坂爪真吾のレビュー一覧

  • 情報生産者になってみた ──上野千鶴子に極意を学ぶ

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     あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。
     
     2019年、東京大学の入学式祝辞でこう述べたのが、上野千鶴子さんであった。本書の冒頭で紹介されている。この言葉に、上野さんらしさが凝縮している。そして、その実践の場が上野ゼミだった。
     とてもハードそうだけれども、それを上回る実り多き学びの場だ。そして上野さん自身が、実によく気づき、支え、教えてきた。真の教育者の姿がここにある。登場す

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    2022年02月18日
  • 性風俗サバイバル ――夜の世界の緊急事態

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    どっちかというと野次馬的に手に取ったもの。でも、ちくま新書というからには、俗ぽさは僅少で、大方固い内容なんだろうな、とは思いつつ。実際読んでみて、やはりいたって真面目な論考。もちろん、そういうのを求めていたから問題なし。密だからこそ成り立つ部分が大きい業界だけに、コロナによるダメージは想像に難くない。確かに通常時においては、公助と相性の良くない世界かもしれないけど、非常時には四の五の言ってる場合じゃない。ニッチな部分に、能動的に目を向けられる視点を持ちたい。改めてそう思わされる一冊。

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    2022年02月02日
  • パンツを脱いじゃう子どもたち 発達と放課後の性

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    言語化にも至らず、感情表現すらままならぬような、障害者の子ども達における性問題。性器弄りや自慰行為は、障害がなくとも当たり前に存在し、他の動物でも見られるように、生物として問題という訳ではないが、それを人前でしてしまう事が、人間社会では悩ましい点だ。そうした現場の実態、対処方法、性教育の是非などを綴った本。

    身近にいて、自分の周りでそれをされたら。娘の近くにそういう存在がいたら。彼らに対する偽善なんて一瞬で無くなるような気がするが、仕方ない事だろう。

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    2021年12月18日
  • 男子の貞操 ――僕らの性は、僕らが語る

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    男目線からの大人の性教育の本
    性の周りの色んな話について教科書的な文章になっている。衝動的な欲求をジャンクフードとみなすなど、少し独善的でもある。まあでもこういうタイプの主張する本も好き

    タブー破りの快楽、積み上げ型の快楽
    お上が何に対して興奮するべきか決めている
    処理としての射精、ケアとしての射精、
    初体験の自己責任化、相対的なセックスの価値減少
    絆・関係を作るものとしてのセックス
    社会的ネットワークへの貢献と恋愛好感度

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    2021年11月24日
  • 性風俗シングルマザー 地方都市における女性と子どもの貧困

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    先日、婚約者がいるが性風俗で働きたいという女性がいらっしゃいました。気になってしまい購入しました。

    私にも覚えのある体験なので微妙な心持ちになるのですが、叩かない親、風呂を覗かない親が普通だという事を大人になって知りました。
    趣味で心理学の本を読んだりすると、子どものときに親の保護や愛情をもらえないと、一生それを求めて彷徨う可能性もあると聞きます。もしかして、父性を求めている方もいらっしゃるのでしょうか。
    大人が全員、保護者的役割を果たす訳では無いという事も、また辛い現実です。

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    2021年09月18日
  • パパ活の社会学~援助交際、愛人契約と何が違う?~

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    一言で言えば、気持ち悪い本だった。
    若い女性が年上の男性と結婚することで、その見返りに金銭的な援助を受けること=「専業主婦」
    なんて思想を持ってる著者だからな。

    古今東西、夫婦を中心に家族があって、不義が罪とされて来たことの意味はどこ言った。
    パートナーに裏切られてる、相方の存在はどこ言った。

    若くて性を売り物にできる女性に対して、若い稼げない男はどこ行くんだ。

    はあ。

    それにしても、男は「どうしようもない」いきもんだよ。
    それが悪いわけではないけども。

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    2021年07月31日
  • 性風俗のいびつな現場

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    風俗で働けることも才能だ。そうだなー。メディア露出が多いから、知ってはいるけど身を運んだことのない世界。ピンからキリまであるランクの最下層に焦点。確かに、日雇いの高額の仕事ってない。妊娠や病気のリスク半端ないけど。

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    2021年07月17日
  • 性風俗のいびつな現場

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    貧困でどうにも生活が成り立たなくなった母親が、子どもを道連れに心中した事件があった。それに比べたら、風俗という最終的な選択肢はマシなのかもしれない。
    風俗は否認でも公認でも黙認でもなく容認が良いという言い回しにはなるほどと思った。
    究極、死を選ぶくらいなら風俗もありかもしれない。生きるために。が、本当ならその前に福祉の手で救えるならそれが一番いい。
    それが難しい現状、風俗と福祉の連携というのはとても意義があると思った。

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    2021年02月06日
  • パパ活の社会学~援助交際、愛人契約と何が違う?~

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    パパ活女子はハイクラス。
    自律心とコミュニケーション能力のある人材でないと務まらない仕事?だと知った。
    セックスワーカーとはまた違ったことが求められている不思議な世界やな
    パパもハイソな人々だし

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    2021年01月31日
  • セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱(小学館101新書)

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    障害のある人が、性的な身体と心の高まりを、健全に消化し表現できるか…。身体の心地よさっていう観点から考えられるようになった内容でした。

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    2020年10月18日
  • 性風俗のいびつな現場

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    ネタバレ

    性風俗の「生活困窮者のセーフティネット」という側面を捉えたルポルタージュ。特殊性風俗とそこで働く女性達の実態・問題点を分かりやすく解説している。文章も論理的で読みやすい。

    性風俗をいくら否認しても撲滅することはできない。黙認することも内情が不透明化する危険性を孕む。かといって法律的・社会的に公認することもできない。

    社会の一部として容認しうまく付き合っていくこと。すなわち、福祉や社会と繋ぎ風俗に関わる当事者の不幸を減らすことを目標にすべきであるという主張には説得力があるように感じた。

    興味があるなら手に取ってみて損はしない一冊。

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    2020年06月29日
  • 性風俗シングルマザー 地方都市における女性と子どもの貧困

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    当事者ではないからか、どうして普通の仕事につかないのかな? 生活保護を受けないのかな? などと思ってしまうが、給料の問題だったり、制度を知らなかったりといった、いろいろな事情があることがわかった。

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    2020年03月26日
  • 未来のセックス年表 2019-2050年

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    ネタバレ

    「テクノロジーの進歩」「人口減少」という確約された未来を前提に、性にまつわる社会問題に取り組む著者の集大成。

    ‐‐年表‐‐
    2019年‐「パパ活女子大生」がキャンパスに溢れかえる
    2020年‐単身の高齢女性が「ジジ活」を始める
        ・40歳の壁の突破
        ・「閉経女子」が過半数を突破
    2021年‐「アダルトコンテンツ難民」の高齢者が街をさまよう
        ・決済難民に陥る高齢者が続出
        ・ヌードローンの魔の手にかかる融資難民が増加
    2024年‐未成年の「フェイクポルノ」がネットで拡散される
    2025年‐セックスレスの夫婦がマジョリティになる
        ・女性向け風俗店の増加
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    2019年10月07日
  • 「身体を売る彼女たち」の事情 ──自立と依存の性風俗

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     この類の調査と議論の提示もそろそろ行きついてきた感じがある中、本書では風俗産業の存在を社会が正面から受けとめることに意義を見出そうとしている。
     経済合理性から考えれば、その通り、ひとつの産業として正確に評価されて然るべきである。また、社会的にも必要性が認められるのであれば適正な評価が必要である。一方、感情的には受け入れる人もいるし受け入れない人もいる。
     外縁部にある道具のような、そんな存在におかれている風俗産業従事者。

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    2019年09月08日
  • 見えない買春の現場 ~「JKビジネス」のリアル~

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    女性側からの本が多い中での、買う側の男の実情に迫った一冊。
    女性視点でも感じるが、こういう問題は一般的にメディアが作り出している人物像の人たちが行動してるだけでなく、結局は多様な人たちが加担している、興味本意で行動していることがわかる。

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    2019年06月12日
  • はじめての不倫学~「社会問題」として考える~

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    学問としてアプローチはしているが、納得感はあまり感じられない。
    男女それぞれの事例は示唆に富んでいるが。

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    2019年06月12日
  • パパ活の社会学~援助交際、愛人契約と何が違う?~

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    パパ活の普及にはアフィリエーターが貢献したことの発見や、ママ活の有無への問いなどは面白いと感じた。読み手としては、ストリートビューというよりも、パパ活に関わった方数名の価値観の整理本のように感じた。

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    2018年10月28日
  • 「身体を売る彼女たち」の事情 ──自立と依存の性風俗

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    がんばって取材してるが、あんまり新鮮味なし。特段の議論もない感じ。でもまあこういう取材例が増えるのはよいことなのだろうと思う。なんか営業の方が批判されたりしてたいへんなのかもしれないけどがんばってほしい。

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    2021年01月05日
  • 性風俗のいびつな現場

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    筆者は鶯谷デッドボールの取材で店が女性に寄り添えばブスやデブを訴求するジレンマがあると知りそこから風俗店による訳あり女性の貧困問題などを解決できないかと提言。母乳風俗や愛人クラブにデッドボールと色々巡ったようだが裏モノJapanの方が面白いと思う。

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    2018年10月12日
  • 性風俗のいびつな現場

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    本書でいう風俗は、「合法的」なものに限る。ほとんどがデリヘリだな。ただし、いわゆるキワモノが中心だ。
    そこで生きている男女の生の状況を考える。
    男については、極めて真っ当というか、イイヒトなので、一般論として語るのは無理なのだが、福祉と現実との狭間を問題提起する。最後には、きちんと弁護士も入ったやりとりもあったりする。
    何冊かこういう本を読んだが、割り切っていていい。
    性風俗は、否認はできないし黙認は危ない、公認するものではなく容認がよかろうという提案は、なるほどと思う。

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    2018年09月09日