あらすじ
バスの中で老人が隣席の若い男に話しかける――わたしは遠くで話す人間の唇が読めますが、この前も男女が心中の相談をしているので警察に知らせたところ、男女は俳優でした、芝居の稽古なのですよ、うっかり信じこめませんな、ですから今し方見た恐るべき相談も本当かどうか……。いろは48文字をタイトルに、才気溢れるショートショート集。
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Posted by ブクログ
いろはにひとつずつ題材を得たショートショート集。どれも短いながらも読み応えたっぷり。谷川俊太郎さんによる解説も凝っています。
お気に入りは「夜の声」。これ、たぶん「風見鶏」の原型ですよねえ。もちろんあの短編よりぐっと短いのだけれど、それでもエッセンスは充分に効いています。
ホラー好きとしては「沼」「わに」もぞくりとさせられて好きなテイスト。「猿の手」はまさかこんなアレンジをされているだなんて。ミステリ好きとしては「鏡の間」「つまずき」が面白くて印象的でした。
「狂訓かるた」もちくりと皮肉が効いていて面白いです。「老いても恋したがる」にはラストでくすりとさせられたし。「知己もくどけりゃ邪魔になる」ではほっこりさせられました。