坂爪真吾のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2018年に読んだ上野千鶴子の『情報生産者になる 』のアンサー新書です。上野ゼミの卒業生たちがいかにゼミでインプットし、いかにアウトプットしていったか?という記録です。いや、インプット、アウトプットというより、どんな「問い」を自らに立て、どんな動機で、どんな行動で、上野千鶴子に鍛えられていったか、を自ら振り返る「学び」のデコン集です。『情報生産者になる 』は出版されてすぐ読んで大きく刺激を受けましたが、『情報生産者になってみた』の存在は知らず、本屋さんの店頭で発見しました。前著にも影響受けましたが、この本もじわじわ効いてきそうです。この本棚にも入れている『「育休世代」のジレンマ』の著者の中野円
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Posted by ブクログ
以前、駅のプラットフォームで、電車に轢き殺されたハトの死骸を、カラスが無感情に淡々と貪っていた光景を目撃したことがある。ただ立ち尽くし、まばたきすら忘れるほど見入ってしまった。目の前で起きている現実に、恐怖と同時に「新しい何か」が自分の中で静かに芽生えるのを感じた——あの感覚に、少し似ている。
この本『風俗嬢のその後』を読んで感じたのは、まさにその「既知の輪郭が崩れていく」ような感覚だった。これまで私が生きてきた日常の延長線上には、絶対に存在しないであろう現実。風俗という世界の中で働いた女性たちの、その後の人生——家庭を持った者、風俗に戻った者、起業した者、孤独に生きる者。どれもが一様ではな -
Posted by ブクログ
さっき書いたのが消えたので手短に。元風俗嬢へのインタビュー集です。
僕のイメージ、精神病の人で、多数とセックスしても大丈夫な人しか務まらない職業と思っていた。まあ実際にそういう人も居るのだけど。両親が医者で(成功者で)、家庭で愛されてなくて、中学生からパパ活して、そのおじさんが『やさしい人』と表現したりとか。ボーダーっぽい人。自分が男性の性欲でしか価値が無いとか書いてた気がする。自傷のついでにお金をもらいたいっとかもね。
でも他のタイプの人も居た。留学費用溜めて博士課程取ったり、大学の学費の分だけ働いて止めたりとか。それで精神的なトラウマもない。こういう人にとってはただの割のいい仕事なんだ -
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この本には障害者の性とどう向き合っていくか、現場で戦ってきた支援者たちの様々な知見が書き込まれている。
だが、それを参考とし障害者の性を実際に支援していくにあたって避けられない問題がある。それは、まずとりもなおさず自分自身の性との向き合い方を問い正していく必要があるということなのだ。
それなしには結局全て、本質から目をそらしたきれい事にとどまってしまう。
支援が見て見ぬふりや目先の対処のままとなることに、つながってしまう。
そして、そうこうしているうちに障害を持たれた方の人生があっという間に過ぎていき、やがて死を迎えてしまうことになる。
おそろしいことだ。
何度も読み返しつつ、とりあえず自ら -
Posted by ブクログ
ネタバレひとことでは片づけられんなー
>福祉は「最後の砦」の機能を、性風俗に奪われている。
世の中の政治や行政はあまりに現実の理解が浅いのではないか。
母乳プレイ、とかあるのか、、
P81 「ホームレス」は、特定の人間や集団を指す言葉ではなく、 「住まいのない状態」にある。同じように考えると、「風俗嬢」とは、特定の職種や集団内にいる女性を指す言葉では なく、「多重化した困難を一気に解決するために、自らの身体や感情を分単位で切り売りする(せざるをえない)状態」にあることを指す言葉だと言える。
P85 母親がうつ病で実家に戻れない、父親が生活保護を受給しており経済的に頼ることがで きないなど、家族 -
Posted by ブクログ
「情報生産者になる」が思いの外良かったので、続けてこの本も読む。
坂爪さんの研究には流石に引くが、この本を完成させてくれたことには感謝。
最後の座談会がすごくいい。
正直な物言いに、驚いた。
「女性学ってやっぱり運動だったのよ。」
アカデミズムの場で、「運動」を行うことを意識的にやっていたのだなと、その姿勢に感動。アカデミズムが後進を育てることができなかったこと、一人も上野ゼミに希望者がいなかった年がショックだったこと、そこから指導法を変えたこと。お茶の水の原ひろ子先生を尊敬していること。立命館で原さんがやったことを自分もやろうと思い実践したこと。自分の一生を賭けて一作書く人たちをサポート -
Posted by ブクログ
性被害を受けやすいのが女性ということもあって女性への支援に多く言及しているけど、そもそも“診断基準が男子を基準に作られているので女性の発達障害が見えづらい”というジェンダーギャップがあることに驚き。
この本で紹介されている障害者に対して行われている性教育のプログラム、普通学級でもこういうしっかりした性教育必要だなぁと思った。“障害のない人なら大学進学してその人間関係の中で恋愛やセックスについて学ぶ機会もあるけど”と書いてあるけど、大学って別にそういうこと学ぶためにいくのでもないし、そんな曖昧なものに任せてるから日本の性教育ってダメなんじゃないの?と。 -
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Posted by ブクログ
一見セックスについて書いてある本と嫌厭されがちですが、僕はテクノロジーの進歩について書いてある非常に興味深い良著だと思います。
テクノロジーは線形的ではなく幾何学的に進歩していくなかで、今後20年後の2040年頃にはひと昔までは夢物語(例えていうならドラえもんの不思議道具)が一部実現しているようです。たった20年後、です。
技術革新についての本を読むたびに、今のうちにチームビルディングを徹底的にやっておく重要性をヒシヒシと感じます。今ある仕事がAIに置き換わられた時に残る仕事は何なのか。「10年後の仕事図鑑」でも書いてあるとおり、「あなただから」と言われるような、自分をブランディングしていく時