孫崎享のレビュー一覧

  • 不愉快な現実 中国の大国化、米国の戦略転換

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    非常に論理的な持論の組み立てだが、すべては中国が米国に比肩する経済大国になることが前提になっている。日本人がこれを認めたがらないとのことだが、その前提はこれまでの成長トレンドと米国人へのアンケートがベースになっている。が、ちょっと待って欲しい。本当に過去のトレンドがこの先も続くのか?
    経済成長率は生産年齢人口の増加率に大きな影響を受けるが、一人っ子政策によるdemographyの歪により2013年には中国のそれは減少に転じたと言われている。またこの数年間の高度経済成長は、経済原理を無視した無理な設備投資に支えられており、全成長率7%の内4%がそうした過剰な投資効果によるとの推計もある。これ以上

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    2015年05月31日
  • 「戦後再発見」双書1 戦後史の正体

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    著者は外務省OB。敗戦後の占領時代以降の日米関係の実態を暴いている。

    戦後初の総選挙で勝利した鳩山一郎総裁は、組閣直前にGHQに公職追放された。代わりに首相になった吉田茂が憲法を発布し、施行を見とどけた後で辞任した。日本国憲法のもとで行われた総選挙の結果選ばれた片山哲は、左派過ぎる平野農相の解任を求められて従った結果、平野派の支持を失って総辞職に追い込まれた。片山の後を継いだ芦田均は、GHQ参謀第2部(G2)が摘発した昭和電工事件で総辞職に追い込まれた。

    占領下で五大財閥が解体されたが、その目的は旧経営陣を一掃して戦前の経済人の力を弱め、経済同友会を設立してアメリカに協力する人々を経済界の

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    2018年10月31日
  • 日本の国境問題 ──尖閣・竹島・北方領土

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    「目からうろこが落ちる」内容
    鄧小平は尖閣問題は、今は棚上げして将来の人たちの知恵に委ねようと提案。日中とも、その将来の政治家たちの知恵のなさ。

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    2016年03月22日
  • 「戦後再発見」双書1 戦後史の正体

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    アメリカは対日講和条約の締結するにあたって、日本独立の条件として米軍は望む場所に望む期間、駐留させる権利を確保して行政協定を結ぶ。

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    2016年03月21日
  • 日本を疑うニュースの論点

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    新聞を捨てて久しい。やはりそれはメジャーかつ旧来から存在している媒体が報じる内容のバランスが悪く一方的で、特に震災以降その精度の低さが加速しているように思えるからだ。
    日本についての海外の評価、事件や政治的事象の報道のされ方、見方の違い、戦略…どれをとっても真実とはほど遠いことがこの本を読むとよくわかる。様々なことがどれだけ歪めて公表されていることか…。しばし愕然とする。
    今の日本の振る舞いは全くもって大間違いだ。孫崎氏を崇拝する気は無いけれど、よく考えれば至極真っ当で、原点に立ち返れば当然だと思える理論が展開されている。そんなことすらできない現在の大メディアなどなくなってしまえばいい、おそら

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    2013年12月26日
  • 日本の「情報と外交」

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    ・今日の分析は明日豹変する(イラン・イラク戦争)
    ・現場に行け、現場に聞け(テレビ、小説も含め)
    ・情報のマフィアに入れ、フォーリンアフェアーズを読め
    ・まず大国(米国)の優先順位を知れ
    ・15秒で話せ、1枚で説明せよ
    ・情報グループは政策グループと対立する(しかも通常負ける)
    ・インテリジェンスとは行動のための情報である
    ・敵の情報の入手と防諜は反対方向
    ・リーダーは場の空気を読んではいけない
    ・日本の失敗に共通は相手の脅威を過小評価し自己能力を課題評価

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    2013年12月24日
  • 不愉快な現実 中国の大国化、米国の戦略転換

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    本書の要旨は終章で次のように書かれている…

    1 日本の隣国中国は、経済・軍事両面で米国と並ぶ大国になる。
    2 この変化の中、米国は中国を東アジアで最も重要な国と位置づける。
    3 2020年頃、中国は米国に経済的に追いつくことが予想される。
    4 軍事力で米中が接近する状況で、米国が日本を守るために中国と軍事的対決することはない。

    では、そうした中、日本はどうあるべきか…
    それは選択肢のある問題ではない。本書では次のように書く。

    ―日本には軍事的解決の選択肢はない。
     平和的解決の手段しかない。

    …であるならば、従来の対米追随のありかたは、見直されて
    然るべきなのだろう…残念ながら現在の日

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    2013年12月21日
  • 日米同盟の正体 迷走する安全保障

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    特定秘密保護法に関して、著者は、
    「民主主義の根幹をゆるがすもの」であり、
    「集団的自衛権とセットで進められている」ものであると指摘する。
    その背景を確認したく本書を手にした。

    著者のスタンスを明確に語る一節があった…
    ―特定の課題を通すために、異なる価値観を述べたものには、
     その人間を組織から抹殺していいという方針を確立したら、
     その組織は必ず衰退し、滅亡してゆく。

    本書は、日米同盟の変遷をたどりながら、
    日本の妄信的な対米追随に警鐘をならす。
    昨日…2013年12月19日…外務省は、
    米国での対日世論調査の結果を発表した。

    それによれば、日米安保条約を「維持すべきだ」としたのは、

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    2013年12月21日
  • 独立の思考

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    本書で繰返し述べられている「主権」に関して深く考えたこともなかった。
    「ナショナリズム」と「愛国」の違いに関しても同様。
    上記以外にも教えられる事や気付かされる事が多かった。

    気になる点に関しては、中国への認識であろうか。
    少数民族への非人道的な扱いや、
    戸籍を持たない人が相当数存在すること。
    尖閣以外にも領土紛争を抱えていて、
    強引な外交姿勢で圧力をかけていること。
    有史以来、選挙の実績がない国であること。
    共産党への不満を和らげるために反日暴動を利用するなど
    ロクでもないヤクザ国家であり性善説が通用しない相手として認識しているので、本書での指摘はナイーブ過ぎるのではないかというのが正直な

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    2013年10月07日
  • 日本の国境問題 ──尖閣・竹島・北方領土

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    日本の境界問題について、歴史的な観点、海外での状況などを織り交ぜ、解説。
    最後の「政治家が領土問題で強行発言をする時、何を達成しようとしているかを見極める必要がある。」の一文は、納得。

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    2013年08月04日
  • 不愉快な現実 中国の大国化、米国の戦略転換

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    ネタバレ

    中国がアメリカをしのぐ超大国となり,アメリカも日本より中国を重視する状況が近づきつつあるという現状認識のもとに,今後の日本外交の進むべき方向を論じる。

    TVやネットで著者の言動を目にして,唯我独尊な思い込みに基づくように感じていたが,本を読むと,まことにもっとも。
    勉強になったし,説得もされた。

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    2013年09月21日
  • 日本の国境問題 ──尖閣・竹島・北方領土

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    ネタバレ

    歴史的事実について曖昧な知識で主張はできないのは当然、そう思って本書を読み始めた。
    今まで自分が思っていた国境問題とは違う視点であった。
    まずは、もっと知らなければ、と考えさせられた。

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    2014年04月20日
  • 独立の思考

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    カレル・ヴァン・ウォルフレンさんや孫崎享さんの著作には出来るだけ目を通すように心掛けてきたので、本書も出版とほぼ同時に購入。一気に読み切りました。

    対談の書き起こしの形式なので、難解な表現が避けられているようです。その分一つ一つの論証は弱いのですが、日本の現状をこれほどわかりやすくまとめた本は少ない。

    この本を読むとテレビのコメンテーターや新聞の編集・論説委員の頭の中がいかに対米従属に毒されているかが良くわかります。

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    2013年06月13日
  • 日本の「情報と外交」

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    イラン・イラク戦争、オイルショック、ニクソン訪中、9.11、湾岸戦争、日米貿易摩擦等々の事例から、日本のインテリジェンスの弱さに警告を発している。
    著者はアメリカに対しては根強い反米感情が出るが、その他については冷静に情勢分析している。

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    2013年05月29日
  • 日米同盟の正体 迷走する安全保障

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    『日米同盟』が外交の肝のように喧伝されておりますが、別に日本と米の国益が一致しているという意味ではありません。
    また、米は日本の国益を他国より優先的に配慮するという意味でもありません。
    日本に配慮するのは、‘そうした方が米の国益に資する’との計算が成り立つ場合です。
    しかし、概ね‘コマ’として利用されてる事が多いようです。


    たとえば、
    ~米戦略におけるシーレーン構想について~
    ・第6ステップ
    「対潜水艦攻撃能力強化に日本を参加させることを考える。」
    日本人は戦略問題に巻き込まれることを警戒するので、戦略を述べず、日本人だけに通じる論理を組み立てる。
    幸い日本は経済問題の利害に敏感で

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    2013年05月02日
  • 日本の国境問題 ──尖閣・竹島・北方領土

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    なるほど、領土問題はアメリカが日本とその周辺諸国に埋め込んだ「時限爆弾」だったわけですね。一歩引いて考えれば、敗戦国である日本がUSジオポリティクスの対象にならないはずがない。今まで気づかなかった私がバカでした。

    日本ではどうして、地政学がもっとまじめに語られないのだろう。地政学の話をすると「陰謀論者」と決め付ける人たちが多いことは本当に遺憾です。現実なのに。

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    2013年04月11日
  • 日本の国境問題 ──尖閣・竹島・北方領土

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    感情論やナショナリズムに煽られて領土問題を語るのではなく、歴史を理解し、両国の現状をふまえて今後の対応を考えていくことが大切だと思った。
    本書の中国の軍事力と、それに対する日米同盟は役に立つのかの記述には驚いた。

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    2013年03月27日
  • 不愉快な現実 中国の大国化、米国の戦略転換

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    キッシンジャー 日本人を戦略的にものを考えられない人たちと蔑視
    米国の戦略的資産としての日本 マイケルグリーン
    1 伝統的な日米関係を重視
    2 米中二大大国が世界を調整する
    3 米国は部分的撤退を図るがその分を同盟国で穴埋めさせ共通の敵として当たらせる オフショア・バランシンス
    4 関係国で国際的枠組みを作っている

    米国は日米同盟強化ししか動かないと錯覚している

    日本の多くの人は十分に認識していないが、尖閣諸島近辺で日中間の軍事衝突が起こった時に、日本が勝つシナリオはない

    棚上げとは現状を容認し、その変更を武力でもっておこなわないことである

    新疆ウイグル地方 イスラム教
    カトリック、プ

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    2013年03月23日
  • 日本の「情報と外交」

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    ●:引用、→:感想

    ●外交政策を立案するにあたっては、情勢判断を基礎とすべきである。情勢判断は客観的な事実を見ることから始まる。しかしながら、日本の外交においては、「何をしたいか」という願望がつねに先行し、都合の良い情報ばかりが集められるという倒錯した政策立案が繰り返されてきた。
    →昨夏のNスぺ「終戦 なぜ早く決められなかったのか」の中で、在ストックホルム小野寺陸軍駐在武官が送ったヤルタ協定密約(ソ連の対日参戦)について、ある外交官は(戦後に終戦当時を振り返ったインタビューテープにおいて)”彼ら(軍部、駐在武官)にそんな情報を取れるとは思わなかった。””ニセ情報をつかまされていると思った。”

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    2013年04月12日
  • 日本の国境問題 ──尖閣・竹島・北方領土

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    近年における日本の国境問題、
    分けても中国との尖閣諸島問題を取り上げた一冊。
    目新しい資料が開示されているわけではないが、
    内容が整理されており飲み込みやすい。
    月並みな感想ではあるが、
    単純なナショナリズムこそ厄介なものであり、
    冷静な視点で互いの利益を探る必要を感じた。

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    2013年02月22日