都筑道夫のレビュー一覧

  • 怪奇小説という題名の怪奇小説

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    都筑道夫さんの「怪奇小説という題名の怪奇小説」を読みました。

    完全にタイトル買い。気になっている作家さんではあったけれど、そもそもこういうよくわからない題名に弱い。

    怪奇小説の執筆に頭を悩ませる主人公が、それどころではなくなるような怪奇な現象に遭遇していく。

    思考と執筆内容が入り乱れて境目がわかりづらいのが、面白い。ジョン・スタインベックという作家の短編「蛇」が(たぶん)まるまる挿入されているシーンがあったり、各章のタイトルにインパクト強めの注釈が添えられていたり、古い作品なのに新しさを感じた。

    ストーリーは章を追うごとに怪奇具合が深まって、後半はハラハラしながら読んだ。突飛な展開で収拾つかないのではと思いきや、最後は意外と辻褄が合ったので驚いた。

    普段あとがきや解説はあまり読まないのだけれど、解説が道尾秀介さんだったのでざっと読んだ。ペンネームの「道尾」が都筑道夫さんの「みちお」から取られていたと知ってびっくり。
    単行本の装丁の仕掛けが紹介されていた。これは知ることができてよかった。文庫版も同じ仕掛けだったらよかったのになー。

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    2021年02月24日
  • 七十五羽の烏~都筑道夫コレクション〈本格推理篇〉~

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    表題作の三番目の事件の真相に、もったいないことをするものだと登場人物ならずも思った。シリーズの他作品はしばらく読めそうにもないのが残念だが、他シリーズに手を伸ばしてみようとは思う。ことに解説で持ち上げられていた「黄色い部屋はいかに改装されたか?」が気になる。

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    2020年12月02日
  • 吸血鬼飼育法 完全版

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    推理ものではなくスパイもの。都筑道夫は洒脱なイメージがあったが、流石にレトロな感じは否めません。主人公の設定はやや中途半端と思いました。シリーズが短命に終わったのもうなずけます。シリーズ本編の原型になった短編2作が収録されておりマニア向けの資料的な一冊。

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    2020年11月24日
  • ちみどろ砂絵 くらやみ砂絵~なめくじ長屋捕物さわぎ(一)~

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    一風変わった時代小説。ナメクジ長屋に住む砂絵芸人のセンセーを中心に其々独特の特技を持つ非人達が江戸の町に起る謎の事件を解決して行く短編シリーズの第1作。
    事件解決の動機には金が絡んでおり、この点は必殺シリーズと共通するアウトローの面白さがある。
    一時期テレビ化されたようだが記憶ない。

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    2020年10月03日
  • 吸血鬼飼育法 完全版

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    一匹狼のトラブルシューター片岡直次郎が活躍する活劇シリーズを集めたもの。片岡直次郎は歌舞伎の題材にもなった江戸時代の実在の悪党と同姓同名で作中でも毎回のように引き合いに出されるが、作品が発表された60年代末とは違い現在ではほとんど忘れ去られた存在であることに時代を感じる。
    内容は軽い感じの犯罪活劇といった感じで、割と出だしから思わぬ方向に話が進みがち。ちょっと主人公の片岡直次郎のキャラクターが薄く感じてしまうのは今読むからだろうか?

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    2020年09月27日
  • 怪奇小説という題名の怪奇小説

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    主人公の「私」は、長編怪奇小説を執筆しなければならないにもかかわらず、アイディアが浮かばず、海外の小説をもとに剽窃することで急場をしのごうとします。その一方で彼は、30年前に死んだはずの従姉にそっくりの女性を見かけ、その後を追います。「ムリ」と名乗った彼女は、まもなく「私」の前からすがたを消してしまいます。彼女が、「私」の故郷である長野へ向かったということを知った「私」は、知人の妻である狭霧という女性とともに長野に旅をすることになりますが、しだいに「私」の読んだ海外の小説のストーリーが現実に絡んでくることになり、二人は不思議な出来事に巻き込まれていきます。

    タイトルからも、メタフィクショナルな構成であろうことは予想ができましたが、ややありきたりなホラー小説的な着地点が設定されているのに若干がっかりしてしまった感があります。それでも、作品のかもし出す奇妙な雰囲気には、充分に身をひたすことができました。

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    2020年09月22日
  • 目撃者は月

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    著者がさまざまな雑誌などに発表した短編をまとめた本です。ミステリではなく、著者のことばで「ふしぎ小説」、いわゆる怪奇小説と呼ばれる作風のものばかりで、ロジカルな解決策があたえられるわけではありませんが、本作のかもし出す不思議な雰囲気をたのしむことができました。

    ただ、著者がミステリ作家として高名だということもあって、「あるいは叙述トリックのような仕掛けがあるかもしれない」と身構えながら読んでしまったため、本作の雰囲気を堪能するというところにまでは行き着けなかったという思いがあります。どちらかというと、乙一のホラー小説のように、もうすこし肩の力を抜いて読むことのできる内容だったように感じました。

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    2020年09月21日
  • ベッド・ディテクティヴ

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    「泡姫シルビア」シリーズの一冊です。吉原のソープランドに「シルビア」という源氏名で務めている女性が主人公の連作短編となっています。

    七編が収録されていますが、殺人現場に居合わせるものだけでなく、シルビアの身のまわりで起こったちょっと奇妙な出来事の謎を解き明かすような、ライトな作風のものも含まれていて、気軽にたのしんで読むことができる内容でした。

    トルコ風呂がソープランドに名称を変えてまもない時代の作品で、ちょっとはすっぱな風俗嬢の一人称語りは、さすがに古さを感じます。

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    2020年09月21日
  • 吸血鬼飼育法 完全版

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    六〇年代東宝活劇映画のノリ。よく考えてみれば、都筑氏自身が脚本などで関わっているんだから当然なんだが。異常なまでにドライかつシニカルなスラップスティック・アクション・コメディ。流石に人を選ぶ気はするが、アイデアの乱れ打ちはお見事というしかない。

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    2020年09月15日
  • 紙の罠

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    紙幣づくりに使われる紙が大量に強奪された。
    これが意味するものをいち早く察知し動き出した近藤だが、ライバルの土方も同じく動き出していた。
    二人はある家の前で鉢合わせ。家の主人は坂本という老人で、彫金の名人である。

    というはじまり。
    軽やかに男や女が金を目当てに入り乱れて、誰が追って誰が追われているのやら、その間にもふざけた会話が飛び交って、まぁまぁの死人も出るというのにコミカルな仕上がり。ただし、書かれた1978年という時代を反映して風俗を表す言葉が古くてよくわからないのが難。映像で見るとちょっとしゃれた軽いノリがかっこよく表現されるのだろうなと思っていたら、どうやら映像化されている模様。
    主人公の近藤は、宍戸錠さんだそうです。
    近藤、土方、沖田、友子の組合せはなんとなくルパン一味のようだとも思ったのですが、それぞれ敵同士(友子は近藤サイド)というこれもなかなかいいカンジ。
    登場人物の名前がなんつーかよくあるなぁと感じていたら、なんとどんぴしゃ、作者先生が「そのころ登場人物の名前を考えるのが面倒だったから」となんとも正直にあとがきに書いていて、笑ってしまった。
    プロにもそういうことがあって、そういう時によくある新選組の名前とかって便利なんですねぇ。そうかそうか。おもしろw

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    2020年02月24日
  • 退職刑事4

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    退職刑事第四弾。

    推理作家が第三の登場人物になりつつある。
    その推理作家が、本への書き込みを持ち込んで、
    友人が殺人を犯したのではないかと心配する話が良かった。

    ショートショートの脇に書き込まれた内容から
    退職刑事は推理をしたが、
    実際には真実の近似値を話し、
    作家の気持ちをおもんばかったところが。
    作家から、推理のお礼にお寿司が配達されたところも。

    「線香花火にあいにいく」といって殺された男の話でも、
    真実よりも情を重んじていて、趣があったかな。

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    2019年12月27日
  • 前後不覚殺人事件

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    「マンション探偵滝沢紅子」シリーズの長編第3弾。

    美智留のクラスメイトだった寺西徳治(てらにし・とくじ)という少年が、メゾン多摩由良近くの工場内の密室で殺害されるという事件が起こります。彼は死の直前に美智留に会っており、彼女に小さな紙包を預けていました。一方、徳治の兄の寺西慶太(てらにし・けいた)はタミイの後輩で、彼に事件の解決を依頼したことで、彼は俄然捜査に熱を入れて事件の解決へ向かって猛進します。

    今回は紅子がメゾン多摩由良を出てどこかへ行ってしまい、タミイ、春江、美智留らの視点を交代しつつ物語が語られていきます。となると、叙述トリックが用意されているのではないかと身構える読者が多いのではないかと思われますが、むしろ3人の語り口のちがいそのものを純粋にたのしむことのできる内容でした。

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    2019年08月02日
  • まだ死んでいる

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    「マンション探偵滝沢紅子」シリーズの長編第2弾。

    メゾン多摩由良の空き室を訪れた不動産屋と客二人が死体を発見しますが、彼らが警備主任に連絡して部屋にもどってみると、忽然と死体は消え失せていました。さらに、マンションの住人の兼坂という男や平岡民雄までもが、死体を見かけるもほんのわずかな時間その場所を離れているあいだに死体が消えてしまうという出来事がつづきます。

    直感猛進のタミイ、国文学研究者の春江、天才美少女の美智留といった主要なキャラクターが魅力的で、ユーモア・ミステリ寄りの作風ですが、随所にミステリ史や文学作品などへの言及が見られるのもたのしみのひとつです。

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    2019年08月02日
  • 殺人現場へ二十八歩

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    「ホテル・ディック」シリーズの第一弾です。

    元刑事で現在は浅草のホテル「ハイライズ下町」の警備をしている主人公の田辺素直(たなべ・すなお)という男が、ホテルで起こる事件を解決していく連作短編となっています。

    トリックは本格的ですが、登場人物たちのキャラクター造形はユーモア・ミステリ風で、浅草の変化についていくことができない「仙人」と呼ばれる老人や、古美術店「一寸八分」の主人の比田井(ひだい)など、魅力的な脇役が作品に彩りを添えています。

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    2019年08月02日
  • 怪奇小説という題名の怪奇小説

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    初めましての作家さんだったらしい。
    読んだつもりになってました。

    知らないうちに怪しくて不気味な世界に迷い込み
    先が知りたくて、どんな結末が訪れるのか
    気になってしょうがない。
    そしてたどり着いた結末は・・・
    これは悪夢ですか?
    面白いじゃないですかぁ~
    たまにはこんな本もいいですね

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    2018年09月17日
  • 宇宙大密室

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    タイトルに反し、ミステリはほんの一部。
    SF も半分くらいかな?
    都筑作品は中学生の頃にかなり読んだので、この本も懐かしい感じで楽しめました。
    天狗の話と民話のパロディが楽しいですね。
    現代を舞台にした SF は流石に古くさく感じるかもしれません。
    ま、ノスタルジックなエピソードだと思うことにしましょうか。(^^;

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    2017年02月05日
  • 未来警察殺人課[完全版]

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    Psycho-Passと設定が似ているとのことで読んでみたけれど、まったく別の作品でしたね。(当然だけど。)SFでハードボイルドな刑事ものということで、これはこれで面白かったのだけど、Psycho-Passがいかに面白かったというのを再認識することになってしまった(^^;未来警察殺人課敵な流れから、ディストピアものへとうまく融合させたよなぁ。と…。およ、なんか全然関係ない感想になってしまったぞ( ゚Д゚)

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    2016年08月20日
  • 東京夢幻図絵

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     『九段の母』が読みたくて。なにで知ったかは忘れてしまいました。多分、2ちゃんねるのまとめサイトの、後味の悪い作品とは、とか、オススメの小説家は、とか、そういったもので見つけた可能性が高いです。
     主人公は、いわゆる、名探偵コナンのような、なにか事件事故が起きたらそこに顔を突っ込んで少しヒントを与えたり考えたりする人で、なぜこの事件はこのようにして起こったのか?ということを解決していく物語です。
     短編集なので、それほど気兼ねなく読め、文章だって、長ったらしかったりぶつ切りだったりせず、肩肘張らずに読み進めていけます。

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    2016年04月05日
  • 怪奇小説という題名の怪奇小説

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    引越しのバタバタで、読書状況が滞っちゃってます… 生活必需品ではないから、書棚の整理は手付かずの状態。そんな中、片手間に読めそうな薄い本ってことで、これをとりあえず手元に置いといてみた。サラッと読み流せるからではなく、全然ピンとこなくて急ぎ読み。「ドグラマグラ」は途中で挫折したけど、それと同じ匂いがして、いわゆる”奇書”かな、って思いながら読んでたけど、解説見て『やっぱり』って感じ。こちらは短いから読破できたけど、正直、読み続けることに抵抗を覚えることしきり。どんな世界にも独創的な世界は存在するし、そういうものに魅力を覚える向きも、それはそれでアリだとは思うけど、少なくとも自分には必要のない世界観です。

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    2016年01月27日
  • 南部殺し唄

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    ネタバレ

    かつて滝沢警部が逮捕した女。彼女が冤罪だったのではないかと考えた父親たのまれ遠野に春江と共にやって来た紅子。殺害された女。彼女の家族を惨殺した犯人の正体。

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    2015年10月09日