都筑道夫のレビュー一覧

  • 紙の罠

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    逆転逆転逆転の連続で最初から退屈なシーンが全くない。

    人間の動きが素早いので説明の部分が少なく、人と人がどういった繋がりなのか置いてかれそうになる部分もあったが、次から次へと起こる展開に惹き付けられ登場人物の行動にドキドキする。

    最後のシーンで2つのチームに分かれたように見えたがその中でも完全な味方というわけではないのが面白い。

    各章の副題がクスッと笑えるのも楽しいポイント。

    こういった警察や探偵など正義の味方と思われるような人物ではない話は愉快さ、危うさが入り交じっていて最初から最後まで飽きない。

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    2025年08月11日
  • なめくじに聞いてみろ 新装版

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    殺し屋とのアクションシーンについての描写はすごく多いというわけではなかったと思います。主人公と仲間たちとのドタバタ感もある会話や対決の準備の過程であったり、意外なものが殺人道具になったりするのが面白かったです。当時と今では地名が結構変わっていることや、今ではなかなか聞いたり読んだりすることのない言葉を知ることも出来ました。

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    2025年05月08日
  • 吸血鬼飼育法 完全版

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    お金をいただければ合非問わず引受ける「何でも屋faa 片岡直次郎」
    “007”張りの活劇ちょいワルオヤジの短編集
    電子機器は一切出てこないのに全く違和感はなく
    タイトルも今風
    名作は時代を超えるものだなぁと深く感じ入りました

    ラストは短編をハードボイルドにしたショートショートでまとめられ、幾重にも濃い作品です

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    2021年11月21日
  • 七十五羽の烏

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    「鬼才が精巧に練り上げ、読者の脳細胞に挑戦するパズラーの金字塔!」
    ーー帯より

    ロジック好きによるロジック好きのための作品。
    「重大な手がかりあり要注意」といった注釈までついており、著者のフェアプレイ精神には恐れ入る。

    緻密なロジック、「あら、父とおんなじ」といったさりげない、しかし明確な、情報の提示。
    物語としての面白さはほとんどないので、読む人を選ぶのは確かだろうが、パズラーの傑作であることは間違いない。

    西澤保彦の解説もとても面白く、早く『黄色い部屋はいかに改装されたか?』も読みたくなった。

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    2021年11月02日
  • ちみどろ砂絵 くらやみ砂絵~なめくじ長屋捕物さわぎ(一)~

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    ネタバレ

    非人という非常に低い立場だが、センセーを中心に
    協力し合って犯人を追いつめ、金をせしめる。
    まず、キャラクターがとても魅力的。なめくじ長屋の面々がそれぞれの持ち味を活かし、息の合ったコンビネーションを見せるシーンは心が躍る。
    そしてトリック、ロジックも超一級品。
    魅力的な謎はもちろん、who,how,why,どれも存分に楽しめる傑作群になっている。

    高評価の作品。
    『よろいの渡し』
    服をすり替え、描いた痣も消す。一石二鳥のトリック。

    『ろくろっ首』
    「首を切ることで、正気の男が狂人に殺されたように見せかける」という首切りのホワイが見事。

    『春暁八幡鐘』
    「風呂桶を盗んでくれ」という奇妙奇

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    2021年10月27日
  • 怪奇小説という題名の怪奇小説

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    まさに奇書。とにかく破茶滅茶。

    書き出しから異様だが、読み進むにつれて理解が全く追い付かなくなる。いや、そもそも理解しようとするのが間違いなのか。

    都筑道夫氏にハマるきっかけになった一冊。



    1刷
    2021.1.4

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    2021年01月04日
  • 女泣川ものがたり(全)

    購入済み

    べらぼう村正は死なず

    左文字がカートキャノンだと思えてきて、お関さんの周りにいるのは、マノンちゃんたち、仁丹塔は伊助親分かな。都筑道夫のハードボイルド風時代劇。これ、映像化して欲しいけど、俺等の頭じゃ、昔の東映か大映、日活の役者さんしかキャスティングできない。左文字は市川雷蔵、お関さんは左幸子かな。とにかく、筋立ては謎解き、アクションのサービスが一杯だけど、それ以上に江戸は深川あたりの情景描写を味わえる小説です。文章のお手本だよ。酔えるよ。

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    2020年01月12日
  • からくり砂絵 あやかし砂絵~なめくじ長屋捕物さわぎ(二)~

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    『なめくじ長屋』シリーズの3、4巻の合本。「小梅富士」はやっぱりホワイダニットの傑作だね。他には「らくだの馬」、「人食い屏風」あたりがお気に入り。

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    2013年10月04日
  • ちみどろ砂絵 くらやみ砂絵~なめくじ長屋捕物さわぎ(一)~

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    魅力的に描かれる四季折々の江戸の風物に加え、トリックやロジックのキレが半端ない。初期の2冊の合本とボリューム満点なのも嬉しい。お気に入りは「「よろいの渡し」、「本所七不思議」、「春暁八幡鐘」、「天狗起し」、「地口行灯」かな。

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    2013年10月01日
  • 東京夢幻図絵

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    古本で購入。

    戦前・戦中の、主に東京で起きた事件について戦後に関係者が作家相手に語るという、独白体の「犯罪小説ふうの情話」短篇集。
    玉ノ井バラバラ殺人事件や上野動物園クロヒョウ脱走事件、東京大空襲など、実在の事件も題材になっている。

    作者が育った文京区関口の辺りを中心にした、文京区西部・新宿区東部が主な舞台。
    そこに描かれる「東京」はむせかえるほどの猥雑さに満ちた「異世界」だ。
    くりかえし描かれる縁日のギラギラとしたあやしい輝きは、今では見られない、失われた光景になった。

    戦争が大きな影を落とす時代の出来事が語られるものの、語り手の話しぶりに「時代の暗さ」は感じられない。
    それはそのまま

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    2013年09月09日
  • 退職刑事2

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    ネタバレ

    短編7話。

    遺書の意匠
    遅れてきた犯人
    銀の爪きり鋏
    四十分間の女
    浴槽の花嫁
    真冬のビキニ
    扉のない密室

    四十分間の女は,鉄道推理小説ならではの謎解き。
    最初は「悪夢の最終列車―鉄道ミステリー傑作選 (光文社文庫)」で読みました。

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    2012年07月15日
  • ちみどろ砂絵 くらやみ砂絵~なめくじ長屋捕物さわぎ(一)~

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    「しゃばけ」の畠中恵がこの作品の大ファンで,都筑道夫に師事したというのを読んだのが最初で,その後あちこちでちらちらと目にする作品名なので,手に取ってみました。うん,良いです。
    「いのしし屋敷」,ワルぶりが何ともいえません。

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    2011年09月30日
  • 怪奇小説という題名の怪奇小説

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    「第一章では、私はなにを書くか、迷いに迷って、題名もつけられない」―長篇怪奇小説の執筆依頼を受けた作家だったが、原稿は遅々として進まない。あれこれとプロットを案じながら街をさまようが、そこで見かけたのは30年前に死んだ従姉にそっくりの女だった。謎めいた女の正体を追ううちに、作家は悪夢のような迷宮世界へと入り込んでいく…。奇想にあふれた怪奇小説の傑作が現代に蘇る。

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    2011年09月22日
  • 宇宙大密室

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    懐かしくて泣きそう。あの頃は、小説をワクワクドキドキしながら読んでたものです。ハヤカワJA版は実家で多分捨てられてるはずw

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    2011年07月12日
  • ちみどろ砂絵 くらやみ砂絵~なめくじ長屋捕物さわぎ(一)~

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    なめくじ長屋シリーズ。一冊で二冊分楽しめるお得な新装版です。
    時代物だけど、これは時代物が苦手な人にこそ読んでほしい作品かも。わりと、現代人に向けての注釈が多くて、読みやすいです。あえて外来語を当て字にしたりしてるのも面白いし。
    そしてなんといっても、これでもかってほどの本格ミステリ度が! 密室殺人あり、予告殺人あり、そして名探偵による謎解きもあって。ミステリファンは見逃しちゃ駄目な作品でした。
    お気に入りは「天狗起し」。まさかここまできっちりとした密室殺人ものが時代物にあるだなんて! トリックもさながら、動機部分にもなるほど、と唸らされます。「南蛮大魔術」も、かなりスケールの大きいトリックか

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    2012年01月16日
  • 怪奇小説という題名の怪奇小説

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    帯に道尾秀介の名前があったので購入してみた。
    太宰治の物語のように、作者=主人公なのか?と思わせる感じで、エッセイなのか小説なのかはっきりしないままストーリーが進む。そして気になって読み進める中に、巻き込まれた感じでハマっていた。好みではないが、気に入った。

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    2011年02月27日
  • 怪奇小説という題名の怪奇小説

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    現実と妄想と創作と夢が入り混じったような不思議な読みごこち。
    構成にもひねりがあって面白かった。
    作者の他の作品も読んでみたいと思った。
    書評で見つけた思いがけない拾い物だったなあ。

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    2011年02月15日
  • 退職刑事4

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    『連想試験』犯人から出された「風呂敷」「キングコング」の連想問題(笑)難しい(--;)
    『夢うらない』犯人がみた夢から事件の真相を(笑)
    『殺人予告』謎の殺人予告を受け取り殺害された被害者(笑)これも難しい(--;)
    『あらなんともな』椿さんの友人の遺品である小説を完成させる。椿さんへの挑戦状だね。
    『転居先不明』転居先不明のハガキを持って殺害された被害者。更にその被害者の息子も転居先不明のハガキを持って殺害される(笑)なかなか面白かった(笑)
    『改造拳銃』過去の事件の真相が。チョット意外な展開真犯人が面白かった。
    『著者サイン本』
    『線香花火』

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    2010年01月23日
  • 退職刑事2

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    『遺書の意匠』自殺する人間が楽しみにしている芝居のチケットを買うか?(笑)遺書の謎は納得(笑)
    『遅れてきた犯人』自首しようとしてきた狙撃犯人の恋人の死体(笑)考え方を変えるわけだね(笑)
    『銀の爪切り鋏』爪を切られてるのは分かりやすい(笑)しかし結末はすごいな。チョット現実離れしてしまっている感じの真相だったかな。
    『四十分間の女』駅に現れ謎の女
    『浴槽の花嫁』殺害された新婦。意外な真相。これも先入観に囚われているとダメだと言うことだね。
    『真冬のビキニ』
    『扉のない密室』花婿殺人。ちょっと無理があるような(--;)『黄色い部屋の謎』のような感じだ。

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    2010年01月23日
  • 猫の舌に釘をうて〈青春篇〉

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    その小説という媒体の使い方の常識を打ち破った書き方、そして探偵、犯人、被害者の一人三役という超アクロバットに加え主人公の切ない恋の話まで加わってどんどん感情移入してしまう。またそのアクロバットをジャンプリゾのように記憶喪失という手段を用いることなく、そしてフェアな手掛かりに読者への挑戦状まで入った本格ミステリ的にしっかりと成立させてしまっている。脱帽。同時収録の「哀愁新宿円舞曲」も良かった。泣ける、感動、笑えるなどなど。バラエティたっぷり。

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    2009年10月04日