孫崎享のレビュー一覧
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ネタバレ本作のテーマは「日米開戦」「真珠湾攻撃」。
若者から面倒臭っ、古臭っ、みたいな反応がありそうです。ただし、氏のテーマ設定の背景は深遠です。『日本は今、「あのとき」と同じ歴史的曲がり角にいます』、と冒頭で述べます。
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今、TPP、原発はじめエネルギー問題、消費税増税、国の借金等問題がありながら、正論が叩き潰され、言論が密かに封殺されるような現代社会。
今なら無謀な戦いだと理解できる約80年前にも、正論が覆され、自己の保身から統治責任を放棄した政治家や軍人たち、そして現状をあおったマスコミや論壇があった、という話です。
現代を危機と捉えるものの問題には直接触れず、逆に80年前の状況を渉猟し、多くの歴史上の人物に当時を語らせることにより、どのようにして日本が破滅の道へたどったかを示します。正確には、1941年の真珠湾攻撃から遡り、満州事変、さらには日露戦争辺りまで事象の連関を探ります。
当然ながら、これは反面教師的効果を狙っています。
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まず、日本は流れを読めなかった。
俗に、第二次世界大戦は、欧米に「追い込まれた」上で日本は突入したと言われることがあります。一部には正しいと思います。自国が不平等条約で酷い目に遭い、過剰適応の末、同様の事を韓国や中国でも展開しようとしたのかもしれません。また兄貴分たる欧米のやり方を踏襲しただけということなのかもしれません。
ところが辛亥革命以降、民族自決の萌芽は顕在化しつつあったわけです。中国を狙う米国すら、その民族意識や反発・またそれと対峙するコストについては勘案できていた節があるようです。日本にはそこまで読む力はなかったようです。で、石橋湛山など、こうした流れを読める言論人は世間から排斥されてしまったわけです。
現代で正論を言う人が排斥されていることはないでしょうか?
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次にお偉方の監督責任です。
五・一五事件や二・二六事件は一般に若手将校の先走りと解されていると思います。ひいては満州国設立の差し金たる関東軍の横暴です。で、そういう暴挙に対して、偉い人たちは何をやっていたのかって思いませんか。
結論から言えば、傍観・責任放棄です。ただいるだけ。半藤一利氏の著作からの引用でこうあります。
『二・二六事件はひと言でいえば「恐怖の梃子」ですよ。(略)何かといえば陸軍の上に立つ人は「わたしはいいが、部下の方がどうでるか」と脅すんです。(『日米開戦の正体』P.489)』
今であればどうでしょう? 「いや部下のマネジメントこそあなたの仕事でしょう? できないんだったらとっとと辞めてください」って言いたくありませんか? もちろんこの場合は文字通り拳銃を持った部下であり、御しがたいところはあろうかと思います。内心で部下の横暴を応援していた向きも多かったと思います。ただ、政治家・軍人にはあまりにマネジメントに適さない人が多かったと思えてなりません。
現状の政界・財界はどうでしょうか。
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これ以外にも、テロ(武力)をもとにした言論封殺は興味深かったです。辛くも生き延びた幣原喜重郎氏や、どう見ても陰謀の下に殺害されたとしか思えない佐分利中国公使の話など。
また、我が身を守るために世間と迎合した文学人(斎藤茂吉、山岡荘八、川端康成等多数)の責任問題など、有名人・芸能人の立場の厳しさを突き付けられた気がします。もちろん、メディアや有名人の発言をあるがまま嬉々として吸収してしまう民度の低さは言わずもがなです。
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ということで孫崎氏による戦前戦中史についての作品でした。
多くの軍人・政治家・外交官の発言から、当時の空気を再構成しています。感じ取れるのは、近視眼的(よく言えば?戦略より戦術)、上層部の責任放棄、長いものに巻かれろ主義、異論を許さない不寛容、でしょうか。
今、こうした国民性に変化が無いとすれば、やはり同類同規模の悲劇が再発する恐れがあるのかもしれません。
本作、戦中史に興味がある方、外交史に興味のある方、政治に興味のある方、現代日本はおかしいんじゃないかと感じる方、等々にはお勧めできる作品かと思います。 -
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日米同盟の実態を理解することができる。
【概要】
●第1章 戦略思考に弱い日本
第2章 21世紀の真珠湾攻撃
第3章 米国の新戦略と変わる日米関係
第4章 日本外交の変質
第5章 イラク戦争はなぜ継続されたか
第6章 米国の新たな戦い
第7章 21世紀の核戦略
第8章 日本の進むべき道
【感想】
●現在の日米関係を見れば、この本の内容は合わない部分があるかもしれない。しかしながら、日米同盟の原理となるところは変わらない。
●このことからも、本書は、今後の安全保障を考えるにあたって参考になる点が多い。
●また本書は、平和ボケから目を覚まさせるのにもよい本だと思う。
●日本は、過去の敗戦という経験を忘れることなく、したたかさをもって戦略を組み立てなければならないと思う。 -
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¨忘れ去られた戦争¨と言われる朝鮮戦争。なぜ起こったか、日本の関与について等の歴史を振り返りつつ現在の朝鮮半島情勢を語る一冊。
「〇〇の正体」の著作で日本の外交の秘密を次々に暴く筆者の最新作は朝鮮戦争について。日本ではあまり知られていない戦争であるが敗戦からの日本の復興とその後現在まで続く朝鮮半島情勢を知るに朝鮮戦争の欠かせないだろう。
本書は日本の敗戦つまり朝鮮戦争総督府の解体、朝鮮人による自治国、幻の「朝鮮人民共和国」、それをつぶすソ連とアメリカ、中国それぞれの立場から半島の分断に至る道を詳述。信託統治領から分割占領に変わるまで。大国の思惑と誤算により戦争に発展、国際政治は実に興味深い。翻弄される朝鮮民族。
政令による警察予備隊の創設。密かに戦争に参加したいた日本人のほか本書は警察予備隊が朝鮮半島に進軍することも想定していたことを検証していく。
実に興味深く読める本書、難を言えば今後への提言。ほぼ不可能な朝鮮民族自身による選択か、全く機能しないと分かった上での南北の形式的連邦の創設。
おそらく筆者の一番主張したかった部分は憲法違反、審議もせず警察予備隊を創設したことと日本人も朝鮮戦争に参加していたという事実だろう。そちらよりも、その説明のための朝鮮戦争に至る道、「朝鮮人民共和国」についてが印象に残った。
異論もあるように思うが筆者の作品はもう少し読んで見たい。何か狂気めいてるカンが働いてしまうのだが。 -
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孫崎享(1943年~)氏は、駐ウズベキスタン大使、外務省国際情報局局長、駐イラン大使、防衛大学校人文社会科学群学群長などを歴任した、元外交官、評論家。一般向けの著書も多数。
著者は本書について、「北方領土、尖閣諸島、竹島について、日本の帰属を考えるに際して、どうしても知っておいて欲しい事実を伝えることを主眼とした。少なくともこの本を読まれ、「そんな事実があったのか」と思われることは間違いない。その意味でこの本は領土問題を扱った本としては大変新鮮な本である。」といい、それぞれの国境問題についての歴史的背景、それぞれの立場・主張などを様々な角度から説明している。
そして、最終章では、国家目標のうち最も重要なものは「国民が平和で繁栄する環境を整えること」であり、それを踏まえて、領土問題を扱うことが大事であるとし、領土問題における双方の主張は折り合わないことを前提として、(例えば)日中間の問題は、以下のような方策を組み合わせるべきと述べる。①相手の主張を知り、自分の言い分との間で各々がどれだけ客観的に言い分があるかを理解し、不要な摩擦はさけること。②紛争を避けるための具体的な取り決めを行うこと。③国際司法裁判所に提訴するなど、解決に第三者をできるだけ介入させること。④緊密な「多角的相互依存関係」を構築すること。➄「国連の原則」を全面に出していくこと。⑥日中間で軍事力を使わないことを共通の原則とし、それをしばしば言及することにより、お互いに遵守の機運を醸成すること。➆係争地の周辺で、紛争を招きやすい事業につき、紛争を未然に防ぐメカニズムを作ること。⑧現在の世代で解決できないものは、実質的に棚上げし、対立を避けること。あわせて、棚上げ期間は双方がこの問題の解決のために武力を利用しないことを約束すること。➈係争になりそうな場合、いくつかの要素に分割し、各々個別に解決策を見出すこと。
そして、最後にこう述べている。「領土問題の重要なポイントは、領土問題をできるだけナショナリズムと結びつけないことである。」と。
私は強硬なナショナリストではないが、こと領土問題等に関しては、対立する国の主張に首肯することはなかなか難しいし、多くの日本人は同じような気持ちなのではないかと思う。(もちろん、もっとはっきりした見解を持つ人も少なくないであろうが)
そうした中で、領土問題にどう向き合って行ったらいいのか。。。著者の各々の領土問題についての分析、主張には批判も少なくないが、「国民が平和で繁栄する環境を整えること」が最も重要という、(元・外交官というキャリアならではの)リアリスティックな考え方は共感できるものであり、本書がひとつの考え方を示してくれているとは言えるのだろう。
領土問題についての自分の立ち位置を考えるための一助になる一冊であろう。
(2011年6月了) -
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戦後史の正体、とあるが内容は大戦後の日米関係の歴史に特化している。新聞では報道されない情報がいかに多いか、新聞で知ったことが全て正しいと信じることがいかに危険か、を知らされることとなった。
戦後の首相が「自主派」と「対米追随派」に大きく分けられる。自主派はアメリカの言いなりにはならない、ということだが、自主派の首相はことごとく短命で終わっている。あの手この手で首相の座を引きずりおろされることになる。福田康夫氏、鳩山由紀夫氏もマスコミのイメージは悪いが、自主派であった。
最後に著者は「米国の対日政策は常に米国の利益が中心にある」と述べているが、当たり前でありながら非常に考えさせられることである。TPPについても新聞を読むことも当然大切だが、その情報だけでは不足だということもある。 -
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国外から見ると、なぜ日本の右派が親米という屈折した構図になっているか理解しにくいようです。
しかし日本人の多くは、それが屈折してるとの認識すら持ってないのが現状でしょう。
本書は米国からの圧力を軸に戦後史を紐解いたものですが、こういう視点でまとめられたものは少ないのでとても面白く読みました。
米国が悪いなんて言っても始まりません。国家というのはそういうものだからです。それなら日本は日本の国益を追求してくれる勢力が国の舵取りをしているか。残念ながら、この国で長期政権を実現した為政者は押しなべて対米従属派で、小泉総理以降その傾向はますます顕著になっています。
冷戦期のように、米国に追従してさえいればそれなりの国益が得られるという時代は20年前に終わっています。すでに日本は彼の国にとって収奪の対象でこそあれ、対等のパートナーなどではあり得ず、状況に寄れば単なる捨て駒にさえ成り得る存在です。
テレビから垂れ流される醜聞に耳目を塞がれている場合では無いでしょう。 -
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外務省で情報分野を中心に勤務し、駐ウズベキスタン大使、国際情報局長、駐イラン大使を歴任した孫崎享氏が、情報分野をいかに考えるかというテーマを持ちながら執筆した回顧録で、2009年に出版された『情報と外交』を改題したものである。
著者はまず、外交政策の立案において最も必要とされるのは「外部環境の把握」と「自己の能力の把握」で、この二つについていかに客観的で正確な情報を入手するかが極めて重要であるにもかかわらず、日本の外交においては、戦前も戦後も一貫して、「何がしたいか」という願望が先行して、外部環境の客観的な把握に失敗し続けてきたという。そして、近年の最大の外交問題のひとつである尖閣列島をめぐる問題においても、同様の道を辿ろうとしているかのように見えると警鐘を鳴らしている。
本書で著者が振り返る事件と、そこから導かれる教訓は以下である。
◆「今日の分析は今日のもの、明日は豹変する」~イラン・イラク戦争(1980~88年)
◆「現場に行け、現場に聞け」~NATOのベオグラード空爆(1999年)
◆「情報のマフィアに入れ」~オイルショック(1973年)
◆「まず大国の優先順位を知れ」~ニクソン訪中(1971年)
◆「十五秒で話せ、一枚で報告せよ」
◆「スパイより盗聴」~ミッドウェー海戦(1942年)
◆「「知るべき人への」情報から「共有」の情報へ」~米国同時多発テロ事件(2001年)
◆「情報グループは政策グループと対立する宿命(かつ通常負ける)」~湾岸戦争(1991年)
◆「学べ、学べ、歴史も学べ」~日米貿易摩擦(1990年代)
そして最後に、第二次世界大戦後、基本的に米国追従の外交政策をとってきた日本にとって、国際社会における相対的な米国の力の低下と中国の力の上昇という潮流の中で、日本の独自の国益のための独自の外交政策を考えなくてはならない時に来ており、そのためには情報収集機能の強化は不可欠であると結んでいる。
著者の対米観や領土問題についてのスタンスには賛否があることも事実であるが、著者が本書で一貫して述べる、情報収集と分析の重要性は論を俟たないであろう。
(2013年7月了) -
Posted by ブクログ
●読むキッカケ
・本屋で同著者の本を読み、それなりに正しいことを述べてる感を感じたため
・今後到来する未来を先読みしたい欲求があったため
●メモ
・直近でも、アメリカに対して反対の姿勢を持った権力者たちがいたという事実
ーそして、それは儚くももろく押しつぶされてきたという事実
ー結局民主的に打破するしか無い現状のシステムを考えた時、
愚かな大衆化している日本に立ち直る可能性を見出すのは難しい気がする
・歴史の細部を知る必要は無いが、8割を構成する大きな流れ、大局的な見方を手に入れたいな
ー恐らく、歴史は武力・闘争の積み重ねであって、覇権国・覇権者を中心としたそのせめぎあいを観るのがいいきがする
ー誰のどんな意向で流れが形成されているのかは、常に疑問に思っている。
そして、それは恐らく、自然発生的なものではないのだろうな。 -
Posted by ブクログ
数年前位から自分で始めた企画ですが、年度が改まって8月の終戦記念日を迎えるまでに、先の戦争について解説された本を読もうを思っています。
この本は、以前に読んで私にとっては「目からウロコ」であった、「戦後史の正体」を書かれた孫崎氏によって書かれたものです。日米開戦=真珠湾攻撃になぜ踏み切ることになったのかについて解説されています。
私がこの本から得た結論は、株式市場がいくら好調のように見えても、ある程度を超えたところから上昇することが宿命となって無理をするために、いずれバブルが弾けなければならない、という自然法則に従ったためと思いました。どこかで弾ける運命にあったのだと思いました。
本の中では、夏目漱石の文章を使って上手に説明しています。牛(米国)と競争する蛙(日本)と同じことで、お腹がさけるよ(p150)
本の中では、遠い原因としては、日本軍の日露戦争の勝利によって締結したポーツマス条約違反、直接的な原因としては、日中戦争の発端となった「盧溝橋事件」辺りになるのでしょうか。この分厚い本ですが、終戦の日までに読むことができて良かったです。
最後に書かれていますが、根本的な原因として、今にも通じるものらしいですが、「おかしいと思ったことを、圧力を受けて発言できない社会になっていたこと」が、真の要因のようです。心に残るフレーズでした。
以下は気になったポイントです。
・いまなぜこの本を書こうという気持ちになったのは、今の日本が、日露戦争から真珠湾降べきに至る「いつか来た道」を歩んでいると考えるから(p4)
・具体的には、原発再稼働、TPP参加(外国企業の利益を確保する)、消費税増税、集団的自衛権、特定秘密保護法、これらは日本の生き方を根本的に変えるもの(p5)
・歴史とは、「なぜその選択をしたのか」「他に選択の余地はなかったのか」を問う学問である(p20)
・日本では最高裁の判決が最上位だが、TPPのISD条項は、この法律を裁くもの(p27)
・ドイツは米国への挑発にのらない、三国同盟の一つ、日本が米国に攻撃すれば、自動的にドイツと戦争ができると米国は考えた(p56)
・海軍省は内閣に従属して軍政・人事を担当するが、軍令部は天皇に直属し、その統帥を輔翼する立場から、海軍全体の作戦指揮を統括する。ひとたび戦争計画が作成されたら、必要な装備と人員を揃えるのが海軍大臣の任務である(p72)
・日米戦争が決定的になるのは、1941年7月2日御前会議において、正式に認可された日本軍の南部仏印(仏領インドシナ:ベトナム、ラオス、カンボジア)進駐が、7月28日に実行されてから(p89)
・陸軍は、ロシアとの戦争は考えていたが、米国と戦うことは全く考えていなかった(p106)
・天皇の命令を出す最高司令部が大本営、その決定には首相など政府が参画しない、決定は御前会議だが、基本的にはその前の連絡会議(大本営と政府の主要メンバーの協議体)で行われる(p107)
・日本は真珠湾攻撃と当時に、マレー、香港、グアム、フィリピン、ウェイク島、ミッドウェイ島を、2日間で攻撃した(p144)
・米国は日露戦争の勃発時に世界の主要国と戦争する「カラープラン」を作成、ドイツは黒、フランスは金、英国はレッド、日本はオレンジ、日本は米国を仮想敵国ナンバー2とする国防方針を、1907年に作成(p172)
・日米開戦への道を決定的引き金となったのは、日露戦争後の中国問題、ポーツマス条約で獲得したのは、南満州鉄道だけ。満州権益は列強各国と共有するという選択をすべきだった、伊藤博文はその方針であった(p177)
・1930年のロンドン海軍軍縮会議では、主力艦建造禁止の更に5年延長、ワシントン条約で除外された補助艦(巡洋艦、駆逐艦、潜水艦)の保有量が決められた、参加国は、米英仏伊および日本だが、フランス・イタリアは途中で脱退(p237)
・大阪毎日は、東京紙の「東京日々新聞(三菱財閥)」を買収したので、朝日と異なって、政府擁護、軍部擁護の姿勢が強い(p277)
・英国は当初は中国への直接統治を目指したが、中国が力をつけるにつれて、中国の自治を認めて、通商で利益を図る方針に変更した(p333)
・1939年9月1日、ドイツはポーランド侵攻、3日にイギリス、フランスは宣戦布告、1940年にドイツの快進撃は続いた、ノルウェイ、デンマーク、オランダ、ベルギー、ルクセンブルクを制覇、6月にはフランスのパリを無血占領した(p368)
・日支事変から2年目の1939年7月26日、米国は日米通常条約(1911年締結)の破棄を通告した、最恵国待遇があるので日本だけに輸出禁止はできなかったが、条約破棄により、経済制裁を課すことが可能になり、1941年の石油全面禁輸につながる(p396)
・ポーツマス条約においては、1)遼東半島以外から、日本およびロシアは軍隊撤退、2)満州全域は中国に返還、3)満州市場には列国に共通の政策を採用する、とあるので、日本軍が満州を権益とするのは、条約違反であり米国の反発は根拠がある(p405)
・戦中は、ほとんどの文学者は戦争協力者になっていた、軍部に協力することで徴兵されず、軍需工場に徴用されず、配給物質の「紙」も協力することで作家活動が続けられた(p445)
・伊藤博文の暗殺の影響は、1)翌年、韓国併合、2)満州について清国の主権尊重、英米と協調することの重要性を主張していたがその主張者を失った(p475)
・年々70-80万人の人口増加に苦しんでいる日本としては、産業立国によって国民経済生活の調整をする以外に施策はない、とされていた(p485)
・昭和天皇が、軍部や右翼に暗殺される危機を感じていたとすれば、戦前史の見方は大きく変わる。昭和天皇独白録によれば、主戦論を抑えたならば、国内世論は沸騰し、クーデターが起きただろう、と述べている(p486、488)
・現代では、暗殺という手段の代わりに、ポストから外す、発言の場を奪う、人物破壊(世間的な評判、人物像に致命的な打撃を与える)がある(p491)
・真珠湾攻撃に突き進んだのは軍部の強引さであるが、特定の勢力の横暴を許したのは国民側にある(p497)
・日米開戦はおかしいという考え方を持っていた人は、軍部にも、外務省にも、政治家にも、新聞社にも、ほぼすべての分野に存在したが、それが圧力を受けて発言できない社会になっていたのが、真珠湾への道の最大の要因である(p498)
2015年8月16日作成