辻早苗のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
この本に送る私からの最大の賛辞は、
「超絶胸糞悪かったけど読み切ってしまった」
である
ああよくもまあこんなに微妙に異なるイカれた連中を描き分けられたものだなぁと感心しつつ、
胸糞悪すぎて途中で本を閉じること数回。
それでも、読み切ってしまったのは、
FBIに取り調べを受けてる「マヤ」と呼ばれる謎の少女の語りに引き込まれてしまったからだ。
どこか飄々としていて掴みどころのないマヤ。
でも、彼女には、絶望の淵を覗き込んでなおしたたかな強さと他の者を勇気づける生命力が備わっている。
マヤの存在が、この暗く深い絶望の物語のひとすじの清涼剤となって、読み進めてしまうこと間違いなしだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレアシュリー・ウィーヴァーのコージーミステリ。
翻訳は初めてではないらしく、ハヤカワミステリ文庫から一冊出たことがあるらしい。
主人公は自覚なし美人の金庫破りエリー。金庫破りの叔父ミックと泥棒に入った際、国家の諜報機関に罠にかけられてしまうところから始める。
金庫破りの才能を買われ、諜報機関の依頼で国家機密を敵国に横流しすると思われる人物の屋敷に潜入すると、すでに当人が死体となっていて。。。
堅物だけどイケメンなラムゼイ少佐と、お互い最後の一歩が踏み出せないフェリックスとの三角関係を楽しむロマンス小説でした笑。ミステリ部分はほぼオマケです(一応、さりげなく伏線は張ってある感じ)。
軽く読めて、ミステリの中にロマンス成分が入っている感じが好きな方にはおすすめです。
シリーズものらしいので、どうか、二人のどっちとくっつくのか結論が出るまで翻訳続けてください。。。 -
Posted by ブクログ
バツイチの作家フィンレイは遅れている原稿についてエージェントとレストランで打ち合わせをしていた。話の内容と持ち物で殺人請負人と間違えられたフィンレイは殺人依頼を受けてしまい……。ドタバタサスペンス→
読んでいて「いやいやおかしいやろ(笑)」っていうシーンがたくさんなんだけど、フィンレイのキャラがとにかくサイコーで読ませる。面白かった!!
相棒のヴェロもキャラ濃いし、姉のジョージア、元夫のスティーヴンに婚約者のテレサなどなどとにかくキャラ立ちがすごい!楽しい。ストーリー的にも→
若干無理あるくない?と思いながらちゃんとラストまとめるのはすごい。なかなかの力技。でも清々しい感じはキャラが好感持てるからだろうなぁ(笑)
そしてラスト!引きが!引きがすごいんですが!!
コレは次の翻訳が楽しみすぎるー!!(2023年後半にお届け予定by翻訳者さんあとがき) -
ネタバレ 購入済み
ヒロインはちょっと「目くら蛇に怖じず」的な大胆な行動派。でもその上を行くヒーローに外堀を埋められ、抵抗しながらも彼を愛さずにはいられない。自尊心からくる彼への反抗も適度です。嫉妬で苦しむ自分に涙しているのも素直で健気で可愛いらしい。ヒーローもヒロイン一筋で、最後は大円団。
海を超えたり歴史上の人物が登場したり背景が壮大な割には、サスペンスやドラマティックな場面があまりなかったのが少々物足りなかったかな〜。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ伯爵家のヒーローと、アメリカの大富豪の娘ヒロイン。
二人は互いの利害の一致のためだけに結婚をした。
しかしヒーローが自分には愛する女性がいると宣言し、傷付いたヒロインはアメリカへ帰国。
10年後、ロンドンの地へ戻ってきたヒロイン。
そこでヒーローが出会ったのは、昔と違った魅力を持った女性で…。
ヒーロー、読む前は遊び回ってたのかなぁと思ってたらそうでもなかったけど、妻がいる身で他の女性と関係を持ってたのに全然悪いと思ってないところがなぁ。
愛する女性にも妻であるヒロインにも全然誠実ではないですね。
でもヒーローは再会した途端ヒロインにメロメロなように感じた。
ヒロインはとてつもなく健気で強い女性です。
ヒーローに愛されてるかは分からないけど、「わたしがふたり分の愛を持っている」
この言葉がとても印象に残りました。
これだからキャンディス・キャンプのヒロインは最高なんだ。
ずっと気になってたけど地雷本かな?と積んでた本作、とっても楽しめた。 -
Posted by ブクログ
耽美で、とてつもなく残酷な雰囲気の作品。
でもご安心ください。
この作品の猟奇的な部分は、文体によってかなり緩和されています。
執拗に暴力要素を細かく書くこともありません。
時に作者にそういう趣味があるのかと訝しむ作品もありますが、この小説の描写は必要最低限のものにとどまっています。
それでも、女性たちに起きた信じられないような出来事は、確かに残酷だと感じさせる。
酷い、おぞましい、その狂気が確かに感じられる作品です。
すでに被害女性たちは救出されていて、なんだかわからないままに、リーダー格の女性を、FBIが取り調べをするという、なかなか斬新な形式が特徴です。
リーダー格の女性、通称マヤが、また魅力的。
取り調べに協力的と言うわけでもなく、非協力というわけでもない。
一筋縄ではいかない、とても強かな女性です。
彼女が体験した”ガーデン”での出来事は、耐えがたい異常な場所。
“庭師”と呼ばれる男が作り上げたガーデンは、美しいけれど、そこに囚われた女性たちは蝶の翅を背中に彫られ、外の世界には出られない。
徐々に明らかになる彼女たちの残酷な運命、庭師の家族、とにかく酷い出来事が、マヤの口から語られていく。
読み手はそこで起こった出来事、彼女たちに起こった残酷な運命を知りたくなり、どんどん読んでしまうのですが、マヤの話は時系列が飛び飛びで、時折、マヤ自身の出自の話も入り混じります。
読み進めるに従い、マヤという人物の過去を知り、彼女の人柄も理解できてくる。
なにかびっくりするような、ミステリ的な魅力的謎があるわけでもないし、女性たちが救出されていることも明らかであるのに、どんどん読みたくなる感覚はとても新鮮でした。
レイプ、誘拐、殺人、暴力、といった猟奇的で気持ちの沈む要素が含まれながら、さらっと読めたのは驚き。
囚われた女の子たちの個性や、マヤの性格、語り口のおかげか。
ガーデンに囚われた女の子たち、どの子も反応や性格が違って、人物の描き方がとても良かったと思います。
取り調べをしているFBIの冷静なヴィクターと、熱くなりやすいエディソンも。
会話劇がユニークで、酷い事件なのに時折クスッと笑える場面も多い。
読後感もなかなかよかった。