坂爪真吾のレビュー一覧
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ネタバレ<目次>
第1部 日本人の性 未来予測カレンダー
第2部 テクノロジーを変えるセックスの未来
<内容>
第1部が数年刻みで、セックスを中心に未来予測。第2部が松原仁、藤井直敬との対談からなる。
基本的に、セクサロイドやVRなどの技術により、男女がまぐわい合うことなくセックスが成立する、などの予測や、日本では遅れている夫婦別姓や同性婚などの法制化が遅ればせながら進むなど、書かれている。まあ、恐ろしいというか、恋愛や生身のセックスはどんどん退化していく様子が書かれ、それでも欲望としての性愛をどうしていくか、考えている人がいるのだなと感じた。 -
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ホワイトハンズという障がい者への性的介助サービスを行う団体の代表である著者が、障がい者と性の問題について様々な角度から実態と問題点を書いた一冊。
障がい者の性について、教育・犯罪・家族・マイノリティー・歴史・恋愛・結婚など様々な視点から書かれており、非常に勉強になりました。
そのなかでも障がい者の子供の話は印象に残りました。
また、性という人間において最もデリケートで、かつ誰もが持つものについて、障がい者において性とはどのように扱われてきたのか知ることができました。
そして、障がい者の性の問題を解決するために著者が行うホワイトハンズをはじめとした様々な支援団体があることやその活動内容から実態と様々な問題があることも知りました。
刺激的なタイトルの本書ですが、内容は非常に考えさせられるものが多く、障がい者同士の相互理解が乏しいなど今までの自分の認識が大きくズレていると感じるところも多くありました。
バリアフリーやLGBTについての理解は以前に比べると広がってはいますが、まだまだ偏見や無知な部分が多く、障がい者にとって自立することのできる生きやすさが感じられないところはあると思いました。
そして、本書の著者が行うホワイトハンズという障がい者の性的支援を行う団体を通じて障がい者の人間としての尊厳的な部分に触れ、そこから支援される立場ではなく自立するためにどのようにしていくべきかを深く考えさせられました。
障がい者にとって利他的な精神を持つために、ひとりひとりが社会的な問題として捉えていくことが大切であること。そこから自分にできることを行い、結果を積み重ねていくことが健常者との性についてのズレを解消し、自立するための道筋を照らしてくれるのでは無いかと本書を読んで強く感じました。 -
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妊婦・母乳専門店に地雷専門店、そして熟女専門店。
この特殊な「専門店」。
そういった需要があることにも驚いた。
男性の欲望はあまりに単純で、細分化されすぎていてめまいがする。
供給もまた同じようにあり、その供給者の多くが根深い問題を抱えている。
性風俗、というと多くの人は蔑みの目を向けるだろう。
男性ならば利用して医療がいまいが、単純に女性を貶めるような考えのもと、女性ならば女の価値を下げるものとして、従事者ならばデリヘルより、ソープより、私の方がまだまし、とランク付けを行う。
しかしそんな単純な図式で性風俗は語れるのだろうか?
ひっそりとあることをないことにして、見ないようにして、悪の巣窟のように捉えて絵、それで物事の本質を見ていると、社会を知っていると言えるのだろうか?
見えない弱者、セーフティネット(日本のそれは脆弱だけれど)から漏れたものがそこにはいる。
彼女たちが抱える問題はまさに現代の問題そのものだ。
精神疾患(発達障害も含む)、貧困、DV、シングルマザー、教育格差、肥満。
なぜ彼女たちは搾取されるのか、なぜ貯金できないのか、なぜ行政につながっていても彼女たちは風俗を選ばざるをえないのか。
そこを知らずに単純に善悪の問題と捉えては、彼女たちの抱える本当の問題の解決には至らない。
著者は福祉や司法に、風俗と共闘せよ、支援を行うならあえて風俗を通せと主張する。
それは非常に難しいとは思うが、納得できる部分もある。
私個人の感想を付け加えるなら、教育面からのアプローチも必要だと思う。
無知による恐れは搾取につながる。
自己責任と放置するより先に、知識を与えなければ、社会は疲弊し、成り立たなくなってしまう。
最後に一点、239ページの最後の二行は著者の決意表明でもあるのだろうが、はっきり言って蛇足だ。
これまでの真剣さを「厨二病」的な安っぽさで台無しにしている。
改訂版、続編等出すのであれば再考を願いたい。 -
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タイトルに興味を持ったので購入してみた。
内容は、デリヘルを起業した障害者、妊婦。母乳専門店、激安店、地雷専門店、熟女専門店というデリヘルでもどちらかというと美人高級店とは対照的な立ち位置にある店舗の実態現場レポートと、そこに働く女性たちを救うには行政側の福祉との関わり合いが必要であるという筆者の考えをまとめたもの。
いわゆる風俗業を「存在は悪であってなくすべきであり、そこで働く女性たちも業界から救い出す」という考えではなく、風俗は世の中から無くならない職業であり、是認はしないが容認し、働き続けることを前提に女性が精神的にも経時的にも自立するにはどうしたらよいかという問題に一定の解決策を提言している。
デリヘルでも下層に位置する店舗の実態を知るという上では貴重なレポートではある。特に、女性たちに生活保護者や程度の知的障害者が多く存在していること、女性たちが嫌々働いているのではなく、むしろ体調さえ良ければ出勤日以外でも待機室に出向いてくるという実態は、もっと世間に知られるべきであろう。
そうした女性たちを救うというか助けになるのが公的や私的(つまりNPOなどの機関)な福祉のシステムだというのだが、実態レポートを読む限りそうそう女性たちの救いの切り札になり得るかどうかは釈然としない。
ただ、いわゆる低層風俗業を肯定的に見てのレポートという点で、筆者の姿勢は一定の評価はできると思う。こうした問題は、社会悪だとか風俗業の全面否定からでな何も解決しないからだ。ただ、何をどう解決すべきなのか、風俗業全体を一括して語ることはできない。しかし、だからといって業界でも下層に位置する業種だけを観るなら、これまた偏った問題解決しか見いだせない。本書はそうした問題の解決策の糸口をつかむきっかけにはなるだろう。 -
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性風俗のリアルを描き、その現状分析、問題・課題の抽出、さらに解決策の提案まで行うという意欲作。
・新しい視点の提供
風俗は粋な文化、
風俗は夜のライフワークバランスをとるためのツール、
社会のグレーな部分を吸収してくれる社会的装置、
風俗は貧乏な女性たちにとってこそ必要、
支援としての性風俗、労働の場の提供
・妊娠、母乳専門の風俗
妊娠前後の働き口のない女性たちの、稼ぎ場所になっている。しかし、実際はここではたらくことのできる女性たちが少ない。
なぜって、倍率がめちゃ高い。店は10の応募に対し1,2まで絞り込む。美人でなければ売れないからだ。他にも、勤務態度が良くなければ困る。だから厳選するのだ。
・排除、不可視化、公認ではなく、「容認」
風俗の果たす役割を考えれば、完全に排除するのは難しい。かといって見て見ぬふりをすると、性感染症、社会の乱れに繋がる。だが倫理的な観点から、これを社会全体で公認することもできない。必要なのは、社会がこのグレーな部分を受け入れる容認だ。 -
Posted by ブクログ
不倫を一種のウイルスにたとえて、それを予防し回避するための「ワクチン」や「処方箋」を提示することを試みる。
「不倫は防げない」という現実から目を背けることなく、現実的に可能な解決を探っていく。
結論としては、次善の策として、 婚外性交渉を社会的に条件付きで受容し、不倫によるリスクを低減させることを提案する。
センシティヴな領域であり、皆が納得する結論を得るのは極めて困難と思われるが、考えるきっかけを与えることが本書の妙とも言える。
人間である以上、「性」の問題からは逃れられない。
その中で、いかに善く生きていくかを考えるヒントが盛り込まれた、「(真面目な)性の教科書」と言える。