孫崎享のレビュー一覧
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【結論】
日本にとって、中国やロシアと軍事的に対抗するのは現実的でなく、
紛争回避を第一に、経済分野での協力関係を強めることで、問題を棚上げする。
外交官から防衛大学教授の経歴の著者の提言
【内容】
第6章 感情論を超えた国家戦略とは
215/領土問題は領土単独の問題ではない。国家関係全体の関係の象徴的存在として
領土問題が現れる。
尖閣も、日本と中国とどう付き合っていくかという延長線上にある。中国の扱いに戸惑っている。
222/9つの方策
?相手の主張を知り、自分と相手の間にどれだけ客観的な言い分の差があるかを理解し、
不要な摩擦を避ける。
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Posted by ブクログ
福沢諭吉が「脱亜論」において、「支韓両国は数年以内に亡国となり、諸外国に分割されることは疑いの余地がない。よって、支韓と伍するのを脱して西洋の文明国と進退を共にするべきである」と喝破して以来150年もの間、戦前は軍事力において、戦後は経済力において、日本の国力はずっと中国を上回っていた。けれども、近い将来中国の経済力は米国をも追い越し、超大国として君臨することになる。軍事的にも、もはや日本が中国に対抗するという選択肢はありえない。このような状況の中で、米国は東アジアにおいて、日本よりも中国を重視するようになってきている。一方の日本はといえば、経済は停滞したままであり、少子高齢化には歯止めがかか
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Posted by ブクログ
左寄りの、日中、日ロ、日韓共存論。
アメリカがすでに、日本を緩衝材としての中国政策をオフショアバランシングとしているというのはままあることだと思う。
中国の軍事力、GDPを冷静に直視した時に、日本が考えられる行動を客観的に分析し、かつ、最も有用な策を練る。
そんな行動ができないのは、WW2から一向に進歩してないということか。
ただ、だからといって、手放しで中国やロシアと友好関係と行くとも思えない。
両国民の間にある不信感や敵愾心を超えて、Win-Winの関係にするのは並大抵ではないと思うので、その対応策なども論じて欲しかった。
読後、右から中道右派ぐらいには振り戻ったかな。 -
Posted by ブクログ
近年の日本の安全保障事情の解説と分析。基本書的位置づけ。
日本の一般大衆が抱く日米同盟の「誤認識」を指摘し、米国のアジア戦略における日本の位置づけが、中国の軍事的経済的台頭によって変わっていることを、日本の安全保障事情の歴史的な背景と変遷を含め様々な情報を駆使して詳しく解説・分析している。また、日本の今後の安全保障戦略を考える上で、企業戦略の視点を導入しているところが面白い。
残念なのが、今後日本が取るべき安全保障戦略内容の具体性に欠ける点だ。伝統的な日米同盟関係維持から脱却し、東・東南アジア諸国との関係改善に努めるという方針は賛成だ。だが、それを示しただけでは日本の今後の安全保障戦略につ