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Posted by ブクログ
悪童ウィリアムによって城を追われたアリエナとリチャードの姉弟。放浪の末、牢獄の父と再会し、再起を誓う。アリエナはフィリップ院長の庇護のもと、羊毛商として成功し、弟は騎士へ。
大聖堂建立は、ウィリアム伯の嫌がらせで挫折しかかる。フィリップもただの坊さんでなく、市場で金稼ぎを考える。ある意味、政治家の手腕がある。
ジャックは建築職人としての才能を開花させつつ、アリエナに急接近。しかし、義兄アルフレッドの嫉妬心と、またしてもウイリアムの横暴によって、二人の命運が急転してしまう。
前半部のトムからのあっけない世代交代。
直前にジョナサンを救った場面は、おそらくこの少年が下巻で活躍を見せるための布石なのか。ばか長男を溺愛したがために生んだ義兄弟の対立。ジャックの罪科を知っても敢えて墓場までもっていったのは、自分の野望が人の運命を狂わせたことを知っているからか。
決して善人ばかりが登場するとは言いがたい。
味方のなかでも愛憎入り乱れ、ときに家族であっても呪われる関係になる。その個人の生き様に、王族の内乱、当時の経済状況などが絡みつき、12世紀イングランドの混沌が生々しく描かれる。
上巻よりもスピードアップで夜を惜しんで読んだ。
ただ、お子樣向けではない描写が多いのが気がかり(笑)
人間はどんな苛酷なことがあっても生きられる。希望がありさえすれば。その希望が純粋な愛を踏みにじる哀しさはあっても。
Posted by ブクログ
NHKの海外ドラマで放映していた大聖堂の原作本。リドリースコット制作の本格派で非常に面白かったので購入。原作もいいです。全3巻の2巻目。