辻早苗のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
第二次世界大戦次のロンドン。スパイもののエンタメとして読みやすく整えつつも、命や人生が簡単に扱われてしまう不穏さも漂う。
愛や情や誇りが、根底に守られている話で良かった。
きっともう少し殺伐にも、恐ろしくも、残酷にもできただろうストーリーラインだったけど。
私にはこのくらいのさじ加減のライトさが読みやすかった。
ストーリーを進めるための失態をする登場人物がいない。みな(裏稼業も含めた)技能があり、誇りもある。そして、戦時中でありながらそうした人間性が守られているフィクション。
しかし、ミスもなく高い技能もありながらも、1本間違えば命や人生が簡単に失われてしまう不穏さが、深みをだしている。 -
Posted by ブクログ
シリーズものの第2作目。初回作より、登場人物の背景を説明しなくてすむので面白いものが多いよね。今回はテムズ川で亡くなった女性のブレスレットのカギを、ラムゼイ少佐の依頼でエリーが開けるところから事件は始まる。
スパイがからむ事件の展開は読んでいて面白いし、エリーとラムゼイ少佐、エリーとフェリックスのそれぞれのロマンスも気になる。なのに、楽しく読み進めていると突然(予期していたことではあったが)、ロンドンに空襲が襲い掛かる。どこか遠いところであった戦争が、今、ここで起こってしまった。今までも現実だと思っていたのに、ロンドンの街が破壊され、命の危険を感じたとき、さっきまで楽しくお茶を飲んでいた日々が -
Posted by ブクログ
金庫破りの腕を買われて、堅物上司とスパイ稼業に?
第二次世界大戦中のイギリスを舞台にしたコージー・ミステリ。
エリー・マクドネルは、家業が金庫破りという一家の娘。ある矜持を持って、仕事をしていました。
叔父のミックと仕事中に、不覚にも捕まってしまうが。
時は1940年。
陸軍のラムゼイ少佐は、ある目的のため、金庫破りを必要としていて、協力すれば罪に問わないと約束する。
勝ち気で有能で、生き生きとしたエリーが、暗くなってもおかしくない状況下で、楽しげな空気を醸し出します。家族の仲がよかったり。でも、過去に謎もあったり?
一方、ほとんど表情が変わらず、整った容姿で上流階級の出とはっきりわかるラ -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
Posted by ブクログ
この本に送る私からの最大の賛辞は、
「超絶胸糞悪かったけど読み切ってしまった」
である
ああよくもまあこんなに微妙に異なるイカれた連中を描き分けられたものだなぁと感心しつつ、
胸糞悪すぎて途中で本を閉じること数回。
それでも、読み切ってしまったのは、
FBIに取り調べを受けてる「マヤ」と呼ばれる謎の少女の語りに引き込まれてしまったからだ。
どこか飄々としていて掴みどころのないマヤ。
でも、彼女には、絶望の淵を覗き込んでなおしたたかな強さと他の者を勇気づける生命力が備わっている。
マヤの存在が、この暗く深い絶望の物語のひとすじの清涼剤となって、読み進めてしまうこと間違いなしだ。 -
-
Posted by ブクログ
ネタバレアシュリー・ウィーヴァーのコージーミステリ。
翻訳は初めてではないらしく、ハヤカワミステリ文庫から一冊出たことがあるらしい。
主人公は自覚なし美人の金庫破りエリー。金庫破りの叔父ミックと泥棒に入った際、国家の諜報機関に罠にかけられてしまうところから始める。
金庫破りの才能を買われ、諜報機関の依頼で国家機密を敵国に横流しすると思われる人物の屋敷に潜入すると、すでに当人が死体となっていて。。。
堅物だけどイケメンなラムゼイ少佐と、お互い最後の一歩が踏み出せないフェリックスとの三角関係を楽しむロマンス小説でした笑。ミステリ部分はほぼオマケです(一応、さりげなく伏線は張ってある感じ)。
軽く読めて