如月かずさのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
給食にまつわるエピソードを交えながら、6人の中学生が抱える、他の人には言い辛いような繊細な悩みと向き合いながら、最後には、それぞれがちょっとした成長を実感しながら歩んでいく、そんな姿に青春ならではの爽やかさを感じられた、読みやすい児童書です。
物語の構成は前作同様に、六つの短編を、始業式から卒業式へと流れる時間に沿った、連作形式となっていて、同じクラスを舞台にしながら、それぞれの短編は別の主人公であるところも一緒であり、更には前作のキャラ(美貴とか)も登場していて、本書は中学二年生と学年が一年上がっていることから、彼らのその後を知ることもできる、続編ならではの楽しみ方もあります。
そして、メインの物語としては、優柔不断というよりは、とても真面目に物事を捉える「慎吾」であったり、何事にも冷めた感じで対応してしまう自分自身への恐怖を抱いていた「楓乃」であったり、いい人であることしか取り柄が無いと思い込んでいる「三熊」であったりと、自分の中で勝手に限界を設定してしまう視野の狭さも、若さならではと思えば、何だか愛しく感じられながらも、他の人の悩みにはちゃんと答えてあげられる点に、人のことはよく分かるけれど、自分のことになると何故かよく見えなくなる、そんな人生に於ける不可思議さを感じながらも、だから学校のように、クラスメイトがたくさんいる環境は良いのだろうなとも感じられた、それぞれに個性的な仲間たちの存在のありがたみなんだろうと思いました。
ただ、前作よりも給食との関わり方が薄いのが私的には残念で、それぞれのタイトルも給食自体に焦点を当てたというよりは、ストーリー重視のものになっているのが多く感じられましたが、懐かしさを感じた前作と比べて、より対象年齢向けになったという点には特に問題は無いのだと感じ、中学生には是非おすすめしたい作品だと思います。 -
Posted by ブクログ
私がフォローしている方々が、よくこの作品を登録されているのを見まして、気になって読んでみたのですが、爽やかな良い作品でした。
中学1年生の同じクラスを舞台に、思春期ならではの悩みを抱えるクラスメイトが、給食を通して、前向きな気持ちになっていく連作集。
給食をメインにしているような感もあるが、それを抜きにしても、クラスメイト同士のやり取りや物語の内容に心動かされるものがあるのも確かで、文章が読みやすい上に笑える部分もあって面白い。
それでいて、人は見た目に反して苦しんでいることもあり、その心の内を思いやることの大切さを教えてくれて、特に同年代の方には共感出来る部分が多いと思うので、お薦めの作品です。私の場合は、青春の素晴らしさを思い出して切なくなったり、ミルメーク懐かしいなあ、なんて感じたり。
以下、ネタバレ含みますのでご注意を。
また、この物語の構成は、ちょうど1年間を通した内容になっており、章を追うごとに、個性的なクラスメイトの色々な一面を知ることが出来て、次第に愛着を持てるようになる作り方が上手いと思いました。
更に、悩みを持つ6人の登場人物たちについては、ちょうど二人ずつ、対になっているのが面白いなと思いました。美貴と梢は転校について、桃と満は大人への憧れで、足立と清野はそれぞれのようになりたいなという、これまた憧れになります。
こういう作り方は、おそらく意図的にされているとは思うのですが、そうすることで、世界って意外に狭くて、自分は一人ぼっちじゃないんだ、現実は自分が思っているよりも、もっと素晴らしいものかもしれないという、希望の物語のようにも感じられました。