坂爪真吾のレビュー一覧

  • 日本百名虫 ドラマティックな虫たち
    もう1冊の『フォトジェニックな虫たち』と合わせて百匹の虫が紹介されている。
    2冊に分ける必要があったかは疑問だったが、新たに知れた虫もたくさんあり、昆虫への愛に溢れた素晴らしい本だった。
    著者が各々で「私の百名虫」をつくってみて欲しいというのは素敵な提案で、一つの目標となった。
  • 「身体を売る彼女たち」の事情 ──自立と依存の性風俗
    ひとことでは片づけられんなー
    >福祉は「最後の砦」の機能を、性風俗に奪われている。
    世の中の政治や行政はあまりに現実の理解が浅いのではないか。

    母乳プレイ、とかあるのか、、

    P81  「ホームレス」は、特定の人間や集団を指す言葉ではなく、 「住まいのない状態」にある。同じように考えると、「風俗嬢...続きを読む
  • 情報生産者になってみた ──上野千鶴子に極意を学ぶ
    「情報生産者になる」が思いの外良かったので、続けてこの本も読む。

    坂爪さんの研究には流石に引くが、この本を完成させてくれたことには感謝。
    最後の座談会がすごくいい。

    正直な物言いに、驚いた。
    「女性学ってやっぱり運動だったのよ。」
    アカデミズムの場で、「運動」を行うことを意識的にやっていたのだな...続きを読む
  • パンツを脱いじゃう子どもたち 発達と放課後の性
    性被害を受けやすいのが女性ということもあって女性への支援に多く言及しているけど、そもそも“診断基準が男子を基準に作られているので女性の発達障害が見えづらい”というジェンダーギャップがあることに驚き。

    この本で紹介されている障害者に対して行われている性教育のプログラム、普通学級でもこういうしっかりし...続きを読む
  • パパ活の社会学~援助交際、愛人契約と何が違う?~
    基本的には自分と異なる世界線に存在するものだとは思うんだけど、色々調べてみると、社会の鏡であることがわかる一例ではないだろうか。自分には関係ない、とか、穢らわしいとかで済まさずに、少し考えなをすきっかけとなる一冊となった。
  • 情報生産者になってみた ──上野千鶴子に極意を学ぶ
    開沼さんの「明確化・俯瞰・構造化」というキーワードが、本書全体を分かりやすく理解するための観点となる。この部分だけを読んでも一級品。
  • セックスと超高齢社会 「老後の性」と向き合う
    どうにかなるとも思えない。
    これから老いていく自分の絶望感が鮮明になった。
    ジタバタすることさえできるかどうか不安だ。
    不安感。絶望感。
    この2つに尽きる。
  • 未来のセックス年表 2019-2050年
    傑作。テクノロジー・貧困・差別など話が多岐にわたり、人類の未来や社会制度設計について哲学的な問いを投げかける一冊。
  • 未来のセックス年表 2019-2050年
    一見セックスについて書いてある本と嫌厭されがちですが、僕はテクノロジーの進歩について書いてある非常に興味深い良著だと思います。
    テクノロジーは線形的ではなく幾何学的に進歩していくなかで、今後20年後の2040年頃にはひと昔までは夢物語(例えていうならドラえもんの不思議道具)が一部実現しているようです...続きを読む
  • 男子の貞操 ――僕らの性は、僕らが語る
    世の中のエロや商業的な性の何が問題なのか、批判だけにとどまらず、どう考え、行動していけばいいかも、豊富な資料をもとに、わかりやすく説明している。

    性の主体者であることに無自覚な男性にもぜひ読んでほしいし、女性にも男性の気持ちや彼らを取りまく環境がわかって、深く考えさせられる。

    闇深き、怪しき、性...続きを読む
  • セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱(小学館101新書)
    性リテラシーの必要性と行政の無理解の狭間で
    論理的に展開していて面白かった。
    性の問題を論理的に考えるということがどういうことかわかって、あらゆる?問題解決の方法を提示していて考え方の整理ができる。
  • 性風俗のいびつな現場
    他の方のレビューで興味を持って読んでみた。
    仕事上支援していく中で風俗関係の勤務をされている方の対応に戸惑うことがあった。解決策が見出せたわけではないが、こちらの姿勢を見直すきっかけになった。

    覚書
    何らかの形で既につながっている行政福祉との関わり方が課題
    ソーシャルワークと風俗の連携のモデル
    ...続きを読む
  • 見えない買春の現場 ~「JKビジネス」のリアル~
    リフレを恋愛道場とみなす発想はユニークにみえて的を得ているように思える。
    買春側からフラットな視線で考察していのも斬新。裏モノジャパンが月間買春という扱いで紹介されていた。この著者はインタビューして行く先も上っ面じゃないのが素敵。
  • 性風俗のいびつな現場
    セーフティーネットとして激安やニッチな風俗店を容認するという事を分かりやすく展開。上辺だけの話でなくしかるべく対象に合わせて進めているので現実的である。無くなりはしない業界だがVRとか進化した場合取り分が減るからセーフティーネットとしての機能に若干不安が残る。
    本筋からズレるがおかあさんのオーナーは...続きを読む
  • セックスと超高齢社会 「老後の性」と向き合う
    この本の素晴らしいところは、著者自身が、実際にその事業に携わっている、現場の人間であること。そして、登場する人たちのどんな生き方にしても暖かい眼差しで捉えており、彼らの視点を思い馳せながら書いているところ。記事にありがちな上から目線(自分は違うけどね。みたいな)とか、好奇心とか、下品な書き方とかそん...続きを読む
  • セックスと障害者
    「(障害者の)性」という生々しい部分に焦点を当てているだけ、家族や兄弟が抱く特有の葛藤や悩みが、学校場面等で抱くそれよりもさらに深く、本質的だなと感じた。
  • 男子の貞操 ――僕らの性は、僕らが語る
    エロと愛を使わずにセックスについて語られた本。

    女性こそが読んでみたらいいと思う。

    女性は
    恋愛・結婚・妊娠・出産については考えるが、意外にセックスについては考えていないと思うから。
  • はじめての不倫学~「社会問題」として考える~
    名著だと思う。

    結婚とは何か
    夫婦とは何か
    恋愛とは何か
    セックスとは何か

    誰も教えてくれないこれらのことが
    考えやすくなるように
    情報を整理してくれている。

    生活と恋愛とセックスと
    3本の柱がすべて
    安定的に立っていることはほとんどない。

    絶望を受け入れて
    前向きに自分の道を行くしかないこ...続きを読む
  • 性風俗のいびつな現場
    若い生きのいい社会学者が書かれた風俗の現場の社会学的考察。単なるルポではなく、解決に向けた方向性も考察されているところが好ましい。少し肩に力が入っている部分も否めないが類書が少ない分だけ許されるところだと思う。風俗を「社会問題としての貧困と闘うための、最前線の防衛拠点にして情報発信・収集基地」として...続きを読む
  • 性風俗のいびつな現場
    風俗店やその経営者、店で働く女性への取材等を通して、日本の風俗が抱える問題の一端を具体的に示した上で、福祉との連携による解決策を示す。

    「(性)風俗とは何なのか」をそもそもよく知らないような人(私もそうであるが)にとっては特に、各章で描かれる具体的エピソードに、驚きや衝撃を覚え、興味をかき立てられ...続きを読む