都筑道夫のレビュー一覧
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都筑道夫さんの「怪奇小説という題名の怪奇小説」を読みました。
完全にタイトル買い。気になっている作家さんではあったけれど、そもそもこういうよくわからない題名に弱い。
怪奇小説の執筆に頭を悩ませる主人公が、それどころではなくなるような怪奇な現象に遭遇していく。
思考と執筆内容が入り乱れて境目がわかりづらいのが、面白い。ジョン・スタインベックという作家の短編「蛇」が(たぶん)まるまる挿入されているシーンがあったり、各章のタイトルにインパクト強めの注釈が添えられていたり、古い作品なのに新しさを感じた。
ストーリーは章を追うごとに怪奇具合が深まって、後半はハラハラしながら読んだ。突飛な展開で収拾つかないのではと思いきや、最後は意外と辻褄が合ったので驚いた。
普段あとがきや解説はあまり読まないのだけれど、解説が道尾秀介さんだったのでざっと読んだ。ペンネームの「道尾」が都筑道夫さんの「みちお」から取られていたと知ってびっくり。
単行本の装丁の仕掛けが紹介されていた。これは知ることができてよかった。文庫版も同じ仕掛けだったらよかったのになー。 -
Posted by ブクログ
主人公の「私」は、長編怪奇小説を執筆しなければならないにもかかわらず、アイディアが浮かばず、海外の小説をもとに剽窃することで急場をしのごうとします。その一方で彼は、30年前に死んだはずの従姉にそっくりの女性を見かけ、その後を追います。「ムリ」と名乗った彼女は、まもなく「私」の前からすがたを消してしまいます。彼女が、「私」の故郷である長野へ向かったということを知った「私」は、知人の妻である狭霧という女性とともに長野に旅をすることになりますが、しだいに「私」の読んだ海外の小説のストーリーが現実に絡んでくることになり、二人は不思議な出来事に巻き込まれていきます。
タイトルからも、メタフィクショナルな構成であろうことは予想ができましたが、ややありきたりなホラー小説的な着地点が設定されているのに若干がっかりしてしまった感があります。それでも、作品のかもし出す奇妙な雰囲気には、充分に身をひたすことができました。 -
Posted by ブクログ
著者がさまざまな雑誌などに発表した短編をまとめた本です。ミステリではなく、著者のことばで「ふしぎ小説」、いわゆる怪奇小説と呼ばれる作風のものばかりで、ロジカルな解決策があたえられるわけではありませんが、本作のかもし出す不思議な雰囲気をたのしむことができました。
ただ、著者がミステリ作家として高名だということもあって、「あるいは叙述トリックのような仕掛けがあるかもしれない」と身構えながら読んでしまったため、本作の雰囲気を堪能するというところにまでは行き着けなかったという思いがあります。どちらかというと、乙一のホラー小説のように、もうすこし肩の力を抜いて読むことのできる内容だったように感じました。 -
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紙幣づくりに使われる紙が大量に強奪された。
これが意味するものをいち早く察知し動き出した近藤だが、ライバルの土方も同じく動き出していた。
二人はある家の前で鉢合わせ。家の主人は坂本という老人で、彫金の名人である。
というはじまり。
軽やかに男や女が金を目当てに入り乱れて、誰が追って誰が追われているのやら、その間にもふざけた会話が飛び交って、まぁまぁの死人も出るというのにコミカルな仕上がり。ただし、書かれた1978年という時代を反映して風俗を表す言葉が古くてよくわからないのが難。映像で見るとちょっとしゃれた軽いノリがかっこよく表現されるのだろうなと思っていたら、どうやら映像化されている模様。
主人公の近藤は、宍戸錠さんだそうです。
近藤、土方、沖田、友子の組合せはなんとなくルパン一味のようだとも思ったのですが、それぞれ敵同士(友子は近藤サイド)というこれもなかなかいいカンジ。
登場人物の名前がなんつーかよくあるなぁと感じていたら、なんとどんぴしゃ、作者先生が「そのころ登場人物の名前を考えるのが面倒だったから」となんとも正直にあとがきに書いていて、笑ってしまった。
プロにもそういうことがあって、そういう時によくある新選組の名前とかって便利なんですねぇ。そうかそうか。おもしろw -
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「マンション探偵滝沢紅子」シリーズの長編第3弾。
美智留のクラスメイトだった寺西徳治(てらにし・とくじ)という少年が、メゾン多摩由良近くの工場内の密室で殺害されるという事件が起こります。彼は死の直前に美智留に会っており、彼女に小さな紙包を預けていました。一方、徳治の兄の寺西慶太(てらにし・けいた)はタミイの後輩で、彼に事件の解決を依頼したことで、彼は俄然捜査に熱を入れて事件の解決へ向かって猛進します。
今回は紅子がメゾン多摩由良を出てどこかへ行ってしまい、タミイ、春江、美智留らの視点を交代しつつ物語が語られていきます。となると、叙述トリックが用意されているのではないかと身構える読者が多いのではないかと思われますが、むしろ3人の語り口のちがいそのものを純粋にたのしむことのできる内容でした。 -
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「マンション探偵滝沢紅子」シリーズの長編第2弾。
メゾン多摩由良の空き室を訪れた不動産屋と客二人が死体を発見しますが、彼らが警備主任に連絡して部屋にもどってみると、忽然と死体は消え失せていました。さらに、マンションの住人の兼坂という男や平岡民雄までもが、死体を見かけるもほんのわずかな時間その場所を離れているあいだに死体が消えてしまうという出来事がつづきます。
直感猛進のタミイ、国文学研究者の春江、天才美少女の美智留といった主要なキャラクターが魅力的で、ユーモア・ミステリ寄りの作風ですが、随所にミステリ史や文学作品などへの言及が見られるのもたのしみのひとつです。 -
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引越しのバタバタで、読書状況が滞っちゃってます… 生活必需品ではないから、書棚の整理は手付かずの状態。そんな中、片手間に読めそうな薄い本ってことで、これをとりあえず手元に置いといてみた。サラッと読み流せるからではなく、全然ピンとこなくて急ぎ読み。「ドグラマグラ」は途中で挫折したけど、それと同じ匂いがして、いわゆる”奇書”かな、って思いながら読んでたけど、解説見て『やっぱり』って感じ。こちらは短いから読破できたけど、正直、読み続けることに抵抗を覚えることしきり。どんな世界にも独創的な世界は存在するし、そういうものに魅力を覚える向きも、それはそれでアリだとは思うけど、少なくとも自分には必要のない世界観です。