坂爪真吾のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
こういう、男子が自らの性のことを真面目に肯定的に考えたり、性的なことに関して社会のなかや人とのかかわりについて考えることって大切だと思う。そういう意味では、わりと意欲的でエポックメイキングな一冊だと思うけれど、読んでいると何となく違和感が。
それは、過去は現代とは違ってうまく回っていたというような言質となる例が典型すぎて、本の主張への納得感が揺らぐ。それ以外の場合もあっただろうにと思うんだけどな。それから、「恋人は、社会への貢献度に応じて支払われる『ボーナス』である」(p.116)といった見出しに対して感じるのかな。
それと社会で生きていくうえでのスキル的なとらえ方をしているような感じも気にな -
Posted by ブクログ
貧困女性のセーフティネットの一つに風俗産業がある。しかもジャンルが細分化し、若さや容姿を求める訳でないニッチなニーズ(もはやニッチでないボリュームだったりする)にマッチすべく、熟女から地雷系まで「女性」というだけで受け皿が用意されるご時世。
女性側も簡単に足を踏み入れられ、もはやひと昔前の「苦界」でもないような感覚すら覚える。
ただ問題はそのニッチでさえ適合できない女性がいて、そこにセーフティネットとして風俗産業だけに任せ切りにできない難点もある。
この手の風俗を社会学的見地から論じたものは資料として読むことか多いが。著者のこの論点は上段からの物言いでなく腑に落ちるものである。
(以下引 -
Posted by ブクログ
この本は、とりあえず「お前らAV見過ぎ!」ってことを言いたいんじゃないかなと思います。
それはそうなんですけど、そうなってしまう男の事情もあって、その説明の仕方は独特でおもしろいです。
筆者は、第二次性徴から「初体験」までの7,8年くらいの間にエロ産業にドップリ浸かってしまうことが問題で、そうするとエロの「記号」を大量に消費する習慣が身についてしまっているといいます。「記号」ってのは、JKとか人妻とかいうラベルのようなものでしょう。そうすると、人格的な観点ではなく、記号的な観点からしか相手を認識できなくなってしまうということを述べています。
ただ、そうはいっても世の中の夫婦はそこそこ幸せ