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日本の戦後史は、アメリカからの圧力を前提に考察しなければ、その本質が見えてこない。元外務省・国際情報局長という日本のインテリジェンス(諜報)部門のトップで、「日本の外務省が生んだ唯一の国家戦略家」と呼ばれる著者が、これまでのタブーを破り、日米関係と戦後70年の真実について語る。
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Posted by ブクログ
あまりの読みやすさに一気読みしてしまった。 自分の中に新たな軸ができ、 ニュースや論壇以外にも、映画や漫画(エンタメコンテンツ)に触れる際にまた違った目線を入れて楽しめそう。
戦後の日本政治史は、対米追従と自主の2つの路線に分類される。大国である米国との外交姿勢が最も重要であり、なぜなのか分かりやすく解説されていてとても勉強になった。テレビ等のマスコミでは報道されない裏の部分も扱っているので、今後は情報(新聞・テレビ・sns)を客観的な視点で見るために、自分にできることは...続きを読む何か考えさせられた。
2012年の8月に世に出たもの それから11年半が過ぎようとしています 孫崎さんの おっしゃっておられることが ますます 証明されているのが たまらなく 悲しい
日本で歴史を学んだものとして、信じられない内容 事実を本当か確認したいが、現在の日本を理解する上で読んでおきたい一冊
衝撃すぎて心がついていかず、少しずつしか読めなかった。全国民必読。岸田新総理は果たして米国追随派か、それとも自主派か。注目していきたい。
久し振りに本を読んで興奮し、そしてショックを受ける経験をした。 戦後の日本が歩んだ歴史における"タブー"に真っ向から挑んだ著者である孫崎氏には敬意を抱かざるを得ない。 本書における多くの書評にあるように、筆者は日本の戦後から2012年現在の野田政権までの歴史について、戦後の首相...続きを読むと外相を主人公として、様々な公式文書、論文、記事等を客観的証拠としながら、米国との外交を舞台に「対米追随路線」と「対米自主路線」という相反する対立軸を用いることで、「戦後日本史」というひとつの物語を展開している。 そこには我々日本人がこれまで教えられたり、聞いてきたり、抱いてきた戦後歴史観とは全く異なる事実が浮かび上がる。 米国がいかにして日本を利用しようとしてきたか、そしてこれからも利用し続けようとしているかが、平易かつ説得力のある文体であるがゆえに脳裏に焼き付くようである。 本書で述べられている、戦後外交おける敗戦国(=日本)の屈辱、そして戦勝国(=米国)の圧倒的優位性が、21世紀となった現代までも"戦争というものの本質"としてあぶり出されていくのだ。 高校生にも分かる文章で書いたというが、述べられている史実について若い世代も含めた多くの日本人に知って欲しいという著者の想いが痛いほど伝わってくる。 同時に、残念だがGHQも含めた米軍、米政府、CIAといった組織の深慮遠謀には、まだまだ日本は遠く及ばないのかもしれないとも思わざるを得ない。 米国は、戦争にせよ経済競争にせよ、とにかく勝つためであれば謀略でも何でもあらゆる手段を検討し尽くす。 それが良きにつけ悪しきにつけ"戦略的"ということなのだろう。 日本政府や官僚機構、そして日本国民がそこまで戦略的に米国と対峙できるか、甚だ疑問である。 前述の対立軸を用いた戦後史の展開については賛否両論あると思うが、何より重要だと感じるのは、著者が記載していることの事実云々ではなく、日本の歴史教育そのものが海外も含めた"方々から"歪められているのではないかという危機感である。 自分は大学入試センター試験で日本史を選択したが、現代史はほとんど試験範囲とならない。せいぜい第2次吉田茂内閣くらいまでである。 そのため、自分自身も歴史が好きであったはずなのに、現代史については全く無知に近かったと思い知らされた。 今となっては、故意に試験範囲から外しているのではないかとも思える。 また教科書に記載されている内容そのものについても、多くの歴史評論家が語っているように、諸外国に配慮しすぎて史実が隠されたり、曖昧にされているため、多くの日本人が戦後から現代までのつながりを理解できないでいる。 教科書問題については、とかく文科省が槍玉に挙げられるが、それだけの問題ではないということが本書でようやく理解できた気がする。 竹島や尖閣諸島などの領土問題においても、正しい歴史認識を持たないことには、単なるつばぜり合いに終始し、マスメディアを喜ばせるだけとなってしまうであろう。 歴史を学ぶことは、単に『教科書に述べられた過去の出来事』を覚えるだけではなく、過去を多角的に分析・検証し、これからの時代を生き抜くための指針を"自分なりに"思考し見出すことだと、改めて実感した次第である。
2012年の創元社のベストセラー。2017月10月の衆議院選のころ読む。 日本の戦後政治と米国米軍との関係について、元外務省官僚の視点から叙述。 気づいたこと。 1、自民党結党時からの綱領の「改憲」とは、鳩山一郎総裁の「自主外交」とセットだったこと。自主外交とは、米軍に出ていってもらうこと、その上で...続きを読む防衛力を備えるための改憲のことだった。同じ憲法のまま、今の自衛隊は世界7位の軍隊になっているので、もはや、改憲は必要ないことになると思う。「自主外交」はいまだ達成されていない。 2、著者は岸内閣の再評価が必要という。著者のいう反安保デモCIA陰謀説はいかがかと思うが、日米安保条約の内容は評価すべきとしている。すなわち、安保条約での両軍の軍事行動は、日本および日本の近海において、日本が攻撃を受けたときに限られる。これは先守防衛ということだろう。さらに、両国の国会決議などが必要であり、国連軍的な行動であること。集団的自衛権を認めていないのである。それでも当時は平和を求める国民の半数以上が安保には反対だった。 3、1のように1950年代までは米軍の撤退のスケジュールについて発言する日本の政治家は少なくなかったし、60年代のベトナム戦争にも日本は自衛隊を派兵していない。そこから離れて、対米従属に大きく舵をきったのは00年代の小泉内閣のときだと著者はいう。しかし対米従属がいつから強まったかというと、日本が経済力をつけた80年代の中曽根内閣のときに大きな変化があったようにも思う。 戦後72年。それにしても米軍は、100年も200年もいる気なのだろうか。
自主路線と対米追随。日本がいかにアメリカのいいようにされてきたかがよくわかる。日本が今後いかにして真の独立国となるかを考えさせられる本。政治家は皆読むべき。
今すぐ読もう!以下、抜粋です。 「検察は米国と密接な関係をもっています。とくに特捜部はGHQの管理下でスタートした「隠匿退蔵物資事件捜査部」を前身としています。その任務は、敗戦直後に旧日本軍関係者が隠した「お宝」を摘発し、GHQに差しだすことでした」
「自主」か「追随」か。米国からの圧力に対する2つの路線を軸に、日本戦後史を総括しようとする。 日本が8月15日を「終戦記念日」と定めていることの欺瞞から、著者は筆を起こしている。本当に戦争が終わったのは降伏文書に署名した1945年9月2日。つまり、日本人は「敗戦記念日」に向き合ってこなかったのだ。...続きを読む日本は戦争に負けた、アメリカに無条件降伏したという厳しい現実から、ずっと目をそらし続けるための「終戦記念日」なのだと。 巻末に、戦後の歴代首相を「自主派」「対米追随派」「一部抵抗派」で分類しているが、長期政権となったのは見事に「対米追随」グループというのが面白い。おおまかにみればアメリカに都合の悪い政権は長続きしない、どこかで足をとられる、追い落とされるということになっている。そういう仕組み(経済界や検察、マスコミ)が備わっているのだと説く。本書のスタイルは、戦後史を俯瞰して、この現象を実証していくということになる。 具体的に見てみよう。評価の高い吉田茂はたんにアメリカのイエスマンであり、日本に米軍基地が居座り続けのもこの首相による密約が原因だったこと。「昭和の妖怪」岸信介が意外にも「自主」路線の持ち主で、それがゆえに安保騒動で潰されたこと。米国の意に反して中国との関係改善に力を尽くした田中角栄も、アメリカとそれに従属する勢力によって政治的に葬られたのだということなどが、証拠をあげつつ論じられている。 歴史的な事実はともかくとして、その解釈として、個別の反論はあるだろうが、それをもって本書を「陰謀論」扱いするのは間違っている。「米国の圧力」という補助線を引きながら戦後史を見るという本書の視線は、全体として正しいものと考える。むしろ、そういう視線をこれまでとることができなかったということが、(敗戦から)「目をそらし続けている」証拠なのだ。 日本の右翼がなぜ「親米」なのか、戦後の権力の構造をもとに理解できたという点でも、自分にとって価値の高い1冊となった。
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「戦後再発見」双書1 戦後史の正体
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