平山瑞穂のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
日本ファンタジーノベル大賞受賞作。ガルシア・マルケスを代表としてた、いわゆるマジック・リアリズムといわれるジャンルに類する作品らしい。確かにリアルなんだが夢なんだか、此岸と彼岸の合間を行き来しているような、浮き足立った物語である。よって非常にあらすじが書きにくい。長編作品なのだが、ひとつひとつの章の独立性が高く、連作短編としても成立している。全体をものすごくざっくりまとめると、主人公とその家族の転落を描いたファンタジー作品である。だがこれだとものすごく誤解を招くと思われるので、一応章ごとに簡単にまとめておく。第一章 畳の兄主人公は、父母姉兄との五人家族であるが、兄は"アレ"
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Posted by ブクログ
この作家さん知りませんでした。なんか色々大変だったんですね…。
様々な恨みつらみが文章のあちこちから滲み出て、なかなかにホラーだけど読みやすいので蕎麦すするみたいにつるつるっと読める不思議な本(笑)
本のレビューなんて私のような素人が勝手に書いているだけなので、そこまで気にしなくても…と思うんですが、売れ行きを左右することを考えるとそうも言っていられないんですね。これまで無責任に好き勝手なこと書いていてすみませんでした(汗)
思うにこの作家さん、デビュー作路線で爆走したら「一部の人に熱狂的に支持されるカリスマ作家」になれたんじゃないかと思うんですが。
人の好みも同じだと思うんですけど、超メジ -
Posted by ブクログ
先日読んだ「2週間で小説を書く!」が徹底したハウツー本としたら、本書は実体験に基づいた小説家業の失敗学本だ。
本書で初めて著者のことを知ったが、文章表現が的確で、一気に読み進めた。新書だがミステリ系の読後感を得た。
著者は専業作家になる前は会社員を経験している。だからこそ会社員である編集者の立場を理解し、寄り添っている。しかし、そこに落とし穴があったのだ。(編集者への恨み節満載だけど...笑)
内容は自著を例に失敗した経緯を語るスタイル。その中で気になったのは「シュガーな俺」。著者は1型糖尿病患者で、この小説は糖尿病の経験を基にしたもので読んでみたくなった。
印象に残った一文
丹精込めて -
Posted by ブクログ
何ともやるせない恨み・辛みの羅列だな~…ってちょっと引きかけたけど、これがまたかなり的確な後悔論で(って何かよく分からん表現になってるけど)、実に楽しめる。少なくとも、前に読んだ”~億を稼ごう”とかよりよほど現実味があるし、創作と真摯に向き合う姿勢を強く感じる。そして、個人的にどちらの小説が読みたいかというと、間違いなくこちら。そういえば、どちらも小説作品を読んだことはないから、読み比べてみるのも一興かも。とはいえ、まずは平山瑞穂作品から。書評で気になった作品が2つ手元に積読(つんで)あり、近いうちに読んでみよう。ちなみにそれは”ラスマンチャス”と”3.15”。本書でも特に重点的に述べられてい
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購入済み
独特の文体
文体語り口が独特でこの作品の個性になっている。
とっつきは悪いが魅力的ともいえる。
ストーリーは比較的アップダウンが少なく進んでゆくが、最後が衝撃的。