都筑道夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ非人という非常に低い立場だが、センセーを中心に
協力し合って犯人を追いつめ、金をせしめる。
まず、キャラクターがとても魅力的。なめくじ長屋の面々がそれぞれの持ち味を活かし、息の合ったコンビネーションを見せるシーンは心が躍る。
そしてトリック、ロジックも超一級品。
魅力的な謎はもちろん、who,how,why,どれも存分に楽しめる傑作群になっている。
高評価の作品。
『よろいの渡し』
服をすり替え、描いた痣も消す。一石二鳥のトリック。
『ろくろっ首』
「首を切ることで、正気の男が狂人に殺されたように見せかける」という首切りのホワイが見事。
『春暁八幡鐘』
「風呂桶を盗んでくれ」という奇妙奇 -
購入済み
べらぼう村正は死なず
左文字がカートキャノンだと思えてきて、お関さんの周りにいるのは、マノンちゃんたち、仁丹塔は伊助親分かな。都筑道夫のハードボイルド風時代劇。これ、映像化して欲しいけど、俺等の頭じゃ、昔の東映か大映、日活の役者さんしかキャスティングできない。左文字は市川雷蔵、お関さんは左幸子かな。とにかく、筋立ては謎解き、アクションのサービスが一杯だけど、それ以上に江戸は深川あたりの情景描写を味わえる小説です。文章のお手本だよ。酔えるよ。
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Posted by ブクログ
古本で購入。
戦前・戦中の、主に東京で起きた事件について戦後に関係者が作家相手に語るという、独白体の「犯罪小説ふうの情話」短篇集。
玉ノ井バラバラ殺人事件や上野動物園クロヒョウ脱走事件、東京大空襲など、実在の事件も題材になっている。
作者が育った文京区関口の辺りを中心にした、文京区西部・新宿区東部が主な舞台。
そこに描かれる「東京」はむせかえるほどの猥雑さに満ちた「異世界」だ。
くりかえし描かれる縁日のギラギラとしたあやしい輝きは、今では見られない、失われた光景になった。
戦争が大きな影を落とす時代の出来事が語られるものの、語り手の話しぶりに「時代の暗さ」は感じられない。
それはそのまま -
Posted by ブクログ
なめくじ長屋シリーズ。一冊で二冊分楽しめるお得な新装版です。
時代物だけど、これは時代物が苦手な人にこそ読んでほしい作品かも。わりと、現代人に向けての注釈が多くて、読みやすいです。あえて外来語を当て字にしたりしてるのも面白いし。
そしてなんといっても、これでもかってほどの本格ミステリ度が! 密室殺人あり、予告殺人あり、そして名探偵による謎解きもあって。ミステリファンは見逃しちゃ駄目な作品でした。
お気に入りは「天狗起し」。まさかここまできっちりとした密室殺人ものが時代物にあるだなんて! トリックもさながら、動機部分にもなるほど、と唸らされます。「南蛮大魔術」も、かなりスケールの大きいトリックか -
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『連想試験』犯人から出された「風呂敷」「キングコング」の連想問題(笑)難しい(--;)
『夢うらない』犯人がみた夢から事件の真相を(笑)
『殺人予告』謎の殺人予告を受け取り殺害された被害者(笑)これも難しい(--;)
『あらなんともな』椿さんの友人の遺品である小説を完成させる。椿さんへの挑戦状だね。
『転居先不明』転居先不明のハガキを持って殺害された被害者。更にその被害者の息子も転居先不明のハガキを持って殺害される(笑)なかなか面白かった(笑)
『改造拳銃』過去の事件の真相が。チョット意外な展開真犯人が面白かった。
『著者サイン本』
『線香花火』 -
Posted by ブクログ
『遺書の意匠』自殺する人間が楽しみにしている芝居のチケットを買うか?(笑)遺書の謎は納得(笑)
『遅れてきた犯人』自首しようとしてきた狙撃犯人の恋人の死体(笑)考え方を変えるわけだね(笑)
『銀の爪切り鋏』爪を切られてるのは分かりやすい(笑)しかし結末はすごいな。チョット現実離れしてしまっている感じの真相だったかな。
『四十分間の女』駅に現れ謎の女
『浴槽の花嫁』殺害された新婦。意外な真相。これも先入観に囚われているとダメだと言うことだね。
『真冬のビキニ』
『扉のない密室』花婿殺人。ちょっと無理があるような(--;)『黄色い部屋の謎』のような感じだ。