孫崎享のレビュー一覧

  • 不愉快な現実 中国の大国化、米国の戦略転換

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    孫崎享さんに対しては、最近、著書『戦後史の正体』が「陰謀史観に過ぎる」というような批判も少なくないようだが、少なくともこの本で書かれていることは至極真っ当な指摘であり論であると感じる。

    曰く「不愉快な現実」とは、

    1. 日本の隣国中国は、経済・軍事両面で米国と肩を並べる大国になる。

    2. この中、米国は中国を東アジアで最も重要な国と位置づける。

    3. 日中の国防費支出の差は拡大し、日本が中国に軍事的に対抗することは出来ない。

    4. 軍事力が米中接近した中で、米国が日本を守るために中国と軍事的に対決することはない。

    という「現実」である。
    (「来るべき現実」という意味も含めて)

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    2013年02月10日
  • カナダの教訓 超大国に屈しない外交

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    カナダのアメリカとの関係を歴史をもとに検証。
    日本と対比して書かれているが、立地条件、過去の戦争を考えると筆者の見解はちょっと行き過ぎの感はあるが、国際的な立ち居地を踏まえて超大国アメリカと接していくエッセンスがある。
    日本はアメリカを怒らせず、良好な関係を続けることが政治家の重要なスタンスということであるが、今後自立をしていく上でアメリカとの関係を検証していくことは必要なのかと考えさせてくれた。

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    2013年02月03日
  • 日本の「情報と外交」

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    いかに日本の情報、諜報部門が脆弱かよく分かる。裏を返せば戦後アメリカに上手くやられたということか。今回のアルジェリアのテロ事件でもそれが証明されたと言ってよいだろう。

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    2013年01月23日
  • カナダの教訓 超大国に屈しない外交

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    孫崎享氏の本は実に読み易い。普通外国語を訳して引用すると非常に読みづらくなるのだが、ほとんど違和感のない文章になっているからだ。

    カナダがメキシコと異なった外交をとれた理由が知れる一冊。
    それにしても相当カナダに対するアメリカの政治的な圧力が非常に強い。

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    2013年01月09日
  • 日本の国境問題 ──尖閣・竹島・北方領土

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    何かものを考えるときは、
    規範というものが不可欠であるように思う。
    では、日本の国境問題においては、
    何を規範とすべきか…

    本書は、北方領土を論ずる際、
    ポツダム宣言にさかのぼることを提唱する。
    ―第二次大戦時、米国を中心とする連合国側が
     日本の領土をどのように確定しようとしていたか

    そこから、見えてくることは多い。
    ボクにとっては、日本の国境問題を考える上で
    指標となるような一冊であった。

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    2013年01月02日
  • 日本の「情報と外交」

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    外交政策を立案するにあたっては、情勢判断を基礎とすべきである。情勢判断は事実をみることから始まる。しかしながら、日本の外交においては、「何をしたいか」という願望が常に先行し、都合のよい情報ばかりが集められるという倒錯した政策立案が繰り返されてきた。


    われわれは、「いつかきた道」を再びたどらないためにも、願望に身を任せて事実から目を背けるのではなく、客観的な事実をしっかりと見つめて、慎重に対外戦略を構築していかなくてはならない。
    今日の分析は今日のもの。明日は豹変する
    アメリカ 軍事と関係ない、普通の都市を壊滅。戦意を消失させるてめでなく、資源を非軍事の復興に集中させるため
    MI6 現場に行

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    2012年12月24日
  • 不愉快な現実 中国の大国化、米国の戦略転換

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    最近、出版物が多い元外務官僚で、戦略論の著書もある孫崎氏の本。

    これまでの著書は、日米同盟や日本の領土問題などの問題を扱ってきたが、この本では中国の経済的・軍事的な台頭、中国に対してアメリカはどのような関係を今、築こうとしているか、またロシアなどの国々はどのような意図を持ってきているのかなどを取り上げながら、感情論やナショナリズムではない、現実的な対処法の検討を行っている。

    ドイツとフランスの戦争後の関係の築き方など、まだまだ歴史に学ぶ点は多い。脱亜論を説いた福沢諭吉の考えに私たちは非常に多く染まっているが、中国の新の狙いや国益を考えながら、来るべき時代(新しいパラダイム)でどのように振る

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    2012年12月12日
  • 日米同盟の正体 迷走する安全保障

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    孫崎亨氏の著作を読むのは「戦後史の正体」に続き2作目。

    盲目的な対米方針、極度な右傾化と「国防軍」構想が、如何に国益を損なうかということを理解するに充分な内容。
    「戦略思考に弱い日本」の例として70年代のシーレーン構想のエピソードが取り上げられているが、今年の尖閣諸島に関する一連の騒ぎを思い起こすと、何も変わっていない事に驚きを隠せない。
    軍事による抑制でなく、国際社会におけるグローバリズムの深化を新たな安全保障の方策として提案する第八章に、僅かな希望を見た。

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    2012年12月04日
  • 日本の国境問題 ──尖閣・竹島・北方領土

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    国境問題。これほどやっかいな問題はない。

    武力。最悪の選択肢。解決にはならない。
    日中、日韓、日ソで戦争。誰も起こるなんて思っていない。

    さあどうするか。
    筆者の言う「棚上げ」もありだと思う。
    感情だけぶつけ合っても平行線のままだ。

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    2012年11月29日
  • 不愉快な現実 中国の大国化、米国の戦略転換

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    尖閣諸島の防衛に関する第5章は様々な論点が議論されている.「棚上げ」という一見不可解な政策の重要性が認識できた.

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    2012年10月17日
  • 日米同盟の正体 迷走する安全保障

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    外務省→防衛大学教授という経歴を持つ著者が、戦略無きままアメリカの外交政策に翻弄される事の危険性を問う。この本を読んで感じるのは、外交と謀(はかりごと)が表裏一体という事。やはりナイーブなだけでは、いいように利用されるだけだなあ。著者の言う"政策の善悪の基準を持つと、情勢分析の目が曇る。"という言葉はしっくりきます。

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    2012年09月28日
  • 不愉快な現実 中国の大国化、米国の戦略転換

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    データを色んな角度から見て、将来の国のあり方を模索し、現実的に政策を実践していく。

    予断と偏見はなしだ。

    アメリカと中国の位置関係、そして、その狭間における日本の立ち位置。

    世界の歴史に学ぶところはいくらでもある。

    日本人だけが考える希望的観測、こんなものは何の役にも立たない。

    日本国を滅亡に導くだけだ。

    そんなことを考えさせられる、元外務官僚の国際的な視点に立った著作だ。

    冷静に読み解かなければならない。

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    2012年09月17日
  • 不愉快な現実 中国の大国化、米国の戦略転換

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    ネタバレ

    領土問題は複雑だ。
    確かに各国それぞれにその領土に対しての認識や主張は違う。
    それぞれの国の認識や歴史事実を踏まえて外交は進めないと戦争になる。
    特に日本は中国に対して、アメリカが助けてくれると信じているが、実際のアメリカがどのようなスタンスで接しているかを理解していないと放り出されることになる。
    それが、不愉快な現実なのだから。

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    2012年09月10日
  • 不愉快な現実 中国の大国化、米国の戦略転換

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    日米関係はソ連を封じ込めるために始まり、今日においては中国との距離感でその価値が語られるのもやむを得ない。米国から見れば、2010年代においては日米よりも米中かもしれないし、 日本はオフショアバランシングの駒の一つに過ぎないのかもしれない。日米同盟を金科玉条と奉じる人々に対し、筆者はそんな不愉快な現実を突きつける。

    もう一つの不愉快な現実、それは日本には中国との軍事紛争を戦う力はないということ。福沢諭吉以来の脱亜入欧の時代はもう終わり、しかし日本人の心の底に残る中国蔑視感。それでも経済でも国際政治でも軍事力でも、最早中国には敵わない。そんな中領土問題で一方的に敵がい心を燃やす危うさ。

    筆者

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    2012年08月07日
  • 不愉快な現実 中国の大国化、米国の戦略転換

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    『日米同盟の正体』を読んで、孫崎さんの考え・意見に興味を持ったので2冊目。昨今の中国の大国化とそれに対応する米国の政策転換、そしてこれからの日本の生きる道について。この本でも孫崎さんは日本の政治政策に危惧を抱いている。『日米同盟の正体』同様、孫崎さんの考えには納得できてしまう。ただ、『日米同盟の正体』より少し読みづらかったように感じた。

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    2012年05月01日
  • 不愉快な現実 中国の大国化、米国の戦略転換

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    「スーパー301条」という言葉を覚えているだろうか?
    戦後アメリカ追随で進んできた日本だったが、アメリカから制裁を受ける事態を日本人はどのようにうけとめようとしていただろうか?自分を守ってくれる親でもあり、親友でもあるアメリカが日本を敵視する事実に動転して慌ててすり寄ってしまった。
    多くの日本人が疑問をもたずに思い込んでいることがある。
    「民主主義国アメリカは共産主義国の中国よりも同じ民主主義の日本の仲間」
    「これまでのやりかたでこれからもうまく行く。今の不調はこれまでのやり方が正しい路線からずれているため。」
    著者の孫崎亨氏これらが幻想であることから話をひもといてゆく。

    「中国がアメリカを

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    2012年04月05日
  • 不愉快な現実 中国の大国化、米国の戦略転換

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    個人的に軍事や外交関係の理論を構築する際に、孫崎氏の主張は大変参考にしている。

    以前読んだ『日米同盟の正体』とも合わせ、日本がこれから構築すべき外交戦略をしっかりと道筋立てて述べている。

    結論を先に述べると、日本は中国や北朝鮮、ロシアなどの隣国と過度な敵対的態度を取らず、相手側の主張や言い分も理解したうえで、建設的に外交努力を目指すべきとしている。そして、最終的には米国追従一辺倒だけでなく、東アジア経済圏の中でプレゼンスを発揮すべきと主張する。

    米国追従では、日本は極めて危険な状態に置かれる理由は複数ある。
    (1)日本の経済の将来性は、対米から対中へと一層シフトし、外交で対立しても全くメ

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    2012年04月01日
  • 不愉快な現実 中国の大国化、米国の戦略転換

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     孫崎さんは外交官OBで、するどい分析だなと思っていた。

     職場の本屋の棚から新刊を購入。

     不愉快な現実。

    (1)米国はアジアの交渉の中心を日本から中国に移した。

    (2)アメリカは、日本のために本土がやられるため、日本に核の傘をかけることはない。

    (3)自衛隊だけでは現時点ですでに中国軍に対抗できない。

     この不愉快な現実の中で、日米同盟でアメリカの尻にくっついていた日本は、外交戦略を練り直さなければならない。

     まず、自分にできることとしては、中国だけでなく、地政学上重要なベトナム、タイ、インドネシア、オーストリアなどの太平洋諸国との連携を強めていくことだと思う。

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    2012年03月20日
  • 日米同盟の正体 迷走する安全保障

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    元外交官であり、その後防衛大学校教授をされていた孫崎さんの著書。


    日本の安全保障に対する考え方、米国の戦略思考、イラク戦争開始の理由、核戦略についてが面白かった。何より、米国の陰謀・謀略行動に衝撃を受けすぎて半信半疑。でも偽旗工作って国際法で容認されてるんだって...!割りきれないことがたくさんまかりとおっている世界なんだと、合理主義な私は教えられました。


    何はともあれ、巻末にある「安全保障関係の文献紹介」を読むだけでも面白いと思う。徹底して文献を読むことの大切さ。印象論にのみ頼っていた今までの姿勢を反省した。核兵器、戦略論あたり、もう少し勉強したい!

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    2011年12月04日
  • 日米同盟の正体 迷走する安全保障

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    元外務官僚の孫崎さんが、日米同盟について冷静な分析を行い、これからの日米関係の自らの考えを主張している一冊。

    「戦略を考える」2011-05-17 - good(仮)にも書いてあったが、経済で日本の安全保証を確立していくことが大事とのこと。私も、この見解に同意。

    だから、生産労働人口が減少してきている日本は、早急に生産労働人口を増やしていく必要がある。まあ、まずは減少ではなく、止めることから始めるべきか。

    でも、高齢者からのお金の移転をどうにかしないと。

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    2011年08月05日