【感想・ネタバレ】日本の国境問題 ──尖閣・竹島・北方領土のレビュー

あらすじ

尖閣・竹島・北方領土。領土は魔物である。目を覚ますと、ナショナリズムが燃え上がる。経済的不利益に、自国の歴史を冒涜されたという思いも重なり、一触即発の事態に発展しやすい。戦争はほぼすべて領土問題に端を発する―。日本の安全保障を研究・分析した外交と国防の大家が平和国家・日本の国益に適った戦略を明かす。

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Posted by ブクログ

教科書で簡単に説明される国境問題の複雑さをしっかり読み解けました。
国境問題における各国との折衝履歴、歴史的解釈の違いなど、日本国民として知っておくべき内容がふんだんに含まれていました。

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2024年09月06日

Posted by ブクログ

今まで日本の領土だと思っていた尖閣、竹島、そして北方領土は、本当に日本固有の領土なのか?
いつから日本の領土になったのか???
この書を読む限り日本固有の領土というには、根拠が弱いという印象を受けた。あらためて領土問題についてに考えさせられました。
この本を恵贈くださった山本先輩に感謝します。

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2018年10月12日

Posted by ブクログ

ネットで検索すると、とっても評判が悪いです、この本というかこの著者(笑)。

著者の考えはともかく、事実は、ちゃんと受け止めるべきだと思いますし、日本側からの視点だけでなく、相手国側からの視点も述べている点で、新聞なんかよりも、よっぽど信頼できる内容だと思います。

また、考え方についても、そういう考え方もあると思いますので、参考になりました。

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2017年11月12日

Posted by ブクログ

『領土問題の重要なポイントは、領土問題をできるだけナショナリズムと結びつけないことである。

……私たちは、政治家が領土問題で強硬発言をする時、彼はこれで何を達成しようとしているかを見極める必要がある。』

日本の言い分と相手国の言い分をきちんと整理した良書。ただし、その整理の正統性は留保が必要であることは言うまでもない。

領土問題への“留保”が極めて高度な外交手段の帰結であることを学んだのは大きな収穫であるが、人間の歴史を考えるにあたってこの留保の先に解決の糸口があるのか、それはここで論ずることではない。

それにしても、国家と所有の問題については、想像の共同体と実体としての土地が言葉と論理によってどうしようもなく人間的な悲劇を生み出してしまったとしか思えない。

もはや、言葉と論理なしには人間は生きられないのだが。

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2015年03月03日

Posted by ブクログ

自分があまりにも知らな過ぎたからってのもあるけど、完全に歴史的事実に基づいて領土問題が論じられていて、かなり勉強になった。棚上げがキーワードだったけど、お互いの合意のもと、領土問題について棚上げされている事実があるとかも、全然知らなかった。地理とか国土面積を考えると、一概に同じ土俵に上げるのもどうかと思うけど、ドイツの戦後の復興のさまとかは、見事なものだと思った。領土問題一辺倒とか、あの国は嫌い、っていう一点張りで意固地になるんではなく、多角的に物事を見る視点が重要なんですね。

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2013年11月27日

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ネタバレ

領土問題に関して自分が如何に無知であったかを知りました。北方領土、尖閣諸島、竹島についての紛争の経緯やドイツの領土問題への対応など、自分なりに考える素地が出来ました。

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2012年12月05日

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こんなにも自分は歴史を知らないのか、と認識。そして今置かれてる日本の状況は本当に一筋縄ではいかない、と再認識。尖閣諸島問題、竹島問題、北方領土問題、いずれもどういう経緯があり現代に至ったのか、そして愚かな役人にや諸外国の影響によって翻弄されたか…
棚上げする、とはネガティブな事だとばかり思っていたけれどそうでもなかった。その先にある事をどこまで考えられるかが大事。

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2012年11月02日

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ネタバレ

日本に存在する(日本国として)領土問題。

色々な意味で知っていなかったことがこの本で歴史的事実と一緒に分かった。
日本固有の領土として主張する尖閣諸島も、日本古来の領土と言っているが1870年代以前に日本の領土であったことはないと言う事実。

北方領土も第2次世界大戦で放棄したが、アメリカがソ連と日本の国交回復を複雑にするため領土問題を曖昧にし、日本は北方領土返還を主張しソ連との良好な関係が構築出来なかったこと。
敗戦で領土を放棄し、その決着はポツダム宣言を日本が受諾したことにより決定したことであることを受け止めないといけない、それを国家は国民にちゃんと説明していない。

ドイツは敗戦により日本の比でない領土をソ連やフランスに没収されてしまったが、領土問題は棚上げして経済交流や国家交流を優先させおたがいに経済成長をして友好的な国家関係を構築した。
竹島についても同様にアメリカの地名委員会の地図には所属国を大韓民国とされている。

だからといって、この領土を日本の領土でないという結論を導き出しているわけではない。

聲高に領土問題を主張することはナショナリズムを利用しようという考えの人たちの戦略である。
それはどの国にも穏健派とそういった人たちが存在すると言うことであり、どういった方法がいいかはその時にどちらの人たちが権力に近いかによって違ってくる。
今の日本は前原氏のような強硬派がそれを煽っている。
先ほど述べた資料等によって、アメリカが日本の領土問題で紛争が起きた時日米安保によって日本を守るかどうかはこの本の事実を読む限りあり得ないと言う事になる。

だから戦後50年間の間棚上げという尖閣諸島近海の漁業協定や首脳会談で築かれた歴史がある。
違犯者はそれぞれの国の法律でそれぞれの国がその違犯者を取り締まるというルールだった。

それを先日の尖閣諸島の船長逮捕は違犯者を執拗に追いかけ、日本の法律で裁いてしまった。まさに棚上げでおたがいに暗黙のルールであった約束を日本が踏み込んだのだ。
中国の強硬派の人たちにとっては好都合なことである。
領土問題が解決しておらず棚上げになっていたことを違犯者はお互いに任せるのではなく時刻のルールで裁けるという事になれば、日本漁船を中国側のルールで裁けるという事にもなるからだ。
空軍・海軍など中国の軍事力が整備されアメリカとも肩を並べるほどになってきた中国の軍隊に、日本の保安庁の船だけではとてもではないが尖閣など守れない。

軍事力の無い国家にとって領土問題を解決するのは政治力と外交力、そして最後に頼るのは国際社会に向けての国際司法裁判所の活用である。

ただこれとて、日本に有利な結果が導き出せるとは限らないと言うことだ。

友好と共に教授出来る発展を外交力でおたがいに得るか、領土問題で徹底した抗戦をするかは政治を司る人間の判断によって分かれるだろうが、棚上げという曖昧な外交によってそれ以上の悪化や緊張を生まない手段を過去の指導者達がお互いのためにやってきたことを否定し、積み上げてきた今の均衡を大きくバランスを壊す必要はないと思った。

領土問題は難しい。それだけに一筋縄ではいかない問題だ。

日本が経済的に有利だった時代にソ連と中国との交渉で日本に僅かではあるが、有利な状況になっていたが経済状況が逆転しつつある現在、譲歩する利点も無くなりつつある。

その中で領土問題をおかしな方向に向かわせない方法はより一層の英知と努力のいることだと考えさせられた。

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2013年05月24日

Posted by ブクログ

領土問題を歴史的分析した本。いかに自分はメディアの情報に印象操作されていたかが分かる。双方の主張をフェアにみないとどうしてもバイアスがかかってしまう(自分の場合は日本寄りに偏ってしまう)

とはいえこういった歴史問題は水掛け論になりがちだし、ナショナリズム的議論になるのは目に見えてるから、瀧本さんが言ってたように、交渉と両国の妥協点が解決のカギになるんだろうなあと。

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2021年03月26日

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内容は大変興味深く面白いのだが文章が...基本的な日本語ルールに沿っていないと思われる部分が散見されて非常に読みづらい。もう少し読む側に配慮した分かりやすい文章だったら満点だった。

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2020年10月07日

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孫崎享(1943年~)氏は、駐ウズベキスタン大使、外務省国際情報局局長、駐イラン大使、防衛大学校人文社会科学群学群長などを歴任した、元外交官、評論家。一般向けの著書も多数。
著者は本書について、「北方領土、尖閣諸島、竹島について、日本の帰属を考えるに際して、どうしても知っておいて欲しい事実を伝えることを主眼とした。少なくともこの本を読まれ、「そんな事実があったのか」と思われることは間違いない。その意味でこの本は領土問題を扱った本としては大変新鮮な本である。」といい、それぞれの国境問題についての歴史的背景、それぞれの立場・主張などを様々な角度から説明している。
そして、最終章では、国家目標のうち最も重要なものは「国民が平和で繁栄する環境を整えること」であり、それを踏まえて、領土問題を扱うことが大事であるとし、領土問題における双方の主張は折り合わないことを前提として、(例えば)日中間の問題は、以下のような方策を組み合わせるべきと述べる。①相手の主張を知り、自分の言い分との間で各々がどれだけ客観的に言い分があるかを理解し、不要な摩擦はさけること。②紛争を避けるための具体的な取り決めを行うこと。③国際司法裁判所に提訴するなど、解決に第三者をできるだけ介入させること。④緊密な「多角的相互依存関係」を構築すること。➄「国連の原則」を全面に出していくこと。⑥日中間で軍事力を使わないことを共通の原則とし、それをしばしば言及することにより、お互いに遵守の機運を醸成すること。➆係争地の周辺で、紛争を招きやすい事業につき、紛争を未然に防ぐメカニズムを作ること。⑧現在の世代で解決できないものは、実質的に棚上げし、対立を避けること。あわせて、棚上げ期間は双方がこの問題の解決のために武力を利用しないことを約束すること。➈係争になりそうな場合、いくつかの要素に分割し、各々個別に解決策を見出すこと。
そして、最後にこう述べている。「領土問題の重要なポイントは、領土問題をできるだけナショナリズムと結びつけないことである。」と。
私は強硬なナショナリストではないが、こと領土問題等に関しては、対立する国の主張に首肯することはなかなか難しいし、多くの日本人は同じような気持ちなのではないかと思う。(もちろん、もっとはっきりした見解を持つ人も少なくないであろうが) 
そうした中で、領土問題にどう向き合って行ったらいいのか。。。著者の各々の領土問題についての分析、主張には批判も少なくないが、「国民が平和で繁栄する環境を整えること」が最も重要という、(元・外交官というキャリアならではの)リアリスティックな考え方は共感できるものであり、本書がひとつの考え方を示してくれているとは言えるのだろう。
領土問題についての自分の立ち位置を考えるための一助になる一冊であろう。
(2011年6月了)

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2020年04月29日

Posted by ブクログ

元外交官官僚で防衛大学教授の著者が、文字通り日本の国境問題である尖閣・竹島・北方領土について語った一冊。

政府の要人だっただけあり、日本側の見方だけではなく、国際的な見方やアメリカの立場などについても書いてあって、とても勉強になった。

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2016年08月14日

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「目からうろこが落ちる」内容
鄧小平は尖閣問題は、今は棚上げして将来の人たちの知恵に委ねようと提案。日中とも、その将来の政治家たちの知恵のなさ。

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2016年03月22日

Posted by ブクログ

日本の境界問題について、歴史的な観点、海外での状況などを織り交ぜ、解説。
最後の「政治家が領土問題で強行発言をする時、何を達成しようとしているかを見極める必要がある。」の一文は、納得。

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2013年08月04日

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ネタバレ

歴史的事実について曖昧な知識で主張はできないのは当然、そう思って本書を読み始めた。
今まで自分が思っていた国境問題とは違う視点であった。
まずは、もっと知らなければ、と考えさせられた。

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2014年04月20日

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なるほど、領土問題はアメリカが日本とその周辺諸国に埋め込んだ「時限爆弾」だったわけですね。一歩引いて考えれば、敗戦国である日本がUSジオポリティクスの対象にならないはずがない。今まで気づかなかった私がバカでした。

日本ではどうして、地政学がもっとまじめに語られないのだろう。地政学の話をすると「陰謀論者」と決め付ける人たちが多いことは本当に遺憾です。現実なのに。

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2013年04月11日

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感情論やナショナリズムに煽られて領土問題を語るのではなく、歴史を理解し、両国の現状をふまえて今後の対応を考えていくことが大切だと思った。
本書の中国の軍事力と、それに対する日米同盟は役に立つのかの記述には驚いた。

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2013年03月27日

Posted by ブクログ

近年における日本の国境問題、
分けても中国との尖閣諸島問題を取り上げた一冊。
目新しい資料が開示されているわけではないが、
内容が整理されており飲み込みやすい。
月並みな感想ではあるが、
単純なナショナリズムこそ厄介なものであり、
冷静な視点で互いの利益を探る必要を感じた。

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2013年02月22日

Posted by ブクログ

何かものを考えるときは、
規範というものが不可欠であるように思う。
では、日本の国境問題においては、
何を規範とすべきか…

本書は、北方領土を論ずる際、
ポツダム宣言にさかのぼることを提唱する。
―第二次大戦時、米国を中心とする連合国側が
 日本の領土をどのように確定しようとしていたか

そこから、見えてくることは多い。
ボクにとっては、日本の国境問題を考える上で
指標となるような一冊であった。

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2013年01月02日

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国境問題。これほどやっかいな問題はない。

武力。最悪の選択肢。解決にはならない。
日中、日韓、日ソで戦争。誰も起こるなんて思っていない。

さあどうするか。
筆者の言う「棚上げ」もありだと思う。
感情だけぶつけ合っても平行線のままだ。

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2012年11月29日

Posted by ブクログ

元外交官、防衛大学校の 孫崎亨の最新の書だった。

日米同盟や戦略的思考の本もあるが、今回は2010年にいろいろと問題が起こった、尖閣諸島、竹島、北方領土の問題を、中国の軍事大国化、アメリカの思惑などもからめながら、歴史的検証もいれて書いている。

ドイツの敗戦国としての戦略を例に出しながら、強い者ほど譲らなければならないということで、イラン・イラク戦争、中ソの問題を提起しながら、領土問題(国境問題)を世界がどのように解決してきたか、また、歴史的に検証をしっかりしたうえで、議論を成り立たせることが必要だと書いている。

紛争解決の交渉として、国益論や一般的な交渉としてできる方法論、個々の事例で行える方法論などについてもまとめており、体系的な領土問題における国際交渉論としても有効な本だと思う。

ナショナリズム的な感情的になりやすいことをしっかり論証している点が晴らしい。領土問題を考えるには、まずこのようなことを押さえた上で、考えたい。

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2012年12月11日

Posted by ブクログ

「日本の領土問題」に引き続き読んでみた。同じ問題について複数の人からの意見を聞くと理解が早まる。保坂氏・東郷氏の日本の領土問題と比べると、圧倒的に本書の方がわかりやすかった。

「国際情報局長時代、…ドイツ議会外交委員長は次のように助言をしてくれた。
 『戦後、我々はフランスとの確執を克服した。その我々から見ると、日中関係がどうして改善されないのか不思議だ。独仏には昔から領土問題がある。二回の戦争を戦った。相手の国がいかに非人道的なことを行ったかを指摘しあえばお互いに山のようにある。しかし、我々は二度の戦争を繰り返し、このような犠牲を出す愚行を止める決意をした。憎しみ合いを続ける代わりに、協力をしあうことの方が両国民に利益をもたらすことを示した。そして、これまで戦争の原因にもなった石炭・鉄鋼を共同管理するために、1950年欧州鉄鋼共同体を作った。それが欧州連合に発展した。今や誰もが独仏が戦争することはないと思っている。
 しかし、もし、第二次大戦後も相手国がいかに自分たちの国を痛めつけたか、自分たちの本来の権利が今踏みにじられているかを主張しあっていたら、仏独関係は最も緊張ある関係になっていただろう。
 こうした経験を経てきたドイツから見ると、日本がどうして日中の間に独仏のような建設的な関係を作れないのか疑問に思う。安定した関係を作るには力の強い方が譲歩しなければならない。我々はフランスに譲歩した。今経済力では日本が中国に対して優位にある。この時期こそ日本が中国に譲歩し、安定した日中関係の基礎を作るべきである。』」

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2021年08月08日

Posted by ブクログ

この本の記述を鵜呑みにすれば、論戦、証拠合戦になっても分が悪いように感じる。1946.1.29GHQ訓令が曲者。材料が本当にこれだけなのなら、現状維持はよく頑張っている方に思える。
良薬が口に苦いのはしょうがないのだが、苦いだけで効かないのは困る。

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2013年10月02日

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元外交官の筆者が、世界で見てきた国境問題について、そして日本の抱える領土問題について、アメリカと日本の協力体制として考えられることなど、最新の状況についてまとめている。
我が国は、第二次世界大戦敗戦後、領土に対し毅然とした主張をしないことで、ゆるやかに国土にたいする権利を失ってきた。
その上辺だけを踏襲した、先の民主党政権によって、さらに我が国は国境問題について主権を放棄していることを内外に知らしめた。
安倍総理は、国内に対する勇ましい発言を繰り返すだけではなく、周辺の海賊国家に対し理性的に、論理的に正しく、我が国の権利を主張し、また、場合によっては国際司法裁判所を活用し、国連の精神に則って、わが国土の主権を回復しなければならない。

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2013年04月01日

Posted by ブクログ

事実に基づいて領土問題についてどのように向き合うべきか書かれており非常に興味深かった。この人に賛成するかどうかは別として領土問題とか実際よくわからんって人は読むといい。個人の感想としては領土問題を考える上では裏に隠された意図を見極める必要があるなぁと思った。正当性をいかに主張するかよりも向こうが手を出せない状況を作り出すのが大事なのかなぁと。

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2013年02月28日

Posted by ブクログ

日本と中国、韓国、ロシアとの間にある国境問題について、元外務官僚の著者が解説。特に尖閣諸島問題については、「歴史的にあえて棚上げにしてきた」ということを強調し、棚上げにし続けるメリットを唱える。また、領土問題に背景にはアメリカの望む「極東の不安定⇒米国プレゼンスの安定」があると解説する。

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2013年02月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

尖閣は歴史的には誰も住んでおらず琉球で領有を主張した事もない。台湾所属とする資料の方が多い。戦後から所属が決着していない。

北方四島は、ポツダム宣言・サンフランシスコ条約で基本的に主権外とされている。正確には「竹島、千島列島、歯舞群島、色丹島を除く四主要島・対馬・琉球が日本の範囲」とされている。択捉、国後が名前では上げられていないが、古くから南千島と呼ばれており、上記で名を上げられていないと主張するのは難しい。

竹島はポツダム宣言で日本領外とされているが、サンフランシスコ条約では明確に記載されていない。

つまり上記全て明確に日本領だなんて言えたものでは無い係争中のものだ。


・米国にとって日本の米軍基地全体は極めて重要である。米軍は海外米軍基地の価値を計る指標にPRV(property replacement value、財産代替価値)を使っているが、この指標に基づけば、日本の基地は全世界の約30%である。さらに米軍基地の受入国の基地支援では日本の基地は全NATO諸国の1.6倍、全世界の50%にものぼっている。普天間基地は在日米軍基地全体の1/20にも満たない。1/20がうまくいかなくて、残りの19/20をおかしくすることは、米国は絶対できない。

・尖閣諸島は安保条約の対象になる。しかし、安保条約第5条は「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続きに従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する」としている。
米国憲法上の規定では大統領が軍最高司令官で、戦争の際にはできる限り議会の承諾を得るようにする、となっている。
つまり、自動的に米軍が尖閣を守るために出動するとは限らない。

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2013年02月21日

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【結論】
日本にとって、中国やロシアと軍事的に対抗するのは現実的でなく、
紛争回避を第一に、経済分野での協力関係を強めることで、問題を棚上げする。
外交官から防衛大学教授の経歴の著者の提言

【内容】
第6章 感情論を超えた国家戦略とは
215/領土問題は領土単独の問題ではない。国家関係全体の関係の象徴的存在として
  領土問題が現れる。
  尖閣も、日本と中国とどう付き合っていくかという延長線上にある。中国の扱いに戸惑っている。
222/9つの方策
  ?相手の主張を知り、自分と相手の間にどれだけ客観的な言い分の差があるかを理解し、
   不要な摩擦を避ける。
  ?紛争を避けるための具体的な取り決めを行う。
  ?第三者をいれる。
  ?緊密な「多角的相互依存関係」を構築する
  ?国連の原則を全面に出す。
  ?日中間で軍事力を使わないことを共通の原則として、しばしば言及し、互いに遵守の機運を
   醸成する。
  ?係争地周辺の事業では、未然に紛争を防ぐ協定を作っておく。
  ?現代の世代で解決できない問題は棚上げし、棚上げ期間中は武力行使しないことを約束する。
  ?係争になりそうな場合、いくつかの要素に分割して各々個別に解決策を見出す。

231/政治家の中には、自己の勢力を強め、自己が推進したいと思う政策を進めるために
  領土問題を煽るひとがいる。

  ・私たちは、政治家が領土問題で強硬発言をする時は、彼はこれで何を達成しようと
   しているのかを見極める必要がある。 

【感想】
わかるし、ごもっともなのだが、愛国感情とは相容れないなぁ。 

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2019年01月06日

Posted by ブクログ

領土問題は、友好阻止のため米国が残しタイミングを見て刺激する火種。安保対象外。多角的相互依存関係の方が国益に適う。

戦争はほぼ全て領土問題に端を発する。ナショナリズムと結びつけ、意識的に煽る政治家がいる。
もののとらえ方のレベルが高いと思いました。

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2013年06月02日

Posted by ブクログ

「日本の固有の領土」という表現はよく(特に右の人たちが言っているのを)聞く。そんな「固有の領土」ってどんな根拠で言っているのか、また相手国は何を根拠にしているのか、そんなことを読み解けます。少し前に尖閣国有化に伴う中国での反日デモなどもありましたが、デモそのものも問題ではあるけど、それ以上に何の背景も知らずにデモそのものだけをとって中国批判をしている人が自分を含め多いのではないかということが問題であると感じる。

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2012年10月29日

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