物語だったのか。。。
ウィリアムの悪い事悪い事ウォールランのあくどい事あくどい事。悪魔のような非道な輩( TДT)
苦難の連続・立ち向かう登場人物・加速してゆく物語。
特にジャックの初恋の行方はいかに!
益々目が離せなくなります!!
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中巻は人物描写に力を入れて、個々の特徴や関係に肉付けしているように感じます。
悪役のウィリアムは卑怯さに磨きがかかり、どんどん憎らしくなります。腹黒司教ウォールランは悪知恵を溢れんばかりに次から次へと湧かします。
悪役がしぶとく強いのもこの小説の魅力のひとつです。
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トム・ピルダーが……。
この展開は、けっこう怒濤の展開でした。
そして、物語と夢は次世代に引き継がれていきます。
ジャックが、アリエナに語った物語のように、物語の力があふれている、すごい物語です。
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終盤にまさかの展開で唖然。このストーリー全く先が読めません。悪党ウィリアムに領地を追われたアリエナとリチャードの姉弟。牢獄に捕らわれた父との面会を果たし、父から領地を取り戻すことを誓わせられ、復讐が始まるであろうところに、これからどうなるのか期待が膨らむ一方。一方、フィリップの大聖堂建立をなんとか阻止しようとするハムレイ家。ほんと嫌な奴らです。ウィリアムが当主になって、本当に天罰が降ってほしいと思うほどの悪逆非道ぶり。いろんな思惑が絡み合って、もうどうなることか。まるで大河ドラマを読んでいるようです。アリエナに何とか幸せになってほしい。
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時は移り、ストーリーの軸にも動きが出てきます。以前困難を極める、キングスブリッジと大聖堂建設。中世的な雰囲気も十分に味わっています。それにしても、今の価値観からすると理不尽なことの多いこと多いこと。いよいよ下巻に突入。
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中巻はさらに勢いを増し怒濤の展開に。
トムの元で大聖堂建設がスタートし、フィリップによる街作りで繁栄していくキングスブリッジ。
領土を追われた伯爵令嬢・アリエナは羊毛商として身をたてる。
順風満帆と思いきや、ウィリアムの暴挙で街は火の海に。
そして愛を深めていくジャックとアリエナも嫉妬に燃えるアルフレッドによって引き裂かれ…。
本作の面白さはきっちり敵役が悪い奴に仕上がっているところだろう。ウィリアム・ウォールラン・リチャード。転んでも只では起きない曲者揃い。
大聖堂の完成は?ジャックとアリエナは?
どんな結末を迎えるか、最終巻も楽しみ。
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協会の大聖堂を建築するという軸となるストーリーに、スティーブン王と女帝モード(マチルダ)の対立による内戦、羊毛生産、羊毛取引の先渡し取引、といったサイドストーリーを織り交ぜながら話は進行する。上巻の中心人物だった「親方トム」の登場頻度は減り、彼の子供達世代がストーリーの中心となっていく。下巻の展開が楽しみ。
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(六章)
ウィリアムに襲撃され没落したバーソロミュー家。アリエナと弟のリチャードは王に会うためシャーリングからウィンチェスターへ向かうが、王は別の地にいることを知らされる。次の手段として、父の助言をもらいたく、投獄されている牢屋に会いに行くと そこにいたのは骸骨同然の変わり果てた父だった。そこでリチャードはシャーリング伯になることをアリエナはそれを実現させるため弟を支えることを誓う。父と最後の会見の後、父が金を預けていた修道院を訪れるが、金はほとんど使われていた。金を稼ぐため仕事を探す二人だったが、身分もなく後ろ盾もないため、なかなか見つからず。叔父のサイモンのところにも行くが、匿ってもらえず。しかし、そこの村で偶然目にした羊の煎毛からアリエナが何かを閃く。羊毛を運ぶ仕事をしようというのである。
(七章)
シャーリング伯領地の採石場へ行ったトムと石工たちだったが、なぜか先客がいる。戻ってきたトムからその話を聞いたフィリップはハムレイ夫人の仕業と思い、撃退するためある一計を施す。
ウォールランの謀略がキングズブリッジを襲う。
ヘンリー司教にキングズブリッジの大聖堂建築が遅々として進んでいないことを見てもらって、シャーリングに大聖堂を建築させることを企んでいた。しかし、修道院総出で、働きにくれば罪が赦されるということを信者たちに説いてまわり、その結果一千人もの人々ご集まり作業は捗る。視察当日、前評判とは打って変わって、活気のある現場を目にしたヘンリーを驚かせた。
(八章)
前章から三年後。ウィリアムの父パーシー・ハムレイ死去。シャーリングが潤わない原因はキングズブリッジにあると知ったウィリアムは、石切場に赴き、殺戮を始める。
(九章)
「内戦によって最初に犠牲にされるもの、それは正義なのだ、とフィリップは悟った」(p.273)
石切場の事件の報告を聞き胸を痛めたフィリップは王に直訴するためリンカンに出向く。リンカンでは内戦(リンカンの戦い)の最中だった。その戦争にマティルダ(ヘンリーⅠ世の娘)軍が勝利したのだが、戦闘に巻き込まれたフィリップは一時投獄されたが、一夜の後突如として解放される。いきなりのことに訝るフィリップだったが、案内されるままについていくと、そこには女王の書記官となった弟フランシスがいた。
石切場の権利を女王に願い出ていたフィリップだったが、その権利はウィリアムに渡り、その代わりキングズブリッジで市を開いてよいことになった。100ポンドの上納金を納めるという条件付きだったが。財政難に悩んでいるフィリップだったが、羊毛商となったアリエナ、キングズブリッジで羊毛市を開けばよいという弟の助言によって、打開策を見いだす。
(十章)
p.414アリエナがアルフレッド(トムの息子)に「かってにほざけ」とゆっくり言う場面笑った。
ジャックの章とでもいうべき章。アリエナとの逢い引き。アルフレッドとの兄弟喧嘩。罰としてジャックは修道士になる。アリエナとの疎遠。
ウィリアムによるキングズブリッジ焼き討ち。大事な人が命を落とす。
(十一章)
ウィリアムによる焼き討ちによって全財産を失ったアリエナ。弟をシャーリング伯にするという父との誓いを守るため、アルフレッドがリチャードを金銭面でサポートするという条件をのみ、アルフレッドの妻になることを決意する。結婚式当日、「服従の間」に放り込まれていたジャックだったが、母から助けられ、アリエナの家を訪ねる。そこで二人は愛を交わすが、アリエナにアルフレッドとの結婚を取りやめさせることはできず、ジャックはキングズブリッジを去っていく。
おもしろかった。尻上がりにグングン引き込まれていく。
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伯爵令嬢アリエナと弟リチャードは、陰謀により父を亡くし城を追われてしまう。路頭に迷うふたりに手を差し伸べたのは修道院長フィリップだった……。
中巻は主にアリエナとフィリップの視点で語られる。敵方ウィリアムの視点がところどころ挿入されることにより、長大な物語にめりはりを生んでいる。
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キングスブリッジ修道院の大聖堂再建を軸とし、重厚な人間ドラマが折り重なって繰り広げられる。物語の深みに反して登場人物は驚くほど少ない。そして各人の性格や立場、善悪も明確であり、それが読みやすさにもつながっている。個人的には所々描かれる経済的発明エピソードが面白かった。
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ヨーロッパキリスト教的二項対立、勧善懲悪、
波乱万丈なよく出来た面白い群像劇。
マクロな面白さは文句なしなエンターテインメント。
一部人物を最後まで追いきれていないところは残念。
艱難辛苦の波状攻撃が、よくもまあ次から次へと。
相似パターンの繰り返しにややしんどくなる。
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「ランニング・ハイ」、辞書には「マラソンやジョギングなどをしていて最初は苦しいが、走っているうちに段々と気分が良くなってくる現象」とある。 上中下千八百頁の大分な分量、翻訳、中世と言う馴染みのない舞台。はっきり言って直ぐに物語世界に入り込める訳ではない。但し、仕事の合間に少しずつ読み進めるうちにこの世界を読むことが日常に転ずる。将にリーディング・ハイ状態。読み終わることを望まない物語。中巻を読んだ時点で二百年後の続編「大聖堂―果てしなき世界」を読みたくなった。勿論、続編が正編を越えることは稀であるが・・・
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登場人物が出揃い、話が目まぐるしく動いてゆく。
それぞれが自分の目的のためにお互いを利用しあうのが面白い。
イングランド王室の内紛に登場人物が振り回されていくのもはらはらさせられる。
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舞台は12世紀のイングランド、キングズブリッジ。
ここに、大聖堂を建てようとする人々の物語。
神父のフィリップ、元伯爵令嬢のアリエナ、建築職人のトム。
それぞれの人生がキングズブリッジを中心に動き始めます。
三人はそれぞれのやり方で、
協力しながら大聖堂を建てようとします。、
しかし、それを快く思わない人々の陰謀、
そして国内の政治に左右され、
思うとおりにいきません。
そんな中、大聖堂建築に携わる重要人物が死んでしまい……。
怒涛の中巻です。
上巻を読んだ方なら一気に読んでしまうと思います。
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スティーブン王とマティルダ女帝の戦いは一進一退。翻弄される貴族・宗教家・そして庶民。大きな変化が二度にわたって大聖堂の現場を襲う。果たして大聖堂は建立できるのか。そしてそれは、誰の手によって成されるのか。
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『大聖堂』文庫本(中)
大聖堂を建立する周りの人々を駆りたてる欲望は強くなってくる。卑俗なものから気高いものまで、人々から生じる欲望は同等として描かれている。つまりこの物語には悪役の役割りを与えられている人物こそ居れど、欲望に善悪はない。
長い長いヒューマンドラマとしてぶつかり合う自我が、欲望が、逆らえきれない運命が、この物語には描かれる。解説など必要ない。読めば分かるし、永遠に分からない感情かも知れない。
(文庫本下巻へ)
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フィリップとジャックに真の幸せが訪れるのはいつだろう。
苦難に次ぐ苦難。
ウィリアムの暴挙により繁栄したキングストンの町は一気に火の海に。
羊毛で身を立てたアリエラはこれで財を失う。
大黒柱のトムを失い、大聖堂建築はますますピンチに陥る。・・・
しかしアルフレッドとリチャード。とことん魅力を抱けない書かれ方。
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本院の修道院長となったフィリップに任命され、トムが大聖堂建立に着手する日がやってきた。トムの緻密な計画のもと、大聖堂の普請は着々と進んでいった。が、新しくシャーリング伯となったハムレイは、フィリップに敵対する司教と組み、執拗な嫌がらせを仕掛けてくる。自領に比べてキングスブリッジの繁栄に嫉妬したハムレイは、やがて街に焼き討ち打ちを!
(裏表紙紹介文より)
***
終わり方がなんとも…!
早く続きが読みたいです。
何と言うか…読んでいて 決して心地好い物語ではないのに、圧倒的な内容に引き込まれてスラスラ読めました。
ただ、ウィリアムがムカつきすぎてイライラ。
地獄に堕ちることを畏れているくせに何故そんな行動にでるのか…。理解不能です。
それから、懺悔すれば何でも赦されるんかい!とツッコミたくなります。。。
この時代の文化(信仰や習慣など)に少しでも共感できるように(努力して)読んだ方が良いのか、物語だと割り切って読んだ方が良いのか。
この本を時代小説として楽しんで読むためには前者が良いんだろうし、そう読みたい気持ちもあるんですが、如何せん到底受け入れたくないような行いがされているのを読むと自然と後者になってしまうのがなんとも複雑な部分です。