坂爪真吾のレビュー一覧
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帯のイラストからあからさまに「狙ってる」感じを受け当初はスルーしようと思ったが、著者の経歴の「重度身体障害者向けの性的介助サービスを提供するNPO」については以前どこかで読んだことがあり、また個人的にも不倫の社会的コストへの対処の必要性を感ずる機会があったため、興味をそそられ購入。
現在一般に受容されている一夫一婦制を相対化するだけなら別に目新しくもないが、その制度的・生物学的な矛盾の軽減策としての「ポジティヴ婚外セックス」を "the least worst option" として提示する視点が斬新。あくまで「軽減」策であって「解決」策ではないと断りながらも、「不倫ワクチン」として機能しそうな様々な国内外のオプションが紹介されている。しかし結局最後に「婚外セックスを楽しむ資格や能力のあるのは婚姻生活が安定している人間だけ。しかも完全な充足感を得ようと思えば幸福な婚姻生活すら万能でない」と断ずるリアリズムは、学際と実践の両面を経た著者ならではのものだろう。
「依存」は「婚姻」の中に知らぬ間に忍び込んで来る。そのことに自覚的でない限り、不倫のコストを背負わなければならない可能性は誰にでもあるのだということを再認識できたのが収穫。 -
Posted by ブクログ
恋愛もセックスも、そこに至るまでに人間関係を積み重ねなければいけない、面倒くさくてコスト(時間もお金も)のかかるもの。
職場や友人以上に濃い人間関係をつくりあげるんだから、その労力たるや。
日本人男子がセクシャルデビューするまでの背景、問題点を過去の日本の風習なども引き合いに出しながら解説し、その処方箋として解決策が提案される。話題が広い分、広く浅くといった感もしなくもないけれど「男性向け性教科書の古典」を目指したという著者の意気込みが感じられたかも。
本のタイトル「男子の貞操:僕らの性は、僕らが語る」は、サブタイトルの「僕らの性は、僕らが語る」のほうが、ターゲットとしている読者層に届きやすかったかなとは思う。でもこの本は、既婚未婚問わず女性にもおすすめしたい。いまのセックスメディアがどうなっているのか、それが目の前の「男子」(夫でも彼でも息子でも)にどう影響してるのか、ぜひ知っておくべきと思う。彼ら、かなりいい年齢になってもファンタジーを現実と信じてるみたいだから(笑)。
特に男の子のお母さんは是非。息子さんが将来彼女から「…AVの見すぎ…」って引かれないためにも。。。 -
Posted by ブクログ
確かに尋常ではない。著者の性の公共化に関する熱意が、である。
著者は一般社団法人ホワイトハンズの代表である。この組織は、障害者への射精介護などを行っている組織だ。河合香織著「セックスボランティア」を読んだ直後に読んだため、実際に活動されている方の取り組みを知って驚いた。というか、このような活動を知らなかった自分を恥じた。
今の日本では、風俗やAVなどが流通しているにもかかわらず、警察は取り締まらないが、障害者への射精介護という、社会的に意義のある取り組みには前例がないとして真っ向から否定する。だからいまだにNPO法人の認証は得ていないらしい。
警察や行政とのやりあいやネットが炎上してしまったときの対処など、読んでいて痛快であった。そこには悲観的な文言は一切ない。
昔の日本は性が当たり前のものとしてあり、むしろ今の恋愛から結婚につながる習慣のほうが戦後に出てきた流れだというのは驚いた。
この書籍を読んで、一人でも多くの方が性の公共化について当事者として考える機会を得てほしい。 -
Posted by ブクログ
いやはや、まさしく尋常ならざる情熱でした。
友人が「最も尊敬する人のひとり」に挙げた実兄の著書。
友人やマスコミを通して著者の活動については
なんとなく知ってはいましたが、
正直穿った見方をしていたかもしれません。
「障害者の性」
未だどこかタブーのニュアンスがありますが、
著書はこれを介護サービスとする非営利団体を立ち上げます。
その背景、創業に際してのエピソード満載の本書、
単に東大の社会学者が机上の空論をふるっているのではなく
泥臭く行動した実践にもとづく内容で読みやすいです。
ところどころ攻撃的で、少し偏った主張かなぁと
思うところもあったのですが、
その熱さ故かもしれません。
賛否両論なこと間違いなしですが、社会学好きにはぜひ。
本書の冒頭で非常に共感したのが、社会学のあり方。
現在ある〝当たり前〟のものに、疑いの目を向けてみる。
問題解決は、みな存外得意なものです。
肝心なのは、解決すべき問題の設定。
日頃から世界に対して意識を向けていくことが大事だな、と。 -
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モテないまま、つまりは女性と付き合うことなく40代に突入した男性は女性に対して「ありのままの俺を受け止めてくれ!」みたいになりがちだそうな…気を付けないと…(!) 社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
他にはどんな内容だったかな? よく覚えていませんけれども、女性がお仕事を獲得し、自ら稼げるようになった今、しょうもない男と結婚するくらいな独身で我が道を行くわ!的な女性が増えるのもまあ、致し方ないことですねぇ…というわけで、今後はますます結婚できる男とできない男、の格差が広がりそうですなぁ…と読んでいて思いましたね…弱者男性の前には暗澹たる未来が広がっているような気が致します…(;´∀`)
さようなら…。
ヽ(・ω・)/ズコー -
Posted by ブクログ
他人の結婚の時期についてあれこれ言及する事自体がハラスメントになっているが 婚活という言葉が人口に膾炙して以来 日本はかつて「皆婚社会」と呼ばれていた 妻が高潔な人格を持つ夫を敬い 男女がかつての家制度から脱却し インプレッション(印象)やフォロワー(従者)数等で「モテ」の度合いが数字で可視化されるようになった事も大きな変化だろう 恋愛は人生のデフォルトからオプションへ 「推し」は偶像崇拝に近い セーフティネットとしての結婚を再評価する動きが出ている 社会的な「婚圧」(未婚者に結婚を迫る周囲の圧力)が低下した事もあり 僕に身体を委ねている…という妄想をプロンプト(促す)化して 「ポルノは性に関する語彙と自覚を奪う」と感じている 中年男性のセクシャルウェルビーイング(性に関する心と体の健康状態)について 中年男性の性的孤立や社会的孤立の背景には、「語彙の貧困」がある。語彙を獲得しなければ、自分の気持ちを自分で理解する事は出来ないし、自分の気持ちを他人に伝える事も出来ない。 そこから生きる原動力がタナトスからエロスな切り替わりました ある種の総力戦として、人類の叡智である宗教・哲学・心理学の知見を総動員しないと、依存症、そしてその背景にある孤独には勝てないのだろう。 自分自身の中で消えずに燻っている性的な欲求をどのように成仏させるべきが こうしたアンケート調査にすら見栄を張る人がいるので 陰謀論は、そもそも明確な根拠を欠いている事が殆どで、証拠よりも信仰に近い形で信じられている。その意味では、宗教の亜種に近い。
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Posted by ブクログ
あとがきで「10年後も飲み継がれる古典となることを目指して書いた」あったが、発行から10年経った今読むと違和感のある部分も。特にセックスパートナー以外のガールフレンドをつくることを推奨していたが、「言葉でセックスする関係」と定義しており、女性としては直感的に気持ちの悪さを感じてしまった。性別は超越できると考えるが、これは筆者との価値観の違いなのか、はたまた男女の考え方の違いなのか。
一方で、男女関係は特別なものでなく社会的ネットワークのその先にある、という主張は真理なのではないだろうか。
裸を見せ合うほどの濃密な関係となる男女関係は、自分と他者の関係の究極であり、恋愛のハウツー本やテクニックの小手先を学ぶのではなく、自分の関わるコミュニティの中で関係性を磨くしかないといのは非常に納得する主張であった。