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Posted by ブクログ
根本りょうすけサロン読書会の課題本
戦後史は、ほとんど学校では習っていない。
この本に書かれている歴史が事実であるなら、テレビ、新聞、雑誌などから“なんとなく”得た知識の積み重ねで“思い込んでいた歴史”はほぼ間違っていた(真逆)ことになる。
米国の犬だと思っていた岸信介が、実は米国の力を利用しつつも米国の圧力に抗おうとしていた。
国民的に人気だったり、戦後史で肯定的に評価されている首相がことごとく対米追従派で、国民の利益より米国の信頼を得ることに腐心していたこと。
検察やマスコミの槍玉に挙げられ引きずり降ろされた首相は、日本を自立させようと試みた人々だった。
政治家だけでなく外務省などの官僚にも“自主派”がいたが、今はほぼ絶滅していること。
高市政権を大勝させてしまった日本は、
これからどうやって立ち直ればいいのか?
Posted by ブクログ
久し振りに本を読んで興奮し、そしてショックを受ける経験をした。
戦後の日本が歩んだ歴史における"タブー"に真っ向から挑んだ著者である孫崎氏には敬意を抱かざるを得ない。
本書における多くの書評にあるように、筆者は日本の戦後から2012年現在の野田政権までの歴史について、戦後の首相と外相を主人公として、様々な公式文書、論文、記事等を客観的証拠としながら、米国との外交を舞台に「対米追随路線」と「対米自主路線」という相反する対立軸を用いることで、「戦後日本史」というひとつの物語を展開している。
そこには我々日本人がこれまで教えられたり、聞いてきたり、抱いてきた戦後歴史観とは全く異なる事実が浮かび上がる。
米国がいかにして日本を利用しようとしてきたか、そしてこれからも利用し続けようとしているかが、平易かつ説得力のある文体であるがゆえに脳裏に焼き付くようである。
本書で述べられている、戦後外交おける敗戦国(=日本)の屈辱、そして戦勝国(=米国)の圧倒的優位性が、21世紀となった現代までも"戦争というものの本質"としてあぶり出されていくのだ。
高校生にも分かる文章で書いたというが、述べられている史実について若い世代も含めた多くの日本人に知って欲しいという著者の想いが痛いほど伝わってくる。
同時に、残念だがGHQも含めた米軍、米政府、CIAといった組織の深慮遠謀には、まだまだ日本は遠く及ばないのかもしれないとも思わざるを得ない。
米国は、戦争にせよ経済競争にせよ、とにかく勝つためであれば謀略でも何でもあらゆる手段を検討し尽くす。
それが良きにつけ悪しきにつけ"戦略的"ということなのだろう。
日本政府や官僚機構、そして日本国民がそこまで戦略的に米国と対峙できるか、甚だ疑問である。
前述の対立軸を用いた戦後史の展開については賛否両論あると思うが、何より重要だと感じるのは、著者が記載していることの事実云々ではなく、日本の歴史教育そのものが海外も含めた"方々から"歪められているのではないかという危機感である。
自分は大学入試センター試験で日本史を選択したが、現代史はほとんど試験範囲とならない。せいぜい第2次吉田茂内閣くらいまでである。
そのため、自分自身も歴史が好きであったはずなのに、現代史については全く無知に近かったと思い知らされた。
今となっては、故意に試験範囲から外しているのではないかとも思える。
また教科書に記載されている内容そのものについても、多くの歴史評論家が語っているように、諸外国に配慮しすぎて史実が隠されたり、曖昧にされているため、多くの日本人が戦後から現代までのつながりを理解できないでいる。
教科書問題については、とかく文科省が槍玉に挙げられるが、それだけの問題ではないということが本書でようやく理解できた気がする。
竹島や尖閣諸島などの領土問題においても、正しい歴史認識を持たないことには、単なるつばぜり合いに終始し、マスメディアを喜ばせるだけとなってしまうであろう。
歴史を学ぶことは、単に『教科書に述べられた過去の出来事』を覚えるだけではなく、過去を多角的に分析・検証し、これからの時代を生き抜くための指針を"自分なりに"思考し見出すことだと、改めて実感した次第である。
Posted by ブクログ
2012年の創元社のベストセラー。2017月10月の衆議院選のころ読む。
日本の戦後政治と米国米軍との関係について、元外務省官僚の視点から叙述。
気づいたこと。
1、自民党結党時からの綱領の「改憲」とは、鳩山一郎総裁の「自主外交」とセットだったこと。自主外交とは、米軍に出ていってもらうこと、その上で防衛力を備えるための改憲のことだった。同じ憲法のまま、今の自衛隊は世界7位の軍隊になっているので、もはや、改憲は必要ないことになると思う。「自主外交」はいまだ達成されていない。
2、著者は岸内閣の再評価が必要という。著者のいう反安保デモCIA陰謀説はいかがかと思うが、日米安保条約の内容は評価すべきとしている。すなわち、安保条約での両軍の軍事行動は、日本および日本の近海において、日本が攻撃を受けたときに限られる。これは先守防衛ということだろう。さらに、両国の国会決議などが必要であり、国連軍的な行動であること。集団的自衛権を認めていないのである。それでも当時は平和を求める国民の半数以上が安保には反対だった。
3、1のように1950年代までは米軍の撤退のスケジュールについて発言する日本の政治家は少なくなかったし、60年代のベトナム戦争にも日本は自衛隊を派兵していない。そこから離れて、対米従属に大きく舵をきったのは00年代の小泉内閣のときだと著者はいう。しかし対米従属がいつから強まったかというと、日本が経済力をつけた80年代の中曽根内閣のときに大きな変化があったようにも思う。
戦後72年。それにしても米軍は、100年も200年もいる気なのだろうか。
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