坂爪真吾のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この本の素晴らしいところは、著者自身が、実際にその事業に携わっている、現場の人間であること。そして、登場する人たちのどんな生き方にしても暖かい眼差しで捉えており、彼らの視点を思い馳せながら書いているところ。記事にありがちな上から目線(自分は違うけどね。みたいな)とか、好奇心とか、下品な書き方とかそんなところがないところが気に入りました。河合香織さんの『セックス・ボランティア」とも似た感じで、とても好感持って読むことができました。社会的弱者(高齢者がそのカテゴリーに属するのであれば)に寄り添って活動しているからだろうなと感じます。シニアの恋愛も結婚に囚われずもっとオープンになればいいなと感じる。
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Posted by ブクログ
風俗店やその経営者、店で働く女性への取材等を通して、日本の風俗が抱える問題の一端を具体的に示した上で、福祉との連携による解決策を示す。
「(性)風俗とは何なのか」をそもそもよく知らないような人(私もそうであるが)にとっては特に、各章で描かれる具体的エピソードに、驚きや衝撃を覚え、興味をかき立てられるだろう。
「加害者(=店や男性)と被害者(=女性)」「健全化か撲滅か」といった二項対立的な捉え方では、多様な要素が絡み合ってできている風俗について、理解することも問題を解決することもできないという著者の指摘は、至極的を射たものというほかない。
単に悲劇的な女性を描くわけでも、風俗を断罪して切り -
Posted by ブクログ
本書は「男子の・男子による・男子にための、新しいセックス論」である。私達は政府によりセックスに関する規制を受ける事で、興奮する情報を規定されてしまっている。また、メディア等の働きかけによる女性性のカテゴライズ=記号化によっても同様の影響を受けている。本書では、これらの状況を鑑み、貞操や童貞を個人問題ではなく、社会問題として捉え、現実的な「絆」を中心とした解決策を提示している。これは本書が、童貞を捨てる云々の一時的な問題ではなく、結婚後までも対象にしていることに起因する。
そのためにも、
1.機会を作る為に、社会的なネットワークへの関与
2.積み重ねによるパートナーとの人間関係の強化
3.ガー -
Posted by ブクログ
著者は男性でありながら上野千鶴子のゼミ出身という
変わり種である
この少々無理のあるタイトルもなんとなく納得がいく
まず彼がやったことは母性に溺れる形ではなく
客観性に基づいて性をいとぐちとして人をつなごうとした
アニミズムによる開放的な性の問題を
キリスト教が隠蔽し脅迫的に裏社会に押しやり
その嘘と秘密でドロドロとした人間関係を
明治政府が輸入して依頼の抑圧されたセックス環境の
新たなる社会的公共性を求めて
最も弱者に仕立てあげられた障害者の射精介助を
目的とする非営利組織を起業するして全国に展開して行く
その後は処女と同定を卒業するための合宿を模索し始め
実験的に立ち上げて当事者同士の問 -
Posted by ブクログ
学んだことの一部ですが、下記引用しました。
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性風俗の現場は
「労働」なのか「道場」なのか
自身の「性」と「生」で悩んでいる男女にとって、性風俗の世界が性愛に関するコミュニケーションの学びの場「道場」になっていることは、間違いない。
出会いと労働の境界線が曖昧になっているがゆえに、多くの男女が惹きつけられる場となっている、と言える。
性的同意やセクシャルハラスメントの防止など、性愛をめぐるコミュニケーションに求められるスキルや配慮の水準が高まる一方で、それらを実践的に学べる場が極めて限られている現代社会の中で、性風俗の世界は、労働と道場の