吉田直のレビュー一覧
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表紙のユーグが麗しい。
R.A.Mシリーズの書き下ろしではハードボイルドんユーグが、ワーズワースと組むとやや可愛らしくなるのが、初めて読んだ時から萌えの塊でした。
吉田先生が急逝されてからもう10年以上経ちましたが、いまだにあの衝撃から完全に立ち直れているとは言えず、こうして再読していても、巻数が進むにつれて、お話の盛り上がりとは裏腹に心はしんみりとしてしまいます。
男臭くて頼りになるレオン、瀕死の状態でも皮肉なユーモアを忘れないワーズワース。脇役がとびきり魅力的で、敵はとびきり邪悪で、三下の敵はとびきり愚かで、そして主人公はどこまでもキラキラと主人公然としていて、キャラクター小説とはこういうものなのだ!と、脳みそ全体に栄養がいきわたるような興奮を読んでいて味わいました。
5巻でようやくユーグの孤独な復讐劇にも幕が下ろされ、最後、ふっきれたように仲間を仲間と呼んでくれる彼の姿に感動します。こっそりとサポートに回ってくれたハヴェルにも、彼がこの後どういう運命を辿るのかがわかっているが故にじんときました。
確実に、この世界のキャラクターたちは今でも私の心の中にしっかりと生きているなと再確認した再読でした。 -
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決して長髪キャラが好きなわけでもないし、ブロンドよりもブルネット派ではあるけれど、ユーグは別格です。
と、ひしひしと思いました。
ブラザー・マタイとガルシアのゲリラ攻防も楽しいし、シスター・パウラとワーズワースの裁判劇も楽しいし、悲しそうなアベルも、楽しそうなアベルも、困っているアベルも好きだし、どこまでもカテリーナ様命のトレスも好き。
ですが、ガルシアの言うことをおとなしく聞いているユーグ以上の萌えがこの巻に存在するなら教えていただきたい!というくらい、ユーグが可愛くてたまりませんでした。
湖のような瞳とか、だらしなく着崩した僧衣とか、悲しい翠瞳とか、視点が他の人間にうつっても、読者がすぐに「アベルだ!」と気付ける仕組みが、いつ読んでも鮮やかだなと思います。
吉田先生の文章で、このシリーズの最後を見届けたかったです。 -
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ヴァーツラフ・ハヴェル神父の通り名「ノウ・フェイス」には
no face
know faith
no faith
の3つの意味合いがあることを知って、faithの意味をちゃんと知って、そして2度目に読んだこの短編集で、前よりもずっとずっと泣きました。
初めて読んだときには理解できなかったアレッサンドロの良さが、2度目ではひしひしと伝わってきて、彼とハヴェルが話しているところで号泣しました。ハヴェルとの会話があったから、ROMシリーズでもアレッサンドロがいるのだろうし、そう思うと、ハヴェルが成し遂げたことは偉大です。
ガルシア神父やボルジア卿(とブラザー・フィリポも?)とコメディ要素は残しつつ、シリアスとドラマを融合させる手腕が、やはり吉田氏はさすがだなあと舌を巻きます。
RAMシリーズとしては最終巻になってしまうこの巻で、ヴァトーの復讐劇が終わらないことも、今となっては涙を誘います。
文句無しの名作シリーズです。 -
購入済み
誰か、続きを書いてくれ❗
これだけ資料が残っているので誰か、続きを書いてくれないかなあ、と思う。賛否両論あると思うけど未完なのは惜しいし、いい作品なので埋もれさせたくないな。
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シリーズを通して一番大好きなキャラクター、アスタローシェ・アスラン♡
紙媒体でお持ちの方は分かるだろうが、扉絵のアストさんね、なんと麗しいことや♡
サバサバした中にも気品と強さと友思いとを兼ね備えていて、アベルを嫌がりつつも頭を突っ込んだことに投げやりにならず、突き進む女性…素敵過ぎる!
如何せん、前巻からの続きでイオンのなぶられ具合が可哀想なくらいの展開に同情(笑)
可愛いお祖母様からの行き過ぎな愛情表現というか仕打ちというか奔放さが辛いとこね…。
またしても陰謀に振り回される方々…今回は長生種の皇帝陛下暗殺へと発展。
未遂に終わるわけだけれど、弑逆者は絶対的な存在を見せつけられ、信じてきたものをあるきっかけによって崩される…付け入る隙をついてくる騎士団、またしても。
誰もその声と姿を拝謁したこともない孤高の存在が実はアベルと同じ存在、しかも妹という。
でも、女帝であるからにしてテキパキ、ズバズバしているところは統べてきた年月が違うということ。
遥か昔の出来事を悔やみ続けるアベルと償い許すというセスと彼女…その出来事とはなんぞや?
最後に「破壊する」とまで言わしめた"アイツ"とは誰なのか。
うーん!先が気になる展開で〆。 -
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毎年、吉田直先生の命日が来る度に読み返している。
出逢ったきっかけはアニメ。
当時WOWOW無料放送でO.A.されて観始めて面白くて原作を読み始めた。
全くと言っていいほど本は読まない人だったが、まずは表紙絵に思いっ切り惹かれ、途端にのめり込んだ作品。
好きな要素が詰まりまくっててね。
無我夢中で集めた。
THORES様のファンになったのもこの作品から♡
とにかくヴァンパイア(吸血鬼)ものが好きで余計に嵌まった。
甘美で儚くて裏側にある強さが好きな要因。
ただの人間vs吸血鬼ではないストーリーと異種異能を持った者達との戦い。
アベルのクルースニクとは?…なぜジュラが"御身"と言葉を改めたのか、遥か昔から存在する者なのか、この時点ではまだ謎。
騎士団=世界の敵とは?…ディートリッヒはその一人であること。
壮大なストーリーがこれから先にありそうな伏線がいくつかあって、ワクワクさせられた。
この巻に関しては、誰かの為に何かを成そうとした結果の悲劇と悲壮が混在するんだよね。
凄く考えさせられる台詞が出てくる。
まあ、残念なのはヒロインのエステルが好きになれなかったこと。
これはこちらの女性目線だからなのか、言葉遣いは別としてもむず痒くなるような喋り方に×としたい。
今は絶版になっているし、紙媒体で所持しているのは貴重。
大事に読み続けたい!
今からの人は電子書籍で是非!
THORES様の美麗絵にも更に更に注目だよ!!! -
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遂にカイン、登場。
と同時に、もうあと1巻を残すのみと知っている身としては、ページをめくるのが悲しくて悲しくて。いつもは茶化したことばかりを軽やかに綴る吉田氏が、今回のあとがきでは並々ならぬ熱意でこれからの話を書かれているのも、悲しくてならないです。
RAMではお馴染みのワーズワース教授が大活躍してくれて、彼のファンとしては嬉しい限りでした。クレマン記者をやりこめるホテルのロビーシーンがお気に入りです。
当て馬にされている感が序盤から満載のヴァネッサに苛立ちもしましたが、ケンプファー(もしくはバトラー)にひどいことされてしまう彼女を見て、痛々しくも思ったり。いろんなひとの思惑が、いろんな風に交錯していて、そのどれもに矛盾がなく、きちんと過去があるのが素晴らしい。吉田氏があとがきで書かれている通り、ROMとRAMの二つの線が交わり合いつつあって、鳥肌ものです。
その中でも、成長を見せてくれたアレッサンドロと、彼を尊重するブラザー・ペテロに泣かされます。アレッサンドロの本気に、真摯に、彼なりのやり方で応えようとするブラザー・ペテロが、べらぼうに格好良い。
何度読んでも面白くて、何度考えても傑作で、そして、何度も何度も、これが未完でなかったら、これの続きが読めたらと切ない気持ちになります。心の底から、このシリーズが好きです。 -
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レオン!レオン!と狂喜乱舞して踊り狂いたくなるくらいに格好良いダンディライオンことレオン・ガルシア神父が表紙。イザーク・速水奨・フェルナンド・ケンプファーと同じく、ドラマCDのおかげでレオンの声がすべて大塚明夫さんのお声で脳内再生されます。
ネバーランド、サイレント・ノイズ、オーバーカウントとすべて短編ではありますが、物語同士のリンクもあり、Axらしいエージェントのコンビネーションが入れ替わるところも楽しめます。今回は、アベルが落ち込む展開が多かったので、その分、レオンがムードメーカーを買って出てくれたような。そして、安定のトレス神父の可愛らしさよ。
各キャラクターにしっかりとした背景があるので、言葉にも重みがあり、またすべてを明かされていないキャラクターが多いために惹きつけられます。カテリーナ様とフランチェスコの政治対決は、いつ読んでも、これを生み出した作者の頭脳に舌を巻きます。
書き下ろしの短編は、ユーグの話。彼の戦いの理由に近づいたと思ったら離れる、そんな一長一短の日々は辛いだろう孤独だろうと思いますが、そんな孤独さえも憂愁となってユーグの魅力を増すだけなんだろうなとも。最後にちらりとあの神父さまが出てきますが、たった一言でキャラを特定させる外見の作り込みだったり、性格の形成だったりは、やはり吉田氏、さすがです。 -
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再読している今回は、ROMを全部読み終えてからRAMを一気に読もうと画策していたのですが、他のAxの面々が恋しくなって敢え無く挫折。しかし後悔はしていません。
Axのメンバーでも特に、ソードダンサー、プロフェッサー、ダンディライオンが好きだったので、ユーグが出てくると興奮しました。最後に、ダンディライオンの名前が挙がるのにも、わくわく。「ソードダンサー」はすべてが素敵です。ネーデルランド辺りの地名にもロマンがあって、カウント・フォーの名前も土地勘というか民族的にぴったりで。朝食を作った後に、腕一本で腕立て伏せを1000回し、汗をかいたのではないだろうかと思われるのにシャワーも浴びずに僧衣を羽織ってしまうユーグに、キュンキュンします。色素の薄い金髪、翠の瞳、長髪ウェーブ、貴族出身で背中は傷だらけ。ユーグに私の萌えがここまで詰まっていようとは。吉田先生亡き今、ユーグの復讐劇に幕が閉ざされなかったことが残念です。
ROMでは全然姿を現してくれない、イザーク・フェルナンド・フォン・ケンプファー。同情の余地すらない徹底的な悪人ですが、格好良い。このシリーズを初めて読んでいたときはまだドラマCDを聞いていなかったのですが、あれを耳にしてしまったので、イザークのセリフがすべて脳内で速水奨ボイスに変換されます。素敵。エンドレの拭いきれない小者感と比較されて、さらに際立つイザークの黒さ。攻撃方法も最高に恐ろしくて、彼の一滴の善もない所業にしびれます。
何度読んでも大好きだということを再確認しました。 -
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作者の吉田直氏がヴァンパイアをテーマにしたのは、自身の病が血に関することだったからで、アベルがクルースニクになるのが嫌なのは、自身が病によって自分を見失う恐怖心からだとどこかのインタビューで読みました。
それを知ってからの再読は、極上のエンターテイメントの中に、吉田氏はどんな気持ちでこのセリフを書いたのだろうと思わせる記述がそこかしこにあって、ふいに涙しそうになります。
強くて可愛いアストさんと、強くて優しいエステルにはさまれた、可愛くて素直な(というか騙されやすい)イオン姫。彼にこそヒロインの名はふさわしい。ラドゥの手のひらでころころ転がってみせるイオンが可愛いやら呆れるやら…。そして、ラドゥだけではなくて、他のひとの手のひらでも転がっていたことが露見するイオンさん。どんまい。
セスは、再読した方が可愛くうつりました。なぜでしょう?と書きながら、そういえばミルカ公が出てきたとき、イオンと同じ瞳の色をしていたことに気がつきました。伏線も、難しすぎず易しすぎずで、これまた絶妙ですね。 -
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イオンってこんなに可愛くてツンデレでお姫様だったっけ?ラドゥってこんなに可哀想で弱くて(精神的に)騎士だったっけ?そして、トレス君ってこんなに萌えキャラだったっけ?
というようなことを心中で猛りつつの再読とあいなりました。トレス君の地下水路シーンは、鼻血ものですね。なんだ、あの可愛さは。けしからん。
はじめてこれを読んでいた頃は、まだ英語しか話せておらず、その知識も薄いものだったので気付きませんでしたが、真人類帝国や騎士団の言葉って、ちゃんとカナの部分を読むと意味をなしているんですね。すごいなあ、吉田直氏は。と思うと自動的に、どうして彼はあんなに早く逝かなくてはいけなかったのかなあと切なくなります。
アベルを挟んだカテリーナ様とエステルの三角関係も、全員無自覚なのが切ないですね。当時は、エステルを好きになれなくて、カテリーナ様かわいそう、と思っていたっけ。
ブラザー・ペテロとイオンの心の交流シーンで不覚にも涙しそうになりました。ペテロ、髪型気持ち悪いと思ってごめん。実はいいキャラだったね。
ラドゥのこれからを覚えているからこそ、彼の苦悩や葛藤がより悲しく映ります。トリブラの1巻でも書いたのですが、ネタバレされても面白さが薄まらないというのは、すごいことです。結末をなんとなく覚えていても、作中でなんとなく次が分かっても、面白い。ライトノベルと侮ることなかれ。 -
Posted by ブクログ
高校生の頃に傾倒していて、作者の吉田直さんが亡くなられた時は信じられなくて呆然としていたのを鮮明に覚えています。
大好きだったシリーズの中でまだ生きていてくれるキャラクターたちのみんなは、再読した今回も昔のままで、時間を忘れて読みふけりました。
この作品の魅力はたくさんあるとは思いますが、やっぱり一番は、吉田直の筆力に尽きるのかなと思います。まだまだ日本語が発展途上だった思春期に、彼の本を読めていて嬉しく思います。知性を感じさせる比喩の数々に、大人になった今も、尊敬の念を覚えました。
ストーリーも、きっとこうなるだろう、と、これだけはないだろう、のバランスというか配合が巧妙で、予想が当たっても外れても嬉しいという、憎い演出。
レギュラー陣のAXの皆さんとヒロインのエステルのほか、徹頭徹尾極悪人のディートリッヒ、そして悪役にするには惜しいジュラ。結構薄い本なのに、ジュラの歴史をちゃんと感じさせるあたりも、すごいなと思います。
エンターテイメントだけど真面目で、少しアカデミックなのに茶目っ気もあって、読んでいてワクワクしながらも、読み終えた本を見て、惜しい人をなくしたなと改めて思いました。