ケン・フォレットのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
中世イングランドの世界に一気に引き込まれる。いつか大聖堂を建てたいという夢を抱く建築職人トムや修道院長フィリップ、貴族の親子などその時代を生きるさまざまな身分の人々が登場し、壮大なドラマを繰り広げる。
建築にかかわる描写については正直、さっぱり分からないが、人々の野心、裏切り、愛憎などの物語がおもしろくて、どんどん読み進めてしまった。登場する人物がみな完璧ではなく、なりゆきで罪を犯してしまったり感情にまかせてひどいことをしてしまったり、どこかしら弱い部分を持っているのがいい。
第1巻では、長い流浪の末たどりついたキングズブリッジで、トムが念願の大聖堂建立をはじめるところまで。無事に完成するのだろうか?
没落し裸で世の中に放り出された元貴族の娘、アリエナ姉弟の運命も気になる。 -
Posted by ブクログ
前作のような派手さはあまりないけど、やっぱり面白かった。
舞台は14世紀のキングズブリッジ。「フィリップ院長の時代が黄金時代」とか「ジャック・ビルダーが…」などといった文言が控えめにちりばめられているのにニヤッとする。今度はキングズブリッジ大聖堂が敵役として登場するのも新鮮。
百年戦争、ペスト大流行の様子やその影響――医療の発達とか荘園制崩壊とか――が相変わらず生き生きと描かれる。登場人物たちの葛藤ももどかしく、感情移入してしまう。一人一人の性格や、問題にあたっての行動に関しては、前作以上の人間らしさを感じた。
最後もきちんと大団円で、ハラハラしつつも安心して読むことができた(除皮剥ぎ。満足満足。 -
Posted by ブクログ
前作の続編ですが200年経った14世紀が舞台なのでこちらだけ読んでも楽しめると思います。誰が誰の子孫とか、細かいエピソードは出てくるのでもちろん前作を読んでいれば更に面白いです。前作では修道院は庶民に寄り添い、貴族階級と対峙する格好でしたが、200年後では聖職者も貴族と並ぶ権利保有者になりより政治的になっていて既得権益もあり庶民とは離れた存在になっています。それに対し以前はなかった女子修道院が修道院に属する組織として存在し、男性中心の封建社会組織に組み込まれ本来の存在意義を失いつつある男子修道院に代わり、病人の世話をするなど弱い立場の庶民を助けています。
物語はジャックの子孫のマーティン・ラルフの兄弟と、裕福な羊毛商人の娘カリス、土地を持たない最下層の労働者の娘グウェンダの4人が、森で殺人事件を目撃したところから始まり、王、貴族、大司教、修道院長の権力闘争から、登場人物たちの人生の目的達成のそれぞれの苦労と、大きな話から細かい話まで多岐にわたりながらも全体のまとまりは失わずに大団円を迎えるので、一気にスルーっと読めてしまいます。大作です。今回の作品は特に社会のマイノリティである労働者そして女性にスポットがあてられていて、読んでいて共感するところも多かったです。★5つでなく4つなのは、かなりボリュームのある大作を立て続けに読んだので最後少々息が切れてしまったため。一気読みした甲斐はありましたが、もう少し間を空けて読めばもっと良かったかも。