都筑道夫のレビュー一覧
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退職刑事第二弾。
言語は生き物だとはよく言われるが、「スタイリスト」には驚いた。
自分では使ったことはないが、
その昔、「おしゃれ」に近い意味で使われていたことはわかる。
決してテレビ等の出演者の服を用意する職業のことではない。
「デラックス」はもう少し新しい。
自分で使ったことは多分無いが、以前はよく広告で見かけた。
今で言えば「ラグジュアリー」か。
だいぶ時代感に慣れてきた中で、元刑事がハワイ旅行とはお大尽な。
この時代の海外旅行はかなり高額なはず。
長男のお支払、という設定のようだが。
「四十分間の女」が一番面白かった。
私が不名誉な骨折で入院中という設定の目新しさか、
見舞いの -
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「ミステリなふたりアラカルト」の後ろの広告で。
想いがけず、また古い話だった。
というのも「トム・ホーソンの事件簿」を読んだばかりだったので。
家に帰ったら洋服から和服に着替える位の。
都営地下鉄三田線が都営六号線と呼ばれていた位の。
五人の息子のうち末っ子の現職刑事の家を度々訪れる退職刑事。
茶飲み話の中で事件を解決していく。
ただし、
その頃のものの考え方が少し疎ましく感じるのは、
自分の文化と他人の文化の差だろうか。
少しだけだが。
ジャケットを二枚手に持った男を目撃したという証言から展開する
「ジャケット背広スーツ」が一番面白かったかな。 -
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【本の内容】
「第一章では、私はなにを書くか、迷いに迷って、題名もつけられない」―長篇怪奇小説の執筆依頼を受けた作家だったが、原稿は遅々として進まない。
あれこれとプロットを案じながら街をさまようが、そこで見かけたのは30年前に死んだ従姉にそっくりの女だった。
謎めいた女の正体を追ううちに、作家は悪夢のような迷宮世界へと入り込んでいく…。
奇想にあふれた怪奇小説の傑作が現代に蘇る。
[ 目次 ]
[ POP ]
道尾秀介さんの直木賞決定直後に復刊した文庫である。
帯には〈「この作品のおかげで、僕は作家になれました」道尾秀介〉。
タイムリーだ。
道尾さんが、都筑さんの名を知った -
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ネタバレシリーズ4作目。最初の“熊坂長範”で幻術が出てきて、あれ、何か方向性が変わったかな、と思ったけど、今まで通りに戻って良かった。センセーが幻術、妖術まで使えたら、本当万能ではないか。次の“人ごろし豆蔵”がすごく好きだ。最後の「いいえ、やはりマメゾーは、人ごろしでございますよ」と言うとこ、本当マメゾー!!そんなことないよ!と抱きしめたくなる。しかしマメゾーが第一の手下というか、他のメンバーとの格の差が出てきたような。まぁもともとか。マメゾーは本当センセーよりすごいんじゃないかっつー芸の持ち主だもんな。本当、こんな貧乏長屋にはもったいないというか。それを言ったら、センセーもか。
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ネタバレシリーズ3巻。ついに折り返しだ。きまぐれ砂絵はこれまでの7編を破って6編しかない、と思ったら全部落語のタイトルだそうで、創刊の時は“なめくじ長屋とりもの落語”の副題だったそうだ。解説も面白かった。作者による“推理作家の出来るまで下巻”からの再録だそうだ。自伝的なものかしらん。本当、江戸時代のことを全く知らない世代に読ませるんだから大変だろう。当時より半世紀以上も経った今ならなおさら。しかし一家心中とか、お家のために死ぬとか、平和な江戸時代と言われているけど、結構世知辛いよな、と思う。家の評判を守るために娘を殺すって。でも今だった親族間殺人は多いんだもんな。虐待もあるし。人間のやることは一緒なの